【執筆者:管理栄養士 上月典子】
白玉粉は糖質が高めなので、摂り過ぎると肥満や生活習慣病の原因になる可能性があり、体に悪いとされることがあります。
糖質制限やダイエット中でもやっぱり食べたい!というときに、美味しく楽しめる使い方や工夫、栄養成分などの情報をお届けしますね。
白玉粉のこと
- 糖質を摂り過ぎると太る理由
- 糖質量やカロリーと糖質制限する場合の摂取量は
- 注意が必要な成分とアレルギー
- ダイエット中の使い方やグルテンフリーの代替えレシピも
糖質を摂り過ぎると体内で何が起こるのか、インスリンの作用やダイエット中でも糖質が必要な理由、レシピなど知りたい人はぜひ参考にしてくださいね。
目次
白玉粉が体に悪いとされる理由|食べ過ぎれば太る可能性あり
白玉粉が体に悪いとされる理由は、食べ過ぎると糖質の摂り過ぎで肥満や生活習慣病の原因になったり、アレルギーの可能性があったりするからです。
肥満 生活習慣病 |
糖質やカロリーの摂り過ぎ |
---|---|
アレルギー | 体質による |
残留農薬 | ほぼ心配なし |
同じ米粉から作られているのは、白玉粉以外にも上新粉やだんご粉などがありますが、糖質量やカロリーもそれほど変わりません。
上新粉やだんご粉との違い
白玉粉:原料はもち米で、やわらかいなめらかな食感を活かした白玉団子や大福などの和菓子に使われます。
上新粉:原料はうるち米で、弾力のある柏餅やういろう・すあま・ちまきなどの和菓子に使われます。
だんご粉:原料はうるち米ともち米で、串にさす団子や大き目の団子などの和菓子に使われます。
白玉粉のように糖質が多いものを食べ過ぎると太るのは、インスリンのはたらきも関係しています。
糖質を摂り過ぎると太る理由|インスリンの作用
白玉粉は糖質もカロリーも高めなので食べ過ぎると太る可能性がありますが、その理由にはインスリンのはたらきによる影響を受けていることがあげられます。
エネルギー | 347kcal | ビタミンB₁ | 0.03mg |
---|---|---|---|
タンパク質 | 6.3g | 葉酸 | 14mg |
脂質 | 1.0g | 亜鉛 | 1.2mg |
炭水化物 | 糖質 79.5g | 鉄 | 1.1mg |
食物繊維0.5g | リン | 45mg |
摂取した糖質はブドウ糖として血管に入り込み全身のエネルギー源となりますが、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)も上がります。
このとき血糖値を下げるホルモンであるインスリンが膵臓から分泌され、一定の濃度まで下げるはたらきをしています。
このインスリンは、脂肪組織に対して3つの作用があるといわれています。
- 血液中から脂肪組織へのブドウ糖の取り込みを強める
- 脂肪細胞内でのブドウ糖から中性脂肪へ合成の進める
- 脂肪細胞内での中性脂肪の分解を抑える
このような作用から糖質を過剰に摂取すると、脂肪細胞内に中性脂肪を貯めやすくなり太る可能性があるため、食べる量には注意が必要ですね。
血糖値を上げるホルモンはいくつかありますが、下げるホルモンはインスリンだけので、食べ過ぎには気をつけたいですね。
糖質制限やダイエットをしている場合は、どれくらい食べられるのか算出してみましょう。
白玉団子のカロリーや糖質量|ダイエット中の使い方
白玉粉100gに水90~95gを加えて白玉団子を作ると、1個約10gの団子が約20個でき、1個あたりのカロリーは約17kal・糖質は約4gとなります。
糖質制限をしている人の一日の摂取目安量は、このようになります。
(20~40g)×3食+間食10g= 70~130g
白玉団子のみを糖質制限中に間食として考えると、残念ながら食べられるのは2個半くらいです。
そこで白玉粉の半分を低糖質な豆腐に置き換えて団子を作ると、1個当たりの糖質を約2gまで落とせるので5個くらいは食べられそうですね。
カロリーで考えた場合は間食なら約200kcalまでとされています。(※2)
100kcal分を10gの白玉団子5~6個にして、なにかトッピングをするとよいですね。
あんこや砂糖・アイスなどの高カロリーなトッピングは、あっという間にカロリーオーバーになるのでダイエットをしている人は特に食べる量には気をつけてくださいね。
あんこを手作りしたりヨーグルトアイスをトッピングするのもよいでしょう。糖質制限やダイエット中の強い味方のラカントもおすすめです。
ラカントとは?
羅漢果(らかんか)という植物から抽出された甘味料です。成分表示では炭水化物としての記載もありますが、主成分である天然甘味成分エリスリトールのほとんどが代謝されないため、エネルギーとされずカロリーが発生しない甘味料といわれています。
米アレルギーの可能性がある人は白玉粉でも症状がでる可能性があります。
原料のもち米にはグルテンが含まれる?米アレルギーの人は注意
米アレルギーがある人は、もち米が原料の白玉粉を使ったお菓子や料理を食べるのは注意が必要です。
もち米のデンプン質はアミロペクチン100%で、もちもちした食感が特徴です。
しかし、このアミロペクチンを分解しにくい体質の人でアレルギー症状が出る人は、白玉粉でも同じ症状が出る可能であるので、疑わしい場合は病院で受診してくださいね。
また、白玉粉はグルテン含有量は20ppm以下のグルテンフリー食品といわれ、グルテン不耐症の人も比較的安心して食べられます。
グルテンとは
ラテン語で「糊」という意味を持つグルテンは、小麦に含まれるタンパク質です。水を加えるとベタベタした糊状になり、この粘着性を活かして、パンやケーキは作られています。グルテンは消化されにくいタンパク質なので、体質によっては腸内環境が悪化することもあります。
残留農薬に関しては、健康に害がない量を算出して基準が設定されており、さらに加工されている白玉粉に関してはそれほど心配する必要はありませんが、気になる人は有機栽培の白玉粉を選ぶとよいですよ。
白玉粉は適量なら体にもあり、活用の仕方によってメリットもうまれます。
白玉粉の栄養成分とメリット|糖質の必要性とは
白玉粉に含まれる栄養素は、さまざまなはたらきをしています。
炭水化物 | エネルギー源となる |
---|---|
ビタミンB₁ | 糖質の代謝に関与 |
葉酸 | 赤血球の生産を助ける |
亜鉛 | 酵素の構成成分 |
鉄 | 酸素の運搬・貯蔵に関与 |
リン | ・骨や歯の成分 ・体液の浸透圧調整 |
糖質制限やダイエットをする場合は、極端な制限や偏食で糖質が不足すると疲労感や集中力の低下にもつながるおそれがあるため、ある程度の糖質の摂取は必要です。(※5)
糖質はブドウ糖として体のエネルギー源であり、脳や神経にも必要不可欠な栄養素なので、糖質も含めバランスよく食べることや運動との併用がとても大切ですね。
白玉粉の成分が医薬品のように、病気に対する効果・効能が期待できるものではありませんが活用の仕方によってはメリットもあります。
グルテンフリー食品ともいわれる白玉粉は、アレンジしやすい食品です。
グルテンフリーでアレンジ可能|代替えレシピも
白玉粉は小麦粉の代用としても使えるため便利な食品です。
- 揚げ物の衣
- パンやクッキー・お好み焼きなどの生地
- ホワイトソース
- スープのとろみづけなど
ここで、小麦粉を白玉粉とおからパウダーに置き換えたミニマフィンの作り方を紹介しますね♪
ミニマフィン
材料
(ミニマフィン型12個分)
白玉粉:25g
おからパウダー:25g
アーモンドプードル:25g
塩:ひとつまみ
ベーキングパウダー:小さじ2
☆豆乳:100cc
☆ラカントシロップ:30g
☆油:25g
☆バニラエッセンス:少量
☆冷凍ベリーミックス:50g
- 白玉粉を密閉袋やビニール袋に入れてよく砕き、粉類は一緒にしておく
- ☆の材料を一緒にしたあと①を加え混ぜ合わせ、カップに入れる
- オーブン180℃で25分程焼いて、出来上がり
ミニマフィン1個分約31kcal・糖質約2.6gなので、糖質制限やダイエット中に人にも安心して食べられます。
お菓子作りにはラカントはシロップを使うとよいですよ。
白玉粉の賞味期限や保存方法、ほかのレシピについてはこちらの記事も参考にしてくださいね。
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結論|白玉粉は体に悪いわけではなく使い方次第
- カロリーも糖質量も高めなので食べ方を工夫する
- 糖質の摂り過ぎはインスリンの作用で太る可能性も
- 白玉団子には豆腐を加えると糖質を抑えれらる
- 原料はもち米なので米アレルギーの人は要注意
- グルテンフリー食品で小麦粉との代替えも可能
白玉粉は、糖質もカロリーも高めなので体に悪いとされることもありますが、使い方や工夫をすれば、糖質制限やダイエット中でも楽しむことができるので、活用してみてくださいね。