【執筆者:編集部大室康代】
羊羹は、練り羊羹・水ようかん・蒸し羊羹・いも羊羹など種類によって賞味期限や日持ちもさまざまです。
その中でも練り羊羹は、大量に溶けた砂糖の効果で未開封なら常温保存で日持ちします。
開封後や手作りの羊羹は、空気に触れて常温保存で置くとカビが生える・腐る可能性もあるため、下記のことを調べてみました!
羊羹(練り羊羹)のこと
- 市販品の常温保存は可能か?
- 冷やすと変化する状態
- 腐ることはあるのか
- 正しい保存方法
贈答用に羊羹を考えている方は、常温保存ができて賞味期限が長い物を選ぶと喜ばれますよ。
常温保存で5年長持ちする羊羹も最後にご紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
羊羹は未開封なら常温保存できる|冷やす必要は?
市販の羊羹(練り羊羹)は、未開封なら常温保存可能で賞味期限が長めです。
いも羊羹や栗蒸し羊羹の場合は、製造方法や材料の違いから常温保存できない物が多く、日持ちも短くなります。
未開封 | |
---|---|
練り羊羹 | 3週間~1年程度 |
水ようかん | 3日~1年程度 (要冷蔵の物も) |
栗蒸し羊羹 | 10~90日程度 (冷凍便の物も) |
いも羊羹 | 2~1週間程度 (要冷蔵) |
羊羹が常温保存できるのは、加熱殺菌や、材料に含まれる60~70%の砂糖が微生物の増殖を抑えているからです。
賞味期限が長い物は密閉してあり、光や酸素などの痛む要因から守る工夫をしています。
とらやの羊羹は賞味期限が1年と長く、賞味期限切れから1年経っても品質が変わらないとHPで紹介しています。
羊羹の消費期限・賞味期限は商品により違い、賞味期限なら品質の保証にある程度余裕があるため、賞味期限切れ後も食べられる可能性があります。
賞味期限切れ後、食べられる日にちの計算方法は、こちらの記事に詳しく載っていますよ。
詳しくはこの記事をチェック!
水ようかんの日持ちは、こちらからチェックしてくださいね。
詳しくはこの記事をチェック!
未開封なら賞味期限が長い羊羹も、開封後は日持ちが短くなります。
開封後の日持ち|冷蔵庫・冷凍がおすすめ
羊羹の開封後と手作りは、空気中に浮遊している菌が付着するため、常温放置すると爆発的に増殖し始めます。
温度を低くすると微生物の動きが緩やかになるので冷蔵庫や冷凍して日持ちさせましょう。
冷蔵 | 冷凍 | |
---|---|---|
市販品(開封後) | お早めに | 推奨していない |
手作り | 2~3日程度 | 3週間程度 |
ネットでは、羊羹の冷凍方法を載せていますが、羊羹を長期で冷やすと風味が変化するため推奨していないメーカーもあります。
冷やす・乾燥で起こる糖化は食べられる
冷蔵庫や冷凍庫で冷やし続けると、低温や乾燥により羊羹が糖化します。
古見屋の高瀬舟羊羹には、糖化させて食べる方法が載っていますが、注意事項をよく読んで行ってください。
こちらが、常温さらし約2週間後の表面糖化した高瀬舟羊羹でございます。噛んだ瞬間シャリッとした歯ざわりと程よい甘さが美味でございます。 pic.twitter.com/uM6mhRoJ6k
— ぽろ@川崎区 (@polo_kawasaki) January 7, 2021
糖化させた羊羹を好む人には、村岡屋の羊羹がおすすめです。
自分で糖化させる場合、常温放置すると1週間以内にカビが生える可能性もあります。
羊羹は腐らないと言われていますが、未開封時が腐りにくいだけで開封後は腐ることもあります。
腐るとどうなる?食べられない状態の見分け方
羊羹は、未開封で正しく保存していれば賞味期限まで痛む可能性は低いですが、開封後は腐る・カビが生える可能性が高いので下記のような状態が見られたら食べないでくださいね。
- 未開封で袋が膨張している
- カビが生えている
- アルコール臭や異臭がする
また、和菓子に起こるかもしれない食中毒菌はボツリヌス菌と黄色ブドウ球菌です。
ボツリヌス菌 (※3) |
黄色ブドウ球菌 (※4) |
|
---|---|---|
特徴 | ・酸素が無い状態で増殖 ・熱に強い ・増殖すると容器が膨張 ・開封すると異臭がする |
・手指の傷口 ・口や鼻に生息 ・毒素は熱に強い |
症状 | ・吐き気 ・おう吐 ・言語障害など |
・吐き気 ・おう吐 ・腹痛 |
予防方法 | ・空気に触れている 食品にはいない ・缶詰や 真空パックは注意 ・3℃~-18℃で保存 |
・手指の洗浄 ・手袋をする ・傷がある場合は 手作りしない ・10℃以下で保存 |
食べても大丈夫か心配しないためにも、日持ちする保存方法をご紹介しますね。
羊羹を日持ちさせるコツ|手作り・開封後は冷蔵庫か冷凍を
未開封の時は、冷蔵・冷凍しても日持ちが延びるわけではなく、状態も安定するので高温多湿を避けて常温保存しましょう。
手作りや開封後、冷蔵庫や冷凍庫に保存する時は必ずラップで密閉して空気に触れないようにしてください。
常温 | × |
---|---|
冷蔵 | ・一回分に小分けする ・ラップをピッタリ密封する ・ジッパー袋に入れて保存 |
冷凍 |
また、温度変化させると表面に水滴が付着してカビの原因を作るので、冷やしたり常温に戻したりを繰り返さないようにしましょう。
冷蔵庫に入れると数日は持ちしますが、固くなる・糖化するので早めの消費がおすすめです。
市販品の羊羹は、メーカーが冷凍をおすすめしていない場合もありますが、手作りは冷凍すると一番日持ちしますよ。
手作りは冷凍すると日持ちする|糖化を防ぐには
羊羹は大量の砂糖が溶けているため、冷凍してもカチカチにならず、解凍後も食感は変わりません。
3週間程度日持ちしますが、その間に糖化する可能性が高く作り方で多少変わるようです。
- 一気に煮溶かさず、中火程度で時間をかけ砂糖を溶かす
- 鍋の周りに付着した羊羹をそのままにしないで混ぜる
こちらのえいようかんは5年常温保存可能です。
アレルギー物質不使用でどなたでもエネルギーが補給できるため、災害用におすすめですよ。
結論 | 羊羹は未開封なら常温保存できるが開封後は冷蔵庫へ
- 未開封は常温保存できる
- 開封後は冷蔵保存しよう
- 冷やす・乾燥の糖化は食べられる
- カビや異臭がしたら食べない
- 手作りは冷凍すると日持ちする
未開封なら常温保存で長持ちする羊羹は災害用にも便利です。
水ようかん、いも羊羹や蒸し羊羹など常温保存できない物もあるので、パッケージを必ず確認してください。
羊羹は、冷蔵庫に入れると糖化するので、そのままの食感が良ければ常温保存で十分ですが、開封後や手作りは、常温保存できないので冷蔵庫で保存しましょう。
手作りは冷凍保存が一番日持ちするので、食べ切れない場合は活用してくださいね。
※2 和菓子製造に置ける一般衛生管理 | (食品産業センター)
※3 ボツリヌス菌 | 食品衛生の窓(東京都福祉保健局)
※4 黄色ブドウ球菌 | 食品衛生の窓(東京都福祉保健局)