【執筆者:管理栄養士 鳥越菜生】
ガリガリ君には賞味期限の表示がありませんが、実はほかの市販アイスにもほとんどの場合、記載されていません。
ガリガリ君を含めアイスは基本的に冷凍保存が必須なので腐りにくいとはいえ、案外劣化しやすいため注意が必要です。
せっかく買っておいたガリガリ君を家庭でも美味しく安心して食べられるように、次の項目について詳しく解説します。
ガリガリ君のこと
- 賞味期限は設定されているのか
- アイスが腐らないと言える理由
- 食べない方が良い劣化の見分け方
- 劣化させない保存のコツ
冷凍庫の奥から去年買ったガリガリ君を発見して食べられるのか悩んでいる方や、アイスの消費期限が気になっている方もぜひ参考にしてください。
目次
ガリガリ君には賞味期限がない理由と保存期間の目安
赤城乳業の氷菓・ガリガリ君は腐りにくいため賞味期限が記載されていませんが、保存状況や期間によっては風味や品質が劣化する場合があります。
状態 | 保存期間の目安 |
---|---|
未開封 | 購入から半年程度 |
開封後 (食べかけ) |
なるべく早めに (当日中がおすすめ) |
アイスには氷菓やシャーベットのほかにアイスクリームやラクトアイスなどの種類がありますが、どれにも賞味期限は表示されてない場合が多いです。
分類 | 乳固形分 | うち 乳脂肪分 |
|
---|---|---|---|
アイスクリーム 類 |
アイスクリーム | 15%以上 | 8%以上 |
アイスミルク | 10%以上 | 3%以上 | |
ラクトアイス | 3%以上 | - | |
氷菓(シャーベットを含む) | 3%未満 | - |
アイスに賞味期限が書かれていない理由や100年経っても腐る可能性はないのか、いつまで食べられるのかなどについて解説します。
アイスには賞味期限がない!腐らない理由
ガリガリ君を含めアイスは冷凍庫で-18℃以下を守って保存されていれば品質劣化しにくく、微生物も増えないため長期でも腐る心配はありません。(※1)
そのため市販アイスには賞味期限を記載しなくても良いことが、食品表示法という法律で定められています。(※2)
例外的に、シャトレーゼのアイスは賞味期限が記載されていることでも有名です。
冷凍中は腐らないとはいえ、アイスも保存状況によっては安全性に問題が生じて食べられなくなる場合があるので、見分け方を知っておきましょう。
霜の大量発生・変形があったら食べない方が良い
ガリガリ君をはじめアイスはあまりに霜や氷が多く付いたり、変形して固まったりしていたら食べない方が良い状態です。
見た目 変色 |
・表面に霜や氷が多く付いている ・容器・袋からはみ出して固まっている ・氷のように固まっている ・変形している |
---|---|
臭い 匂い におい |
臭いにおい(冷蔵庫臭)がする |
味 食感 触感など |
・いつもと違う味がする ・食感が通常と異なる (ザラつく・硬すぎて噛めないなど) |
アイスは店舗で購入すると、持ち帰って保存するまでの間に少しずつでも常温になりがちで、溶ける場合もありますよね。
また温度管理された業務用とは違い、家庭の冷凍庫は頻繁に開閉することもあり、-18℃以下を保てない場合もよくあるのです。
霜が付いたアイスは、中の水分が減り氷粒ができて固くなって風味が変わったり、においを吸って臭くなったりしている場合もありますよ。
SNSの口コミを覗いてみると、半年くらい保存していたガリガリ君は「霜が多い」「変形していた」という状態になることが多いようです。
ガリガリ君が霜はってる pic.twitter.com/2zBkiHVNA0
— げんまい おはララの民 (@genmai_FF14) February 4, 2021
こちらのように霜や氷でカチカチになったガリガリ君は噛むのもたいへんですが、美味しく食べられないかもしれません。
ガリガリ君をより美味しく食べるため、家庭の冷蔵庫でもなるべく霜や変形を防げる保存方法を実践しましょう。
ガリガリ君に賞味期限を作らない冷凍保存のコツ
アイスを風味や品質が劣化した賞味期限切れの状態にしないためには、密封して乾燥や酸化を防ぎ、冷凍庫を上手に使ってなるべく早めに食べましょう。
常温 | 不可・できる限り避ける (持ち帰る際も 温度が上がらないよう注意) |
---|---|
冷蔵 | |
冷凍 | ・冷凍室のなるべく奥の方に入れる ・袋ごと保存用袋に入れて密封 ・開封後や食べかけはラップで包み 保存用袋に入れて密封 ・冷凍庫の温度が上がらないよう 使い方を工夫する |
冷蔵庫の機種によって異なりますが、一般的に冷凍庫の温度は-18℃前後に保てるように設定されています。
しかし設置場所や使い方によって内部の温度が上がりやすく、冷凍庫内も低温を保てず温度変化を繰り返す場合がよくあるのです。
- 扉の開閉は回数を減らしなるべく素早く行う
- 冷蔵庫内は全体的に詰め込み過ぎない
- 冷気の吹き出し口・通り道を塞がない
- 定期的に冷凍庫の掃除・霜取りをする
- 熱い食品は冷ましてから入れる
- 食品は取り出しやすく並べて収納する
冷蔵庫の使い方を見直すと同時に、ガリガリ君をより美味しく保存する冷凍のコツを押さえておきましょう。
乾燥と酸化を防ぐ冷凍庫保存のポイント
アイスは空気に触れる状態だと乾燥して霜が付きやすくなるうえ、素材によっては成分の酸化も進むため、密封することが大切なポイントです。
プラスチック素材の包装はわずかに通気性があるので、袋ごとジップ付きの保存袋やナイロン袋に入れて密封しておくとより安心ですよ。
開封後や途中まで食べたあとで保存したい場合は、ラップで包み袋に入れて密封してから冷凍庫に入れ早めに食べましょう。口を付けて食べたものや長く常温に置いたものは傷む可能性が高まるので、おすすめはできません。食べられそうにないと感じたら早めに残す部分を取り分けて保存しておくと良いですね。
購入後の保存期間を長くしないため、買った順に取り出せるように並べ方も工夫しましょう。
詳しくはこの記事をチェック!
家庭での冷凍保存を成功させるには、まず購入先から溶かさず持ち帰る必要があります。
アイスを買うときは、保冷効果の高い買い物バッグがあると良いですね。
保冷剤や店舗でもらえる氷を活用して、できる限り低温を保って持ち帰りましょう♪
結論|賞味期限のないガリガリ君は霜を防いで早めに食べよう
- 賞味期限は設定されていない
- -18℃以下を保てれば品質が安定したまま長期保存できる
- 腐るよりも霜や溶けて変形するなどの劣化に注意
- 劣化防止には冷凍庫を低温に保ち密封保存が大切
- 購入後持ち帰るときから低温を保つことが重要
ガリガリ君には賞味期限が設定されていませんが、保存の仕方や期間によっては霜が付いて固まるなど劣化して、美味しく食べられない場合があります。
変形して固まった場合は風味が悪くなるだけでなく、安全性に問題が生じている可能性もあるため要注意です。
せっかく買ったガリガリ君は、冷凍庫を低温に保つコツや劣化を防ぐ保存法を活用して、早めに美味しく食べましょう。