【執筆者:編集部 対島敬】
卵白は日持ちしないものと考えて、基本的に卵を割ったらなるべく早めに食べるようにしましょう。
まれに卵の中にサルモネラ菌が入ることがあり、保存状態や保存期間を誤った卵白を食べると食中毒の危険性があります。
とはいえ、卵黄だけを使う調理や製菓では卵白が余ることもありますよね。
この記事では卵白を安全に食べ切ることを目的に、日持ち期間の目安や賞味期限切れでも食べられるかなど、以下の項目について紹介します。
卵白のこと
- 日持ち期間の目安
- 賞味期限切れでも食べられるか
- 鮮度が落ちて腐ったときの特徴
- 冷凍保存方法と保存期間
卵白を冷蔵庫に保存してよいのか分からない人や、冷凍保存期間はどれくらいなのか知りたい人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
卵白はいつまで日持ちする?使用期限は翌日まで?
卵白は日持ち期間が明確ではないので、卵を割ったらなるべく時間を置かずに消費するのが基本です。
常温 | なるべく早く |
---|---|
冷蔵 | 翌日まで |
冷凍 | 1ヶ月ほど |
卵白には殺菌酵素(リゾチーム)が含まれており、腐りにくいという情報もあります。
中には半年も賞味期限切れの卵を食べても、問題なかった人もいるようです。
賞味期限半年過ぎた卵でバナナケーキ作って食ったけどなんともなかったよ
でも良い子はマネしないでね— 縁(ゆかり) (@Ykr04rah) May 21, 2021
しかし卵は割ってしまうと空気中や人の手指などから細菌が付着しやすい状態になり、鮮度が落ちてリゾチームによる殺菌効果も徐々に失われていきます。
サルモネラ菌が増殖しても味や臭いは変化しないため、割ってから数日経過した卵白を自己責任で食べるのは、食中毒のリスクを考えると推奨できません。
卵白を食べるときは安全を優先し、冷蔵しても使用期限は翌日までと考え早めに食べるのが賢明です。
卵白を取りだすときは卵の賞味期限も大切な情報なので、チェックしてから割りましょう。
賞味期限切れでも大丈夫?食べる時の注意点
賞味期限が多少切れても正しく保存された卵の卵白であれば、食べられる可能性があります。
卵の賞味期限は、10℃以下で保存された割れのないものが生食可能な期限を示しているからです。
消費期限:安全に食べられる期限のこと
正しく保存された卵であれば、賞味期限切れから7〜10日間ほどは加熱して食べられます。
サルモネラ菌をはじめ多くの細菌は75℃で1分以上の加熱によりほぼ死滅するので、卵白が固まるまでしっかり火を通すと安心です。(※2)
ただし卵白に熱を加えると、リゾチームの殺菌作用は失われます。加熱した後は、早めに食べましょう。
食べられる賞味期限切れの卵白もありますが、腐っていないか確かめることも大切です。
卵白が腐るとどうなる?食べられる場合の異変も
卵白は鮮度が落ちると色が透明でシャバシャバとした液状になり、さらに腐ると変色や強烈な不快臭がして食べられなくなります。
鮮度落ち | 腐敗 | |
---|---|---|
見た目 変色 |
透明 | ・蛍光黄緑色 ・黒色 |
臭い 匂い におい |
やや生臭い | ・強烈な温泉臭 ・アンモニア臭 |
味 食感 触感など |
シャバシャバ |
卵白が水っぽくなる理由は、時間が経過すると弾力を維持する炭酸ガスが抜けていくからです。
またやや魚っぽい生臭さは、ニワトリのエサに由来する臭い物質のトリメチルアミンが原因で、腐っていない卵でも臭うことがあります。
ただし卵白が腐ったときは硫黄系アミノ酸が分解されて発生する硫化水素の強烈な臭いがただようため違いが分かりやすいです。
一方、卵白に腐ったのかな?と思われる異変があっても食べられる場合があります。
- 小さな血液片(ブラッドスポット)
- 木くずのようなもの(ミートスポット)
- 白いかたまり
上記の異物は、産卵されるまでにニワトリの生理現象により混入した少量の血液や木くずのように見える殻の色素、また卵の組織が未成熟な状態で形成されたものなどです。
これらはブラッドスポットやミートスポットと呼ばれ、法律上は食用には不適とされているため流通前にほぼ除かれています。
異物が少量であれば食べても体に影響はありませんが、気になる場合は取りのぞき加熱して食べるのがおすすめです♪
卵を安全に食べる方法ついては、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
詳しくはこの記事をチェック!
卵白が腐る前に活用してほしい日持ちする保存方法があるので、保存期間目安とともに紹介します。
日持ちする卵白の保存方法は?保存期間目安も紹介
卵白を日持ちさせたい場合は、1ヶ月ほど保存できる冷凍保存が適しています。
保存方法 | 保存期間目安 | |
---|---|---|
常温 | NG | - |
冷蔵 | 保存容器に密閉 | 翌日まで |
冷凍 | 保存容器に密閉 | 1ヶ月程度 |
前述の通り、常温保存は避けてすぐ冷蔵庫に入れ、翌日中には食べ切るようにしてください。
冷蔵庫に入れておけば、多くの細菌は10℃以下で増殖がゆるやかになるので安全性が高まります。
しかし冷蔵保存をしても細菌は死滅するわけではないので、利用には注意が必要です。
冷蔵庫での保存方法|卵白の一時的な避難場所
卵白を冷蔵庫で保存する場合は清潔な容器に入れ、乾燥と細菌の付着を防ぐためにラップや蓋をして密閉しましょう。
ただし冷蔵保存では、細菌の増殖を完全に防ぐことはできません。
あくまで一時保管する避難場所として利用し、翌日までに食べるようにしてください。
卵白は冷凍保存できる!解凍方法と使い方も解説
卵白は使いたい分だけ解凍できるように、1個分ずつ小分けして冷凍しておくと便利です。
- ラップで茶巾しぼりにしてゴムで結ぶ
- シリコンカップに入れてラップをする
ラップを使う方法が一般的ですが、繰り返し使えるお弁当用シリコンカップなら手間が少なく冷凍できます。
解凍するときは、使いたい時間の6時間ほど前に冷蔵庫に移してゆっくり戻しましょう。
卵白は加熱しすぎると固まってしまうので、様子を見ながら解凍してください。
また解凍後は鮮度が落ちるため、必ず加熱して早めに食べるようにしましょう。
スープの具やフライの衣づけなど幅広く使えますが、おすすめはメレンゲを使う焼き菓子です。
冷凍後の卵白は粘りが少なく空気が入りやすいです。半解凍で混ぜると短時間で泡立てられますよ♪
冷凍卵白の便利な使い道として、ぜひ活用してみてくださいね。
結論 | 卵白は冷凍保存で日持ちする!解凍後は加熱して食べよう
- 卵を割ったら早めの消費が基本
- 常温放置は避けすぐに冷蔵庫へ
- 多少の賞味期限切れなら加熱調理で食べられる
- 冷凍保存期間は1ヶ月ほど
- 冷凍卵白でメレンゲが楽に作れる
卵白は常温放置を避けて必ず冷蔵庫に入れ、早めに食べるようにしましょう。
すぐに食べない場合は冷凍保存をすると、日持ち期間が延びるのでおすすめです。
賞味期限切れの卵白や割ってから時間が経過したもの、また解凍後は、必ず加熱してから食べてください。
卵白が余ったときは、紹介した保存方法や使い方をぜひ利用してみてくださいね。