【執筆者:編集部 坪田八重】
甘酒が腐ると緑色や黒色などのカビが生えたり味がおかしくなったりする場合があります。
このような腐った甘酒を飲んだら食中毒症状が出る危険がありますが、異変の中には比較的安全なものも混ざっています。
そこで甘酒が飲めるか判断する見分け方のポイントや、異変が起こる原因など次のような項目を紹介します。
甘酒のこと
- 甘酒が腐るとどうなるか
- 腐敗以外で味や色が変わる原因
- 甘酒の状態別の日持ち目安
- 発酵や腐敗を防ぐ保存方法
日持ちの目安も紹介しているので、賞味期限が設定されていない手作りの甘酒でも安心して飲めるようになりますよ。
目次
甘酒が腐るとどうなる?食中毒を避けるための見分け方
甘酒が腐ると、ピンク色に変色したりさまざまな色のカビが生えたりする場合があります。
ただし、飲んでも問題ない場合でも変色することがあるため見分け方を知っておきましょう。
飲めない | 飲める可能性がある | |
---|---|---|
見た目 変色 |
・カビが生えている (緑色や黒色など) ・ピンク色に変色 ・糸を引く |
茶色っぽい |
臭い 匂い におい |
明らかな腐敗臭 | 酸っぱい |
味 食感 触感など |
強烈な苦味や酸味 | 少し酸っぱい (飲まないほうが安全) |
甘酒を作る際に使われる白くモコモコした麹菌もカビの一種ですが、緑色や黒っぽいカビは別のカビと考えられます。
臭いや見た目などに差が生まれるのは、変化の原因が複数あるためです。
まずは甘酒が腐る原因と、腐った甘酒を飲んだらどうなるのか危険性を確認してみましょう。
ピンクの変色や味の変化は微生物による腐敗が原因
味噌や醤油など塩分が多く含まれる発酵食品は有害な菌の繁殖を抑えるため腐りにくいですが、甘酒には塩分を使用しない事が多いため腐敗しやすいです。
そのため、甘酒にカビや細菌などの微生物が入り込むと腐ることがあります。
微生物の中には色素を持っていたり異臭をさせたりするものがいるため、そのような種類の微生物が増えると甘酒の色や風味に変化が現れます。
そして異変がある甘酒を飲むと、下痢や吐き気など食中毒症状を引き起こす危険があるため注意しましょう。(※1)
ただし茶色っぽい変色や酸っぱい味に変わるのは、化学変化や発酵が原因の場合があります。
発酵や化学変化で茶色や酸っぱい甘酒になる
甘酒が茶色に変色したときは「メイラード反応」という化学変化を起こしている場合が多いです。
メイラード反応はアミノ酸と糖が反応して茶色がかった色になるもので、加熱時間が長いと発生します。
メイラード反応による変色だけなら飲んでも問題ありませんが味も変わってしまうため、美味しく飲めない可能性が高いです。
そして古いお米を使った手作りの甘酒や発酵が進みすぎたものは、腐っていなくても酸っぱくなる場合があります。
甘酒作った!飲んだ!酸っぱい!時間経過しすぎて乳酸菌発生したっぽい!反省点を踏まえて一から作り直した!菌沼にはまった! pic.twitter.com/7lJEZ81bOB
— おかえり🦎バイスタ🦎ンダー (@oAmWsmLH5u91QbV) June 4, 2020
酸味が出た甘酒は腐ったものと見分けづらいため、もったいなく感じても飲まずに処分したほうが安全です。
このように腐ったり発酵が進みすぎたりした甘酒は、保存状態が悪かった可能性が高いです。
腐るとどうなるかだけでなく、正しい保存方法と日持ち期間の目安も確認しておきましょう。
賞味期限切れの甘酒は飲める?保存方法と日持ちさせるポイント
甘酒は市販のものでも、状態によって保存方法や日持ち期間が大きく変わります。
保存方法 | 市販品 | 手作り | |
---|---|---|---|
未開封 | 開封後 | ||
常温 | 1ヶ月~1年 (製造日から) |
NG! | |
冷蔵 | 2~3日以内 | ||
冷凍 | 1年程度 | 1~2カ月以内 |
商品によって賞味期限に差があるため、必ずパッケージの記載内容を守りましょう。
ただし市販の甘酒が未開封で保存方法を守っていれば、賞味期限切れして数日経っても飲める事がありますよ。(※2)
炊飯器や甘酒メーカーで発酵させる米麹を使った手作り甘酒も、出来上がった後は常温保存は避けて下さい。
開封済みの甘酒は腐ったり発酵が進みやすくなったりするため、必ず冷蔵庫で保存しましょう。
開封後は冷蔵保存で腐るのを防止する
甘酒を開封すると日持ちが悪くなるのは、取り分ける際に使ったスプーンや空気中の細菌が入って腐りやすくなるためです。
保存する温度を下げると細菌が増えるスピードを抑えられ保存性が高まるため、開封後は必ず冷蔵保存し2~3日以内に飲みきりましょう。
もし期限内に飲み切るのが難しい場合は、冷凍保存や火入れをすることで日持ちしやすくなります。
手作りの甘酒にもおすすめ!冷凍保存と火入れのコツ
甘酒の冷凍保存のポイントはプラスチック製の保存容器や保存袋を使用することです。
たとえばガラス瓶に入れたまま冷凍すると、冷凍中にガラスが割れたり解凍に時間がかかったりする場合があります。
分離しているときはよく混ぜ合わせてから冷凍し、味にムラが出るのを防ぎましょう。
火入れの際は75℃の温度で1分ほど続けて加熱すると食中毒予防の効果が期待できます。(※3)
その後冷蔵庫で保存することで、2週間ほど日持ちする場合もありますよ。
ただし長時間加熱するとメイラード反応を起こして茶色っぽく変色するため、加熱し過ぎには注意しましょう。
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結論 | 保存方法に注意して甘酒が腐るのを防ごう!
- ピンク色の変色やカビが生えた甘酒は腐っている
- 茶色っぽくなるのは化学変化が原因で飲めることもある
- 酸っぱいときは発酵と腐敗どちらか見分けづらく飲むと危険!
- 未開封の甘酒でも気温が高い時期は冷蔵保存がおすすめ
- 冷凍保存すると腐るのを防げて日持ちしやすい
塩分を使用しないことの多い甘酒は発酵食品の中では腐りやすく食中毒の危険があるため、ピンクに変色したりカビが生えたりすると飲めなくなります。
腐敗や発酵が進んで味が悪くなるのを避けるには、開封後の甘酒を冷蔵保存することが大切です。
2~3日ほどで飲みきれない場合は火入れするか冷凍保存することで日持ちしやすくなり、最後まで美味しく飲みきれるようになりますよ。