初めて海外旅行に行くことになりパスポートを受け取ってきたのですが、所持人記入欄について迷っています。
パスポートの所持人記入欄は任意で記入するものなので、必ず記入しなければいけないものではありませんが、何も記入していないことで不具合があっても困りますよね。
そこで今回は、パスポートの所持人記入欄の書き方にまつわる以下の項目を調べてみました。
- パスポートの所持人記入欄を記入するメリットとデメリット
- 所持人記入欄の記入例(日本語・英語)
- 所持人記入欄を訂正・住所変更をする方法
パスポートの所持人記入欄に記載する項目は次の3つがあります。
- 所持人の氏名、住所、電話
- 外国に居住する場合の住所
- 事故の場合の連絡先
記入は任意とはいえ、何も書かないで空欄のままでは、いざという時に困りそうな内容ですよね。
そもそもパスポートなので何語で書けば良いのかもよくわかりません。
所持人記入欄の書き方について、実際に私がパスポートセンターに問い合わせた内容を含め、初めてパスポートを取得して不安な方にも分かりやすいように、パスポートの所持人記入欄を記載する具体例や書き方の見本を挙げ、詳しく解説していきます。
目次
パスポートの所持人記入欄は任意でも書くべき?何語で書けば良い?
所持人記入欄とはパスポートの裏表紙の内側にあり、下の画像のように自筆で記入できるようになっています。
パスポートについては、外務省のホームページでも記載されていますが、今回は神奈川県パスポートセンターに問い合わせてみたところ、
「所持人記入欄は、所持人本人が判断と管理をするページであり、記入するかは必須ではなく、あくまでも任意」
との回答をもらいました。
思い起こしてみると確かに、出入国チェックの際は最初の写真がついている頁とICタグでチェックされ、所持人記入欄を見られることはあまりありません。
さらに住所・電話番号は本人のものを記入するのが通常ですが、「必ず自宅のものを記入しなければならない」ということはないそうです。
ちなみに我が家には一人暮らしの大学生がおり、学校やバイトでほとんど家にいないので「実家の住所でもよいのですか?」と質問してみました。
連絡のつきやすい連絡先を書いておくことも、本人の判断で大丈夫なんだそうです。
出張が多い単身世帯の方は会社の住所を記入することもできますし、単身赴任の方は「住民票の住所を記入する」「赴任地の住所を記入する」など、どれを書くかは本人の判断で良いそうですよ!
所持人記入欄を書くと身分証明書として使える?
日本でパスポートというと、運転免許証と同様に、最も信頼性のある身分証明書となり、所持人記入欄が書いていてもいなくても、身分証明書としての効力には全く関係ありません。
ただし、所持人記入欄は自筆でいかようにも記入できるため、現住所など自筆で記入した内容を証明する役割としては不十分です。
現住所の証明をする場合は、そのための書類(補助書類といわれるもので、住民票や公共料金の郵便物など)が必要となります。
パスポートの所持人記入欄を書くメリットは後述しますので、書くべきかの判断の参考にしてくださいね。
所持人記入欄の記入は日本語で良いの?
はい、日本語(漢字)で大丈夫です!
日本語以外でも、英語(アルファベット)やローマ字、その他滞在先の現地語でも可能です。
英語で記載する場合は、ブロック体や筆記体は問いませんが、筆記体は個性が出やすいので他人に真似されるのを防止できますよ。
どれでもOKと言われると、何語で書いていいのか迷ってしまいますよね。
日本語で記入するメリットは、日本人に分かりやすいことです。
日本国内でパスポートを落としてしまっても、割と高確率で手元に返ってきますよね。
所持人記入欄が日本語で書かれていれば正確な住所がすぐに判明するので、親切な人が届けてくれるかもしれませんが、海外で紛失した場合、ほとんど戻ってきませんよね。
また海外旅行中にパスポートを紛失したら、悪用を避けるためにも、速やかに紛失届けを出す必要があります。
紛失届けを出した時点でそのパスポートは無効となりますので、外国での紛失に備えて英語(アルファベット)などで書く、というのはあまり意味がないといえるでしょう。
次章では、パスポートの所持人記入欄を記載するメリットとデメリットについて詳しく紹介します。
パスポートの所持人記入欄を書くメリットとデメリット
パスポートの所持人記入欄への記載は任意ですが、あらかじめ記載しておくことでメリットもある一方でデメリットになる部分もあります。
それぞれをよく考慮したうえで、記載を検討してください。
メリット・もしもの場合に連絡が早い
所持人記入欄には事故の際の連絡先を記入する欄があります。
海外旅行中に事件や事故に巻き込まれてしまった時に、パスポートで身元の特定をしてもらえれば、家族への連絡が早くなると考えられます。
一緒に旅行する友人や恋人が、普段から自分の家族の連絡先を把握していることって少ないですよね。
いざという時の為に、実家など何かあった時にすぐに連絡をとってほしい家族の連絡先などを書いておくという選択も大切であると思います。
またこういった身元照会は現地大使館や領事館の人が行うので、記入欄は日本語で書いておいて構いません。
むしろ日本語で正確な住所が判明する方がスムーズでしょうね。
ちなみに旅券番号などで身元を特定できるので、所持人記入欄を記入していなくても問題はありませんよ。
メリット・身分証明書となる
例えば銀行で口座を作る際、市役所で手続きを行う際など、身分証明書(本人確認書類)が必要な場面で、パスポートを本人確認書類として使うことができます。
パスポートは運転免許証と同様、それ1つで本人確認ができる身分証明書となりますから、運転免許証を取得していない方には便利ですね。
その他、携帯電話の契約(au,ソフトバンクのみ可能で、docomoは補助書類が必要)や、郵便物の受け取りの際の身分証明書としても有効です。
※健康保険証や年金手帳も身分証明書となりますが、これらは住民票など補助書類と組み合わせることが必要です。
パスポートのみで「身分証明書として有効」とするには?
- 現住所と所持人記入欄の住所が一致している
- ボールペン、万年筆など記入されている(鉛筆、シャーペン、フリクション、消せるボールペン、テプラはNG)
となっている場合が多いです。
パスポートのみで口座を開設できる銀行
- ゆうちょ銀行
- 三菱東京UFJ銀行
- 三井住友銀行
- みずほ銀行
- りそな銀行
- 中央労金
その他の銀行については、各ホームページの“本人確認書類について”というページを見ると詳しく載っています。
デメリット・個人情報を悪用される恐れがある
パスポートを紛失した場合、拾ってくれた人が親切な方なら問題ありませんが、悪意のある人だとパスポートの所持人記入欄に記載されている個人情報が悪用される可能性が考えられます。
具体的には…
- 顔写真と氏名、生年月日、などを利用しネットで検索される恐れ
- ライン、フェイスブックの “アカウント乗っ取り”
- クレジットカードスキミング犯罪
- 電話番号を悪用される(なりすまし)
といったリスクが高まる事があるようです。
英語(アルファベット)やローマ字で書くと海外で紛失した時のリスクまで高まりますので、女性は一層注意深く考える必要がありそうですね。
このようなデメリットを理由として、所持人記入欄を書かない人もいます。
次章では、メリットとデメリットを考慮したうえで、パスポートの所持人記入欄に必要事項を記載する場合の正しい書き方について詳しく紹介します。
所持人記入欄の書き方は?記入例を丁寧に解説!
パスポートの所持人記入欄への記入の仕方についても、神奈川県パスポートセンターに問い合わせて確認しました。
文字は日本語、アルファベットのどちらでも可能で、すべての項目を記入するかはご本人の判断で良いとのことですが、基本的にはパスポートの本人が自筆で記入する必要があります。
では、実際の記入例を挙げて紹介します。
スタンダードな書き方の例(日本語の場合)
氏名
日本語、アルファベットどちらでも良いので、読みやすく手書きで記入しましょう。
美しい文字でなくてもよいので、丁寧に名前を記入しましょう。
現住所
自分の住んでいる住所を都道府県から番地までを記入します。
※郵便番号は書いても書かなくても良いとのことです。
電話
番号は固定電話か携帯電話のどちらでも良く、併記することも可能です。
国際電話をかける際の国番号は書いても書かなくても良いそうです。
外国から国際電話をかける可能性がある場合は、覚え書きとして記入するのもありですね!
外国に居住する場合の住所
こちらは海外在住で現地での住所なので、記入はもちろん現地語となります。
この欄は記入していない人が多いようですね。
パスポートセンターの方に、外国に居住する場合の住所を書くメリットを伺ってみると、「主に本人の利便性では?」という事もちらっと教えてくださいました。
(あくまでも「本人の判断で」という姿勢で具体例などはあまり教えていただけなかったのですが、ちらっと教えていただけました!)
事故の場合の連絡先
身近な親族など、事故の場合に連絡してほしい人をよく考えて記入しましょう。
配偶者・自分の親・兄弟…など、誰を記入するのかは海外に行く理由や状況により違いますね!
夫婦で一緒に海外に行くことが多い場合や、独身の人 | 自分の親族(親、兄弟、子)などを記入 |
仕事などで単身で海外に行くことが多い人 | 配偶者 |
このように、状況をよく考えて判断することが必要です。
電話番号は繋がりやすい連絡先を記入しましょう。
固定電話、携帯電話または両方を併記。いずれも可能で、国番号は、書いても書かなくても自由とのことです。
また緊急時の連絡先として携帯番号を記入してあっても、登録番号以外は拒否する設定になっていては繋がりません。
旅行中は設定を変えるようお願いしたり、固定電話と併記しておいたりという対策も大切ですね!
乳幼児など、自分で文字を書けない子供のパスポートに本人以外が代筆する場合は、親権のある父母など法定代理人が代筆できます。
お子さんのパスポートを申請する際には、子供の名前と代筆の名前、本人との関係を申請書に代筆されていると思いますが、所持人記入欄については任意なので必要に応じて記載してください。
所持人記入欄を修正したいときの注意点は?
所持人記入欄を記入するだけなら簡単ですが、注意するべきなのは訂正をする場合です。
- 引っ越しなどで住所が変更になった
- 書き間違えた
このようなことありますよね?
修正する場合は、修正液(修正テープ)や塗り潰しはできません。
空港などでパスポートをチェックする時に所持人記入欄を見られることはほとんどありませんが、外国では不利な情報を隠しているなどの疑惑をもたれたり、調べられたりする恐れがあります。
余計な取り調べや賄賂などの要求を避けるためにも、正しい訂正の方法で書き直しましょう。
正しい訂正の方法
- 訂正箇所に二重線をひきます。
- 余白に訂正内容を記入します。
所持人記入欄の書き方と訂正の具体例
まとめ
パスポートの所持人記入欄の書き方について調査した結果は以下の通りです。
パスポートの所持人記入欄の記入は任意なので、本人の判断で記入する
記入のメリット
- 事故など緊急の際に身元の特定や家族への連絡がしやすい
- パスポートのみで身分証明書となる
- 国内で紛失した際に手元に返ってきやすい
記入のデメリット
個人情報が漏れる恐れがある
記入の方法
- 日本語、アルファベットのどちらでも可能
- 現住所以外でも連絡のつきやすい住所や電話番号を記入できる
- 事故の場合の連絡先はよく考えて記入する
- 身分証明書として有効にするには、住民票と同一の氏名・住所をボールペンなどの消せない筆記具で書く
- 記入内容を訂正する際は塗り潰したり修正液を使用したりせず二重線で訂正する
いかがでしたか?
所持人記入欄の記入は、 運転免許証を持っていない人には特に、身分証明書としての利便性があり魅力的ですね!
しかしパスポートの管理には充分に注意を払わなくてはなりません。メリット・デメリットを踏まえて、ご自身の判断で記入しましょう。
結局自分の判断かぁ…と迷ってしまった方もいるかもしれませんね。
ですが、これから海外へ行くのであれば、ぜひ自分で考えて判断して欲しいと思います。
「書かなきゃダメ」とか「書かないのが一般的」という断定的な意見を言われると自然と従ってしまいがちですが、自分で考えて判断する力はとても大切です。
文化も違えば頼れる先も少ない海外へ旅行するなら、詐欺などの被害に遭わないためにも「何が正しいか」「何が自分にとって必要(有益)か」といったことを判断し、自分に必要な情報を選び取っていけるようにしておきたいものです。
海外へ出ていく前の練習として、まずは所持人記入欄を記入するか否かを自分で考えて判断してみてくださいね。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!