【監修者:管理栄養士 髙村恵美】
豚足を食べると体に悪い点より、豊富な栄養成分やコラーゲンで健康や美容効果が期待できることや、カロリーが比較的低くダイエット中も取り入れやすいなど、メリットがたくさんあります。
しかし食べ過ぎると脂質による消化不良が原因で下痢になったり、たんぱく質によって尿管結石になったりとリスクも潜んでいるため、適量を楽しむことが大切です。
豚足の1日の適量を知り、美味しく安全に食べられるように、以下の項目について調べてまとめました。
この記事を読めば、豚足の食べ過ぎによるデメリットと、適量を食べたときのメリットが分かります。
1日の適量も解説しているので、「ビールのおつまみについつい食べ過ぎちゃう」という方は要チェックですよ。
また食べ合わせると美容や健康効果がアップする成分や、美味しい食べ方も解説しているので、豚足について気になっている方はぜひ参考にしてください。
まずは豚足を食べ続けることで起きるデメリットについて解説していきます。
管理栄養士・栄養士
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目次
豚足を食べ続けると体に悪い?食べ過ぎた場合のデメリットとは
豚足を食べ過ぎると脂質が原因で下痢や胃もたれになったり、たんぱく質が原因で尿管結石になったりと体に悪影響が出る可能性があります。
痛風や高血圧の方も、プリン体や塩分には気を付けなければいけません。
原因となる成分と食べ続けるとどうなるのかを見ていきましょう。
脂肪分の摂り過ぎは下痢や胃もたれの原因に
脂身の多い肉は消化が悪く胃腸に負担がかかるため、風邪やストレスなどで胃腸の調子が悪いときに食べ過ぎると消化不良を起こし下痢や胃もたれになる可能性があります。(※1)
おきたぁ(´•ωก)°゜゚
昨日いっぱい豚足食べたら胃もたれがすさまじい。
おはゆぉ♡
— まよ🍓YouTube (@mayon0721) April 2, 2020
日々のストレスが重なるとキリキリと胃が痛むことがありますよね。
そんなときに脂肪が多い豚足を食べ過ぎると胃痛や気持ち悪いなどの症状で苦しみかねません。
また血中の中性脂肪が多い状態だと血管が詰まりやすく、動脈硬化を促します。(※2)
脂質以外の三大栄養素の一つ、たんぱく質も悪影響を起こす原因になることがあります。
たんぱく質が尿管結石の原因となったり腸内環境を乱す
豚足に含まれる動物性たんぱく質を摂り過ぎると、尿管結石や腸内環境の乱れの原因になることがあります。
動物性たんぱく質を摂取すると体内でシュウ酸が増えます。
基本的にはカルシウムと結合し、便や尿として排泄されますが、多すぎると尿管をつまらせて尿管結石を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
また過剰な動物性たんぱく質は腸内で悪玉菌のエサになるため、腸内細菌の乱れが起きやすくなることも。(※3)
動物性たんぱく質の摂り過ぎには気を付けましょう。
また健康が気になる方は、次の成分にも注意が必要です。
プリン体による痛風の可能性
豚足の食べ過ぎは、痛風のリスクを高める要因です。
プリン体は動物性食品に多く含まれるほか、だし汁(煮干しや鰹節、干し椎茸)にも含まれており、体内で分解され最終的に痛風の原因である尿酸になります。(※4)
豚足の食べ過ぎによるリスクは、ほかにもあります。
塩分は高血圧やむくみの原因に
豚足の調理方法によっては塩分過多が懸念されるので、血圧が高めの方は味付けには気を付けましょう。
また塩分の摂り過ぎはむくみにもつながります。(※6)
むくみが気になる方もしょっぱい味付けの豚足の食べ過ぎには注意が必要です。
豚足は食べ過ぎると体に害を与えますが、適量であれば美容健康、痩せるためのサポートにも効果が期待できます。
体に良い成分や、1日の適量を解説していきますよ。
豚足は体に悪いわけではない!美容やダイエットに効果的な理由
豚足自体は体に悪いわけではなく、むしろ美容やダイエット、健康にも役立つ食品です。
まずは豚足に含まれる栄養素とそのはたらきを解説します。
豚足の栄養成分とそのはたらき
豚足の栄養成分とはたらきは次の通りです。
栄養成分(※7) | はたらき(※8) |
---|---|
たんぱく質 (豚足100gあたり 20.1g) |
・筋肉や臓器などの主成分 ・酵素やホルモンのもとになる |
脂質 | ・エネルギー源となる ・細胞膜や血液の成分になる |
鉄 | ・ヘモグロビンを構成する →全身に酸素を運ぶ ・酵素の構成成分 →エネルギー代謝にかかわる |
亜鉛 | ・たんぱく質の合成に必要 ・免疫機能の維持にかかわる ・味覚に関与している |
ビタミンD | カルシウムの吸収を促す →骨を丈夫にする |
ビタミンB2 | 代謝にかかわる (たんぱく質、脂質、炭水化物) |
ビタミンB12 | ・代謝にかかわる (たんぱく質、脂質、炭水化物) ・正常な血液の合成をサポート |
※カロリーは豚足100gあたり227kcal ※廃棄率は40% |
からだを作るたんぱく質や、からだの調子を整えるビタミンやミネラルが含まれています。
カロリーは100g当たり227kcalなので低めなのもうれしいですね。
代謝をサポートする栄養素が豊富なので、疲労回復や美肌にも良さそうです。
体に良い成分が含まれている豚足は、1日どれくらいの量を目安に食べたら良いのでしょうか?
豚足の1日の適量とは
豚足の1日の適量は200g程度が目安です。
200gというのは全体の重さのことで、可食部だけのことではありません。ご注意くださいね。
たんぱく質は18~64歳の男性で65g、女性で50g以上の摂取が推奨されています。(※9)
100gあたりのたんぱく質含有量は20.1gなので、一つ200gのものには40.2g含まれているのですが、豚足は廃棄率が40%です。
実際に食べて摂取するたんぱく質は60%分の約24gとなり、豚足一つで1日の摂取量の半分近くを満たすことになりますね。
ほかの食材からもたんぱく質を摂ることを加味して、1日の豚足の適量は200g程度と考えると良いでしょう。
豚足はビタミンなどの成分以外にコラーゲンが含まれており、美肌に効果が期待できそうです。
肌に良い?豚足に含まれるコラーゲンの美容効果とは
豚足にはコラーゲンが豊富に含まれており、酵素などで分解されたコラーゲンペプチドが肌の潤いを保つ機能があることが研究で認められています。(※10)
こちらの口コミでは豚足を食べた次の日、肌の調子が良かったようですね。
朝っぱらから昨夜の写真を上げてしまいますが😋😋
ドンソ…いや、豚足のおかげで今朝たしかに肌の調子よいかも😁😁
ダイエット終了したので←
美味しいもの食べてパワーアップ💪💪 pic.twitter.com/rQc6B0bYMm— りな♡소영 (@soyoung_0118) August 19, 2020
以前テレビ番組でもコラーゲンが肌の再生に役立つ可能性について紹介されていました(※11)
食べ方にもポイントがあり、記事後半で解説しています。
ダイエットにも役立つのでしょうか?プルプルのコラーゲンが美味しい豚足はカロリーが気になりますよね。
豚足は太る?ほかの肉とカロリーを比較
豚足はほかの肉と比べてカロリーは少なめなので、食事として適量を食べるのであれば太る可能性は低いといえます。
肉の種類ごとのカロリー比較は次の通りです。
肉の種類 | 100g当たりのカロリー(kcal) |
---|---|
牛肉(かた) (※12) |
258 |
豚肉(肩ロース) (※13) |
237 |
鶏もも肉 (※14) |
234 |
豚足 | 227 |
ただし3回の食事以外のおつまみとして食べ過ぎるとカロリーオーバーで太ることもあるので、ダイエット中は食べ過ぎるのは控えましょう。
豚足は食べ合わせを少し工夫するだけで美容や健康効果が高まることが期待されます。
また美味しく食べる方法も気になるのではないのでしょうか。
せっかくなら、効果的に美味しく食べたいですよね。
豚足の体に良い食べ方は?栄養を効率よく摂取しよう
豚足は食べ合わせによって、美容や健康効果が高まります。
また美味しく食べる方法も解説しているので、「豚足はどうやって食べたら良いの?」と疑問に思っている方は参考にしてくださいね。
ビタミンCと食べ合わせる
豚足を食べるときは、ブロッコリーやキウイフルーツなどのビタミンCが多く含まれる食品を一緒に食べると美容や健康効果が高くなることが期待できます。
ビタミンCは、美肌効果が期待できるコラーゲンを体内で生成するために必要な栄養素だからです。(※15)
またビタミンCは尿酸の排泄を促すはたらきがあるといわれています。(※16)
豚足は調理が難しいイメージがありませんか?じつは色々なバリエーションがありますよ。
豚足の美味しい食べ方
豚足には、主に次のような食べ方があります。
- ボイルしてそのままたれをつける
- 醤油で煮込む
- 焼いて塩で味付けする
沖縄の定番料理「てびち」は、豚足を煮込んで味付けをしたものです。
また下処理で使った煮汁にはうま味が出ているので、捨てずにスープなどに活用できます。
ただし豚足のだし汁にはプリン体が多く含まれているため、健康が気になる方は控えましょう。
豚足はインターネットでも購入できますよ。
臭みが気になる方は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
\ こちらの記事も参考にどうぞ /
結論|豚足は食べ過ぎなければ体に悪い食材ではない
豚足は適量であれば体に悪いということはなく、むしろ健康に良い食品です。
食べ過ぎによる弊害は脂質過多による消化不良やたんぱく質による尿管結石や腸内環境の乱れ、またプリン体による痛風のリスクなどがあります。
一方で適量を守って食べると、たんぱく質やビタミン、コラーゲンが豊富なため美容や健康、ダイエットに効果が期待できます。
プリプリとした食感が美味しい豚足を生活に上手に取り入れて、「美味しさ」と「美しさ」の両方を手に入れてくださいね。
参考資料
※をクリックすると元の位置へ戻ります。
※1 胃腸の調子が悪い時の食事|東京都病院経営本部
※2 高脂血症-動脈硬化への道|循環器病情報サービス
※3 タンパク質の摂りすぎは危険!?過剰摂取による影響とは|glico
※4 痛風の食事|茨城大学保健管理センター栄養管理相談室
※5 食品のプリン体含有量|両口東口クリニック
※6 足のむくみ|横浜血管クリニック
※7 ぶた/[副生物]/豚足/ゆで|食品成分データベース
※8 わかりやすい栄養成分解説|AJINOMOTO
※9 日本人の食事摂取基準(020年版)より|glico
※10 コラーゲンペプチド|森永製菓
※11 ガッテン 決定版!コラーゲン100%活用SP|NHK
※12 うし/[和牛肉]/かた/脂身つき/生|食品成分データベース
※13 ぶた/[大型種肉]/かたロース/脂身つき/生|食品成分データベース
※14 にわとり/[親・主品目]/もも/皮つき/生|食品成分データベース
※15 ビタミンCの働きと1日の摂取量|健康長寿ネット
※16 プリン体は避けるべき?尿酸値を下げる食べ物・飲み物|大正製薬