【監修者:管理栄養士 中山沙折】
豚肉が臭いのはなぜなのか原因を調べてみると、豚肉の生産過程や、購入後の保存状況によって臭みのもとが発生すると分かりました。
臭いの種類も様々です。納豆臭いときや、アンモニアのような匂いがすることもありますよね。
安い豚バラ肉が調理前は臭くないのに、調理後に耐えられない臭いがしたり。
料理をしている最中に嫌な感じの豚肉臭がしてきたら、これは食べても大丈夫なのかと心配になってきてしまいますね。
そこで、豚肉が臭い理由、臭いけど食べられる・食べられない場合の見分け方、そして豚肉の独特な臭みを軽減できる調理法などを調べてみました。
この記事を読んでいただけると、豚肉がくさい!と感じたら状況に応じて適切な対処できるようになりますよ♪
まずは、臭いが気になる豚肉、臭いけれど食べられる豚肉、そもそも傷んでいて食べられない豚肉の匂いの違いを見ていきましょう!
管理栄養士・栄養士
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目次
豚肉が臭い原因は複数!食べられる状態の見分け方
豚肉が臭い原因は大きくわけると5つ考えられます。それぞれの臭いの理由と、その臭いがしても食べられるのか、食べてはいけない臭いなのかもまとめたので参考にしてみて下さい。
豚肉が臭いのはなぜ?5つの原因
豚肉が臭う主な原因は5つあります。
それぞれの理由を見ていきましょう。
去勢に失敗した雄豚の肉
「もしかしたら傷んでいるのでは?」と感じるほど、豚肉独特の獣臭(※1)が気になる場合は雄豚のフェロモンが原因かもしれません。
豚肉の臭いは人によって「汗臭い・尿のような臭い・うんちくさい・香水臭い」などいろんな印象がある(※2)と思います。
このような臭いの原因になるのが、アンドロステノンとスカトールという成分(※3)です。
そんな臭いのもとになるフェロモンを出さないために雄豚は去勢をしますが、それでも臭いが残ってしまう事がまれにあるようです。
鮮度が落ちて腐敗が進んでいる
肉の鮮度が落ちるにつれて、微生物がタンパク質を分解しています。その時、酸っぱい臭い、アンモニア臭、ヨーグルトが腐ったような臭い等を感じることがあります。
飼育中に食べていた餌による臭い
高級食材として有名なイベリコ豚が美味しいと評判なのは、植物性の餌(ドングリ)で育てているからです。
植物性の餌を食べている豚は匂いがつきにくく、動物性の餌をたくさん食べると獣臭さが増すそうです。餌に魚粉を多く混ぜると魚臭くなるともいいます。
藁の飼料で育った豚肉からは納豆のような匂いがするものもあるようです。
藁の飼料に微量のアンモニアを添加すると豚がよく食べるようになるそうですが、与えすぎると豚糞のアンモニア臭が増すそうです。
そのため藁飼料とお肉からのアンモニア臭との関係もあるのではないかと言われています。(※4)
豚特有の匂いがある
豚独特の匂いの1つに脂肪臭の3-メチルブタン酸があり、これにはチーズの匂いや、汗、足の臭い、口臭のにおいといった独特の香りがあります。(※5)
薬品によるもの
豚肉生産の効率化が進むにつれて飼育環境は豚にとっては過酷なものになっていきます。そうして効率を重視して育てられたものは安い価格になります。
ストレスが溜まり、内臓の機能低下から病気にかかりやすくなるため、病気を予防するために徹底された消毒や抗生物質の投与がされます。
それがより強い脂肪臭・獣臭に繋がっているといわれています。逆に、ケミカルフリーで育てられた豚の肉には豚独特の臭みがしないそうです。
臭く感じるけど食べられる豚肉の特徴
食べられる臭いと食べられない臭いを、分かりやすく表にしてみました。
食べられる豚肉 | 食べられない豚肉 |
---|---|
強い獣臭・汗臭い臭い・尿の臭い・うんちくさい | 酸っぱい臭い |
香水臭い・魚臭い・納豆臭い | 腐ったヨーグルトのような臭い |
少しのアンモニア臭 | 強いアンモニア臭 |
アンモニア臭については餌が影響しているだけで食べられる場合と、腐敗が進んで食べられない場合が考えられます。
腐って食べられないか見分けるのは、お肉自体にぬめりがあるか、変色しているかなども確認して下さい。
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豚肉が臭くても食べられるとは言っても、あまりにも臭いと食べる気も失せてしまいますね。
出来るだけ美味しく食べるためにも、臭みを取る調理方法も見ていきましょう!
豚肉が臭いときにおすすめ!臭みの消し方
それでは、豚肉の臭いを消す方法をお伝えしていきます。
調理前に豚肉の臭いを消す方法
豚肉の臭いを消す方法を5つご紹介します。
その時の調理に合ったものを取り入れてみて下さい。
脂身を取る
雄豚のフェロモンが原因での強い獣臭・汗臭い・尿の匂い・うんちくさい・香水臭いは、脂肪に溜まりやすい性質があります。
脂身を落とすことで臭みを軽減できます。
酸性のものに浸ける
ほとんどの嫌な臭いは微量に含まれるアンモニア臭が原因で引き起こされます。アルカリ性のアンモニア臭を中和するために、酸性のクエン酸の力で臭いを消します。
柑橘系の果汁にお肉を浸したり、水で薄めた酢に豚肉を浸けましょう。
発酵食品に浸ける
発酵食品は肉独特の臭みを軽減してくれます。
味噌漬け、ヨーグルト漬け、水で薄めた酢に浸ける、ワインに浸す、酒を振りかけるなどしてみて下さい。
牛乳に浸ける
牛乳に豚肉を浸けておくと、牛乳のたんぱく質が臭いのもとになるものを吸着してくれます。
香辛料でマスキングする
より強い香りで嫌な臭いを包み込むことで臭いを軽減させる方法です。
コショウ、ナツメグ、クローブといった香辛料で下味をつけたり、すりおろした生姜にお肉を浸けるのもおすすめです。
豚肉の臭いを消す調理法のコツ
豚肉の臭みを消したい時は、以下の調理法を覚えておくと便利です。
- 鍋物や汁物:ネギや生姜を入れてよく灰汁を取る
- ひき肉を使う練り物:ネギ、ニンニク、生姜等を混ぜる
- 焼き物:酒やワインを入れて臭みのもとを一緒に蒸発させる。またはニンニクや生姜など香りの強いものをすりおろして一緒に入れる
ピザ食べたかったけどお金ないからピザ風炒め物
外国産の豚肉のこま切れは臭いけど調理酒で酒蒸しすると臭みが消えておいしくなるよ、これ豆な pic.twitter.com/chDXD5luTK
— 人間便宜マスク (@kantyou911) June 21, 2015
生姜やニンニクはすり下ろして入れた方が香りがつきやすいですよ。生姜に含まれるネラールという成分には、消臭剤に使用されるほどの強い消臭効果に加え、さわやかな風味を付けてくれる効果があります。ニンニクはアリシンという臭い成分で豚肉のくさみをマスキングしてくれます。
調理後も豚肉の臭いが気になる場合の対処法
下処理をしてなかった、調理後もまだ臭いが気になるという場合は、料理の内容にもよります。
レモン汁をかけてみたり、レモンやお酢が使われているドレッシングをかけてみて下さい。クエン酸の力で少しは匂いが中和されると思います。
そもそもお肉は鮮度が落ちてくるとその臭みを増していきます。豚肉の臭いが発生するのは間違った保存方法が原因になる事も多いため、改めて正しい保存方法を確認してみましょう。
豚肉の嫌な臭いを防ぐ保存方法
豚肉の臭みを抑える冷蔵・冷凍保存時の5つのポイントをご紹介します。
豚肉を冷蔵・冷凍保存する5つのポイント
ちょっとしたひと手間をかけることで豚肉の臭いを軽減することが出来ます。
ぜひ試してみて下さい。
24時間以内に食べない場合は冷凍する
賞味期限内であっても、時間がたつにつれてお肉は腐敗が進んでいきます。
腐敗が進むとその分臭いもきつくなってくるので、24時間以内に食べない場合は雑菌の繁殖を抑えるために冷凍保存することをおすすめします。
冷凍するときはキッチンペーパーに包む
お肉を解凍するときに出てくるドリップは、臭みの原因になるのでキッチンペーパーなどで拭きとっておきましょう。
冷凍するときもキッチンペーパーで包んでおくことで、解凍した時に出るドリップを吸い取ってくれます。
急速冷凍する
完全に冷凍されるまでの間も雑菌は繁殖していきます。
冷凍するときは、金属のトレイやバットに入れると冷凍のスピードを早め腐敗を遅らせることが出来ます。
買ってきた豚肉はすぐに下処理をし冷蔵庫へ入れる
24時間以内に食べる場合は、酢水や牛乳に浸けて冷蔵庫で保存しておくことで必要以上に雑菌の繁殖を抑えられます。下処理も同時に進められるのが利点です。
下味をつけて冷凍する
下味やタレにつけた状態でフリーザーバッグで冷凍する事で、菌の繁殖も抑えられ調理するときの下処理の手間を省くことが出来ます。
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結論|豚肉が臭い原因を見極めて食べられるか判断しよう
豚肉の臭いは、腐敗によって臭いが強くなります。
臭いのある豚肉を食べても大丈夫かどうかは、食べられる豚肉の特徴の表を参考にしてみて下さい。
豚肉を購入した後は、出来るだけ腐敗を遅らせるために保存方法にも気をつけましょう。
どうしても臭いが気になる時は、豚肉の臭みを消す方法を参考にしてみて下さい。
さらに出来るだけ臭くない豚肉を食べたいなら、商品を買う時から注意してみるのも1つの方法です。
消費期限が間近のものよりも新鮮なもの、ケミカルフリーの豚肉を買う。
安売りされている肉は品質の悪い雄豚の肉かもしれないので買わない、など。
今回ご紹介した内容をぜひ参考にしてみて下さい。