【監修者:管理栄養士 中山沙折】
消費期限切れのパンを食べるのは基本的にはNG!なぜなら「安全に食べられる期間」を過ぎているからです。
しかし、実際には食べても問題ない場合もありますよね。食べられるかどうかはパンの状態を見て判断することになります。
「1日過ぎたけど大丈夫?」「3日ならイケる」など、いつまでなら食べられるのかと問われると、正直わかりにくいというのが本音。
そこで今回は、消費期限切れのパンについて以下の項目を調べてみました。
消費期限が切れたパンを食べるかどうかは、ロールパンや調理パンなどの種類や保存状態についても変わってきますよね。
そこで、いつまで食べられるかの目安や、腐ってないかの判断基準をチェックしましょう。
消費期限と賞味期限の違いや、期限が切れる前に食べきる方法についてもご紹介します。
この記事を読めば、消費期限切れのパンは基本的に食べられない理由がわかり、最終的に判断する方法、消費期限切れになる前に食べきる方法などもわかるのでぜひ参考にしてください。
管理栄養士・栄養士
目次
消費期限切れのパンは基本的に食べてはいけない理由
消費期限切れのパンは何日までなら食べてもOK!と言い切ることはできません。なぜなら、パンの種類や各家庭での保存方法、環境によって消費期限内でも腐ってしまうことがあるからです。
基本的に消費期限が切れた食品は食べないほうが良いといえます。消費期限が定められている基準を知ると、消費期限が過ぎた食品は食べないほうが良いことがわかりますよ。
消費期限と賞味期限の大きな違い
容器包装された食品は食品表示法によって消費期限や賞味期限のどちらかが記載されています。
消費期限とは安全に食べられる期限のことで、賞味期限とは品質が変わらずにおいしく食べられる期限という意味になります。(※1)
パンはあまり日持ちしないので消費期限が設定される
パンやお弁当など傷みやすい食品には消費期限が記載されています。また、カップ麺、スナック菓子、缶詰など傷みにくい食品には賞味期限が記載されています。
ただし、日持ちするパンには賞味期限が設定されていることもありますよ。
Pasco(パスコ)のロングライフブレッドシリーズは保存料不使用なのに賞味期限が1ヶ月以上と長期間日持ちのするパンです。(※2)
消費期限が切れた瞬間に食べられなくなるわけではない
消費期限が切れた瞬間に食べられなくなるということはありませんよね。しかし、メーカーが定めた「安全に食べられる期限」は過ぎていると認識したうえで食べられるかどうかの判断を自己責任で行いましょう。
家庭での保存方法や環境の状態によって異なるということが前提ですが、消費期限切れのパンを食べられるかどうかの見極め方をチェックしてみましょう。
消費期限切れのパンがいつまで食べられるかの見極め方
ここではパンの種類、消費期限の日数、腐っていないかどうかでチェックする方法をご紹介します。
パンの種類をチェック
パンには食パン、菓子パン、調理パン(惣菜パン)など、さまざまな種類があります。
ここでは、一般的に販売されているパンの消費期限の目安を挙げてみました。パンの種類によって設定されている消費期限が異なることがわかります。
調理パン (惣菜パン) |
当日 |
---|---|
菓子パン (クリームパンなど) |
3日ほど |
食パン | 4日ほど |
コンビニパン (セブンイレブンなど) |
5~6日ほど |
調理パン(惣菜パン)は具材が日持ちしないため、当日に食べきるのがおすすめです。
包装されているパンは商品の消費期限を確認して食べれば良いですが、パン屋さんなどで買った包装されていないパンは、消費期限が記載されていないことがありますよね。
購入日をメモするなどして忘れないようにしましょう。
消費期限は未開封であることが前提です。開封後は消費期限にかかわらず早めに食べきりましょう。
消費期限から何日経っているかチェック
具材を使用していない食パンやフランスパン(バゲット)などは日持ちがしやすいので、いつまでとは断言できないものの、消費期限から1日、2日くらいなら大丈夫な可能性もあります。
@yuna091012 1日くらい大丈夫でしょ。いつも3日くらい消費期限きれた食パン食べてるから
— のげぞう (@nogezou) March 3, 2014
比較的日持ちがしやすい食パンは消費期限が切れても1日~2日程度なら食べてしまうという人は多いですよね。見た目には問題なくても、さすがに1週間、10日経ったパンはNGなので注意しましょう。
ただし、以下のように消費期限内・未開封でも保存環境によってはカビが生えるおそれもあります。
未開封だし1日が消費期限の食パン食べても大丈夫だろう、と思って開封したらカビ生えてた危ない
— しらす (@srs_rr) September 6, 2012
カビは温度、湿度、酸素、pHなどの条件が整うと生育します。(※3)
とくに具材を使用する調理パン(惣菜パン)は、すぐに傷んでしまうことが多いので注意が必要です。
まだ腹痛なう。夜中に食べた惣菜パンが良くなかったか。消費期限昨日までだったし常温で保存してたし。
— ななばん (@nanaban7) July 26, 2012
基本的に調理パン(惣菜パン)は購入した当日に食べきることがベスト。ロールパン(バターロール)やクロワッサンなど油分が多いパンも傷みやすいので早めに食べきるのがおすすめです。
傷んだパンを食べると腹痛を引き起こしてしまうこともあるので、腐っていないかしっかり確認しましょう。
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腐っていないかチェック
腐っていないかどうかは見た目・臭い・味などで見分けることができます。
色素を持っている微生物が生育したときは食品の色が変わったり、臭いのある物質を作ります。(※4)
見た目、臭い、食感などには特に注意をしましょう。
- カビが生えている
- パンの色とは異なる色が着色している
- 異臭がする
- 未開封の状態で包装が膨張している
- ねばつきがある
- 味がおかしい
ただし、人の感覚にはばらつきがあり万能とはいえません。その日の体調や気分によっても感覚は変わってきます。
消費期限を過ぎたパンを食べるときはあくまでも自己責任のもとで判断しましょう。
パンを腐らせるのはもったいないし、消費期限切れのパンを食べるのはドキドキしますよね。そこで、消費期限切れになる前においしく食べきる方法をご紹介します。
パンの消費期限切れ前に冷凍保存でおいしく食べきる方法
パンを消費期限切れ前に食べられそうにないというときは、冷凍保存することをおすすめします。
どのパンも冷凍してから2週間が美味しく食べられる期間です。冷凍してからも2週間を目安に食べきりましょう。(※5)
パンのおいしさを逃さない冷凍保存のコツ
パンの主成分であるデンプンは冷蔵庫の温度(0~10℃)が苦手。デンプンの老化が進みやすく劣化しやすい特徴があるので冷凍保存がおすすめです。
パンにラップを巻いて保存袋に入れて冷凍しましょう。(※6)
フランスパン(バゲット)などの大きなパンはカットしてから冷凍します。
冷凍したパンの解凍方法
冷凍したパンは凍った状態でオーブントースターに入れて焼きます。ロールパンや調理パン(惣菜パン)などの厚みのあるパンは中まで温まらないことがあるので、自然解凍してから焼くのがおすすめです。
冷凍したパンをおいしく食べきるアレンジレシピ
冷凍したパンはできるだけ早く食べたほうが味の劣化を防げます。そこで、美味しく食べきるアレンジレシピをいくつかご紹介します。
ラスク
冷凍したパンに砂糖とバター(またはマーガリン)を混ぜたものを塗ってオーブンで焼けばサクサク美味しいラスクのできあがり!
冷凍して取ってあったパン耳でラスク🍞 pic.twitter.com/K3VmdxxUOo
— まぁ (@maa0noppe) October 14, 2018
フレンチトースト
凍った状態のパンを卵、牛乳、砂糖で作ったフレンチトースト液に漬け、電子レンジで温めて液をしみこませます。あとはフライパンにバターを敷いて焼けば美味しいフレンチトーストになりますよ。
フレンチトースト🤤
漬け込み5分+冷凍食パンのレシピだからめっちゃお手軽に食べれる💕 pic.twitter.com/QW8uZC8nn3— ARUGA (@aruga00) January 7, 2021
食パンはもちろんのことクロワッサンやメロンパン・クリームパンなどの菓子パンを使用するのもおすすめ。あらかじめ甘みのついたパンは、はちみつやメープルシロップがなくてもおいしくいただけます。
ピザトースト
食パンやフランスパン(バゲット)などにピザソース、好みの具材、チーズを乗せてオーブントースターで焼けばピザトーストになります。
今朝は久々にバケットのピザ🍕
パン冷凍にしたらラスクみたいにサクサク・・これはこれで良いかも (^_^;)
アンチョビソースも美味い (^^)#朝飯 pic.twitter.com/BhoNuxvesA— いさっち (@FFF1370) November 23, 2020
調理パン(惣菜パン)を冷凍したときも、チーズを乗せて焼けばピザトースト風になりますよ!
結論|パンの消費期限切れは基本的にNG
消費期限は「安全に食べられる期間」をメーカーが定めたものなので、パンを食べるときは基本的に消費期限内に食べることが前提です。
もし、期限切れのパンが食べられるかなと迷ったときは、自己責任のもとで日数や見た目・臭い・味をチェックしたうえで判断したいですね。
しかし、パンは冷凍できる食品なので食べきる自信がないときは、あらかじめ冷凍保存しておくのが良いでしょう。
そのまま食べるのも良いですが、アレンジレシピをいくつか知っておくと食べる楽しみが広がり、いざというときにもすぐに食べられて便利なのでおすすめです。