【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
野菜をたっぷり使ったスープを作り置きしようと思ったのですが、作りすぎて一人では食べきれない量に!
スープってついつい作り過ぎてしまうんですよね。
スープはどのくらい日持ちするのか、何か良い保存方法がないものかと思ったので、この機会にスープを日持ちさせる方法について以下の項目を調べてみました。
- 保存方法別・野菜コンソメスープが日持ちする目安
- スープを日持ちさせる保存方法
- スープの種類によって日持ちする日数が違う
- スープが賞味期限切れで腐るとどうなる?
- いつでもスープを楽しめる簡単レシピ
作り置きしておくと便利なスープは、夏場だと常温保存では腐るかもしれないので、冷蔵庫に入れておくとどのくらい日持ちするのか気になるところです。
もし冷凍保存できるなら日持ちしそうですが、そもそもスープを冷凍保存できるのかもわからなかったので、この機会に調べてみました!
小さなキッチン&冷蔵庫でも保存しやすいスープのストック方法、美味しいスープをいつでも手軽に楽しみたい!というあなたに役立つ保存方法のコツを詳しくまとめたので、ぜひ参考にしてくださいね。
管理栄養士・栄養士
目次
スープの日持ちはどれくらい?保存のコツは?
スープは実に様々な種類があり、調理法や具材も自由度の高い料理です。
そのため「このスープは何日間は日持ちするから大丈夫ですよ!」と断言できませんが、ここではダイエットや健康のために作られることの多い野菜コンソメスープの日持ち日数を紹介します。
野菜コンソメスープの日持ち日数・常温の場合
常温保存の場合は、気温や湿度、スープに使った具材によって条件が変わってきますので、「前回は2日で傷んだけれど、今回は4日いけた♪」なんてことがよくあります。
常温と言っても季節によってさまざまですが、特に夏場はすぐに食べられなくなる可能性が高まります。
半日で腐ることもありますし、留守中は室温が40度近くになってしまうようなら常温はほぼ不可能と思ってください。
こまめに火を入れてもいいのですが、夏場は常温よりも冷ましてから冷蔵か、冷凍で保存するのが適切といえます。
また冬場でも1日1回以上は火を入れておく必要があります。
キッチンが10℃ぐらいになるなら、出かけている間も鍋ごと常温で置いておいても大丈夫そうです。
火を入れるというのは若干でも温まればOKということではなく、殺菌が目的ですので75℃以上1分間の加熱が必要です。覚えておいてくださいね。
野菜コンソメスープの日持ち日数・冷蔵の場合
作ったスープが冷めたら、鍋ごと冷蔵庫へ入れてしまうという方も多くいますが、他の食材が傷んでしまう原因になるのでスープが冷める前に冷蔵庫へ入れるのはやめましょう。
冷めるのを待つ時間がない時は、鍋ごと冷水につけて急冷してもOKですよ。
冷蔵での保存もやはり断言できる日数はないのですが、ネット上での経験談を探りに探ってみたところ、だいたい皆さん3日~1週間程度で食べ切るように心掛けているようです。
野菜のみのコンソメスープよりも肉が入っている場合の方が傷みやすく、また塩の量も少な目だと傷みやすいという傾向があります。
冷蔵保存のコツ
スープを2~3日分まとめて作ったなら、冷蔵保存がおすすめです。
食べる分だけ取り分けたら、あとは粗熱を取って鍋ごと冷蔵庫へ!小分けしなくても保存できます。
冷蔵庫には大きな鍋で入れておき、食べる分だけを温めるようにする方が食中毒防止には賢明なんだそうですよ。
入れやすいサイズの鍋や取っ手が外せるタイプの鍋があると便利ですね。
使う鍋の素材はアルミ製か耐熱ガラス製を推奨します。
テフロン加工やホーローは、冷蔵庫へ入れると鍋の加工が溶ける原因になることもあるそうです。
ちなみにですが、私は気にせずホーロー鍋を冷蔵庫に入れちゃってます。
度々冷蔵庫に入れていても何ともなく、6年以上使っている今も現役でご活躍中ですよ。
野菜コンソメスープの日持ち日数・冷凍の場合
スープは冷凍保存もできるので、煮沸消毒した清潔なタッパーに入れたり、冷凍用の保存袋に入れたりして冷凍というのが一番日持ちする方法です。
ネット上で見る限り、食べ切るまでに1週間くらいかかりそうな場合に冷凍する方が多かったです。
私の周りでも、冷凍しないなら2~3日が目安という感覚の人は多いので、それを越えると冷凍でしょうね。
私も2日で食べ切れないほど大量に作った時には、あらかじめ分けて冷凍をします。
こちらも断言はできませんが、キャベツのミネストローネやポトフなどたいていのスープは冷凍だと2週間~1ヶ月程度の保存ができます。
「冷凍なら半永久的に保存ができる」というのは誤解で、冷凍でも食品が傷むことがありますので、なるべく1ヶ月以内に食べ切るようにしましょうね。
冷凍保存のコツ
1週間以上持たせたい場合は冷凍がおすすめですが、1食分ずつ小分けにしないと解凍する時に困ります。
冷凍方法は、タッパーや保存袋で1食分ずつ小分けするのがいいでしょう。
スクリューロックタイプの保存容器なら、自作のラーメンスープやブイヨンなどの汁物でも漏れの心配がないのでおすすめです。
ちなみに、ブイヨンを冷凍しておけばカレーの残り物で簡単にスープカレーが作れて便利ですよ。
使用するタッパーは煮沸消毒をして清潔にしておくのがベストです。
冷凍用の保存袋に小分けする時は、なるべく空気を抜くようにしましょう。
空気がたくさん入っていると、味が落ちやすいそうですよ。
また、凍ると膨張するので、タッパーにせよ保存袋にせよ、入れる分量は容器の7~8分目までを上限としてください。
具だくさんスープを冷凍するコツ
じゃがいもや白菜などがゴロゴロ入った具だくさんスープは冷凍には不向きです。
解凍する時の具の溶け具合が液体の部分の溶け具合と異なるため、ぐちゃぐちゃになります。
私はダイエット用のスープなら食感はさほど気にしないので、いっぱい作って冷凍しちゃいますけどね。
完成したスープも、ザルを使って汁と具材に分けてから冷凍すると美味しさをを保てます。
汁は先程と同様に製氷皿で凍らせ、具材も1食分ずつラップで包み冷凍します。
食べる時には汁を電子レンジで解凍してから具材を入れて追加で少し加熱します。野菜がぐちゃぐちゃにならずに済みますよ。
ワンタンスープもワンタンとスープを別々に冷凍しておけばOKです。
手作りの出汁なら日持ちもするし美味しい!
スープの出汁が市販のコンソメや顆粒だしだと、風味が変わったり変質するのが早い(=日持ちしない)と感じます。
せっかくスープを作るなら、鶏ガラなどを鍋に入れて、しっかり出汁を取って作り置きするのがおすすめで、だし汁保存用のボトルがあると便利ですよ。
私の経験上、手作りなら冷凍保存してもあまり風味が落ちない気がします。
出来上がった出汁は、100均などで売られている製氷皿を使って凍らせておきます。
なるべく1つの氷が大きめの物を選ぶと、キューブ1つでスープ1食分になるし、離乳食にも便利ですね。
出汁は濃い目に取っておくのがおすすめです。
キューブ1つに水や具材、塩・コショウなどの味付を加えて電子レンジでチンすれば、1食分のスープになります。
この時の出汁は和風だしでもコンソメスープでも、野菜をくたくた煮込んだものでもOKです。
味付けを後からできるようにしておく方がアレンジがききます。
鶏ガラはハードルが高いかもしれませんが、和風だしなら小さな鍋でも簡単にできます。ぜひチャレンジしてくださいね。
濃縮和風だしのとり方
【材 料】
水 500ml、昆布 15g、かつお節 30g
【作り方】
1. 鍋に水と昆布を入れ30分ほどおく
2. 中火にかけ、ふちの方に小さな泡が出始めたらかつお節を加えてそのまま30秒ほどおき、火を止める。
3. かつお節が沈んだら濾す。濾すのはザルとキッチンぺーパーで簡単にできます。濾した後のかつお節も、フリカケなどにして食べられますよ。
ここまでは野菜コンソメスープの保存について紹介しましたが、他のスープはどのくらい日持ちするのかについても調べてみたので参考にしてください。
野菜コンソメスープ以外のスープも、日持ちは変わらないの?
野菜コンソメスープ以外に人気があるスープといえば、日本人のソウルフードともいえる味噌汁や、牛乳を使ったポタージュスープがありますね。
この他にも手軽にスープを楽しめるレトルトタイプなどの日持ち日数や賞味期限についても調べてみたので参考にしてください。
味噌汁・ポタージュスープは日持ちしない!
味噌汁の常温保存は基本的にはしてはいけません。
季節にもよりますが夏場はとっても危険で、夜に作った味噌汁が、翌朝には腐ることもあるくらいです。
どうしても常温保存をしたい場合、少し煮詰めて味を濃くしておくと、塩分が濃いめなので多少は保存がきくと思いますので、食べる時には水を足して火を入れましょう。
私はよくかぼちゃのポタージュスープをよく作るのですが、基本的には1日で食べ切るようにしています。
なぜかというと、牛乳を入れると日持ちしないんです。
夕食で作ったスープを翌日の夕食で出そうとしたら、異臭が…という経験が多々あります。
味噌汁や牛乳を使うポタージュスープは日持ちしないものだと覚えておき、あまり作り置きを考えずにその日に食べ切れる量を作るようにしましょう。
パウチタイプの市販の鍋スープ(鍋つゆの素)も保存できる?
1回使い切りを想定した商品で、封を開けると傷みだすから、パッケージの賞味期限は封を開けたら関係なくなります。
ですが最近は鍋スープも種類が豊富で美味しそうで…スーパーで並んでいるものをみると、食べたくなっちゃいますよね。鍋つゆの保存はできないのでしょうか?
お取り寄せの鍋は鍋スープを冷凍して配送しますよね。
そういった商品の賞味期限は冷凍で1ヶ月、解凍して冷蔵3日などの記述が多いのです。
それを目安として考えると、鍋つゆの保存は次のような感じになるかと思います。
- 常温保存 … 基本NG
- 冷蔵保存 … パウチから必要量を出した後、残った分を開けた口を閉じて冷蔵庫へ。
商品の種類が豊富なのでなんとも言えませんが、3日程度なら大抵のものは大丈夫じゃないかと思います。 - 冷凍保存 … 清潔なタッパーや冷凍保存用の袋に入れ替えて、冷凍庫へ。2週間~1ヶ月程度なら保存がきくと思います。
ただし、食べ終わった鍋のスープは基本的に保存は無理!です。
食べるのに使っている箸を鍋に直接入れている場合は特に危なく、翌日に火を入れなおして雑炊をすることはあるけれど、確実に大丈夫とはいえないので要注意です。
鍋パウチが使い切れない場合は、一回分の量が小分けになっている商品を使うのもおすすめです。
いろいろなスープの保存方法について紹介しましたが、うまく保存できていなくて賞味期限切れになっているのでは?という場合の判断方法について紹介します。
スープが腐るとどうなる?食べてはいけないスープの見分け方
冷蔵庫へ入れるのが遅れてしまったり、スープ用の魔法瓶に入れたまま放置してしまったり…なんらかで保存の状態が良くなかった場合、消費期限切れで腐ってないかなぁ?と気になりますよね。
常温なら一般的には6時間が食べられる目安です。
40度前後が一番菌が繁殖しやすく、また酸化しやすい条件なので、夏場は特に注意ですね。
「この条件なら絶対大丈夫!」という明確な条件がありませんが、食べられるかどうかは自分の味覚で判断するしかありませんよね。
風味、見た目、においなどで判断して、以下のような異変を感じる場合は食べずに捨ててしまいましょう。
酸っぱい味がする
酸っぱい味がするのは腐っている可能性が高いので危険です。
昨日よりもトマトの酸味が強まってない?っていう時はアウトです。
異臭がする
酸っぱい臭い、すえた臭い、納豆っぽい臭いなどです。
強烈に臭ってくるわけではないので、鼻を近づけてかいでみてください。
うちは納豆っぽい臭いになることが多いかなぁ。
カビが生えている・変な塊が出来ている
カビは一目瞭然でアウトですね。レッドカードです。
他には変な塊(大抵はカビなど菌の塊なんですが…)も気をつけてください。
脂が固まって浮いているだけなら火を入れると溶けだしますので大丈夫です。
火を入れても溶けない塊や糸を引くような状態は危険ですので食べないで下さいね。
最後にもっと簡単にスープを楽しめる方法について紹介します。
もっと手軽にスープを食べよう!日持ちもする簡単レシピ
完成したスープを保存する方法もありますが、1食分をすぐに作れる状態で保存しておく方法もおすすめです。
お湯を注ぐだけで完成する状態まで準備し、あと1つの手順を残して保存しておくのです。
美味しく保存できて日持ちもし、味もアレンジしやすいので飽きなかったりと、メリットがたくさんあります。
水分を減らして保存するので、冷蔵庫の中で場所を取らないのも嬉しいポイントです。
思い立った時にいつでも楽しめる簡単スープレシピを紹介します。
インスタントより美味しい!簡単ポタージュスープレシピ
牛乳を加えて仕上げるポタージュスープは私の中では保存しにくいスープの代表格ですが、牛乳を加える前の状態で冷凍し、食べる時に仕上げるようにすれば保存もしやすくなります。
作り方は以下の通りです。
1.具材をペースト状にする
かぼちゃや人参は、茹でるか電子レンジで蒸した後にマッシュし、少しの水分を加えてペースト状にします。
玉ねぎはみじん切りにするよりもミキサーにかけると便利です。
この時に使う水分は水でかまいませんが、野菜を煮出したスープやコンソメスープを加えると旨みが増します。
2.冷凍用の保存袋に入れ1食分ずつ割って取り出せるように筋をつけておく
冷めてから冷凍用の保存袋に入れ、ギリギリまで空気を抜いて平らにします。
この時、入れすぎ注意です!割り箸を使って筋をつけておくので、入れすぎると溢れてきちゃいますよ。
筋をつけることで凍った後に割りやすくなります。食べる時には1食分ずつ割って取り出します。
3.食べる時は牛乳でのばしてスープにする
塩・コショウや顆粒コンソメを振り入れ、牛乳を注いで電子レンジで加熱すれば食べられます。
長時間かけると吹きこぼれやすいので、少しずつ「温めてはかき混ぜる」を繰り返すとうまくいきますよ。
冷蔵でも3日程度なら保存できますが、冷凍の方が便利ですよね。やはり1ヶ月ぐらいで食べ切ってください。
お好みで、牛乳ではなく豆乳を使うのもアリですよ。
手軽に味噌汁ができる!簡単味噌玉レシピ
味噌玉とは、味噌汁の素のことで、味噌と具材をラップで丸く包んで保存するのでこう呼ばれています。
味噌玉の魅力は何と言っても保存期間が長いこと。
冷蔵で1週間、冷凍で約半年というのが目安です。
夜食に、朝ご飯に…ほっとするお味噌汁が手軽に作れて、なおかつ余らないのでおすすめですよ。
気になる作り方はこちら。
1.ラップの上に味噌を置く
だいたい12~13gぐらいでしょう。
1食分試しに作ってみて、好みの加減になるように量を調節するとGOODです。
2.味噌の上に好みの具材を置く
具材は乾燥しているものがおすすめです。
生の食材を入れると傷みやすいので、例えばネギや油揚げは、食べる時にあれば足すようにしましょう。
乾燥わかめ、乾燥ネギ、海苔、とろろ昆布、にぼし、花麩、高野豆腐…などなど、乾物は旨みも出るし健康にも良いので使ってみましょう。
特に高野豆腐は冷凍しても食感が変わらないので使いやすいですよ。
また煮干し粉末や顆粒タイプの「あごだし」を混ぜておくのもおすすめです。風味がUPして満足感がありますよ!
3.食べる時はお湯を注ぐだけ!
お椀に味噌玉を置き、お湯(150ccぐらい)を注げば完成です。
刻みネギや刻み揚げ(油揚げを切ったもの)を冷凍しておき、足してもいいですね。
乾物ではないネギや油あげは味噌玉と保存できる期間が異なるので、こうして分けておいた方が色々と便利なのです。
この時に冷凍してあった濃縮和風だしを解凍して使えば、さらに本格的な味わいに!
「だしキューブを解凍→味噌玉をイン→足りない分のお湯を注ぐ」という手順が手軽でしょう。
スープの日持ちに関する疑問・回答まとめ
スープの日持ちに関する疑問と回答をまとめます。
スープはどのくらい日持ちするの?
スープの日持ちは常温で2~3日、冷蔵庫で3日~1週間、冷凍庫で2週間~1ヶ月が目安です。ただし、味噌汁やポタージュ(牛乳使用)は傷みやすいので作った当日に食べきりましょう。
スープを保存する際の注意点は?
常温で保存した場合は75℃以上で1分間加熱しましょう。また、夏場は腐る可能性があるので冷蔵・冷凍保存にしてください。
傷んだスープの見分け方は?
酸っぱい臭いや味がすると傷んでいる可能性が高いです。明らかにカビが生えている場合や、糸を引く状態も危険なのでよく見極めましょう。
冷凍保存のコツはある?
具が多いスープは、汁と具材を分けて冷凍しましょう。冷凍すると膨張するので、保存容器に入れる場合は7~8分目までにします。
もっと簡単に日持ちするスープを作る方法はある?
ポタージュスープを簡単に下ごしらえする方法や、味噌玉を作っておくと日持ちして美味しく楽しめますよ!味噌の量の目安はこちらを参考にしてください。
ダイエット中の食事としても頻繁に登場するスープは、栄養素もたっぷり溶け込み、胃腸にも優しい料理です。
スープを飲むと身体が温まって、ほっとしませんか?
毎日の食事のバランスを考えるのは大変ですが、食事にスープを足すだけで野菜の量も手軽に増やせます。
またスープを飲むことで満足感が得られ、食べすぎ防止にもなります。
1食分のスープって作りづらいし、毎食同じスープでも飽きちゃう…といった悩みは、今回の保存方法のご紹介で解決できたでしょうか?
ぜひ野菜をたっぷり使ったスープを作り置きして、毎日の食事にプラスしてみてくださいね。