【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
うどんは、我が家の食卓に頻繁に登場します。
”常に必要”という考えがあるので、買い過ぎて賞味期限切れになってしまうことが、たまにあります。
うどんの賞味期限を気にしたことが無かったのですが、先日子どもが胃腸炎になって
「うどんなら少し食べられる」と言われたときに、賞味期限切れ1週間のうどんを見てちょっと不安になりました。
うどんは賞味期限切れでも食べられるのでしょうか?
徹底調査してみます!
- 乾麺・半生麺・生麺それぞれの賞味期限をご紹介
- 賞味期限切れのうどんが食べられるのはいつまで?
- うどんは腐るとこうなる!腐ったうどんの見分け方をご紹介
- うどんの正しい保存方法
- うどんは冷凍できる?
実は、我が家の冷蔵庫にあるうどんは、1種類ではありません。
スーパーでうどんを思い出すたびに買ってしまうので、賞味期限切れ1週間の他に、10日、1ヶ月のうどんもあります。
今回は、未開封と開封後のうどんの取り扱いの違いなどを詳しくご紹介していきます。
「うどんの乾麺は家庭で熟成できる?」
「うどんを冷凍するとコシが強くなるって本当?」
などの豆知識も交えながら、ご一緒に楽しく確認していきましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
うどんの賞味期限切れはいつまで食べられる?麺の種類ごとに徹底解説!
『うどん』と一口に言っても、麺の種類はさまざまです。
麺によって賞味期限が違いますので、早速チェックしてみましょう!
うどんは麺によって賞味期限が違う
麺ごとの賞味期限と、どんな麺なのかをご紹介します。
麺の種類 | 賞味期限 | 参考商品 |
乾麺 | 1年~2年 | |
半生麺 | 2ヶ月~3ヶ月 | |
生麺 (チルドを含む) |
数日~1ヶ月 |
乾麺は麺から水分を抜いていますので、長持ちしますね。
半生麺は日持ちを長くするためにうどんの中の水分を調整する製法で作られたものです。
脱酸素剤と一緒に真空パックで売られていることが多く、生麺よりも長持ちします。
生麺は、打ってそのままのうどんです。
短いと、数日という賞味期限の商品もあります。
賞味期限後の日持ちを計算
麺によって賞味期限が違うことがわかりましたが、正直どの麺も、賞味期限切れになってすぐに腐ったのは見たことがありません。
実際は、いつまで日持ちするのでしょうか?
消費者庁のホームページに、興味深い情報がありました。
- 賞味期限は客観的な試験などの結果から決められる
- 試験をクリアした期間に安全係数をかけて、商品に表示する期限を決めるのが基本
- 安全係数は、0.8以上1未満にするのが望ましい
賞味期限は、試験をクリアした期間よりも短めに設定されていることがわかりますね。
食品の特性によって安全係数は変わるそうです。
消費者庁のホームページに記載されていた安全係数0.8から逆算して、本当の日持ちの目安を計算してみましょう!
【商品に書かれている賞味期限×1.2=本当の日持ちの目安(端数切捨て)】
麺の種類 | 賞味期限 | 本当の日持ちの目安 |
乾麺 | 1年 | 1年2ヶ月 |
半生麺 | 2ヶ月 | 72日 |
生麺 | 1ヶ月 | 36日 |
上記の表から、賞味期限切れ後の日持ちをまとめます。
- 乾麺・・・賞味期限後 約2ヶ月
- 半生麺・・・賞味期限後 約10日
- 生麺・・・賞味期限後 約1週間
ちなみに麺についているスープの取り扱いは、商品によって違います。
【麺の賞味期限切れ=スープも賞味期限切れ】の場合もありますし、麺よりもスープの賞味期限が長いこともあります。
うどんは、賞味期限切れ後も多少の期間であれば食べられる可能性があるんですね。
*実際の保存期間は、保存方法に大きく左右されます。
後ほど正しい保存方法や冷凍できるかなどをご紹介します。
次に、口コミなどから「実際に賞味期限切れ後のうどんを食べた」という声を集めてみました。
うどんの賞味期限切れはどれくらいまでなら食べる?ネットの反応を調査!
消費者庁からの情報を元に計算して、うどんが本当はどれくらいの日持ちするのかの目安がわかりましたね。
ただし、計算と実際の日持ちは違う可能性があることに注意です。
食品は保存環境や保存方法によって、賞味期限内に腐ることも、賞味期限を遥かに超えて日持ちすることもあります。
賞味期限の正しい意味を確認してから、「実際に賞味期限切れのうどんを食べた」という実体験を見てみましょう。
賞味期限の正しい意味
農林水産省のホームページに、わかりやすい説明がありました。
賞味期限とは
未開封のままで商品に書かれている保存方法を守ったときの、美味しく食べられる期限のこと。
主に、いたみにくい食品に表示されています。
消費期限とは
未開封のままで商品に書かれている保存方法を守ったときの、安全に食べられる期限のこと。
主にいたみやすい食品に表示されています。
食品を開封後は、賞味期限・消費期限にかかわらず早めに食べるよう、すすめられています。
うどんに書かれているのは、一般的に賞味期限です。
でも、私がお気に入りのうどん屋さんから買う手打ち麺には、消費期限が書かれています。
賞味期限・消費期限どちらを記載するか、何日にするかは、製造者や販売者などに任されています。
消費期限が書かれているうどんは、製造者などからの「いたみやすい」というメッセージだったんですね。
賞味期限切れのうどんを食べた実体験
口コミなどから集めた実体験をまとめてご紹介します。
賞味期限切れのうどんを食べる派
- 茶色に変色していなければ食べる
- 未開封なら賞味期限切れでも1ヶ月くらいは気にせず食べる
- 茹でる前の麺を少しかじってみて酸っぱい味がしなければ食べる
- 開封してみて酸っぱい臭いがしなければ食べる
賞味期限切れのうどんは食べない派
- 賞味期限が切れたら一切食べない。特に生麺は捨てる
- 賞味期限切れの乾麺を開封して、湿気を吸っていたことがある。それ以来賞味期限切れのうどんは食べない
- 数百円のうどんで食中毒になったら病院代が何倍もかかる。食べない
- 食べられるのかもしれないが、味が落ちているのは嫌なので食べない
”賞味期限切れのうどんを食べる”という方も、無条件に食べるのではなく、見た目、臭い、味を確認してから食べているという意見が多くありました。
うどんの製造メーカーは、「賞味期限切れ後〇日食べられる」という情報を出していません。
賞味期限切れのうどんを食べるのは、最終的には自己判断なので、皆様慎重に判断しているようです。
次に、うどんが腐った状態の見分け方をご紹介します。
うどんは腐るとどうなるの?見分け方はコレ!
うどんが腐った状態を見分けるのは、ご自身の五感が頼りになります。
消費者庁のホームページにも、このように書かれています。
Q「賞味期限」を過ぎた場合には、どのようにすればいいのですか。
A.見た目や臭い等により、五感で個別に食べられるかどうかを判断してください。
消費者庁 『加工食品の表示に関する共通Q&A』より
うどんが腐るとどうなるのかをご紹介します。
見た目
- カビが生える
- 茶色に変色
- 表面がネバネバになる
- ヌメリが出る
- 虫がつくこともある(特に開封後の乾麺に多い)
臭い
- すっぱい臭い
- 生臭い
- 発酵臭
味
- 酸っぱい
- うどんではない変な味
うどんを開封してみて上記のような異変を感じた場合には、もったいなくても捨てるのがおすすめです。
過去には、うどんが原因の食中毒事件も起きています。
原因菌はカンピロバクターの例が多く、感染すると下痢や腹痛の症状が出ます。
カンピロバクターは低温でも生き続ける菌ですが、加熱に弱いです。
清潔な環境で、うどんをしっかり加熱してから食べることで予防できます。
最後に、うどんを安全に食べきるための正しい保存方法を確認しましょう!
うどんの正しい保存方法とは?冷凍してもいいの?
うどんを保存するときは、未開封と開封後で注意するポイントが違います。
未開封のうどんを正しく保存するポイント
未開封のうどんは、基本的には商品に書かれている保存方法を守ります。
下記のような保存方法が一般的です。
冷蔵庫で保存
臭いの強い食品から離して冷蔵庫で保存します。
直射日光を避けて常温で保存
常温とは、食品衛生法などでは15℃~25℃とされています。
温度変化が少なくて、風通しのよい場所での室温が最適です。
高温多湿を避けて冷暗所で保存
冷暗所は、一般的に0℃~15℃(凍らない&常温よりも涼しい)とされています。
温度変化が少なくて、風通しのよい場所が最適です。
開封後のうどんを正しく保存するポイント
我が家では、子どもがうどん一玉を食べるのは多いので、生麺のうどんをキッチンはさみで切り、半分だけ使うことがあります。
他にも、乾麺を開封後、半生麺を開封後などに一度に食べきれない場面は、どのご家庭にもあると思います。
そんな時は、下記のポイントを参考になさって下さい。
開封後の乾麺
乾燥した食品を正しく保存しないと、こんなことになります。
- 湿気を吸って味が落ちる
- 空気や光の影響で酸化がすすむ
- 虫がつく
開封後の乾麺を美味しく安全に食べきるポイントは、密閉です。
ジップつきの袋に入れて密閉した上で、タッパー、ビン、缶などの硬い容器での保存をおすすめします。
ジップつきの袋だけだと、虫が食いちぎって侵入する危険性もありますので、十分に注意して下さいね。
豆知識:熟成乾麺について
そうめんの、熟成麺という商品があります。
乾燥させてから1年間熟成させることで、独特の風味と食感が楽しめる高級商品です。
うどんの乾麺に関する口コミの中に、「家庭でも長期間保存すれば熟成する」という声があったのが気になりました。
市販の熟成麺は、熟成のための倉庫の中で、温度・湿度・衛生を徹底管理して熟成されます。
ご家庭で同じ環境を作ることは難しいので、熟成目的での長期保存はおすすめできません。
開封後の生麺や半生麺
生麺や半生麺は、水分が残っている麺とご紹介しました。
水分中での雑菌の繁殖や、水分が周囲の臭いをキャッチするなど、デリケートな食品です。
保存のポイント
- ラップに包んでからジップつきの保存袋に入れる
- 保存袋をしっかり密閉して冷蔵する
- 臭いの強い食品から離す
- 商品に脱酸素剤が入っている場合は、一緒に保存する
開封後のうどんの保存方法をご紹介しましたが、基本的には早めに食べきるということを覚えておいていただけると幸いです。
うどんは冷凍もOK!
うどんの製造販売メーカー各社のホームページには、うどんは冷凍可能と紹介されています。
実は我が家でもうどんをよく冷凍しますが、冷凍して2週間程は美味しく食べられます。
冷凍して1ヶ月くらいは保存可能ですが、茹でたときに1本のうどんが2本に割れるなど、品質は格段に劣化することに注意が必要です。
豆知識:【うどんを冷凍=コシが強くなる】は間違い
冷凍うどんのコシが強いためか、”生麺を買ってきて冷凍してもコシが強くなる”という情報があります。
冷凍うどんのコシの強さは、-30℃ほどの冷凍庫で急速冷凍することで生まれます。
家庭の冷凍庫の温度は-20℃前後。
ゆっくり冷凍されるため水分がある程度出てしまいますし、うどんの中の水分が氷の塊になってしまいます。
2週間を目安に食べきると生麺と同等の美味しさを味わえますが、
「冷凍する=コシが強くなる」わけではないということを覚えて頂けると幸いです。
まとめ
賞味期限切れのうどんについて、詳しくご紹介しました。
賞味期限切れ後も食べられる可能性があるものの、開封後は注意が必要な食品でしたね。
ポイントをまとめてみます!
- うどんは乾麺、半生麺、生麺で賞味期限が違う
- うどんは賞味期限切れでも食べられる可能性がある
- 実際に食べるかどうかは、自分の五感を信じて判断する
- 未開封のうどんは、商品に書かれている保存方法を守る
- 開封後のうどんは、しっかり密閉して冷蔵庫に入れる
- うどんは冷凍も可能
我が家では、食欲のないときやお腹を壊しているときはうどんを食べるのが定番です。
うどんの栄養素を調べると、パスタやラーメンと比べて食物繊維の比率が低くて、消化に良い食品だとわかりました。
他の麺に比べて、食べた後にお腹が重くならない理由がわかりました。
また、うどんを入れる”だし”は、鰹節などの働きで高たんぱく・低脂肪です。
うどんはダイエットにも役立ちそうですね!
開封後は早めに食べきるように気をつけながら、これからもうどんを楽しんでいきたいですね♪