【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
3本入りのなすを買って、1本残していたことをうっかり忘れていました。
冷蔵庫の奥から発見したのですが、なにやらカビらしき白い毛のようなものがあり、皮の表面の色もあまりきれいではありません。
食べられるのかどうか不安で、なすについて調べたので、次のようにまとめてご紹介しますね!
- なすに付いている白いものの正体と見分け方
- カビが生えたなすは食べられるのか
- カビを食べるとどうなるのか
- 腐ったなすの特徴とは
- 新鮮ななすの選び方
- 長持ちさせられる保存方法
外側にカビがあっても、中身がきれいなら食べられるのでしょうか?
大きめに切り取るなどの対処法があるなら知りたいと思っています。
また、今回は買ってきた袋のままで野菜室に入れてしまったのですが、正しい保存方法があるのでしょうか?
保存の仕方次第で日持ちが変わるなら、今後の為にも知っておきたいですよね。
この記事を通して、皆さんにもなすを無駄にせず、美味しく食べきれるようになっていただきたいと思っています。
まずは今回発見したカビらしきものの正体から解明していきましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
なすのヘタ・表面の白い粉や毛はカビ?見分け方や対処法を解説
今回私が発見したなすのヘタ部分はこのような状態です。
フワフワした白い毛のようなものが見られます。
他にも同じように表面にカビらしきものが生えた画像をご紹介しますね。
↓ ↓
数日前に寄った西友で見た茄子、カビ生えてた。 pic.twitter.com/sbHHro4Ee6
— ムラカミ。 (クソリプbot) (@_hana_celeb_) September 21, 2019
皮の部分に白い綿のようなものが見られますね。
もうひとつ、こちらはヘタ部分です。
↓ ↓
今日、近くの
韓国マーケット行ったら
日本の茄子だけ
カビ
だらけで売っとりました。これ、陳列した時に
分からなかったのかな。酷いな。 pic.twitter.com/RaRznaxCUA
— Kuro (@Kuromanyon7) January 22, 2020
これらのように、ヘタや皮の表面に毛や綿のような白いものが見られる場合、カビの可能性が高いです。
一方で、ヘタの周りに白い粉のようなものがある場合、それはカビではないかもしれません。
ヘタを覆う白い粉は、ブルムやブルームと呼ばれ、乾燥から身を守るためになす自体が分泌するものです。
ヘタ部分の白いものが、カビなのかブルムなのかの見分け方は次の通りです。
- フワフワした毛や綿状 → カビ
- 白い粉状 → ブルム
よく似た見た目ですが、注意深く観察すれば見分けられますよ!
外側にカビやブルムが付いたなすは食べられる?
なすの外側に付着した白いものの正体はカビもしくはブルムだとわかりましたが、果たしてこれらは食べられるのでしょうか?
結論から言うと、
- カビは食べないほうが良い
- ブルムは食べられる
となります。それぞれに詳細や理由を解説しますね!
カビの場合
なすに白いフワフワしたカビが生えている場合、食べないほうが賢明です。
そうは言っても今回の我が家のなすのように、カビがほんの一部の場合など、その部分を取り除いて食べる方はいらっしゃるようです。
↓ ↓
茄子を贅沢に4本も使って麻婆茄子つくるよ!ただしカビ生えてる
— 有為 (@uwitenpen) July 12, 2009
でも、果たして問題がないのかどうかはわかりません。
なぜなら、こんなことをツイートしている方も…
↓↓
カビの生えた茄子を煮たが、なんとかならなかった。
— フジ (@phji) October 12, 2008
具体的にどうなったのかは書かれていませんが、残念ながらこちらの方はなんとかならなかったようです。
カビ外から見た感じでは小さいと思っていても、思った以上に内側に深く菌糸を伸ばしている場合があるのです。
菌糸は目に見えませんから、切り取ったと思っても、内部に伸びた菌糸やそれに伴うカビ毒を完全に取り除けたかどうかはわかりません。
カビや菌糸が残ったなすを食べた場合、どのような症状が現れるのかはカビの種類によって異なりますが、一般的には腹痛や下痢・嘔吐などの食中毒症状を引き起こすリスクがあります。
自己責任でカビを取り除いて食べることもあるかもしれませんが、「洗う」「切る」などは確実な対処法ではありません。
もったいないですが、極力食べずに捨てることをおすすめします。
ブルムの場合
ヘタについた粉状のブルムは、体に悪いものではないので食べられます。
ちなみに、ブルムを分泌するのはなすだけでなく、きゅうりなどの野菜のほか、ぶどうやブルーベリーの表面が白っぽいのもブルムです。
ぶどうやブルーベリーのブルムは、収穫から時間が経っていない新鮮な証拠として、付いているほうが喜ばれるものです♪
それに対してなすの場合は、木が終わりを迎えて元気がなくなってきている時に分泌されるため、ブルムが付いたなすはあまり美味しくないかもしれません。
季節的にも秋ごろのなすに付着するので、あまり目にしないかもしれませんね。
中身や種の周りが黒いなど、白いカビ以外のなすの異変の原因は?
我が家のカビたなすを切ってみたところ、中身がこんな状態になっていました。
種がなんだか黒く、身の部分もきれいな白ではなく、茶色っぽく変色しています。
これはなぜでしょうか?
その他にも起こりやすい異変がいくつかありますので、症状と原因を表にしてまとめますね!
状態 | 原因 | 食べられるかどうか |
種が黒い | 劣化 | ・表面の皮がきれいなら食べられる ・劣化は進んでいるので、味は落ちている |
中身が茶色い | 低温障害 | |
中身がスカスカのスポンジ状 | 生育段階の影響 (高温や水不足) |
切ってみたら種が黒い場合、種から劣化が進み始めているサインです。
また、白い身の部分が茶色っぽく変色していると、腐っているように見えて心配ですが、この原因は低温障害だと考えられます。
高温多湿で育つなすにとって、冷蔵庫内は温度が低すぎるのです。
具体的には5℃を下回ると低温障害が起こり、身が固くなったり味が落ちてしまいます。
種が黒かったり身の中心が茶色い場合、なすの劣化が始まっているサインではありますが、切る前のなすの状態がきれいだったなら、食べられないほどではありません。
一方、身がスカスカでスポンジ状になっている場合もありますが、これは保存状態と言うより生育段階の問題です。
このようななすは「空洞果」と呼ばれ、高温による乾燥や水不足によって中身に空洞が現れてしまうのです。
こちらも食感や味はあまり良くないかもしれませんが、食べられないものではありません。
栽培中のなすの葉っぱが白い原因とは
家庭菜園などでなすを育てていると、葉っぱが白い粉を吹いたような状態になる場合があります。
これは「うどん粉病」というカビの一種が原因の病気で、なすに限らず多くの野菜や樹木に発生します。
ちなみに我が家ではプランター栽培中のきゅうりに発生しました…。
うどん粉病を放置しておくと、葉全体から茎まで侵され、枯れてしまいます。
うどん粉病が見られたら、白くなった葉っぱはすぐに取り除き、日当たりと風通しが良い環境を整えて再発を防ぎましょう。
なすにカビが見られる場合は食べないほうが良いとわかりました。
それに対して、中の種や実が変色しているだけなら食べられる可能性があることもわかりました。
ただ、中身が変色しているのは劣化のサインなので、ひどく進んでいる場合は食べないほうが良いでしょう。
その見極めもできなければ不安ですので、続いては腐ってしまったなすの見分け方を調べます!
なすは腐るとどうなるの?外側・中身が傷んだときのサインや目安
カビが生えていればわかりやすいのですが、中身が変色している場合などは、食べられる程度の劣化かどうか判断が難しいかもしれません。
なすが腐るとどうなるのか、その特徴がわかれば判断の目安にできますよね。
腐ったなすの特徴を以下にまとめます。
- 触るとブヨブヨしている
- 皮の色が茶色く変色している
- 汁が出てぬめりがある
- カビ臭いなど異臭がする
劣化なのか、腐っていると考えたほうが良いのかは、臭いや触感で判断できそうですね。
切る前の段階で、手に持って溶けているような感じがあれば食べてはいけないでしょう。
もし、手に持っただけでは異変に気付かなくても、切ってから内部の変色に気付き異臭もする場合、腐っていると判断する方が安全です。
また、怪しいと不安に思うなら、少しの量を味見してみるのもひとつの手ではあります。
味に違和感を感じたら、残念ですがそのなすは諦めてくださいね。
なすが腐っているかどうかの判断はできるようになりましたが、買ってきたばかりのなすなのに、いざ使おうと思ったら腐っていた…なんて状況は、とても腹立たしいです。
そのような悔しい思いをしない為に、新鮮ななすの選び方も調べましたので、次の章で解説しますね♪
今すでに手元になすがあるんだけど…という方は、第4章「なすの正しい保存方法は?日持ち期間やカビ防止のコツ」で、保存方法をご説明しますよ!
スーパーで使える!カビの生えにくい新鮮ななすの選び方とは?
収穫段階で状態が悪いものもあるかもしれませんが、基本的にカビが生えたり皮や中身が変色して腐ってしまうのは、なすが古くなるからです。
スーパーなどに陳列されている段階で古いものは、買ってきてすぐに腐ってしまう事もあります。
そのような悲しい結末を避けるためには、新鮮ななすを選んで買えば良いわけですよね♪
新鮮ななすを見極める際には、以下のようなポイントに注目してください。
- ヘタの切り口がきれいでみずみずしい
- ヘタ(ガク)のトゲが鋭い
- 皮がきれいな濃い紫色をしている
- 皮にハリがあり、しわが無い
- ヘタの下の実が白い
- 手に持った時にずっしりと重量感がある
一般的になすと言えば紫色なので、「きれいな濃い紫色をしている」と記載しましたが、違う色の品種もあります。
まず、紫のなすには次のような種類があります。
↓熊本産 なす
なすと聞いけば、まさにこのような形を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
↓泉州水ナス
こちらは丸い形と、水分量の多さが特徴の水なすです。
漬物にされることが多いですね。
紫以外の色をしたなすには、次のような種類があります。
↓白なす
本当に皮も中身も真っ白です!
ちょっと高級品ですね☆
↓青なす
「まだ熟れてないのかな?」を思ってしまいそうなほど、見事に青いですね!
紫色のなすと比べると少し皮が固めですが、しっかりしたうまみのある品種だそうです。
紫色以外のなすの場合色はさまざまですが、皮にハリがあって表面が美しいものを選んでくださいね。
なすは水分の多い野菜ですので、ずっしりと重みがあるのは新鮮で美味しい証拠です。
優しく手に取って比べると良いでしょう。
新鮮ななすを選べたら、後は保存しなければなりません。
最後に長持ちさせられる正しい保存方法を調べましたので、ご紹介しますね!
なすの正しい保存方法は?日持ち期間やカビ防止のコツ
せっかく新鮮ななすを買ってきたら、早くに食べきるのが一番だとは思いますが、すぐに使う機会が無かったり、使っても残ることもありますよね。
そんな時にはどのように保存すれば良いのでしょうか。
なすを保存する際には、次のような点に注意して保存してください。
- 水濡れを避ける
- 温度が5℃以下にならないようにする
- 風に当てないようにする
水に濡れたままにしていると、カビが生えやすくなります。
また、なすにとっての適温は10℃~20℃とされており、5℃以下になると低温障害を引き起こします。
そして、風に当てると乾燥が進んでしまいます。
これらの点を考慮し、常温・冷蔵・冷凍それぞれの正しい保存方法と日持ち期間の目安を表にまとめますね!
保存場所 | 日持ち期間 | 保存方法・注意点 |
常温 | 2~3日 | ・水気をふき取っておく ・キッチンペーパーや新聞紙で包む ・冷暗所で保存する |
冷蔵庫 | 1週間程度 | ・水気をふき取っておく ・キッチンペーパーや新聞紙で包む ・ポリ袋や密閉袋に入れる ・冷蔵庫の野菜室で保存する |
冷凍庫 | 1ヶ月程度 | カットして冷凍
・薄切りにしてアク抜きをする |
丸ごと冷凍
・ヘタを切り取る |
どのように保存する場合でも、余分な水気はしっかりふき取ることがカビ防止につながります。
常温保存でも冷蔵庫保存でも、むき出しにせずキッチンペーパーや新聞紙で包むことは、乾燥への対策として有効ですよ!
また、今まで考えたこともなかったですが、なすは冷凍も可能です
ただ、一度冷凍したものを完全に解凍すると食感が変わってしまうので、スライスしたものは凍ったままで、丸ごとの場合は半解凍してカットし、調理しましょう。
それぞれの日持ち期間をご紹介していますが、これはあくまで目安です。
元々のなすの状態にもよりますし、冷凍する場合、期間が長くなれば冷凍焼けによる風味や味の劣化も考えられます。
なるべく早く食べきるようにしましょうね!
まとめ
なすに生えたカビのようなもの正体や、食べられるかどうかの見分け方、正しい保存方法など解説してきました。
分かったことをおさらいしましょう!
- 白い綿状のものが付着していたら、カビと考えられる
- ヘタに白い粉状のものが付着していたらカビではなくブルムと考えられる
- カビが生えたなすは食中毒の危険もあり、食べないほうが良い
- ブルムは食べても問題ない
- 中の種が黒い、身が茶色いものは劣化している
- 皮がブヨブヨ、汁が出ている、異臭がするものは腐っていると考えられる
- 皮にハリがあり、ガクのトゲが鋭いものは新鮮
- 保存の際は水気と乾燥に注意する
- キッチンペーパーに包んで冷蔵保存か、冷凍も可能
なすのヘタの白いフワフワは、やはりカビなのですね…。
カビ自体はほんの少しですが、中身も茶色に変色していて劣化しているようなので、残念ですがこのなすは諦めようと思います。
これまで保存の際は買ってきた袋のまま野菜室に放り込んでいたのですが、それもカビや劣化の原因だったようです。
新鮮なものの選び方も、保存する正しい方法もわかったので、これからは美味しいなすを長く楽しめそうですね♪