外出先で喉が渇き、ペットボトルのお茶やコーヒーを買うことが多いのですが、なかなかその場では飲み切れません。
その為、開封後のペットボトルを外出の間中常温で持ち歩くことになります。
そして帰ってからもそのまま常温放置してしまう場合も少なくないのですが…
放置したペットボトル飲料を飲んでも大丈夫なのかわからず、不安です。
以下のような内容を調べましたのでまとめてご紹介しますね。
- 常温保存できるのか、どれくらい日持ちするのか
- 特に危険な保存状態とは
- どのような危険があるのか
- ペットボトル飲料は腐るとどうなるのか
- 長持ちさせられる正しい保存方法とは
なんとなく、ミルク入りのコーヒーより、水やお茶の方が日持ちが長そうに思いますが、実際にはどうでしょうか?
また、腐りやすい保存状態や、腐ってしまった時の見分け方がわかれば、特に危険な状態を見極めることもできそうです。
最後には長持ちさせられる保存方法も調べましたので、この記事をお読みいただければ、腐らせてしまうことも、腐ったかどうかわからずとりあえず捨てることも減るはずです!
便利なペットボトル飲料を、より安全に長く楽しめるように、まずは常温保存できるのかやどれくらい日持ちするのかから、順に解説しますね。
目次
ペットボトル開封後の常温保存は大丈夫?水やお茶などの日持ちを調査
常温保存したペットボトル飲料を飲んでも大丈夫かどうかを調べようと思っているのですが、考えてみれば、商品には保存方法や注意事項が書かれていますよね!
まずは自宅にあるペットボトルを確認することから始めましょう。
保存方法に関しては、「高温・直射日光を避けて保存」と書かれていますので、未開封で保存場所などに注意すれば常温保存できるようです。
ただ、開封後に関しては次のような記載があります。
「開栓後は早めに」の一文で、開封後は賞味期限や消費期限の通りではなくなることがわかります。
その上「開栓後の常温放置は破裂の恐れあり」と、なかなか恐ろしいことが書かれていますね!
水ならまだしも…ジュースや炭酸飲料・コーヒーなどが破裂するのは勘弁願いたいところです。
さらに大きな字で「開栓後は要冷蔵」とも記載があり、開封後は常温保存できないようです。
また、飲み物の安心安全のための取り組みを行う「全国清涼飲料連合会」でも、「開栓後はお早めに」と提言されています。
参考:全国清涼飲料連合会HP
このようなことから、開封後のペットボトルは常温保存できず、早めに飲み切らなければならないことがわかりました!
ただ、日持ち日数については飲み方や商品ジャンルによって異なるため、明言されていません。
大手メーカーサイトによる、開封後のペットボトルの日持ちは?
開封後や飲みかけのペットボトル飲料をいつまで飲めるのか、もう少し具体的な目安が知りたいところです。
そこで、各大手メーカーではどのように案内されているのか、公式HPで開栓後の日持ちについて確認しました!
表にまとめてご紹介しますね!
メーカー名 | 日持ちや期限 | 引用元 |
コカ・コーラ | ・口をつけた場合:その日のうち ・口をつけない場合:冷蔵庫で2~3日 |
公式HPより |
サントリー | 公式HPより | |
アサヒ飲料 (そのまま飲む飲料) |
・口をつけた、水筒に入れた、常温保存の場合 ・その日のうち ・口をつけない場合:冷蔵庫で2~3日 |
公式HPより |
アサヒ飲料 (薄めて飲む飲料) |
・冷蔵庫で10日~2週間 | |
キリンビバレッジ | ・口をつけた場合:その日のうち ・口をつけない場合:冷蔵庫で2~3日 ※ミルク入り飲料や果汁飲料は破裂の恐れあり |
公式HPより |
伊藤園 | ・口をつけた場合:その日のうち ・口をつけない茶系飲料:冷蔵庫で2~3日 ・口をつけない野菜飲料:冷蔵庫で3~4日 |
公式HPより |
細かい商品名は記載しませんでしたが、水(ミネラルウォーター)や茶系飲料(麦茶、緑茶、烏龍茶など)は次のような商品があります。
↓いろはす 555ml
いろはすにはいろんな味がありますよね!
ペットボトルがコンパクトにつぶせるところも、人気が高い理由かもしれません。
↓南アルプスの天然水 2L
こちらは2リットルなので、口をつけて飲むよりはコップに注いで飲むことが多いのではないでしょうか。
↓健康ミネラルむぎ茶 600ml
夏場にごくごく飲みたい麦茶ですね。
↓おーいお茶 2L
お茶にも大きい2リットルサイズのペットボトル商品が多いですよね。
持ち歩くサイズのお茶も、2リットルサイズも、どちらも利用している方も多いかもしれません。
これらの飲み物については、どのメーカーでも次の日数が目安の様です。
- 口をつけた場合や常温の場合はその日のうち
- 口をつけない場合も冷蔵庫で2~3日
残念ながらあまり日持ちしない印象ですね。
キリンビバレッジではさらに、「ミルク入り飲料や果汁飲料は破裂の恐れあり」として、より早めに飲み切ることを推奨されています。
ミルク入り飲料はカフェオレなどのコーヒー飲料、果汁飲料はジュースと考えれば良いでしょう。
↓小岩井 ミルクとコーヒー 500ml
↓トロピカーナ 330ml ペットボトル
これらは早めに飲み切るように推奨されています。
伊藤園が「口をつけなければ3~4日」と案内しているのは、次のような野菜ジュースです。
↓充実野菜 930g
正しく冷蔵庫で保存できていれば、3~4日の日持ちは見込めそうです。
また、アサヒの「薄めて飲む飲料」とは、いわゆる「カルピス」の原液の事です。
↓カルピス 原液
カルピス原液なら10日~2週間の日持ちと案内されていますね。
少し安心しました。1本でたくさん作れますし、水やお茶のように1日に何度も飲まないので、1週間でも飲み切れるかしら…と不安に思っていました。
メーカーが案内している開栓後の日持ちはわかりましたが、これらはあくまで目安です。
確実に「何時間なら常温放置しても大丈夫」や「何日なら冷蔵庫に入れれば大丈夫」とわかるわけでも、保証されているわけでもありません。
冬場と夏場では気温も違うので、保存できる期間も違ってくるでしょう。
特に注意しなければならないのは口をつけたペットボトルですが、いったいどのような危険が待ち構えているのでしょうか?
続いては、飲みかけのペットボトルが危険な理由を解説しますね!
先にペットボトルの中身が腐った場合の見分け方を知りたい方は、第3章「ペットボトル飲料は腐るとどうなる?傷んだ時の見分け方や目安がコレ!」 でご説明しますので、こちらをご覧くださいね。
飲みかけたペットボトル飲料には要注意!常温放置すると細菌が大増殖
ペットボトル飲料は、未開封ならそれほど日持ちが短いものではありません。
例えば先ほど商品をご紹介した伊藤園の「おーいお茶」は9ヶ月(引用元:おーいお茶 商品情報|伊藤園)。
同じくサントリーのトロピカーナも9ヶ月です(引用元:トロピカーナ 商品紹介|サントリー)。
それには、ペットボトル飲料が「無菌充填」という方法で製造されていることが大きく関わっています。
無菌充填とは
製造する空間、ペットボトル、中身のすべてが無菌の状態で、ペットボトルに中身を充填する方法。
洗浄殺菌した無菌のボトル内に、無菌状態の中身を充填し、殺菌したキャップをするので、中に雑菌が無い状態を保てる。
開栓すると、この無菌状態が破られてしまうので、賞味期限の通りではなくなってしまうのです。
まず、開栓するだけで雑菌が入り込み、蓋を開けた状態で放置すれば、その分だけ菌がたくさん入り込んでしまうでしょう。
さらに飲み口に直接口をつけた場合、大量の菌がペットボトル内に流れ込んでしまいます!
清涼飲料連合会が公開しているこちらの動画で分かりやすく説明されていますので、ご紹介しますね。
24時間ですごくはっきりと菌が増殖していて、各メーカーサイトが「口をつけた場合はその日のうちに」と推奨していた理由がわかりますね。
また、動画内にはありませんでしたが、同じ清涼飲料連合会が発行しているハンドブックには次のような実験結果も紹介されています。
実験1
16種類の清涼飲料水を、ダイニングやオフィスなどで開栓。半分をコップに移し替えたのちに栓をして25℃で14日間保管。
↓結果
約2割で菌が発生。
実験2
16種類の清涼飲料水を半分になるまで、老若男女が口をつけて飲み、残りに栓をして25℃で14日間保管。
↓結果
約5割で菌が発生。
口をつけると、菌の発生が2.5倍になっていますね!
「口つけないようにストローを使おう!」と考える方もおられるかもしれませんが、ストローでも同様に菌は侵入するので、注意しましょう。
口をつけてない場合でも空気中の菌が入り込む他、虫が菌を運んでくる可能性も説明されていて、ドキッとしてしまいました。
菌が繁殖しやすい悪条件とは?
開封するだけで菌が入り込み、蓋を開けっ放しにしたり口をつけると多く入り込んでしまう事がわかりました。
では、そこにどのような条件が加わると菌が増殖しやすくなるのでしょうか?
菌が繁殖しやすくなるのは次のような状況です。
- 高温
- 無添加の飲料
- 菌の栄養分となる糖分が多い
- 穀物類を含む
高温と言っても、10~40℃程度で繁殖しやすい菌が多いので、夏場の常温はもちろん、冬場の暖房が効いた室内にも危険があります。
中でも夏場の車内放置は危険が大きいので、避けなければなりませんね!
また当然ではありますが、防腐剤などの食品添加物が入っていないものの方が腐りやすくなります。
最近の清涼飲料水は無添加のものが非常に多いので、菌が入ってしまった後は腐りやすいと考えましょう。
糖分やミルクは菌の栄養となりますので、口をつけて飲んだ甘いカフェオレなどを、夏場の車内に放置するのはかなりリスクが高い状況だとわかりますね。
ただ、穀物類って…なに?と思っておられませんか?
穀物類は米や麦です。穀物に含まれる炭水化物は菌の大好物なので、実は腐りやすいのです!
なんとなく腐りにくそうに感じる茶系飲料でも、緑茶と比べると麦茶の方が腐りやすい特性がありますので、こちらも注意しましょう。
腐ったペットボトル飲料を飲むとどうなる?
菌が増殖して腐ったペットボトル飲料を飲むと、どうなってしまうのでしょうか?
常温放置などにより菌が増えた飲料を飲むと、いわゆる食中毒症状を引き起こす場合があります。
特に子供や高齢者、妊娠中や疲れている時など、免疫力が下がっている場合はリスクが上がりますので注意しなければなりません。
どのような症状が起こるかは菌の種類によって多少異なりますが、ペットボトル飲料の中で増殖しやすい黄色ブドウ球菌・カンジタ菌・大腸菌が原因の場合、次のような症状が現れます。
腐ったペットボトル飲料を飲んで起こる症状
- 腹痛
- 嘔吐
- 下痢
- 発熱
開栓後時間が経ったペットボトル飲料を飲んでこのような症状が現れた場合は、食中毒を疑ってまずは安静にし、様子を見てください。
下痢が1日に10回以上続いたり、子供の場合はぐったりしているようであれば、医療機関を受診してくださいね!
開栓したり口をつけたペットボトルがいつまで飲めるかの目安や、危険な保存状態などがわかりました。
腐ったものを飲んでしまったら食中毒を起こす可能性があるともわかりましたが、ペットボトルの中身が腐っているかどうかはどのように見分ければ良いのでしょうか?
間違って飲んでしまわないように、続いてはペットボトル飲料が腐った時の見分け方をご紹介しますね!
腐らせない為の正しい保存方法を先に知りたい方には、第4章「ペットボトル飲料の正しい保存方法!飲みかけを長持ちさせるには?」の章でご説明しますよ。
ペットボトル飲料は腐るとどうなる?傷んだ時の見分け方や目安がコレ!
口をつけたり、開栓後に常温保存したペットボトル飲料の日持ちをご説明しましたが、それはあくまで目安です。
最終的には自分で判断するしかありません。
ペットボトル飲料が腐るとどうなるのか、特徴を紹介しますので、判断の材料になさってくださいね!
- 酸っぱいなど、異様な味やにおいがする
- 表面に白い膜が張っている
- 白っぽく濁っている
- ふわふわと浮遊物がある
- 容器が膨らんでいる
- ドロドロしている
ペットボトル飲料が腐ると、においや味、色などの見た目にサインが現れます。
表面の白い膜やふわふわした浮遊物は、入り込んだ菌やカビの胞子が増えたものだと考えられます。
怪しいと感じるものが確認できた場合は飲まないようにしましょう。
見た目に変化が無くても、少し飲んでみて酸っぱい味やにおいがする場合も、それ以上飲むのは控えたほうが良いですね。
夏場にうっかり常温に放置してしまった場合など、この目安が参考になればと思います。
ペットボトル飲料が腐った場合の特徴はわかりましたが、そもそも腐らせないのが一番ですよね!
そこで最後に、ペットボトル飲料を長持ちさせられる正しい保存方法を解説します。
ペットボトル飲料の正しい保存方法!飲みかけを長持ちさせるには?
ここまでに、開封後のペットボトルが腐りやすい条件を解説してきました。
長持ちさせたいと考えるなら、その逆の方法で保存すれば良いわけですよね!
おすすめの飲み方や保存方法は次の通りです。
- 口をつけて飲まない
- コップに移して飲む
- 蓋を開けっ放しにしない
- 飲みかけはすぐに冷蔵庫で保存する
- 冷凍可のペットボトルなら、冷凍する
- 少量残った場合は製氷皿に移して冷凍する
とにもかくにも、日持ちさせたければ口をつけて飲まないことが大切です!
そして、飲み切れなかった場合も食卓に置きっぱなしなどにせず、すぐに蓋をして冷蔵庫に戻しましょう。
少しだけ残ってしまった場合には、製氷皿に入れて冷凍し、お茶を飲む際の氷として使うのも良いかもしれませんね!
こちらのような蓋つきの製氷皿なら、冷凍しやすそうです。
↓蓋つき製氷皿
上にも物を重ねられるので、冷凍庫のスペースを有効活用できますね。
また、ペットボトルが冷凍可能なものなら、持ち歩く前に丸ごと冷凍してしまうのも一つの手です。
夏場に一日持ち歩くとあっという間にぬるくなってしまい、「ああ、どんどん菌が増殖しているのでは…」と不安です。
冷凍させておけば、徐々に溶けた分も残っている氷の効果で冷たく保てているので、ぬるくなった場合より菌の増殖を抑えられるはずですよね!
保存方法とは少し異なりますが、「見た目や臭いに変化は感じられないけれど、保存期間が長くなってきて不安…」という場合は、一度加熱して消毒する方法もあります。
できるものは水や茶系飲料など、味が変わりにくいものに限られますし、実際に殺菌できたかどうかを確認するすべはないので、あくまで自己責任の裏技程度にお考え下さいね。
また、しっかり沸騰させた飲み物を、菌で汚染された容器に入れては意味がありません。
保存容器も煮沸消毒やアルコール消毒などで清潔にしてから使いましょう。
ただ、残念ながらどのような対策を講じても、開封後のペットボトル飲料には危険がつきまといます。
赤ちゃん用の麦茶など、特に腐らせたくないと感じるものは、なるべく小さいペットボトルを購入し、出来る限り一度で使い切ることをおすすめします。
まとめ
ペットボトル飲料を常温保存しても良いのかどうかや、その危険性について調べ、分かったのは次のような内容です。
- 未開封のペットボトルは常温保存できる場合が多い
- 開封後は常温保存できない
- 直接口をつけた場合はその日のうちに飲み切る
- コップに移して飲んだ場合でも、日持ちは冷蔵庫で2~3日程度
- 開封後に常温放置したペットボトル内では菌が増殖する可能性が高い
- 菌が増えたペットボトル飲料を飲むと食中毒の危険がある
- 中身が腐っているかどうかは、見た目やにおい、色を参考に判断する
- リスクを避けるために、すぐに蓋を閉めて冷蔵庫で保存する
口をつけたペットボトル飲料を常温放置すると、24時間でもものすごく菌が増えてしまうのですね!
夫が時々、口をつけた飲みかけのペットボトルを冷蔵庫に入れて数日保管しています。
たとえ冷蔵庫の中でも、菌の増殖が全く進まないわけではないと考えられるので、怖くなってきてしまいました。
出先で買って飲む場合、口をつけるしかないですが、できるだけ早めに飲み切らなければなりませんね!
皆さんも、ペットボトル飲料を飲む場合は、なるべくコップに入れて飲み、食卓などに出しっぱなしにせず、正しく保存して安全に飲み切りましょう♪