【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
子供の好物であるチーズはよくおやつにしているのですが、外出する時に常温で持ち歩きできるのかいつも悩みます。
乳製品なので常温保存できないようにも思いますが、発酵食品なので1日くらいなら常温でも大丈夫なのではと思ったりも…。
でもよくわからないまま常温保存のチーズを食べて、お腹などを壊してしまっては大変ですよね。
そこで、チーズは少しくらい常温放置しても大丈夫なのか、何時間くらいなら食べられるなどの目安はあるのか調べてみました。
- チーズは常温保存できるのか
- 特に常温保存にむかないチーズの種類とは
- 常温保存できるチーズはあるのか
- チーズは腐るとどうなるのか
- チーズの正しい保存方法について
- 冷凍できるチーズの種類とは
チーズと一言でいっても、色々な種類がありますよね。
クリームチーズのような柔らかいチーズと、コーティングされた固いチーズでは常温での日持ちは違うような気がします。
そこでチーズの種類ごとに、常温保存できるのかどうかを詳しく調べてみました。
また、常温放置して食べられなくなったチーズを見分けられるように、腐るとどうなるかも解説します。
食べきれないチーズを上手に保存する方法も必見ですよ。
うっかりチーズを常温保存してしまった、チーズが腐っているか知りたいという方は、ぜひご確認ください。
管理栄養士・栄養士
目次
チーズの常温保存はどれくらいまで大丈夫?チーズの種類や状況別に解説
まずは日本国内で市販されているチーズについて、保存方法を調べてみました。
すると、大半のチーズは要冷蔵(10℃以下)となっています。
このことから、チーズは基本的には常温保存しない方が良いということがわかりますね。
チーズに適した環境
- 温度:5~10℃
- 湿度:80~85%
このようにチーズは高温が苦手なので、冬よりも夏の常温保存は注意です。
夏場なら半日や一晩で腐ってしまうこともあるようです。
一晩常温に置いたチーズ食べたら見事に吐いた 今の時期でも常温はあかんな
— もちす🍑🍊 (@fred_moi7) September 23, 2015
しかし冬なら、半日から1日くらいなら常温でも食べられるという意見も多く見られました。
昨日買ったスライスチーズ常温保存で忘れてたけど賞味期限半年後だから1日ぐらい余裕で持つじゃん食べよ
— 海燕寺 (@kaieizrzr) January 3, 2020
そして例えば購入したスーパーからの持ち歩き程度では、常温でもほぼ大丈夫なことが多いです。
一方真夏の車などかなり暑い常温で放置した場合、数時間でも腐ってしまうこともあります。
私はたまにお弁当にもチーズを入れますが、5時間くらい常温の状態でも腐っていたことはありません。
ただ真夏などは必ず保冷剤を入れるようにしているので、そのおかげかもしれませんね。
温度が高すぎると、チーズの発酵が進み過ぎて食べられなくなってしまいます。
そして温度などの保存状況やチーズの種類によって発酵の進み具合は変わるため、何時間、何日なら大丈夫と明言はできません。
特にチーズの種類によって、常温保存できるかどうかは大きく違うので、詳しく解説していきますね。
常温保存にむかないチーズは何?
チーズは大きく分けて、ナチュラルチーズとプロセスチーズに分けられます。
ナチュラルチーズ
- 発酵し続けているチーズ
- モッツアレラチーズ、カマンベールチーズ、ゴーダチーズ、チェダーチーズ
プロセスチーズ
- 加熱処理して乳酸菌の発酵を止めているチーズ
- スライスチーズ、おやつチーズ、ベビーチーズなど
ナチュラルチーズは発酵し続けているチーズなので、常温だとどんどん発酵は進みます。
ただし水分量が少ないナチュラルチーズなら、発酵の進行が遅いため常温でも多少日持ちします。
現にフランスなどの海外では、2日~1週間くらい常温でチーズを保存している家庭も多いそうです。
※ただし、高温多湿の日本では常温保存せずに、冷蔵庫での保存をおすすめします!
一方、プロセスチーズは一度加熱して発酵を止めているため、多少常温でもすぐに腐ることはないと考えられます。
わかりやすいように、常温保存のしやすさをチーズの種類別にまとめてみました。
チーズの種類 | 特徴 | 常温保存について |
クリームチーズ、モッツァレラチーズ、マスカルポーネなど | 水分量が多い | 常温はできないので、必ず冷蔵庫で保存する |
カマンベールチーズ | 柔らかい | 基本は冷蔵庫保存だが、常温保存できるよう加熱されたタイプもあり |
ゴーダチーズ、チェダーチーズ、ラクレットなど | 水分量が少ないタイプのチーズで固さがある | カットする前なら常温保存できる場合も |
プロセスチーズ(6Pチーズ、さけるチーズ、おやつチーズ、燻製チーズなど | 加熱処理されているチーズ製品 | 多少の常温保存なら、食べられることもある |
パルメザンチーズなどの粉チーズ | 水分量がとても少ない | 常温保存可能な場合が多い |
このように、水分量が多いチーズは常温だとかなり危険ですが、水分量が少ないチーズや加熱しているチーズは少しくらいなら大丈夫なことが多いです。
ただし、粉チーズなど明確に常温保存ができる商品以外は、基本の保存方法は冷蔵庫ですよ!
シュレッドチーズは常温保存できる?
シュレッドチーズとは細かく刻んだチーズのことです。
つまりチーズの種類ではなく、スライスチーズなどと同様に形状を表しています。
1種類のチーズの場合もあれば、モッツァレラチーズやチェダーチーズなどを合わせたものもあります。
シュレッドチーズは細かく刻まれているため、常温ではなく冷蔵庫で保存するようにしましょうね。
未開封ならともかく、開封後のチーズは発酵が進みやすいので、常温保存はしないようにしてくださいね。
お土産やギフトにしたいなら、常温保存できるチーズを選ぶと良いでしょう。
通販でも購入できる!常温保存ができるチーズをご紹介
先ほどもご紹介しましたが、水分量が少ない粉チーズは常温保存が可能です。
そのほかにも、常温保存ができるように加工されている商品はたくさんあります。
こちらはお酒のおつまみにぴったりのチーズですね。
常温保存できるチーズなら、お子さんのおやつにも便利です。
チーズを加工した商品でも、常温保存可能なものがあります。
ギフトにもおすすめです。
スモークチーズなど燻製されたチーズも、常温保存できるものが多くあります。
ただし、すべてのスモークチーズが常温可能なわけではないので、注意してくださいね。
海外からチーズを持ち帰る場合は
海外のチーズをお土産で持ち帰りたい時は、常温保存できるものがあればそれが一番良いです。
そうでなければ、水分量の少ないハードタイプのチーズを選ぶようにしましょう。
また購入したチーズを、真空パックにしてくれるお店もあります。
ただし、真空パックにしたからと言って、常温でも大丈夫というわけではありません。
飛行機で持ち帰る場合でも、できれば保冷剤などを用意しておくと安心です。
商品によっては常温保存できるチーズも多くあるので、保存方法をよく確認してみてください。
うっかり要冷蔵のチーズを常温保存してしまった場合は、腐っていないかよく確認してみましょう。
食べられるかどうか判断するためにも、チーズが腐っている目安について解説していきます。
常温放置したチーズは腐るとどうなる?傷んだときの見分け方や目安
常温放置したチーズは、例え賞味期限内でも悪くなることがあります。
そこで、チーズが腐るとどうなるのか、見分け方を確認しておきましょう。
チーズが腐った場合の目安
- アンモニア臭がする
- カビが生えている
- 変色している
- ピリピリとした酸味がある
- 水分が出てベタベタしている
アンモニア臭がしていたり、酸味があるような場合は、まず間違いなく腐っているので、食べないでください。
少し食べて「これはやばい…」と感じたなら、自分の直感を信じることをおすすめします。
やばい、チーズ食ったら変な味した 大丈夫かな~(・_・; 明日腹痛かな~( ;´Д`)
— けい (@kd_kei) April 6, 2013
そして少し悩ましいのが、カビや変色の場合ではないでしょうか。
ブルーチーズなど、最初からカビがあるチーズの場合は、カビや変色はわかりにくいかもしれません。
ただしプロセスチーズなど発酵を止めているはずのチーズや、最初からカビがなかったはずのチーズが変色していたらアウトだと覚えておいてください。
私はよくシュレッドチーズにカビを生やしてしまい、泣く泣くゴミ箱行きになります…。
チーズだし、少しくらいのカビなら大丈夫なんじゃ?と思うこともありますが、腐ったチーズを食べると、腹痛や下痢などの食中毒症状を起こすこともあるので、食べない方が無難です!
まじでバカじゃねぇの、
朝食べたチーズ絶対腐ってただろ!
1限の間、腹痛すぎて落ち着きのなさが異常だったわ!!— ふじもり。 (@Fujiii1109) June 12, 2017
このようにチーズを腐らせてしまう前に、上手に保存してなるべく長持ちさせましょうね。
というわけで、最後にチーズの保存方法について解説します。
チーズの正しい保存方法!未開封・開封後に長く日持ちさせるコツ
チーズは、常温保存が可能なもの以外は、冷蔵保存が基本でしたね。
また、未開封だと常温で保存できるチーズでも、開封後は冷蔵庫で保存するものも多いです。
商品に付いている保存方法をよく確認するようにしてください。
また、このようなチーズの場合は、未開封でも冷蔵庫で保存しておくと安心です。
開封後のチーズを日持ちさせる保存方法
- カットしたチーズはラップで包む
- 密閉容器やジップロックなどの密閉できる袋に入れる
- 冷蔵庫の野菜室に保存する
チーズの最適な環境は、温度5~10℃、湿度80~85%ということは既にご紹介しているかと思います。
そしてこの環境に最も適しているのが、冷蔵庫の野菜室なのです。
チーズは高温だけでなく乾燥にも弱いので、ラップなどに包んで乾燥を防いでくださいね。
柔らかいチーズ場合は、アルミホイルに包むと良いですよ。
また、さらに長持ちさせたいなら、チーズ専用のチーズペーパーがおすすめです。
チーズを保存するのに便利な保存容器もあります。
海外の家庭では、このような容器に入れて常温保存する家庭が多いようです。
日持ちのしない常温保存はおすすめしませんが、どうしてもという場合はこのような容器を使った保存方法が良いのではないでしょうか。
ちなみに冷蔵庫でのチーズの日持ちは、だいたい3~4日、長くても1週間程度です。
でも、この期間では食べきれないこともありますよね?
そこで、長持ちのためによくする冷凍保存は、チーズでもできるのか調べてみました。
チーズは冷凍保存できるのか?
結論から言うと、チーズの冷凍保存はあまりおすすめできません。
チーズは冷凍すると、舌触りがボソボソとした食感になるので、冷凍には向かない食品とのことでした。
ただし、水分が多いチーズや加熱が前提となっているチーズの場合は、冷凍もできるようです。
例えばシュレッドチーズなどは、調理に使うことが多いですよね?
このようなチーズの場合は、冷凍しても加熱して食べられます。
冷凍する場合のチーズの保存方法
- 1回分ずつ小分けにしてラップに包む
- 冷凍庫に保存する
冷凍したチーズの日持ちは、1ヶ月くらいです。
まとめ
チーズは常温保存できるのかや、保存方法などを解説してきました。
ポイントをまとめます。
- チーズは基本的に常温保存しない方がいい
- クリームチーズなど水分量が多いチーズは常温保存できない
- ハードチーズやプロセスチーズなら常温でも日持ちしやすい
- 粉チーズなど常温保存できるチーズもある
- チーズは腐るとアンモニア臭や酸味がして、カビが生える
- チーズはラップに包んで野菜室に保存する
- シュレッドチーズなど加熱して使うチーズは冷凍できる
チーズにはいろいろな種類があるので、一概に常温でどれくらい持つとは言えないことがわかりましたね。
水分量が多いかどうか、加熱してあるかどうかは重要なポイントのようです。
基本的に冷蔵庫に保存するのが間違いないですが、子供のおやつ用に少し持ち歩きたい時などには参考にしようと思います。
皆さんも今回の情報を参考に、チーズを上手に保存して美味しく食べてくださいね。