【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
家族の好きなカレーはよく作るのですが、何だかお肉や野菜などの具材が固いときがあります。
じゃがいもや人参などの野菜は、煮込み時間が足りないのかなと思いますが、牛肉などのお肉が固いのはどうしたらいいのでしょうか?
レシピ通りに作っても、なかなかうまく作れないこともあります。
そこで、野菜もお肉も柔らかくするにはどうしたらいいのか、詳しく調べてみました。
- カレーの具が固い理由と対処法
- 具材を柔らかくする下ごしらえの方法
- カレーにおすすめのお肉の部位を牛・豚・鶏ごとに紹介
- 具材もホロホロの美味しいカレーの作り方
- 余ったカレーを使ったリメイクレシピ
じゃがいもや人参などの野菜が固い理由と、お肉が固い理由は少し違います。
それぞれの理由とともに、柔らかくする対処法を解説しますね。
また、そもそも固くならないようにするには、下ごしらえが重要です。
そんなお肉が柔らかくなる下ごしらえ方法を、カレーにおすすめのお肉の部位と併せてご紹介しますよ。
カレーの作り方はご存知かと思いますが、この機会に美味しいカレーの作り方を改めて確認してみて下さいね。
余ったカレーを飽きずに美味しく食べるリメイクレシピも覚えて、美味しく食べ切りましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
カレーを作ったら具材が固い!お肉や野菜が生煮えの時の対処法は?
カレーは誰でも作れる定番の簡単レシピと思いきや、なかなか美味しく作れない…という悩みもありませんか?
食べられるけど、じゃがいもや人参が生煮えで固いということもしばしばです。
めちゃくちゃ人参が固いカレーが出来た
— ヤキサバ (@chihyap) January 11, 2019
一方、お肉だけが固くなることもあって、なかなかホロホロの美味しいカレーを作るのは難しいです。
そこで、カレーの具材が固い理由と対処法を、野菜とお肉に分けて解説していきます。
カレーの生煮え野菜は電子レンジで加熱が便利
カレーに入っている野菜が固いのは、加熱が足りなくて生煮えになっているからです。
そのまま煮込み時間を長くしてもいいのですが、じゃがいもが溶けて無くなってしまう危険もありますよね。
そんな時は、電子レンジを使うと、簡単に柔らかくなります。
じゃがいもや人参が固いときの対処法
- 煮込み時間を長くする
- じゃがいもや人参を取り出し、電子レンジでチンする
じゃがいもやさつまいもなどの固い芋や人参を柔らかくするには、電子レンジが簡単です。
玉ねぎがシャキシャキしすぎて固い場合は、煮込み時間を長くする方が良いでしょう。
<豆知識>カレーに入れるナスの皮が固い場合は?
カレーにナスをトッピングするのも美味しいですよね。
基本的にナスの皮は剥かずに煮込んで大丈夫ですが、とても固い部分がある場合は剥いたほうが良いかもしれません。
別途揚げナスにして、トッピングのようにするのもおすすめですよ!
続いて、お肉が柔らかくならない理由と対処法を解説していきます。
お肉が固いのは加熱の仕方に問題が
カレーの野菜が固いのは、加熱不足が大きな原因ですが、お肉の場合は少し違います。
お肉は、高温で煮込むと一旦固くなってしまう性質があるのです。
その後時間をかけてじっくりと弱火で煮込むと、お肉は柔らかくなります。
カレーの煮込み時間は15分~20分程度と指定されていることが多いですよね?
それくらいの時間だと、お肉の種類によっては煮込み時間が足りなくて、固くなってしまうようです。
カレーの牛肉、豚肉、鶏肉が固いときの対処法
- 弱火でじっくりと煮込む
- 保温調理鍋で保存する
煮込み時間を長くすると、じゃがいもが溶けてしまいそうな場合は、いったんじゃがいもを取り除いておくと安心です。
または、こちらの保温調理鍋のようなものを利用すると、じゃがいもが溶けずにお肉が柔らかくなりますよ!
カレーの野菜やお肉が固い場合の対処法はわかりましたが、カレールー自体が固くなってしまう事もありますよね?
そんな場合の対処法は、こちらをご確認ください!
カレールーが固い時に水を入れるのはNG!
カレールーを入れすぎたり、冷蔵庫に保存していたカレーが固くなってしまった場合は、どうしたらいいのでしょうか。
カレーを伸ばすために、手っ取り早く水を入れたくなりますが、これはやめておきましょう!
風味が格段に落ちて、美味しくなくなってしまいます。
細粒ブイヨンやだし汁などを加えて伸ばすのが、正しい方法です。
カレールーが水っぽくなりすぎてしまったら、水溶き片栗粉で調整してくださいね。
ちなみに、お肉の部位によって、柔らかくなりやすさは変わってきます。
カレーにおすすめのお肉を、牛肉・豚肉・鶏肉に分けてご紹介しますね。
そもそもカレーの具材が固くならないような下ごしらえ方法と併せて、詳しく解説していきます!
カレーに入れるじゃがいも・人参・牛肉・豚肉などを柔らかくするコツ!
固い具材のカレーにならないためには、調理前の下ごしらえが大切です。
まずは、じゃがいもや人参が柔らかくなる下ごしらえ方法から確認しておきましょう!
カレーの野菜が固くならない下ごしらえ方法
- 小さく切る
- 電子レンジで加熱しておく
野菜が固くなるのは加熱不足なので、火が通りやすいようにいつもより小さくカットしておくのがおすすめです。
ただし、キタアカリなどの溶けやすいじゃがいもを小さく切ると、溶けてしまう可能性があります。
煮込み料理に適したメークインだと、小さめに切っても溶けにくいですよ。
また、特に人参は火が通りにくいので、私はいつも先に電子レンジで加熱しています。
これだけで、カレーの野菜が固くなるのを防ぐことができますよ。
続いて、お肉を柔らかくする方法をお伝えします。
カレーにおすすめのお肉の部位と、柔らかくする下ごしらえ方法
お肉には柔らかい部位と、柔らかくない部位があります
例えば、サーロインステーキのようなステーキ肉やヒレ肉は柔らかいので、カレーに入れても固くなりにくいです。
しかし例えば、牛すじ肉などの筋が多くて固いイメージのあるお肉でも、じっくり煮込めば柔らかくなります。
そこで、カレーにおすすめの部位と、その部位に合わせた調理法をまとめてみました。
お肉の種類 | 部位 | 調理法 |
牛肉 | 牛もも肉・牛切り落とし | 柔らかくなりやすい・煮込み時間短めでOK |
牛肩ロース・牛すね肉・牛すじ肉・牛バラ肉 | 煮込み時間が短いと固いので、柔らかくなるまで長めに煮込む | |
豚肉 | 豚ヒレ肉・豚ももブロック | 柔らかくなりやすい・煮込み時間短めでOK |
豚肩ロース | 煮込み時間が短いと固いので、柔らかくなるまで長めに煮込む | |
鶏肉 | 鶏もも肉 | 柔らかくなりやすい・煮込み時間短めでOK |
※ささみ、鶏胸肉の場合 | 加熱し過ぎると固くなるので、短めに! |
お肉の部位によって、煮込み時間を変えると固くならずに柔らかいお肉になります。
もも肉や鶏肉は柔らかくなりやすいので、長時間煮込む必要はありません。
※ただし高温で一気に熱を加えると、固くなってしまうので注意ですよ!
一方、筋が多いお肉は長時間煮込むことでトロトロのお肉になるので、それはそれでとても美味しいです。
でも長時間煮込むのは大変ですよね。
圧力鍋を使うと短時間で具材も柔らかくなりますが、そもそも我が家には圧力鍋がありません…。
そんな場合は、お肉を柔らかくする下ごしらえをしておきましょう!
お肉を柔らかくする下ごしらえ方法
- 筋や繊維を切っておく
- すりおろし玉ねぎやすりおろしりんご、パイナップル、塩麹に浸けておく
- ヨーグルトやコーラなどの炭酸、料理酒に浸けておく
筋張っていると、どうしても固くなってしまいます。
包丁の背で叩いておくなどして、お肉の筋や繊維を切っておくと柔らかくなりやすいです。
また、玉ねぎや塩麹などに含まれているプロテアーゼという酵素は、お肉を固くする作用があるたんぱく質を分解してくれます。
ヨーグルトや料理酒などは、筋線維が縮まり固くなるお肉のPH値をコントロールするため、お肉が柔らかくなります。
また、小麦粉をまぶしておくと水分や油分が抜けるのを防ぐので、ささみや鶏肉などのお肉におすすめです。
では、野菜やお肉の下ごしらえ方に続いて、美味しいカレーの作り方もきっちり抑えておきましょう。
具材が柔らかくて美味しいカレーの作り方!レシピや手順動画も紹介
カレーの作り方はなんとなく知っているとは思いますが、なぜわざわざ煮込む前に炒めるのかはご存知でしょうか?
まずは、カレーを炒めたり煮込むことで、どんな作用があるのかご説明します。
カレーを炒める理由
- 野菜の余計な水分を飛ばすため
- じゃがいもなどの煮崩れを防ぐため
カレーを煮込む理由
- 旨みを抽出するため
私はどうせ煮込むなら、炒める必要はないのではと思っていました。
しかし、炒めないと水っぽいカレーになったり、じゃがいもなどの野菜が油でコーティングされないので、溶かす原因にもなるそう。
また、煮込み時間が長いのも、火を通す以外に旨みをじっくり引き出すという理由もあるようです。
基本的なポイントを抑えたところで、美味しいカレーの作り方を詳しく解説していきます。
基本的なカレーの作り方を動画で確認!
カレールーの大手メーカーであるエスビー食品のHPに、基本のカレーの作り方が載っていました。
カレールーだけでも美味しく作れますが、今回は様々なスパイスを使った作り方をご紹介します。
まずはこちらの動画で、ご確認ください!
続いて、詳しいレシピはこちらをご確認ください。
具材も柔らかい!美味しいカレーの作り方レシピ
基本のカレーの作り方に加えて、スパイスのひと手間をかけた絶品レシピです。
- 玉ねぎ1/2個をみじん切りに、1/2個分をくし形切りにして横半分に切る(3.5cm角程度)
- 人参(小1個)、じゃがいも(中1個)の皮を剥き、食べやすい大きさの乱切りにする
- 鍋にサラダ油(大さじ1)を入れ、中火~強火で表面に焼き色が付くまで肉を炒め、取り出しておく
- 3の鍋にクミンシード(小さじ1/2)を入れ、ぶくぶくと泡が出てくるまで弱火にかける(焦がさないように注意)
- 玉ねぎのみじん切りを炒め、茶色くなってきたら残りの玉ねぎ、人参、じゃがいもを入れ炒める
- 全体に火が通ったら、3の肉を鍋に戻して混ぜる
- 鍋に水(700ml)とローレル(1枚)を入れ煮込む
- 沸騰したら火を弱めてアクを取り、材料が柔らかくなるまで弱火で20分煮込む
- 火をとめてルーを割り入れよく溶かし、さらに弱火で煮込む
- 最後にガラムマサラ(適量)を入れて味を整える
火が通りにくい野菜から炒めて、煮込むのが鉄板ですよね。
ただし、じゃがいもの煮崩れが気になるなら、炒めた後に取り出しておき、ルーの後に煮込むタイミングで戻しましょう。
ちなみに、基本的にカレーを作る場合は蓋をしないで作りましょう。
蓋をして作る場合は、水の分量を減らしてくださいね。
余ったカレーはそのまま食べるのもいいですが、飽きてしまうという人はアレンジレシピを試してみて下さいね。
残ったカレーはアレンジしよう!人気のおすすめリメイク方法はコレ
カレーライスはとても美味しいですが、私は余ったカレーを、次の日にアレンジしてカレーうどんにするのが大好きです。
このように、カレーは他の料理にリメイクする方法がたくさんあります。
カレーを使った人気のアレンジレシピを、いくつかご紹介していきますね。
カレーうどん
- 余ったカレーに麺つゆと水を入れて温める
- 別茹でしたうどんを入れて少し煮込む
- ねぎ(適量)を入れて完成
麺つゆと水の量は、使用する麺つゆの希釈量を参考にして入れてくださいね。
私は電子レンジでチンした冷凍うどんを使うのですが、茹でる手間がないので楽ちんですよ!
うどんのほかに、パスタに絡めても美味しいです。
続いて、定番のコロッケにアレンジするレシピをご紹介します。
カレーコロッケ
- じゃがいも(1~2個)を茹でてつぶしておく
- 余ったカレーに1のじゃがいもを入れ、塩・胡椒で味を整える
- 俵型もしくは丸く成形する
- 小麦粉、卵、パン粉の順に付ける
- 180℃の油できつね色になるまで揚げる
じゃがいもではなくご飯を使って、カレーライスコロッケにするのも美味しいですよ。
では、続いて人気のドリアレシピです。
月見チーズカレードリア
- 耐熱皿にご飯(1人前)とカレー(適量)を乗せる
- とろけるチーズと粉チーズ(各お好みの量)をかける
- 卵(1個)を落として、トースターで5分焼く
卵はお好みなので、乗せなくてもOKです。
チーズはとろけるチーズだけでも大丈夫ですが、粉チーズを入れるとさらに美味しくなりますよ。
カレーとご飯を炒めて水分を飛ばし、カレーチャーハンにするのもおすすめです!
目玉焼きを乗せると、カレーチャーハンのナシゴレン風になりますよ。
まとめ
カレーの具が固い時の対処法や、具材を柔らかくする方法などをご紹介してきました。
ポイントをまとめます。
- カレーの野菜が固いのは、中まで火が通っていないため
- 固い野菜は取り出してから電子レンジで加熱する
- カレーのお肉が固いのは、強火で短時間煮込んだため
- 弱火で長時間煮込むと、お肉は柔らかくなる
- カレーにおすすめの肉は、もも肉や牛すじ肉など
- 肉の部位によって煮込み時間を調整すると良い
- 筋を切ったり、すりおろし玉ねぎなどに漬けこむとお肉は柔らかくなる
- 丁寧に炒めて、じっくり煮込むと美味しいカレーになる
- 余ったカレーは色々な料理にアレンジできる
お肉はじっくり煮込むと、一度固くなっても柔らかくなるんですね!
また、煮込む前に下ごしらえしておけば、高級なお肉じゃなくても、柔らかいお肉になりますよ。
今まで炒めるにも適当にやっていたので、きちんとじっくりやればもっと美味しいカレーを作れそうです。
スパイスもぜひ使ってみたいですね。
皆さんも今回の情報を参考に、具材がホロホロで柔らかい美味しいカレーを作ってくださいね。