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食材・料理のQ&A

カレーを熱いまま冷蔵庫や冷凍庫に入れても大丈夫?注意点を解説!

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料理・食材
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【監修者:管理栄養士 坂本圭子】

 

カレーを多めに作って余ったときは、季節によっては冷蔵保存したほうがよいですよね。

ですが、鍋でグツグツと煮込んだカレーは、なかなか冷めないので困ってしまいます。

先日時間がなくて、まだ冷めていないカレーを冷蔵庫に入れようとしたら、主人に「熱いまま冷蔵庫に入れたらダメに決まっているだろう!」と一蹴されました。

やはり、少し無謀だったのでしょうか…?

そこで、「カレーを熱いまま、冷蔵庫や冷凍庫に入れたらいけないのか」からはじめ、以下のことについて徹底調査することにしました!

 

  • なぜカレーは熱いまま冷蔵庫や冷凍庫に入れてはいけないの?
  • 熱いカレーの急速冷却の仕方
  • どれくらい粗熱を取ればいいのか
  • カレーの正しい保存方法とは
  • カレーはどれくらい日持ちするのか
  • カレーは腐るとどうなるのか

 

「カレーは2日目が美味しい」というフレーズを聞いたことがある人は多いと思いますが、私も多めに作って2日目もカレーを楽しんでいます。

しかし、最近ノロウイルスやカンピロバクターに次いで「ウェルシュ菌」による食中毒が話題になっていますよね。

そこで、カレーなど煮込み料理で繁殖しやすい”ウェルシュ菌”についても調査したので、あわせて紹介したいと思います。

ほかにも、カレーの正しい保存方法や腐ったときにどうなるかなどについても詳しくみていきますので、ぜひ参考にしてください。
 

記事監修者・管理栄養士・坂本圭子先生記事監修・坂本圭子先生
管理栄養士・栄養士
管理栄養士フードスペシャリスト/ 管理栄養士として病院、介護老人保健施設、保健センターで10年の経験を経てフリーランスに転身。現在は、執筆、レシピ開発、オンラインダイエット食事指導、サプリメントの商品企画、監修を中心に活動。プライベートでは2児の母であり、毎日パワフルに子育て中。休日は子ども達と一緒にパン作りをするのが趣味。

   

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カレーを鍋ごと熱いまま冷蔵庫や冷凍庫に入れてはいけない理由とは?

実は、カレーを鍋ごと熱いままで、冷蔵庫や冷凍庫に入れるのはNGです。

やはり、主人の言ったことは正しかったようです…。

これはカレーに限らず、熱いものをそのまま冷蔵庫や冷凍庫に入れると、せっかく低い温度を保っている庫内の温度をあげることにつながるからです。

特に、熱い容器のそばに置かれた食材は、傷みやすくなってしまうので、必ず冷めてから入れようにしましょう。

ですが、鍋ごと常温で冷ますのもよくないんです!

管理栄養士 坂本圭子
管理栄養士
坂本圭子
カレーには寸胴鍋などが使われることが多いですが、深い鍋は熱伝導率が高いので、早く温まりやすい反面、なかなか冷めにくいデメリットもあります。

カレーを鍋ごと常温で冷ましてはいけない理由

カレーを鍋に入れたまま「常温」で冷ますのは適切ではありません。

なぜなら、ウェルシュ菌が増殖して、食中毒の危険性が高まるためです。

このウェルシュ菌を大量に摂取すると、6~18時間内に下痢や腹痛等の症状が起こります。

とある大学では、学生食堂でカレーを食べた113名のうち、98名が腹痛や下痢、発熱等の食中毒の症状を訴え、保健所の調査が入ったという騒動がありました。

この際に、食中毒を訴えた学生の便からウェルシュ菌が検出され、ウェルシュ菌を起因とする食中毒と断定されました。

このときのカレーは2日分を調理し、1日分は湯せんにかけながら当日販売して、残り半分は室温で放置したようです。

そして、最後に常温放置されたカレーと湯せんしたカレーの残りを継ぎ足し、一晩冷蔵庫で保管したとのことでした。

実は、ウェルシュ菌がもっとも増殖しやすいのは、43~47℃なのです。

つまり、この食中毒を出した大学では、ウェルシュ菌がもっとも増殖しやすい43~47℃の状態で長時間置かれていたわけですね。

 

ウェルシュ菌繁殖の予防のポイント

ウェルシュ菌を増殖させないポイントは、以下の通りです。

  • 前日調理は避ける
  • 前日調理をした場合は、常温で放置することは避ける
  • 小分けして、冷蔵保存する
  • 食べる前には十分に加熱する

 

ということは、今まで鍋に入れたままの状態で、しかも常温放置していた私のやり方は、完全にアウトということになりますね…(汗)

では、どうやってカレーを冷ませばよいのでしょうか?

次章では、カレーを適切に冷やす方法について説明します。

 

カレーの粗熱はどれくらい取る?冷蔵庫や冷凍庫に入れるタイミングを解説!

カレーを熱いまま冷蔵庫に入れることはNGですが、ではどの程度まで冷ませばよいのでしょう?

カレーが20℃以下まで冷めたら、冷凍庫や冷蔵庫に入れるタイミングです。

しかし、ウェルシュ菌が増殖してしまうので、常温でゆっくりと冷ますのはNGです。

その理由を明確にするために、ウェルシュ菌について詳しくみてみましょう。

 

ウェルシュ菌とは

ウェルシュ菌は、ヒトや動物の腸管内や土壌や水中など、身近に存在している細菌で、特に牛・鶏・魚が保菌している可能性が高いです。

ウェルシュ菌が増殖しやすい温度は43~47℃ですが、この温度で放置しないように一気に冷却させることがポイントです。

また、ウェルシュ菌は酸素のない所で増えるほか、”芽胞(がほう)”という固い殻を作る性質があります。

この芽胞は、100℃で加熱しても死滅させられません。そして、ゆっくりと冷める過程で芽胞が発芽し、酸素の少ない鍋底などで急速に増殖してしまうのです。

カレーを作っている最中は、かき混ぜながら調理しますよね。

そうすることで空気に触れる部分が増えるため、ウェルシュ菌の繁殖を防いでくれます

私はカレーを調理する際は、単に焦げないようにかき混ぜていたのですが、ウェルシュ菌の繁殖を妨げるのですね!

ほとんどの細菌は高温多湿な環境で増殖しますが、10℃以下ではその増殖はゆっくりになり、マイナス15℃以下ではストップします。

つまり、冷蔵庫での保存では緩やかではあるものの、菌は徐々に繁殖し続けているわけですね。

 

こういったわけで、ウェルシュ菌を増殖させないためには、カレーは速やかに冷却することがキーポイントになるわけです。

ちなみに、カレーを急速に冷却させる方法は以下の通りです。

  • 鍋の下や周りに保冷剤を置く
  • ボールなどに氷水を張って鍋ごとつける
管理栄養士 坂本圭子
管理栄養士
坂本圭子
フライパンの上に保冷剤をのせて、その上に鍋を置くと安定感が増しますよ。また、フライパンと鍋の隙間にも保冷剤を詰めるとより早く鍋が冷めますよ!

さらに、重要なポイントは、冷却させる時におたまや木ベラなどで、カレーが空気に触れるようにかき混ぜることです。

かき混ぜることで冷めやすくするだけでなく、ウェルシュ菌の増殖を防ぐのでダブルの効果があります。

少なくとも、2時間以内には20℃以下に急冷することが重要です。

では、しっかり冷ましたカレーは、どのように保存するのがよいのでしょうか?

次章では、カレーの保存方法について説明します。

 

カレーの正しい保存方法とは?冷蔵や冷凍での日持ち期間も解説!

カレーは、粗熱をしっかりとってから保存することが大切です。

ではその後は、どのように保存するのが適切なのでしょうか?

 

カレーを正しく保存するには?

カレーの粗熱が取れたら、タッパー容器などに小分けして保存しましょう。

冷蔵でも冷凍でも保存できますが、冷凍保存の場合は具材の食感が悪くなってしまうので、人参やじゃがいもは潰すか取り除くなどの工夫が必要です。

管理栄養士 坂本圭子
管理栄養士
坂本圭子
人参やじゃがいも冷凍すると食感が悪くなるは、細胞の組織が壊れて中身がスカスカになってしまうからです

以下で、保存する際のポイントをまとめます! 

 

  • 密封容器に小分けする
  • 人参やじゃがいもは潰すか取り除く
  • 冷蔵庫で3日程度、冷凍庫で1ヶ月程度に食べ切る

 

ちなみに、タマネギトマトオクラホウレンソウなどは、カレーに入れたまま冷凍保存しても問題なく美味しく食べられます

解凍する時は、電子レンジで解凍すれば簡単で便利です。

また、”カレーうどん”などにアレンジしてもよいですね。

管理栄養士 坂本圭子
管理栄養士
坂本圭子
カレールウは、コロッケや春巻きの具材、カレードリアなどにもアレンジできます。また、鶏肉にカレールウやヨーグルト、ケチャップなどで下味を浸けてから焼くとタンドリーチキンに大変身です。

ウェルシュ菌が芽胞を作ってしまうと、熱々に温めたところで絶滅させられません。

しかし、他の雑菌が繁殖する可能性もあるので、食べる際はしっかりと加熱することはとても重要です。

ここまで、カレーの保存方法を見てきましたが、正しく保存できていなければすぐに腐ってしまいます。

カレーの腐った状態がわからないと、間違えて食べてしまい体調を崩してしまうことがあるかもしれません。

次は、カレーが腐ってしまったらどうなるかについて説明しますので、しっかり覚えて健康を害することがないようにしましょう!

 

固形カレールーの日持ちに関しては、こちらの記事を参考にしてください。
↓↓↓
固形カレールーの日持ちを調査!賞味期限切れはいつまで使えるの?

 

カレーは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方がコレ!

カレーが腐っているかどうかは、見た目・臭い・味を目安に自己判断するしかありません。

カレーが腐っている特徴は以下の通りです。

 

  • 見た目:が発生している・カビが生えている・表面が白っぽい・粘り気がある・を引いている
  • 臭い:異臭がする
  • 味:酸っぱい味がする

 

ただし、ウェルシュ菌は無味無臭なので、上記の”腐ったときの特徴”に当てはまらないからといって油断はできません。

加熱しても大丈夫なわけではないので、本当に曲者ですよね。

体調を崩したり食中毒になったりしないように、カレーはしっかりと急速冷却してウェルシュ菌対策に臨んでくださいね!

ところで、カレーを実際に腐らせてしまう人は、意外に多いようです。

カレーは、じゃがいもを入れると腐りやすいので、夏場はじゃがいもを省いたり、代わりにナスを入れたりするのもおすすめです。

また、牛乳を入れた場合も腐りやすくなるので注意が必要です。

私は、玉ねぎだけを入れて煮込んだカレーを小分けに冷凍保存し、好みの野菜や肉などは、食べる直前に炒めてから即席カレーを作ったりします。

美味しくて便利なので、ぜひお試しくださいね。


まとめ

では最後に、今回の記事をおさらいしましょう。

 

  • カレーを鍋ごと熱いまま冷蔵庫や冷凍庫に入れてはいけない
  • カレーを常温放置すると、ウェルシュ菌が増殖する
  • カレーは保存する前に20℃以下まで冷ます
  • カレーはウェルシュ菌の増殖を防ぐために急速冷却する
  • カレーを温める際は、おたまや木ベラなどで空気に触れるようにかき混ぜる
  • 小分けして冷蔵か冷凍保存する
  • 冷蔵庫で3日程度、冷凍庫で1ヶ月程度で食べ切る

 

これまでは、カレーを常に鍋に入れっぱなしのまま常温放置していていました!

さらに、2日目でもしっかり火を通せば、3日目も普通に美味しくいただけると思っていました。

これって、実はとても危険なことだったのですね!

今回は、熱いままのカレーを冷蔵庫に入れてはNGということや、正しい冷まし方も分かって本当によかったです。

皆さんも、カレーを熱いまま冷蔵庫に入れたり常温で放置したりせずに、正しく保存して、安全に美味しく食べられるようにしてくださいね。

 

カレーと一緒に美味しい福神漬けの賞味期限に関する記事はこちらから!
↓↓↓
福神漬けの賞味期限や開封後の日持ちを調査!腐るとどうなるの?
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