【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
突然ですが…。今ダイエット中の身なので、おやつに和菓子を食べることにしました。
そんなわけであんこを大量に手作りしたのですが、たしか、あんこは意外に日持ちしないって、どこかで聞いたような気がします。
市販のあんこには、消費期限でなく賞味期限が記されていますが、どのくらいなのでしょう?
いっぱい作ったので、おはぎやお餅にあんこをからめて、おいしくいただきたいのですが、賞味期限が気になります。
そこで今回は、以下の内容を調査してまとめてみました!
- あんこの賞味期限はどれくらいか?開封後か未開封でも違う
- 賞味期限切れのあんこはどうなる?
- あんこの保存は冷蔵庫の冷凍室がおすすめ
- 同じあんこでもお菓子の種類で賞味期限は変わる
あの上戸彩さんも、ダイエット中はあんこを選んで食べていたようですよ。
食物繊維を豊富に含むあんこは、血糖値の上昇を緩やかにし、脂肪の蓄積を抑えてくれるようです。
さらに腸内環境も整えてくれるそうで、ダイエット以外にもよさそうです!
ということで、あんこを手作りしてみましたが、安全に食べるためにも賞味期限はぜひ知っておきたいところです。
本記事ではあんこの賞味期限についていろいろと解説するので、ぜひ参考にしてください。
管理栄養士・栄養士
目次
あんこの賞味期限はどのくらいなの?
あんこを手作りする場合、一度にある程度の量を作る人もいるかと思います。(私のように…)
ただし、気になるのは賞味期限ですよね。
あんこの賞味期限は市販品と手作りで異なる
実は、あんこの賞味期限は、餡に含まれる糖質の割合によって異なるのです。
また、糖質の割合は市販品と手作りでも違うので、それが賞味期限にも影響します。
市販品の場合
市販で味付け済みのあんこは、非常に糖度が高いので、1週間くらい持つものもあるようです。しかし通常は、常温では2日くらい、冷蔵庫では3~4日位が限度でしょう。
手作りの場合
手作りのあんこは、市販品に比べて甘さを控えめにすることが多く痛みやすいです。また、無添加ということもあって賞味期限はかなり短いです。そのため、特に糖度50%以下の場合は、できれば当日中に食べきったほうがよいです。冷蔵庫に入れても、翌日には食べたほうがよいでしょう。
あんこは意外に日持ちしないことがわかりますね。
当然、あんパンやあんこ入りの和菓子などの賞味期限も、これに準じて持ちは悪いと考えましょう。
市販のあんこはパッケージでも賞味期限は変わる
市販のあんこにも、袋に入っているものや缶詰に入ったもの、チューブタイプ、真空パックなどいろいろありますね。
多くの食品と同様に、こうしたパッケージによっても、あんこの賞味期限は違います。
「袋入りのあんこなら賞味期限は1ヶ月位で、レトルトなら1年位?」などと想像しますが、実際は以下の通りです。
あんこのパッケージ別賞味期限
- 袋入り:メーカーによっても異なり、60日、3ヶ月など。
*井村屋は6ヶ月~1年未満、御座候は3ヶ月 - チューブ入り(井村屋):6ヶ月~1年未満
- レトルトパウチ(井村屋):1年~2年未満
- 缶詰:3年
同じ袋入りのあんこでも、糖度の違いによるのか、賞味期限にけっこう幅がありますね。
また井村屋のあんこは、賞味期限自体に幅があり、少々アバウトな気もしますが…。
ちなみに、井村屋のカップ入りのおしるこ(小豆ぜんざい)も、あんこと同じく賞味期限は6ヶ月~1年未満です。
いずれにしても、これだけの差があるので、それぞれに記載されている期限をしっかりと確認したほうがよさそうです。
未開封か開封後かで賞味期限は大幅に変わる
あんこは市販品か手作りかでも賞味期限は違い、市販品の場合は袋入りやチューブ入りなど、パッケージによっても変わってきます。
さらに知っておきたいことは、「商品に記載されている賞味期限は、未開封の状態の場合」という点です。
開封後の賞味期限の目安ですが、橋本フーズのホームページのQ&Aに、以下のような記載がありました。
Q.つぶあん、こしあんを購入しました。開封後の保存方法は?
A.開封後は傷みやすいので、清潔な容器に移し替えて冷蔵庫に保管し、なるべくお早めにご使用ください。
開封後は賞味期限内でも、できるだけお早めにお召し上がりください。
目安として、冷蔵庫であれば1週間以内に、それ以上保管したい場合は冷凍庫にて保管してください。
橋本フーズ株式会社 お客様相談室より引用
あんこにかかわらず、どんな食品にも言えることですが、「開封後はできるだけ早めに食べる」ことが鉄則のようです。
あんこが賞味期限を過ぎて腐るとどうなる?
あんこは意外に持ちが悪いので、できるだけ早めに食べるようにしたいですが…。
もし賞味期限を過ぎてしまったら、あんこは一体どうなっていくのでしょうか?
賞味期限切れのあんこは危険!
あんこの賞味期限が切れて日がたつと、次のような経過をたどります。
以上のような段階を踏んで、最終的には痛んでカビが生えたり糸を引いたりします。
この状態で食べてしまうと、セレウス菌・黄色ブドウ球菌・ノロウイルスなど、毒素型の食中毒になってしまう危険性があります。
すると、嘔吐や腹痛、下痢、発熱などの症状が、時には激しく起こることも。
また、これはまれですが、場合によっては死亡してしまうこともあるので、注意が必要です。
賞味期限と消費期限の違いとは
- 賞味期限とは、風味が本来の味より落ちる期限で「美味しく食べられる期限」のこと
- 消費期限とは、過ぎてから食べると体に何らかの害がでる可能性のある期限で、「安全に食べられる期限」のこと
缶詰に入ったあんこなどは、賞味期限切れになったら食べられるのかどうか、迷うところでしょう。
賞味期限は”美味しく食べられる期限”なので、すぐに食べられなくなるわけではないですが、風味は落ちている可能性は高いといえます。
それでも食べたいときは熱処理が有効
賞味期限の短いあんこで、すでに開封済みでパックなどもしてなかった場合。
「食べたいけどちょっと心配…」というときには、「熱処理」することも一つの方法です。
たとえば、たい焼きはオーブントースターで焼いたり、電子レンジで40秒くらい加熱するとよいです。
ただしレンジの場合、あんこが熱くなりすぎて、皮を破って爆発することがあるので気をつけましょう!
多くの菌は熱で死滅するので、加熱することで安心して食べられます。
「臭いはしないけど、ちょっと味が落ちたかな?」という場合なども、再度火を通すと美味しくなるので、試してみてくださいね。
ですが、前述した、食中毒を引き起こす「セレウス菌」などは加熱しても死滅しません!
そのため、すでにこういった菌が繁殖したあとの場合は、加熱しても全く意味はないということです。
さきほどもお伝えしたように、あんこが腐ると味や臭い、色などに異変が見られます。
したがって、まずは腐っていないかどうかしっかりとチェックして、あくまでも自己責任で慎重に行ってくださいね!
ところで、あんこは開封したら、意外に日持ちしないことがわかりましたが…。
次は、あんこに適した保存方法を紹介します。
あんこの保存方法は冷凍保存が一番!
あんこは足が早いと聞いてはいたけど、そこまでだとは…!!
じゃあ、この大量に作ってしまったあんこは、どうしたらいいの~?(あんこって手作りすると、大量になってしまいがちですよね…)
あんこの保存方法として、常温は適していません。
すぐに食べる場合は、冷蔵庫で保存すればよいですが、食べきれない場合は冷凍保存がおすすめ!
冷凍保存すれば2~3ヶ月間は長期保存でき、少しだけ使いたいというときなどにも便利です。
あんこを冷凍保存する方法
あんこを冷凍保存する際は、使う目的に合わせて冷凍すれば、使いやすくて便利です。
以下で、3つの方法を紹介します。
スタンダードな方法
平たく小分けにしてきっちりラップし、まとめて冷凍用フリーザーパックに入れて保存
あんパンや和菓子作りの際に便利な方法
あんこを製氷皿に入れてラップをして凍らせて、冷凍用フリーザーバッグに入れて保存
必要な分だけ使えて便利な方法
あんこを冷凍用フリーザーバッグに入れて平らにならし、箸などで好きな大きさに袋の上からスジを付けて冷凍保存
冷凍すると霜がはり、作りたてのあんこの小豆の香りが飛んでしまい、冷蔵庫の臭いがつきやすくなってしまいます。
そのため、空気を抜いて冷凍することがとても重要です。
また、冷凍する際は庫内の温度が上がるので、ほかの冷凍食品が傷みやすくなってしまうので要注意です。
もし冷凍庫が2つあるなら、あんこは急速冷凍できるコーナーに保存するとよいでしょう。
冷凍しても、やはり風味は落ちていくので、なるべく早めに使い切りるようにしましょう。
冷凍あんこの美味しい食べ方
冷凍したあんこは、自然解凍して食べるのが一番美味しく食べられます。
ですが、急いでいる時や、水分が多くてあんこの硬さを調整したい場合などは、電子レンジや鍋で解凍してもよいでしょう。
また、ぜんざいに使う際や、少し柔らかくしてお菓子を作りたい場合は、少し水を入れた鍋で解凍しながら煮てもよいです。
一度煮ると、気になる冷凍臭も取れるのでおすすめです!
さて、あんこの賞味期限から保存方法まで見てきましたが、最後にあんこを使用した和菓子の賞味期限をチェックしましょう。
あんこ菓子の賞味期限は菓子の種類によって異なる
あんこを使用したお菓子もいろいろありますよね。
実は、このお菓子の種類によっても、保存方法や解凍方法、賞味期限も異なります。
あんこを使用した和菓子を冷凍した場合の賞味期限
ここでは、それぞれのお菓子別の冷凍の仕方と、冷凍した際にどれくらい日持ちするのか紹介します。
あんころ餅(赤福など)やおはぎなど
赤福などのあんころ餅やおはぎなどの場合、一つずつラップで包み、冷凍用フリーザーパックに入れて保存します。
どの和菓子も、このやり方が基本かと思うのですが、私は一つずつラップするのが面倒なので…。
赤福をそのまま冷凍庫に入れて、1~2時間ほどで取り出し、一つずつばらしてフリーザーバッグに入れ、空気を抜いて冷凍庫に入れています。
このほうが、より簡単でおすすめです。
解凍は自然解凍がおすすめですが、レンジで20秒ほど温めても美味しく頂けます。
大福
大福も一つずつラップで包み、冷凍用フリーザーパックに入れて保存します。
解凍もやはり自然解凍が美味しいですが…。
解凍後に電子レンジで10秒くらい温めると、お餅が柔らかくなって、更に美味しくなりおすすめです。
ただし、温め過ぎるとお餅が溶けて餡が爆発してしまうので、気を付けてくださいね。
今川焼や饅頭など
今川焼や饅頭なども、一つずつ包んで冷凍用フリーザーパックに入れて保存しましょう。
解凍するときは、ラップのままレンジで温めればよいです。
短めにレンジで温めて、その後トースターで更に少し温めれば、でき立てに近い味が楽しめておすすめです♪
最後の賞味期限は自分の味覚
以上のように、あんこを使ったお菓子は冷凍保存が有効なので、すぐに食べないと思ったら、冷凍してしまうのがよいですね。
でもその前に、食べる際に「ちょっと痛んでるかも…?」と判断に迷ったら、決して無理をしないでください。
少しでも酸っぱかったりしたら、思い切って即廃棄しましょう!
まとめ
では最後に、これまでのまとめを確認したいと思います。
- あんこの賞味期限は短い
- 甘さ控えめの手作りあんこは特に短い
- 消費期限切れの痛んだあんこを食べると食中毒になる可能性が
- ちょっと痛んでるかも?程度の場合は、熱を加えるのも有効
- 熱を加えても、食中毒の毒素には無効なので注意!
- あんこを使ったお菓子は、冷凍保存が有効
- すぐに食べないと思ったら、冷凍してしまうとよい
- 怪しいと思ったら無理して食べない
以上、あんこの賞味期限は意外に短いものの、熱を加えれば食べられることもあることがわかりました。
しかし、その際には味や見た目、においなどをしっかりチェックして、最後は自己判断でお願いします。
あんこの食中毒は、割と頻繁に報告されていますが、毒素が強いほど激しい症状になり、とても危険です。
手作りはもちろん、市販のあんこもできるだけ早く食べ切り、「すぐに食べないものは冷凍保存する!」と覚えておきましょう。