【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
パンに塗るだけでなく料理にも使えるマーガリンは、バターよりも安価なのでよく利用しています。
しかし先日、朝食のパンに使ったまま出しっぱなしにしてしまい、半日以上常温放置してしまいました…。
見た感じ変化はなかったのですが、要冷蔵のマーガリンを常温で保存しても大丈夫なのでしょうか?
お腹を壊しても嫌なので、マーガリンは常温保存できるのか、どのくらいなら日持ちするのかなどきちんと調べてみました。
- マーガリンはどのくらい常温で持つのか?
- バターとマーガリンは何か違うのか?
- 常温保存できるマーガリンはあるのか
- マーガリンが腐るとどうなるのか
- マーガリンの賞味期限や開封後の日持ちはどのくらいか
- 賞味期限切れのマーガリンは食べられるのか
- マーガリンは冷凍できるのか?正しい保存方法について
マーガリンではなくバターは冷凍保存ができると聞いたことがあります。
それならマーガリンも大丈夫なのか、バターと何が違うのかなども解説しますよ。
賞味期限だけではなく、開封後の日持ちもご紹介するので、冷蔵庫に入れっぱなしにしているマーガリンはいつまで大丈夫かも確認できます。
ぜひ詳細を確認して、マーガリンを無駄なく美味しく食べきりましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
マーガリンの常温保存はどのくらいまで大丈夫?放置するとこうなる!
まずはマーガリンの製造メーカーのHPを確認してみたところ、軒並み「マーガリンは10℃以下で要冷蔵」となっていました。
これは未開封でも開封後でも同じで、マーガリンは常温で放置してはいけないということがわかりました。
なぜならマーガリンを常温で放置すると、溶けてしまって油分と水分に分離してしまうからです。
一度溶けたマーガリンを再び冷蔵しても分離はもとに戻らず、美味しくなくなってしまうのです。
製造メーカーのHPでは、水分にカビがついて腐ることもあるので、必ず冷蔵庫で保存するようにとの注意喚起がありました。
バターも長時間常温で放置すると溶けてしまいますが、マーガリンはバターよりも溶ける温度が低いため、特に注意が必要です。
◆豆知識◆ マーガリンとバターの違い
マーガリンとバターは何が違うのかご存知ですか?
とても似ているように思いますが、実は全く違う食品なんです。
<バター>牛乳から脂肪分を分離して練って固めたもの
<マーガリン>主に植物油脂などの食用油脂や様々な原料を混合して煉り合せた加工食品
※ちなみに「ファットスプレッド」はマーガリンの一種で、油脂含有量が80%未満のものです。
用途が似ているものの、バターとマーガリンは全く別の食品であることがわかりますね。
バターは多少常温で置いてもすぐに溶けることはないため、海外などでは常温保存しているところもあるそうです。
しかしマーガリンの場合は、冷蔵保存が基本なんですね。
このようにマーガリンはやはり要冷蔵品で、常温保存はできないということがわかりました。
しかし、つい出しっぱなしにしてしまった場合は、どのくらいまでなら常温放置しても大丈夫なのでしょうか?
30℃以上になるとマーガリンは溶けてしまうため、夏場や車の中でマーガリンを常温放置するのはとても危険ですね。
それでは冬ならどうなのか、室温によっては半日や一晩程度なら大丈夫なのか、インターネット上の意見なども参考に検証してみました。
一晩くらいなら常温でも大丈夫?インターネット上の意見を検証!
もともと常温保存は推奨されていないので、何時間・何日なら大丈夫と明確な情報はありませんが、目安となる期間を探ってみました。
まずは実体験として、マーガリンを1時間や2時間かそこら常温放置しても、少し柔らかくなるだけで問題はないように思います。
インターネット上の意見では、一晩から1日くらいなら大丈夫だろうという意見が多く見られました。
マーガリンを一晩常温に出しっぱなしだった🙄冬だし、いけるかなこれ・・・🤔
— チュウ(שᴗש) (@chashee) December 13, 2018
しかし一方で、夏場なら3時間で溶けてしまい、1日常温放置したマーガリンでお腹を壊したなんていう意見も…。
マーガリンを3時間ほど常温放置しといたら見事に液状化。タプタプしとる
— Ʊ ☡ (@hiko_0) August 28, 2017
どうやら、常温で開封されて放置されていたマーガリン入りバターロール痛んでいたらしい。腹痛が激しい・・・。おそらく1日程度なのに痛むとか夏を感じます
— 悪兎 (@act4949) July 13, 2011
春先の5月くらいでも、常温で2日放置すると危険なようです。
冷蔵庫に入れ忘れて2日くらい常温保存してしまったマーガリン食ったらやっぱり腹下した。そらそうよ。
— えどわーど (@edwardiva) May 2, 2012
チューブ入りのマーガリンであれば、1週間常温で置いても大丈夫だったという意見もありましたが、保存温度などにとても左右されると言えますね。
特に夏場なら潔く諦めた方が無難です。
冬なら一晩くらいなら大丈夫そうですが、食べる場合は腐っていないかよく確認の上、自己判断でお願いします。
常温で保存したいなら、常温用に作られたマーガリンを購入しましょう。
常温保存できるマーガリンは通販で購入できる!
基本は冷蔵保存であるマーガリンですが、常温で保存できる商品もあるんです!
例えばこちらの商品は常温保存が可能となっています。
この商品は、季節ごとの平均気温をもとに溶ける温度を設定して製造されているそうです。
つまり夏は溶けにくく、冬は溶けやすい商品ということですね。
そのほか、このような商品も発見しました。
缶入りなので、イベントの時などに重宝しますね。
お菓子やパンを作る時には、大容量サイズのものがオススメです。
こうして探してみると、意外と常温でも保存できるマーガリンがあるようです。
冷蔵庫で保存するのが難しい場合は、常温保存が可能なマーガリンを利用するのも1つの方法ですね。
このようにマーガリンは基本は要冷蔵品ですが、通常はとても腐りにくい食品です。
しかし全く腐らないというわけではないので、腐ったらどうなるのかも確認しておきましょう。
マーガリンは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方や目安がコレ!
マーガリンは油分や塩分を大量に含んでいるため、腐りにくい食品と言われています。
しかし、常温で長時間放置したりなど保存方法が悪いと腐ることもあります。
食べられるかどうか判断するためにも、マーガリンが腐るとどうなるか見分け方を解説します。
マーガリンが腐っているサイン
- カビが生えている
- 酸味など臭いに違和感がある
- 黄色以外に変色している
マーガリンが溶けて分離したり結露が出たりすると、出てきた水分にカビが生える場合があります。
また、パンくずなどが混入した場合も、そこからカビが発生して変色を起こしたりします。
表面が黄色に変色した場合は、水分が蒸発した結果、マーガリンに含まれているカロテン色素が強く出ただけなので、食べても問題ありません。
しかし黄色以外の色に変色している場合は、カビの危険が高いのでアウトです。
このように、マーガリンの色や臭い、味に違和感を感じたら腐っているサインなので、食べるかどうか判断するための目安にしてくださいね。
夏場の常温に放置したマーガリンは、特に異常がないか確認してから食べるようにしましょう。
腐ったマーガリンを食べると、腹痛などの食中毒症状を起こすこともありますよ。
家を出ないといけないのに腹痛……
もしや常温と化したマーガリン塗ったパン食べたからか……!?— ゐゐだ (@iidako666) September 11, 2019
俄かな腹痛(>_<)マーガリンが古かった?ちょっと残ってたの惜しくて使ったからな…(´・ω・`)
— 暁/きつね村の仔ぎつねになりたい! (@akatsuki1001) November 4, 2012
マーガリンが傷んだり腐る原因は、常温に放置するといった保存の問題もありますが、そもそも賞味期限が切れている場合もあります。
そこで、マーガリンの賞味期限や開封後の日持ちについて詳しく説明しますね。
マーガリンの賞味期限はどれくらい?開封後の日持ちも調査!
マーガリンは傷みにくい食品なので、賞味期限は比較的長いことが多いです。
商品によって多少の違いはありますが、市販のマーガリンの賞味期限や開封後の日持ちは以下の通りです。
保存状態 | 賞味期限(日持ち) | |
冷蔵庫 | 未開封 | 6ヶ月~10ヶ月 |
開封後 | 2週間~1ヶ月程度 |
マーガリンは常温では日持ちしませんし、冷凍庫での保存は向いていません。
マーガリンは冷凍すると、解凍した時に油分と水分が分離して風味を著しく損なってしまうためです。
大手のマーガリンの製造メーカーでは冷凍は推奨していないため、ここでは冷蔵庫での賞味期限や日持ちをご紹介しています。
表を見てわかるように、未開封の場合マーガリンの賞味期限は長いですが、開封後はあまり日持ちしません。
開封後は雑菌に触れたり、空気に触れて酸化する恐れがあるため、なるべく早く食べるようにしましょう。
チューブタイプのマーガリンであれば、空気に触れる面が少ないため、1ヶ月程度日持ちすることもあるようです。
では、未開封で賞味期限が切れた場合はどうなのでしょうか?
食べても大丈夫かどうか調べてみました。
賞味期限切れのマーガリンはいつまで食べられるのか?
そもそも賞味期限と消費期限の違いはご存知でしょうか?
違いを簡単に説明しますね。
賞味期限
- 美味しさが保障されている期限
- 比較的日持ちする食品に付けられている
消費期限
- 安全が保障されている期限
- 5日以内に品質が劣化する食品に付けられている
このように賞味期限は美味しさの保証であるのに対し、消費期限は安全の保障期間です。
つまり消費期限が過ぎたものは、食べない方が良いと判断できますね。
一方賞味期限の場合は、美味しさは落ちるものの、期限が過ぎたからといってすぐに食べられなくなるわけではありません。
賞味期限自体も余裕を持って設定されているため、一般的には賞味期限の1.2倍程度の期間なら食べても問題ないと言われています。
◆賞味期限の設定方法◆
賞味期限 = 検査で問題ないと確認された期限 × 0.8程度の係数
例えば賞味期限が6ヶ月のマーガリンの場合なら、6ヶ月(180日)×1.2倍=216日となります。
216日からもともとの賞味期限期間180日を引くと約30日なので、だいたい1ヶ月くらいですね。
正確な日数は商品によって違いますが、おおよその目安として賞味期限切れは1ヶ月程度なら問題ないと言えそうです。
とは言え、賞味期限が切れている場合は、腐っていないかよく確認してから食べるようにしてくださいね。
また保存方法を誤れば、賞味期限以内でも食べられない場合があるので、正しい保存方法も確認しておきましょう。
マーガリンの正しい保存方法は?長持ちさせるポイントを解説!
マーガリンの賞味期限自体は長いですが、これは未開封の場合です。
開封後は2週間以内に食べきるのが理想ですが、保存方法を間違えるともっと早く傷むこともあります。
なるべく長持ちさせるため、冷蔵庫での保存方法のポイントをご紹介しますね。
マーガリン保存のポイント
- 常に冷蔵庫で保存する
- ナイフを保存容器の中に入れっぱなしにしない
- 常に清潔なナイフやスプーンを使う
- 付属の紙は捨てずにマーガリンに密着させる
- パンくずなどが入らないよう注意する
- 温度変化で結露が付かないよう注意する
- 蓋をきちんと閉める
付属の包み紙をきっちりとマーガリンに密着させると、変色や結露を防ぐ効果があるので捨てないようにしましょう。
ナイフを入れっぱなしという家庭も多いのではないかと思いますが、これは雑菌の危険が高くなるのでNGです!
容器に切れ込みがあるので問題ないのかと思っていたのですが、長持ちさせるには厳禁だそうですよ…。
また、お菓子やパンを作る時に常温に戻す場合は、必要量だけ取って、残りはすぐ冷蔵庫にしまってくださいね。
バターの場合は、使いやすくするために小分けにしておくという方法もありますが、マーガリンはそもそも柔らかいのでその必要はないでしょう。
すぐに溶かしたいときは、電子レンジで10秒ほど温めるとすぐに溶けます。
時間が長すぎると分離してしまうので気を付けてくださいね!
常温可能なマーガリンの保存方法は、「高温多湿を避け保存」となっていることが多いです。
直射日光に当たらない、なるべく涼しい場所で保存すると良いでしょう。
まとめ
マーガリンは常温で保存できるのか、常温保存可能なマーガリンや賞味期限などを解説してきました。
ポイントをまとめます。
- マーガリンは冷蔵庫で保存するのが基本
- バターとマーガリンは全く別の食品
- 常温でも冬なら多少持つ可能性があるが、夏場は危険
- 通販では常温保存可能なマーガリンも購入できる
- マーガリンが腐るとカビが生えたり異臭がする
- マーガリンの賞味期限は6ヶ月~10ヶ月程度で、開封後は2週間~1ヶ月程度
- 1ヶ月程度の賞味期限切れなら食べられる可能性がある
- マーガリンは冷凍できない
- 付属の紙をきっちり密着させ、ナイフを容器に入れずに冷蔵庫に保存する
マーガリンはバターは全く別の食品だったんですね!
バターなら多少は常温でも大丈夫ですが、マーガリンは危険だということがわかりました。
また、開封後もダラダラと使い続けることが多かったのですが、これからは開封後の日持ちも意識したいと思います。
パンに塗るだけじゃなく、色々な料理などに活用してきちんと使い切りたいですね!
みなさんも今回の情報を参考に、マーガリンを正しく保存して、無駄にすることなく使い切っていただけると幸いです。