【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
先日、大根をたくさんいただいたので、夕飯に煮物でも作ろうと思い切ったところ…なんと、中が透明っぽくなっていました!
なぜ、透明になってしまったんでしょう?いただいてから少し時間はたっていましたが、私の保存方法が悪かったのでしょうか…?
とにかく、腐っているのかもしれないと不安になってきたので、中が透き通っている大根について調べてみました。
以下のようなことがわかりましたので、まとめてご説明しますね!
- 食べられるのかどうかと、透明になる原因
- 青や紫になった大根が食べられるのかと、変色する原因
- 大根は腐るとどうなるのか
- 正しい保存方法とは
- 透明の大根を美味しく食べるレシピをご紹介
私の手元にある大根は中が透明になっていますが、調べてみると青や紫に変色するケースもあるようです!
青や紫というと、腐っているようなイメージがありますが、このような状態にもちゃんとした理由がありました。
腐るとどうなるのかをしっかり理解できていれば、もし不安に感じるような大根を見つけても、食べられるかどうか判断できますよね。
そして、食べられるものはなるべく美味しくいただきたいので、簡単なレシピも調べました♪
この記事を読んで、不思議な状態の大根を正しく見極め、美味しく最後まで食べきれるようになりましょうね!
管理栄養士・栄養士
目次
大根は中が透明でも食べられるの?変色してしまう理由も解説!
切るまではわからなかったのに、生の大根を切ったら中が透明っぽくなっていることってありますよね。
また、透き通っているだけでなく、紫色っぽく変色していることもありますが、なぜ色が変わってしまうのでしょう?
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色が色なので、まるでカビのようで怖いのですが、食べられるのか不安になりますよね。
調べてみると、切り口が透明になっているのは、保存状態が悪いと起こる「水晶現象」と呼ばれるものです。
透明になる理由は、保存時の温度です!大根は冬野菜なので、高い温度が苦手なのです。
そのため、夏場に冷蔵庫で保存した大根を常温に放置して、また冷蔵庫に…なんてことを繰り返すと発生します。
一見怖いですが、腐っているわけでも病気でもなく生理現象ですので、透明な部分も食べられますよ。
ただ、風味が落ちていたり、苦みを感じたりする可能性があり、生食にはあまり向かないかもしれません。
水晶現象以外で大根が透明になるのは?
生の大根の中央部分が、透明や紫色になるのは「水晶現象」だとわかりましたが、それ以外にも大根が透明になる場合があります。
例えば、茹でた大根は透き通っていますよね!茹でた大根が透明なのは当然だと思っていましたが、よく考えたら元は白い大根が透き通るのも不思議なことです。
実は、大根は本来透明なのですが、内部に含まれる空気で光の反射や屈折が起こることで、白く見えているんです。
茹でると大根の繊維や細胞が壊れ、内部の空気が押し出されて水が入り込みます。その結果、元々の透明に見えるのですね。また、冷凍した大根も透明になります。
間違えて大根を冷凍庫に入れてしまった結果
大根半透明になる。
スケスケ〜#大根 pic.twitter.com/opsvPjSM2V
— きのこ (@toiletpaper3939) May 5, 2019
この画像のものは、中心部分だけでなく表面まで透き通って見えますね。
これも、茹でた大根が透明に見えるのと似た理由で、凍ると内部の水分が凍って体積が増えて、繊維を壊します。
凍った大根は繊維が壊れて空気が抜け、透明に見えるようになるというわけです。
大根の内側が青色や黒色になっているのは大丈夫?
透明や紫とは違い、大根の内側が青色や黒色に変色している場合もあります。
青い大根ちゃん🤦 pic.twitter.com/2bo5AFYmJy
— もじゃみ (@mojamika) December 15, 2019
大根切ったらなんか黒いんだが、何だこれは? pic.twitter.com/u0JhzIGRmw
— 釣れれば御の字@掛けに行く釣り最高じゃん (@turerebaonnoji) December 15, 2019
大根が全体的に青かったり、芯に近い部分に黒い点や筋があったりするのは、「青あざ症」と呼ばれる現象です。これは保存状態ではなく、生育段階の環境が原因で起こります。
生育段階で雨が多すぎたり温度が高すぎたり、「ホウ素」が足りなかったりしたことが原因で、病気でもカビでもありません。
食感が固くなっている可能性がありますが、水晶現象と同じく問題なく食べられます。
中が透明な大根を見極める方法はある?
水晶現象は保存状態、青あざ症は生育段階で起こるものだとわかりましたが、買ってきて切るまでわかりませんよね。
水晶現象も、自宅で長く保存した古い大根なら「自分の保存方法が悪かったのか」とあきらめもつきます。
ですが、買ってきたばかりの場合は、なんだか悔しい気持ちになりそうですよね。なんとか外から見極める方法はないのでしょうか?
しかし残念ながら、水晶現象や青あざ症は断面を見なければ見つけられません。そのため、特に症状が出やすい夏場には、1本丸々よりカットした大根を買うようにするとよいです。
もしくは、半分にカットされていなくても、根元の先が切られているものを選びましょう。根の先が切られているものは、販売者が真ん中部分まで白いかどうかを確認しているのかもしれません。
なるべくそのような大根を選ぶと、切ってショックを受けるリスクを減らせますよ。
中が透明や紫、青い大根は食べられるとわかりましたが、腐って食べないほうがいい大根はどんな状態なのでしょう?
続いては、大根が腐るとどうなるのかについて解説します!
なんでもかんでも「大丈夫!」と考えてはいけませんので、しっかりご確認くださいね☆
大根は腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方や目安がコレ!
透明になっていても、腐っているとは限らないことがわかりましたが、それなら大根は腐るとどうなるのでしょうか?
食べないほうがいい大根の特徴や状態をまとめますので、見分ける際の目安になさってくださいね!
腐っている大根・傷みがひどい大根の特徴
- 触ると異様に柔らかい
- 洗ってもとれないぬめりがある
- 中が濃い茶色になる
- 溶けたようになる
- 酸っぱいような異様な臭いがする
- カビが生える
大根が腐ると見た目や感触、臭いに変化が現れますので、まずはしっかり観察することが大切ですね。
触った感触が少し柔らかい程度なら、乾燥によって中の水分が抜けているだけで、食べられる場合もあります。ただし、味は落ちている可能性がありますのでご注意ください。
少し柔らかい程度ではなく、ぐにょぐにょと変形してしまうものは食べるのをやめましょう。
また、大根は葉も食べられるので、おひたしにしたりお味噌汁に入れる方もいらっしゃるでしょう。ですが、葉は黄色くなっているとかなり傷んでいる証拠ですので、残念ですがあきらめてくださいね。
腐った大根の見分け方はわかりましたが、できれば腐りもせず透明にもならずに長持ちさせられるのが一番です。
次の章では大根の正しい保存方法をご紹介しますので、参考になさってください♪
大根が透明にならない保存方法は?変色防止のコツを教えます!
透明になったり、変色したりするのを防止するだけでなく、腐らせないためにも大切なのは、正しく保存することですよね!
「大根は中が透明でも食べられるの?変色してしまう理由も解説!」の章でもご説明した通り、大根は高温に弱い野菜です。
具体的には、5℃以下での保存が推奨されていますので、常温保存せずに冷蔵庫の野菜室で保存しましょう!
冷蔵庫での正しい保存方法は次の通りです。
大根の正しい冷蔵保存方法
- 葉を切り落とす
- 野菜室に立てられる程度の長さにカットする(2分の1か3分の1)
- キッチンペーパーで包んでから、ラップで包むか密閉袋に入れる
- 野菜室に立てて保存する
- キッチンペーパーが湿ってきたら、こまめに取り換える
大根にとっては、温度の他に乾燥も大敵です!乾燥すると中の水分が抜けてしまい、スカスカで美味しくなくなります。
乾燥させないためには、切り口をしっかりとペーパーで包み、さらにラップするか密閉袋に入れましょう。
野菜の鮮度を守るためには、生育段階と同じ状態を保ってあげるのも大切なポイントなんですね。
そのほうがストレスを与えないため、余分なエネルギーを使うこともないので、美味しさや栄養が保てます。ですから、野菜室に入れる時も立てて保存してくださいね。
大根は冷凍保存もできる?
あまりイメージがないかもしれませんが、大根は冷凍保存も可能です!ですが、「水晶現象以外で大根が透明になるのは?」でも解説しましたが、冷凍すると繊維が壊れてしまいます。
大根に限らず、凍って繊維が壊れた野菜は食感が変わってしまいますが、その分、出汁や味が染み込みやすくなっています。
つまり、わざわざ冷凍したほうが良い場合もありそうです!以下で、大根の冷凍での保存方法をまとめますね。
正しい冷凍保存方法
<カットして冷凍する場合>
- 使いやすい大きさにカットする(短冊やいちょう切り、輪切りなど)
- 1回分ずつ小分けにしてラップで包む
- 密閉容器に入れて冷凍する
<おろして冷凍する場合>
- 大根をおろす
- 1回分ずつ小分けにしてラップに包む
- 密閉袋に入れて冷凍する
*おろしてから冷凍する場合は、少量ずつなら製氷機で冷凍しても良いですよ
一度冷凍した大根を解凍してしまうと、壊れた繊維から水分が流れ出てしまうので、使う時は凍ったままで加熱調理してくださいね!
正しい保存方法もわかりましたが、今我が家には、すでに透明になってしまっている大根があります。
それに、今後も買ってきた時点で水晶現象が起こっているものに出会うかもしれません。
そこで、最後に透明な大根を美味しく食べるコツを解説しますので、参考にして最後まで美味しく食べてくださいね!
透明な大根を美味しく食べるには?煮物など人気レシピを紹介!
透き通った大根は、風味が落ちている可能性があるので、しっかりと味付けするのがコツです。
また、見た目的にも濃いめに色を付けたほうが、透明や水晶現象による変色も目立ちません。
濃い色や味付けの美味しい大根のレシピをいくつかご紹介しますので、ぜひお試しくださいね!
カレーやビーフシチューに入れる
私は、カレーやシチューに大根のイメージはありませんでしたが、柔らかくなって味が染み込んでとても美味しいそうですよ!
作り方は、通常のカレーやシチューの作り方で大根を入れるだけ!
簡単ですし、マンネリ化しがちなカレーのアレンジレシピとして、試してみようと思います♪
豚バラ大根
これは、私が本当におすすめしたいレシピです!
透明になったものだけじゃなく、シワシワになったりちょっと苦いかな…と感じる大根も、とっても美味しく食べられますよ!作り方は以下の通りです。
- 大根は、5mm~1cmほどのいちょう切りにカットする
- 豚バラ肉をごま油で炒め、大根も炒める
- 大根が透き通ってきたら、ひたひた程度に水を入れ、「みりん:醤油:砂糖=1:1:1」の割合で加えて煮詰める
簡単にできますし、豚バラの甘みも吸って、とっても美味しいですよ♪
圧力鍋で豚の角煮
豚バラと相性の良い大根は、角煮に入れるのもおすすめです!(我が家では、必ず入ります!)
作り方はいろいろありますが、圧力鍋で一緒に煮込んでしまう作り方をご紹介します。
- 豚バラ300gを食べやすい大きさにカットする
- 大根300gを3cm幅のいちょう切りにカットする(面取りするとなお良い)
- 圧力鍋に(1)(2)と長ネギの頭、スライスした生姜1かけ、水500ccを入れる
- (3)に醤油50cc、料理酒50cc、砂糖大さじ2を入れて蓋をし、強火にかける
- 圧がかかったら弱火にして、15~20分煮込んで火を止める
- 1~2時間放置し、蓋を取る
- 好みによって、圧力蓋を外して煮詰めても良い
トロトロの豚肉と、しみしみの大根が楽しめますよ♪
めんつゆで濃いめの味付けの煮物
煮物を作るときに、めんつゆを使う方は結構多いと思います。しっかり味が付きますし、しょっぱさだけでなく甘みもあるので、調味料を合わせるのが楽ですよね。
「水200cc:めんつゆ(3倍濃縮)大さじ2:顆粒だし小さじ1」程度の分量で合わせて煮物にすると、色も味もちょうどよく仕上がります。
大根だけを炊いても、筑前煮のようにいろいろな食材を合わせて炊いても良いですよ。
甘辛みそ焼き
大根とみその組み合わせと言えば、ふろふき大根を思い浮かべますよね。ただし、透明になった大根は「ふろふき大根」には向きませんので、みその合わせ調味料で炒めちゃいましょう!
大根100gに対して、「味噌大さじ1.5:みりん大さじ2:料理酒大さじ1」の割合で合わせます。
1cm幅にスライスした大根をサラダ油で炒め、透き通ってきたら合わせ調味料を加えて、からめながら炒めれば完成です。
辛いものが好きな方は、一味唐辛子や鷹の爪を加えると、お酒のおつまみにもなりますよ♪
まとめ
透明や他の変色が見られる大根がについて解説してきましたが、最後にもう一度おさらいしてみましょう。
- 透明や紫色に変色しているのは「水晶現象」で、腐っていないので食べられる
- 青色の変色や黒の点は「青あざ症」で、腐っていないので食べられる
- 水晶現象や青あざ症は断面を見なければわからない
- 水晶現象や青あざ症が起きていると、味や風味が落ちている
- 腐ると異様な柔らかさや酸っぱい臭い、ぬめりが現れる
- 大根は高温と乾燥に弱いので、キッチンペーパーで包んで野菜室で保存する
- 冷凍する場合はカットして小分けにしてから、ラップと密閉袋で保存する
- 透明になった大根は、濃いめの色と味付けで食べるのがおすすめ
今回の我が家の透明大根は、「真夏じゃないから」としばらく常温保存していたことが原因で、水晶化してしまったのだと思います。
新鮮さを失ってしまって残念ではありますが、まだ食べられそうなので、大好きな豚バラ大根に変身させて美味しく頂こうと思います!
正しい保存方法が分かったので、これからは常温で放置せずに、ちゃんと冷蔵庫に入れようと思います。
いただき物がたくさんある時や余ってしまう時には、冷凍保存もうまく活用して、最後まで美味しく使い切りましょうね♪