【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
にんにくチューブ・きざみにんにくなど、すぐに腐る心配がなくて手ごろな値段のにんにく関連の市販品がたくさんあります。
でも私は「市販品は生のにんにくの風味には叶わない!」と思っていて、生のにんにくを買って使っています。
先日道の駅に行くと、生の国産にんにくが10個くらいで1,000円以下。格安です!どうしても欲しいのですが…。
いつも買うのは1個だけで、使い切るまでは1ヶ月くらいかかります。腐る前に使いきれるでしょうか?
今回は、にんにくが腐るとどうなるのかを確認して、最後まで無駄なく食べ切るための情報を調査したいと思います!
- にんにくが腐ったときの見分け方を確認!にんにくで食中毒になることはあるの?
- 変色したにんにくは食べられる?色別に解説
- にんにくが腐るまでの目安の日持ちを、生・調理後など状態別に紹介
- にんにくが長持ちする正しい保存方法
にんにくの保存期間が長くなると、変色・乾燥などで食べても大丈夫かわからないときがあります。
今回は食べられる・食べられないがしっかり判断できるように、わかりやすく見分け方をご紹介していきます。
「にんにくを使いきるまでの期間の目安」や「長持ちする保存方法」も確認するので、ぜひ最後までチェックしてみて下さい!
管理栄養士・栄養士
目次
にんにくは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方や目安がコレ!
にんにくは、時間がたつとしわしわになって芽が伸びてきます。風味はかなり落ちますが、そんな状態でも食べられないわけではありません。
「いよいよ食べられない」という状態の見分け方の目安は、何をチェックすればいいのでしょうか?
こんなにんにくは食べちゃダメ!
にんにくは、皮をむいて見た目・臭いをチェックすると腐っているかどうかが判断できます。
見た目、触った感じ
- 皮の外側にカビ
- 皮をむくと実の表面にカビ
- にんにくをカットすると中心部の芽にカビ
- 皮をむくとネバネバする
- 皮を触るとジトっとする
- 包丁を入れるとつぶれるほど全体が柔らかい・溶けている
臭い
- 酸っぱい匂い
- 腐敗臭
- カビ臭い
にんにくは、極端に悪い環境で保存しない限りは日持ちします。
「にんにくを買ってくるとすぐに腐る…」という方は、保存場所や保存方法を見直してみましょう!
*にんにくの正しい保存方法は、後ほど「にんにくの正しい保存方法!冷蔵庫や冷凍庫で長持ちさせるコツ」でご紹介します。
黒にんにくが腐るとどうなるの?
黒にんにくとは、白いにんにくを高温・高湿度に管理された場所で長期間熟成したものです。
生で食べても白いにんにくのようが辛味はなく、甘くてしっとりとした食感です。
黒にんにくを製造している農家からの情報によると、湿度・温度の変化が少ない15℃~25℃ほどの場所で保存すれば、何年でも腐らないそうです。
保存方法を間違った場合は下記のように変化するので、「いつもと違う気がする」と感じたら食べないようおすすめします。
- カビ
- ベチャっとした食感
- いつもの臭いじゃない など
調理後のにんにくが腐るとどうなるの?
酢漬け・オイル漬け・醤油漬けなどをしている方で下記のような異変がある場合は、残念ですが腐っています。
見た目
- カビ
- 溶けている
- 白い膜が張っている
- 糸を引く
- ぬめりがある
臭い
- 酸っぱい臭い
- アンモニア臭
- 気持悪い臭い
味・食感
- 酸っぱい
- ネバネバする
- 気持ち悪い味
清潔な容器でしっかり密閉して保存していたつもりでも、保存環境などによっては予想よりも早く腐る可能性があります。
せっかく仕込んだ保存食が腐るのは悔しいですが、腐ったにんにくを食べたら、食中毒の症状が出ることもあるのでご注意下さい。
食べ過ぎにも要注意!
にんにくは、腐る以外にも食べ過ぎると激しい腹痛などで苦しむ危険性があります。中には救急搬送されるほどの辛い症状が出る場合もあるので、適量を食べて下さいね。
食べ過ぎで体調を崩す理由
にんにくをカットすると、強い抗菌作用のある物質・アリシンが生まれます。にんにくを大量に食べることでアリシンを過剰に摂取すると、下記のような危険性があります。
- 消化器官が刺激されて、胃壁がダメージを受ける
- 抗菌作用で腸内活動をするために必要な物質の力まで抑えられてしまう
- 血液が固まりにくくなるので、低血圧で貧血などの症状が出る
- 子どもさんの場合はアリシンに対する過剰反応で咳などのアレルギー反応が出る場合もある
「にんにくを食べると元気になる」とよく聞きますが、食べ過ぎはNGです。また、どれくらいのにんにくを食べたら症状が出るのかは、人それぞれです。
にんにくを食べて体調に異変を感じた経験がある方は、食べる量を加減なさって下さい。お子さん・免疫力が低い方なども、十分にご注意下さいね!
次に「腐ってはいないようだけど食べてもいいの?」と迷うような状態についてご紹介していきます。
にんにくは変色しても食べられる?黄〜黒色など色別の注意点を解説
私には「にんにくを久しぶりに食べようと思ってカットしたら・調理後に保存していたら変な色になっていた!」という経験があります。
色ごとに、原因と食べてもいいかを表でご紹介します。
色 | 原因 | 食べられるか |
青 | にんにくの成分と酸性の調味料が反応 | 食べられる |
緑(おろしにんにく) | にんにくの成分と酸素が反応 | |
ピンク・紫 | ピンク・紫の品種 にんにくの成分と鉄分が反応 |
食べられる |
黄色・オレンジ | 乾燥不足 | 腐る前の劣化状態だが食べられる |
表の他にも、茶色いブツブツや斑点がついていた経験もあります。
茶色のブツブツ・斑点の原因については、詳しい情報がありませんでした。食べるかどうかを口コミで調べると、意見は3つに分かれます。
- 気にしないで食べる
- 捨てる
- 茶色の部分だけ取り除いて食べる
実際に食べている人もいるので食べても害はないと思いますが、他の異常がないかも合わせて判断してみて下さい。
では、何日くらいでご紹介してきたような状態になって腐るのでしょうか?
日持ち期間を確認して、にんにくを無駄なく使い切っていきましょう?
にんにくの日持ち期間はどれくらい?生や調理後などを調査!
にんにくは、台所の片隅に放置していても大丈夫なイメージがあります。
実際は、どんな場所で保存すれば長持ちするのでしょうか?にんにくの状態別に、ベストな場所で保存したときの日持ち期間をご紹介します。
にんにくの状態 | 保存場所 | 日持ち期間 | |
生 | 丸ごと | 常温(涼しくて風通しがいい場所) | 2週間~1ヶ月 |
1片ずつ皮なし | 冷蔵庫のチルド室 | 1~3ヶ月 | |
1片ずつ皮付き | |||
みじん切り スライス すりおろし |
冷凍 | 1ヶ月 | |
調理後 | オリーブオイル漬け | 常温 | 半年以上 |
醤油漬け | 冷蔵庫 | 1年ほど | |
味噌漬け | |||
酢漬け |
*生で丸ごとチルド室に入れてもいいのですが、かさばるので常温での日持ち期間をご紹介しました。
常温でも最適な場所なら1ヶ月は日持ちするにんにくですが、高温で湿度が高い場所に置くと、腐るのが早くなります。
私の経験では梅雨が明けるくらいの夏はカビが生えやすいので、保存場所の温度が25℃以上でジメジメした感じがしたら、早めに冷蔵庫に入れるのがおすすめです。
にんにくの市販品の賞味期限も確認してみました。
商品名など | 賞味期限 | 引用元 |
にんにくチューブ | 150日 | 笑福商店 |
黒にんにく | 6ヶ月 | グルメ通り |
きざみにんにくオイル漬け | 1年 | キャンディランド |
にんにく味噌 | 1年 | 山年園 |
*市販品に書かれている賞味期限は、「未開封で保存方法を守った場合」の期間です。開封後は日持ちしない場合があるので、ご注意下さいね。
にんにくから出た芽は食べられるの?
「にんにくの芽」として売られている商品は、にんにくを保存していると出てくる芽を成長させて、茎になった部分です。
形がしっかりしていて冷蔵庫で5日ほど日持ちするので、扱いやすい野菜ですよね。
「にんにくから出てきた柔らかい芽の部分は食べられるの?」と疑問だったので調べてみると、食べられるそうです!
にんにくを放置して大量に芽が出てしまった場合は、にんにくから出た部分を切り取って天ぷら・炒めものなどがおすすめです。
最後に、にんにくの正しい保存方法も確認しましょう!
先ほどもお話ししたように、私はにんにくを台所に放置しています。保存方法を特別意識したことはありません。
「柔らかくなってきたら大量消費する」という雑な扱いをしてきたのですが、これからは劣化を防いで長持ちさせたいと思います。
にんにくの正しい保存方法!冷蔵庫や冷凍庫で長持ちさせるコツ
にんにくは「キッチンがジメジメしていて直射日光が当たる」などのお悩みがあるご家庭でなければ、こだわりなく保存場所を選んでOKです。
- キッチンがジメジメしていて直射日光が当たる→冷蔵保存
- たくさん買ってきて、とりあえず腐らないように置いておきたい→丸ごと常温保存
- 料理をするたびに薄皮をむいてゴミが出るのが嫌→1片ずつむいて冷蔵保存
- すぐに料理に使いたい→カットして冷凍保存 など
保存場所ごとにご紹介します。
常温 保存方法
常温保存のポイントは3つです。
- 高温・多湿を避ける
- 直射日光を当てない
- 風通しが良い場所
丸ごとor1片ずつ皮付きのままで保存可能です。
- 丸ごとor1片ずつ皮付きのままでネットに入れる
- 台所の風通しの良い場所か、外で直射日光が当たらず風通しが良い場所に吊るす
にんにくを入れておくネットは、専用のものが販売されています。
大量に保存するなら専用のネットを買うのもいいですが、キッチンの排水溝にゴミ受けとして使うネットでも代用できます。
冷蔵庫 保存方法
にんにくが新鮮な状態で冷蔵庫のチルド室に入れると、風味が長持ちします。
1片ずつばらして、皮つき・皮なしどちらでも保存可能です!
- にんにくを1片ずつにする
- 1片ずつキッチンペーパーに包む
- ジップロックなど密閉できる保存袋に入れる
- 空気を抜いて密閉し、冷蔵庫のチルド室に入れる
にんにくは1片ずつにばらしても生きていて、呼吸をします。チルド室は呼吸量を抑えられる温度なので劣化しにくくなります。
冷凍 保存方法
にんにくをすぐに料理に使いたい場合は、料理に合わせてカットしてから冷凍するのがおすすめです!
- にんにくをお好みの大きさにカット
- 1回使う分ずつ、平らにしてラップに包む
- ジップロックなど密閉できる保存袋に入れる
- 空気を抜いて密閉し、平らにして凍らせる
にんにくをカット後の手の臭いを消す方法!
にんにくをたくさん下処理した後は、「手の臭いが取れなくて嫌」という方も多いと思います。
生のにんにくの臭いが取れる3つの方法をご紹介するので、ぜひお試しください!
- ステンレス製品を触る:にんにくの成分とステンレスの金属イオンが反応
- 酢水で洗う:にんにくの成分と酸が反応
- 歯磨き粉で洗う:消臭効果が高いから
ステンレスの石鹸も発見しました!にんにくの他に、魚をさばいた後などにも使えます。
まとめ
にんにくが腐ったときの見分け方を確認し、長持ちさせる方法などをご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- 生のにんにくが腐ると、見た目の変化でわかりやすい
- 調理後のにんにくは、見た目・臭い・味で食べられるかを判断する
- にんにくを食べ過ぎると体調を崩す危険性があるので注意
- にんにくが変色しても食べられる場合がある
- にんにくの日持ちは【常温:1ヶ月、冷蔵庫:最長3ヶ月、冷凍:1ヶ月】
- 長期保存可能な保存食も作れる
- にんにくはお好みで保存場所を選んでOK
にんにくは、皮がしわしわで柔らかくなってきたら傷み始めのサインです。食べられなくなってしまう前に、無駄なく使い切りましょう!
とはいえ、一度に大量に食べるのはNGでした。おろしにんにくなど生で使う場合は、小指の爪先ほどの量でも十分に風味がつきますので、食べ過ぎないで下さいね!
にんにくはあまり主役にはなりませんが、使う場面はたくさんあります。「にんにくが効いた料理」と聞くだけでも食欲が湧きますよね。
今回ご紹介した日持ち期間や保存方法も参考にしながら、これからもにんにくを楽しんでみて下さい!