【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
スーパーで売っている生のにんにくには、賞味期限が書かれていませんよね。
普段から大量に使う食材ではないので、”にんにくの取り扱いがよくわからない”と思っている人も多いのでは?
今回は、毎年大量にできるにんにくを保存したり、料理したりしてきた経験もあわせて詳しくご紹介していきます!
- にんにくの賞味期限はどれくらい?
- にんにくは常温や冷蔵保存で日持ちするのか
- にんにくが腐っているかどうかの見極め方
- にんにくの正しい保存方法
- にんにくを冷凍保存するコツ
にんにくは固い皮に包まれていますよね。
真っ白な見た目を想像して切ってみると・・・芽が出始めていたりシワシワになっていて、「使っていい状態なの?見分け方がよくわからない」と思っていませんか?
他にも、生のにんにくは面倒くさいからチューブにんにくしか買わない方もいらっしゃると思います。
今回は、チューブにんにくなどの加工にんにくについてもご一緒に紹介していきますね!
”黒にんにくって何?”や、にんにくの簡単なむき方など、豆知識も挟みながら、にんにくについて楽しく情報収集していきましょう♪
管理栄養士・栄養士
目次
にんにくの賞味期限はどれくらい?常温と冷蔵で違いはあるの?
にんにくには、賞味期限の表示義務がありません。
賞味期限とは?
未開封&保存方法を守ったときの、美味しく食べられる期限のこと。
主に、腐りにくい加工食品に書かれています。
消費期限とは?
未開封&保存方法を守ったときの、安全に食べられる期限のこと。
主に、腐りやすい加工食品に書かれています。
*賞味期限や消費期限は、製造メーカーなどが検査をしたうえで、余裕をもって決められるのが一般的です。
賞味期限の表示義務がない理由は後ほどご紹介します!
まずは、一般的にはどれくらいの期間美味しく食べられるのかを、保存方法別にご紹介します。
*今回は、”にんにくを美味しく食べられる期限”という意味で、賞味期限という言葉を使っていきますね。
にんにくが美味しく食べられる賞味期限の目安
にんにく農家などのホームページや、にんにくを長期保存しているご家庭の口コミを調査しました。
一般的な賞味期限の目安は、下記のようになります。
- 常温保存・・・2週間ほど
- 冷蔵保存・・・1ヶ月ほど
- 冷凍保存・・・1年ほど
にんにくは水分を保った状態で保存できるので、長期間保存しても風味を感じられます。
賞味期限は、後ほどご紹介する保存方法によって、大きく左右されます。
また、にんにくは、”芽が出てくる”など、見た目が怪しい状態になっても、むいてみると食べられる白い部分が出てくることがあります。
こんな理由で、にんにくの賞味期限を一律で「〇日」と決めるのは難しいのですが、上記の賞味期限を参考になさってみて下さいね。
にんにくに賞味期限の表示義務がないのはなぜ?
賞味期限や消費期限の表示が必要な食品は、食品表示法などで決まっています。
先ほどもご紹介した通り、味期限や消費期限は、製造メーカーなどが検査をして、一律の期限を決めます。
*例えば、「とあるスナック菓子は製造日から1年」など。
にんにくのような生野菜は、下記のような理由で、一律で期限を決めることが難しいので、賞味期限や消費期限が表示されていないようです。
- 野菜は収穫してからも成長し続ける
- 1つ1つの野菜によって、成長の度合いが違う
- 配送状態によって賞味期限が左右される
- お店での保存環境によって賞味期限が左右される
- 外側の見た目に変化がなくても中が劣化しているなど、見分け方が難しい場合がある
加工にんにくの賞味期限切れもチェック!
にんにくは、色々な形で売っていますよね。
生にんにくの他にも、おろしにんにくチューブや、刻みニンニクのオイル漬けなどがあり、加工にんにくには賞味期限が書かれています。
にんにくは、すりおろす・刻むなどで加工すると、強い殺菌作用のあるアリシンという成分が発生し、腐りにくい状態になります。
そのためか、口コミなどで調査すると、「チューブのおろしにんにくは、賞味期限が3~4年過ぎても普通に食べている」なんていう声もありました。
ただ、開封後の加工にんにくについてはご注意下さい!
開口部を開けたときに雑菌が入り、カビが生えるなどの可能性があります。
開封後の加工にんにくは、賞味期限に関わらず1ヶ月ほどで使い切ることをおすすめします。
豆知識:黒にんにくって何?賞味期限はどれくらい?
黒にんにくは、白いにんにくを発酵させた食品です。
時間と手間がかかる上に、”白いにんにくを上回る健康効果がある”という理由で、高級品として売られていますよね。
黒にんにくは加工食品に分類され、賞味期限が表示されており、6ヶ月~1年が一般的です。
次に、”明らかに食べられない”にんにくを見極めるために、腐ったにんにくの状態を確認しましょう。
にんにくは腐るとどうなるの?腐っているかの見分け方はコレ!
私は農家の祖父母が長期保存した、いろんな状態のにんにくを見たことがあります。
”にんにくを腐らせてしまった”という口コミと私の経験を合わせて、食べられないニンニクについてご紹介していきます。
にんにくが食べられるか見極めるには、見た目と触感などを確認して、以下の項目に当てはまれば食べられないと判断しましょう。
見た目
- 乾燥して縮んでいる
- カビが生えている
- 全体的に黒ずんでいる
触感
- スカスカで、中身が小さくなっている
- 柔らかくて、ドロッとした感じがする
最後に切ってみて、白い部分がなければ食べられません。
にんにくは1片が小さいので、腐っている部分を取り除いて食べようとしても、残らないことがほとんどです。
芽が伸びて、切った時に中心が青くなっている場合は、その部分を取り除けば食べることができます。
豆知識:芽が伸びたにんにくは味が落ちています!
野菜は、収穫してからも成長し続けます。
にんにくを放置すると芽が伸びるのも、成長しているからです。
成長するためには栄養が必要!ということで、芽が伸び続けているにんにくは、栄養が芽にいってしまいます。
白い部分の味は落ちていますので、オリーブオイルで炒めるなどしても風味や香りが出ないこともあります。
にんにくが腐るとどうなるのか紹介しましたが、にんにくは保存環境が良ければ急激に腐りません。
これからご紹介する保存方法を、是非お試しくださいね!
にんにくの正しい保存方法とは?長期保存するコツとは?
にんにくの植え付けが行われるのは、気温が20℃ほどの9~10月ごろです。
その後、寒い冬を越すことで甘くて風味が強いにんにくが育ち、再び気温が20℃ほどになる4~5月に収穫します。
”育ち始めと成熟するのが温かい時期”ということで、ご家庭の温かい環境(常温)に置くと、成長が早まって芽が伸びてきてしまいます。
一番美味しい状態で、なるべく長期保存をするために、下記の方法をお試し下さい。
まずは冷蔵庫で保存する方法です!
にんにくを買ったら冷蔵庫へ!
新聞紙やキッチンペーパーに包んでからジップつきの保存袋に入れて、冷蔵庫に保存します。
にんにくは生き続けていて、呼吸しています。
新聞紙などに包まないと、袋の中に水滴ができてカビの原因となることがあります。ご注意下さいね。
豆知識:輸入にんにくが長期保存しても変化しないのはなぜ?
国産のにんにくは、”冷蔵庫で2週間~1ヶ月ほどが賞味期限”とご紹介しました。
ところが輸入にんにくは何ヶ月経っても全く変化しない場合があります。
実は、輸入にんにくには芽止め剤が使用されている可能性があるのです!
*芽止め剤は発がん性があるとされて、国内では使用が禁止されています。
輸入にんにくは、国産と比べると断然安いですよね!
ただ、国産と輸入ものでは、育てるときに使用する農薬量や土壌検査などの基準が違います。
”国産だから100%安心”という時代でもないですが、お子様のいらっしゃるご家庭などは、より厳しい目で食品を選ぶことをおすすめしたいと思います。
冷蔵庫で長期間保存したい!そんな時はひと手間加えて
にんにくの皮を取り、薄皮をむきます。
1片ずつ新聞紙やキッチンペーパーに包んで、ジップつきの保存袋に入れて冷蔵庫に入れると、2~3ヶ月の保存が可能になります。
にんにくの底には、1片ずつのにんにくをつなぎとめている部分がありますよね。
その部分は、元々根とつながっていて、にんにくの身に栄養を送っていました。
”底の部分”と”芽の基礎となる葉(にんにくの中心です)”がつながっているので、切り離すと芽が出にくくなり、長期保存が可能になります!
豆知識:にんにくの皮を簡単にむく方法!
「包丁で1片ずつ皮をむくのが面倒」と思っていませんか?
ちょっとした工夫で簡単に皮をむける方法を3つ紹介します!
時間があるとき
にんにくを1片ずつにばらし、底を切ってから、水に2時間ほど浸す。
薄皮まで、簡単にツルンとむけます。
時間がないとき
フタが閉まる容器に、1片ずつにばらしたにんにくを入れ、10秒~30秒振ります。
フタを開けると、もう皮がむけています。
生にこだわらないとき
かたまりのままのにんにくを横にして、底の部分を切り落とします。
耐熱皿に乗せて、レンジでチン!500wで1分、600wで40~50秒が目安です。
にんにくの頭をつまんで引っ張ると、皮がスルリとむけます。
ぜひお試しくださいね♪
家庭料理をワンランクアップさせる保存方法
「美味しいものを毎日食べたい!」という私たちのために、ちょっと手間をかけて保存する方法をご紹介します!
にんにくのオイル漬け
清潔な保存ビンに、薄皮までむいたにんにくを入れます。
料理の用途が決まっている場合には、にんにくをカットしてもOKです。
にんにくが浸るくらいのオリーブオイルを入れます。
お好みで、唐辛子や香草を入れてもOKです。
次の日から使えます!
オイルが酸化するので、長くても1ヶ月ほどしか日持ちしません。
にんにくのしょうゆ漬け
清潔な保存ビンに、薄皮までむいたにんにくを入れます。
かなり濃い味になりますので、カットするのはおすすめできません。
にんにくが浸るくらいのしょうゆと、お好みで唐辛子を入れます。
3週間ほど置くと、しっかり漬かります。
保存状態が良ければ、にんにくとしょうゆをつぎ足して、長期間使えます。
私の祖母は、「にんにくのしょうゆ漬けは腐らない。一生使える。」と言って、何十年も”つぎ足し・つぎ足し”しています。
ですが、容器の衛生状態なども考慮して、長くても1年に1回くらいは容器を煮沸し、作り直しましょう。
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次に、冷凍保存の方法をご紹介します。
かなりの長期間、保存が可能になりますよ!
にんにくは冷凍できるの?すりおろしたにんにくでも大丈夫?
にんにくを冷凍するのは意外と簡単!
”1片ずつ保存”、”加工して保存”どちらも可能ですよ!
1片ずつ冷凍
皮付きのまま1片ずつ分けてから、ジップつきの保存袋に入れて、そのまま冷凍庫に入れるだけです。
先ほどもご紹介した通り、保存可能期間は1年ほど!
*面倒でなければ、薄皮までむいてから冷凍すると、冷凍庫から出してすぐに使うことができます。
臭い移りが気になる場合は、1片ずつラップに包みます。
ただ、にんにくは傷をつけると臭いを発します。
皮つきのまま冷凍する場合は、臭いが気になることはあまりないと思います。
カットして冷凍
みじん切りや薄切りなど、用途に合わせてカットします。
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平らにしてラップに包み、ジップつきの保存袋に入れて冷凍庫に入れます。
保存可能期間は1ヶ月ほどです。
冷凍のまま、フライパンや鍋に入れて料理することができますよ!
すりおろして冷凍
すりおろしてラップに包み、ジップつきの保存袋に入れて冷凍します。
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なるべく薄く、平らに包んで下さいね。
使う分ずつポキポキ折って、そのまま料理に使うことができます。
1ヶ月ほど、保存が可能です。
まとめ
にんにくの賞味期限についてご紹介してきました。
豆知識も挟みながら、楽しくにんにく情報をゲットできましたね!
ポイントをまとめます。
にんにくの賞味期限目安
- 常温:2週間
- 冷蔵:1ヶ月
- 冷凍:1年
腐ったにんにくの見分け方
- 見た目(カビや黒ずみなど)
- 触感(スカスカ、柔らかいなど)
- 切ると白い部分がない
にんにくの保存方法
- 工夫次第で冷蔵でも2~3ヶ月保存可能
- オイル漬けや醤油漬けにすると料理に使いやすい
- 冷凍保存するならカットやすりおろしがおすすめ
にんにくを料理に上手に使うと、
「もう外食なんて必要ない!」と思うくらいに、家庭料理が美味しくなります!
でも、国産にんにくは高い。
家計を考えると、普段は大量に買えませんよね。
道の駅などで安く売っているのを発見したときは、ぜひ大量買いしてみて下さい!
今回ご紹介した情報を使って、にんにくを楽しんで頂けると嬉しいです♪