【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
我が家の朝食はパン派なので、食パンを常備しています。
たまに総菜パンも食べたいのですが、腐るのが早いのであまり子供には食べさせられません。
実際、夫が購入した次の日に総菜パンを食べたらお腹を壊してしまったことがあります…。
カビが生えていたらすぐにわかりそうですが、気が付かない場所にカビが生えていることもあり、なかなか気が付かないこともありますよね。
そこで、パンの日持ちやパンが腐るとどうなるのか見分け方を詳しく調べてみることにしました。
- パンは腐るとどうなるのか?食べられない状態の見分け方
- パンが腐る原因を徹底解説!
- 市販のパン、手作りのパンの日持ち期間
- 賞味期限や消費期限が切れたらいつまで食べられるのか目安の考え方
- パンの正しい保存方法とは?おいしさを保てるコツ
常温放置していると数時間でも怪しい臭いがしてくることもありますが、今回は腐ったパンの特徴だけでなく、腐る原因も調べてみましたよ。
正しい保存方法や日持ち期間についても説明するので、無駄なく美味しいパンを食べることができるようになります。
パン党のみなさん、ぜひご確認ください!
管理栄養士・栄養士
目次
パンは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方や目安がコレ!
パンが腐るとどうなるか、わかりやすいところではカビですよね。
それ以外にもパンが腐るとどうなるか、どんな見分け方があるか調べてみました。
- カビ(色とりどり)が生えている
- 糸を引いている
- 酸っぱい臭いがする
- 味に違和感がある
この通り、パンが腐っているかどうかは見た目や臭い、味などが判断の目安になります。
例えカビが生えていない(目には見えない)場合でも、変な臭いや味に違和感があれば食べないようにしましょう。
真夏に直射日光があたるような高温の場所であれば、数時間置いておいただけでも腐ることがあります。
以前、夏場のドライブ中に購入したパンを車の中に数時間置いておいたら、小さなカビが生えてきてしまったことがあります!
特に食パンはカビが生えやすいようですが、原因を詳しく調べてみました。
パンが腐る原因とは?
パンが腐る原因は、「菌」「水分」「高温」です。
市販のパンは衛生管理が徹底しているのですが、購入後に手で触ったりしていると菌に接触してしまいます。
そして菌は水分が多いと増幅し、温度が高くなると活発に活動します。
つまり、水分を多く含むパンは腐りやすい食品と言えますね。
その上に、25℃以上の常温で放置していると、カビにとっては繁殖しやすい環境が整ってしまうのです。
パンだけでなく多くの食品にとって夏の暑さは大敵ということですね!
では冷蔵庫で保存しておくと腐りにくいのかというと確かに腐敗を抑えられますが、パンは冷蔵庫保存に向かないので、冷凍庫で保存しましょう。
冷蔵保存よりも冷凍保存をおすすめする理由は「パンの正しい保存方法!常温・冷蔵・冷凍する際の注意点とは?」で説明します!
そして水分にも注意してくださいね。
パン屋さんで焼きたての食パンなどを買うと、袋の口が空いてあるのは水蒸気を逃すためですので、冷めてから閉めましょう。
そしてもう1つ、パンが腐る原因は「ロープ菌」によるものです。
ロープ菌とは
納豆菌と同じく枯草菌と呼ばれる菌の一種で、パンが腐ると糸をひいたりするのはロープ菌が原因だと考えられます。
パンを焼いても死滅しないので、特に手作りパンの場合は注意してください。
手指や調理器具を清潔に保ち、しっかりイースト菌を発酵させましょう。
スーパーやコンビニで売られている袋入りの市販のパンなどは、衛生管理が徹底しているのであまり気にする必要はありません。
腐ったパンを食べると、お腹を壊すなど、食中毒のような症状を起こすことがあるので気を付けてください!
消費期限の切れたパン食べたらお腹壊した
— れみりあ.りひと中毒🍓 (@Lemyllian) August 7, 2019
このように消費期限が切れているパンは要注意です!
どれくらいの日数で腐ってしまうのか、日持ちを確かめてみました。
パンの賞味期限や日持ち期間はどれくらい?市販品や手作りなど調査!
パンは腐りやすいということが分かりましたが、具体的な日持ちはどれくらいなのでしょうか?
いろいろな種類のパンの、常温の場合の日持ちを調べてみました。
【パンの種類】 | 【日持ち(常温)】 | |
総菜パン | 当日中 | |
スイーツパン | 1~2日程度 | |
フランスパン | 2日程度 | |
食パン | 手作りパン | 1~2日 |
パン屋さん | 2~3日 ※ | |
スーパーやコンビニ | 3~4日 ※ |
※冷凍保存の場合は「1ヶ月程度」日持ちします。
一番日持ちがしないのは、やはり総菜パンですね。
色々な具材が使われていると、それだけ腐りやすいということですね。
そしてホームベーカリーで手作りするようなパンも、あまり日持ちはしません。
やはり家庭での衛生管理には限界があるので、食べられる分だけ作るのが良いようです。
個人的には食パンよりフランスパンの方が日持ちすると思っていたので、少し驚きました。
しかし日持ちや賞味期限は商品によって異なりますので、あくまでも目安として参考にしてくださいね。
続いて、有名店のパンについても調べてみました。
販売元 | パンの日持ち・賞味期限 |
【春夏秋冬】 神戸で人気の高級食パン専門店 |
2~3日 |
【コストコ】 ディナーロール |
3日程度 |
【乃が美(のがみ)】 全国に店舗を構える高級生食パン専門店 |
3日 |
【銀座に志かわ(にしかわ)】 東京発の高級食パン専門店 |
|
【山崎】 ランチパックの場合 |
|
【みやび】 東大阪発の最高級デニッシュ食パン |
4日 |
【モンシェール】 東京発の有名デニッシュパン |
|
【コストコ】 メニセーズ フレンチロール(ミニパン)の場合 |
1ヶ月程度 |
主に食パンで有名なお店の賞味期限を調べてみましたが、だいたい3日前後ということが多かったですね。
これらは常温で保存した場合の日持ち期間なので、これ以上保存したい場合は冷蔵庫ではなく冷凍庫で保存すると長持ちします。
また、コストコで扱っているミニセーズミニパンのように、生焼け状態でご家庭で食べる直前に焼いていただく日持ちする商品も発見しました。
こちらのパンは常温でも日持ちして、なんと40日も賞味期限があり、通販などでも購入できます。
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他にもいろいろと日持ちするパンを見つけたのですが、どうやらこれらは「天然酵母」を使っているようです。
天然酵母のパンはなぜ日持ちするのでしょうか?
天然酵母のパンが日持ちする理由
パンを作るには「イースト菌」がとても有名ですよね。
イースト菌は素早くキレイに作ることができるのですが、日持ちは数日程度になります。
対して、天然酵母はゆっくり発酵されるので、パンの熟成までに時間がかかります。
そして天然酵母に含まれる乳酸菌などが菌を抑えるためカビが繁殖しにくく、水分量も少ないので日持ちします。
また、保存用アルコールや強固なパッケージも長期保存できる理由の1つです。
保存食用としてもいいかもしれませんね!
このようにパンは常温だとあまり日持ちはしないです。
3日程度と言われても、うっかり賞味期限が切れていた…なんてこともあるのではないでしょうか?
そこで、賞味期限切れの場合はどれくらいまで食べられるのかも確認してみました。
パンが賞味期限切れや消費期限切れになった!いつまでなら食べられるの?
市販のパンには、賞味期限や消費期限がついています。
実際スーパーやコンビニで販売されているパンの多くは「消費期限」が付けられていることが多いですね。
これらの違いをまとめておきましょう。
賞味期限
- 美味しく食べられる期間
- 比較的日持ちする食品に付けられることが多い
消費期限
- 安全に食べられる期間
- 5日以内に劣化が認められる食品に付けられることが多い
つまり、数日しか日持ちしないパンは「消費期限」が付けられるというわけですね。
消費期限の場合は、「安全が保障されている期限」なので、期限が過ぎたら原則的には食べない方が良いです。
パンのメーカーなどでも、消費期限切れのパンは食べないようにと注意喚起をしています。
対して、天然酵母を使っている場合は賞味期限となっています。
賞味期限は、そもそも余裕を持って設定されているので、多少賞味期限切れでも大丈夫です。
この計算式をもとに、一般的には設定された賞味期限の1.2倍程度の期間は大丈夫だと言われています。
先ほどご紹介した40日の賞味期限があるパンの場合は、「40日 × 1.2 = 48日」となるので、賞味期限の日付から1週間程度は大丈夫そうですね。
しかしこれは製造日や賞味期限として設定される日数が正確にわからなければ計算できません。
実際はどれくらいまで食べられるのか、インターネット上の意見を調べてみました。
実際はどれくらいまで食べられるのか?
多くのパンは賞味期限ではなく、消費期限がついています。
消費期限切れの場合は、食べないというが大前提ではありますが、実情はどうなのでしょうか?
- 1日が限度
- 3日程度なら食べられる
- 1週間過ぎていてもカビが生えていなければ食べられる
私の感覚としては、1~2日程度という感じですが、夏だと1日過ぎても怖いです…。
また、パン屋さんで購入した場合は、購入後3~4日程度のことが多いですね。
ただし、総菜パンやクリーム入りのパンの場合、期限切れは非常に危険です!!
1日過ぎてもお腹を壊すことがあるので、やめておいた方が無難です。
消費期限切れの場合や期限が付いていない場合は、腐っていないか状態をよく確かめましょうね。
不安な場合は潔く諦めることも大事です!
ちなみに賞味期限や消費期限は「開封前」の期限ですので、開封後はなるべく早めに、当日中には食べてくださいね。
パンの日持ちは、保存環境や保存方法によっても変わってくるので、正しい保存方法を確認しておきましょう!
パンの正しい保存方法!常温・冷蔵・冷凍する際の注意点とは?
パンを保存するには、常温か冷凍がおすすめです。
先ほど少しお伝えしたように、パンは冷蔵庫での保存には向いていません。
というのも、パンに含まれているデンプンは冷蔵庫の0℃~4℃でゆっくり冷やされると劣化しやすく、固くなってしまうのです。
また、冷蔵庫内のカビが付着する危険性もあるので、おすすめできません。
そのため、基本は常温保存と冷凍保存ということになります。
常温の保存方法
3日以内に食べきれる場合は、常温保存で大丈夫です。
焼きたてのパンを購入してきた場合、すぐに封をしてしまうと水蒸気でパンが傷むのが早くなるため、すこし冷ましてから封をしましょう。
直射日光が当たらない、なるべく涼しい場所に保管するといいですよ。
また、乾燥を避けるためにもしっかり密閉しましょう。
パンケースなどの専用の保存容器を利用するのも良いです。
桐箱だと温度や湿度を適度に調節してくれるのでおすすめです。
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ただし、温度が上がり過ぎる夏などは、当日中に食べることを前提に一時的に冷蔵庫に入れることも考えてください。
特に総菜パンやクリームパンなどのクリーム系は傷むのが早いです。
常温保存がベターですが、心配な場合は短時間なら冷蔵庫でも良いでしょう。
当日中に食べるのが難しいという場合は、すぐに冷凍してしまいましょう!
冷凍の保存方法
3日以内に食べきれない場合は、すぐに冷凍してしまいましょう。
冷蔵庫だと乾燥してしまいますが、冷凍すると食パンの場合1ヶ月ほど日持ちします。
パンの冷凍保存方法
- 一切れずつラップでしっかり包み、密閉できる袋に入れて冷凍
- アルミホイルを2重にしてしっかり包んで冷凍
どちらの方法でも大丈夫ですが、空気が入らないようにしっかり密閉することが大切です。
アルミホイルで包むとラップよりも早く冷凍できるため、デンプンが劣化しにくく解凍した後も焼きたてのフワフワ食感を楽しめますよ。
ただし、ラップよりも密着しにくく乾燥しやすいので、保存期間は1週間くらいを目安にしてください。
ちなみに総菜パンや菓子パンも冷凍することができます!
日持ちは2週間程度で、味が落ちることもあるようですが、腐るよりもいいと思います。
また、手作りパンの場合は焼く前に冷凍保存すると、いつでも焼きたてのパンを味わうことができますよ。
その場合、一次発酵の後に小分けして丸めておくか、好きな形に成形しておくと、その後の調理が便利です。
生地だけなら2ヶ月程度日持ちしますが、具材を合わせている場合は1~2週間程度の日持ちです。
ぜひ試してみてください!
まとめ
パンが腐るとどうなるのか、日持ちはどれくらいなのかについて調べたポイントをまとめておきますね。
- パンが腐ると、カビが生えたり糸がひいたり酸っぱい臭いがする
- 高温多湿による腐敗やロープ菌が原因
- 手作りパンは1~2日程度、市販の食パンは3日程度日持ちする
- 総菜パンやクリームパンなどは1~2日程度しか日持ちしない
- 消費期限が切れたパンは基本食べない方が良い
- 3日以内なら常温保存、それ以上なら冷凍保存するのが良い
今まではうっかり賞味期限が切れてて、気が付いたらカビが生えているなんてことも日常茶飯事でした。
しかし、これからは購入してきたらいつまでに食べるかを決めて、早めに冷凍保存したいと思います!
また、総菜パンはとにかく食べきらねば!と思っており、食べられない場合は諦めることも多々…。
これからは冷凍保存して、無駄にすることなく食べられそうです。
あなたもぜひこれらの情報を参考に、無駄なく美味しいパンを味わってくださいね。