【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
豚肉が腐るともったいないとわかっているのに、特売品を見るとつい大量買いしてしまう私です。
今回は、豚肉をまとめ買いしても怖くない、腐る前に食べきる方法を徹底的に調査してみました。
- 豚肉が腐るとどうなる?腐りかけの見分け方が知りたい
- 豚肉の日持ちはどれくらい?保存温度別にご紹介
- 消費期限切れの豚肉は食べられる or 危険?
- 豚肉の鮮度を逃さない!正しい保存方法
特に魅惑的なのが「豚バラうすぎり」で、肉と赤身のバランスがよくて、荒く挽いて餃子、野菜を巻く、焼き肉…etc、夢が膨らみます。
特売の豚肉を見るたびにくぎ付けになる私に、夫は「また腐らせるんだろ」と冷たい視線を投げてきます。
料理するのは苦じゃないので色々作り置きするのですが、たくさん作っても食べる人数と量は一緒です。
結局は食べるのが追い付かなくて、食材だけではなく自分の手間まで無駄になることってありませんか?
主婦の方なら共感して頂けると思います!
今回はご一緒に、保存方法や日持ちするレシピも改めて確認してみましょう。
管理栄養士・栄養士
目次
豚肉は腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方を解説!
まずは、絶対に食べてはいけない豚肉の見分け方からご紹介します。
お肉の食中毒は怖いので、腐るとどうなるかの目安をしっかり覚えておきましょう!
見た目
赤身の色と脂身の色の境目があいまいになる(腐りかけ)
↓
赤身の色が濃くなる
↓
茶色
↓
緑色or灰色
*肉から出る汁(ドリップ)も緑色になります。
*腐るほどに、触るとぬめりが出ます
臭い
- 甘ったるいような硫黄臭
- 酸味を感じるヨーグルト臭
味
- 胸やけする気持ち悪い味
- 肉の生臭さが残る後味
冷蔵庫から出した瞬間に”変色”や”フワっと臭う感じ”に気づいたら、腐っていると判断してOKです。
豚肉を日持ちさせる対策の1つとして、なるべく新鮮な豚肉を目利きして買いたいと思い、特徴を調べてみました。
- 赤身がきれいなピンク色
- 白身がきれいな白色
- 赤身と脂身の色がきれいに分かれている
- 切り口がだらけていない、乾燥していない
牛肉のように赤身の色が濃いものは、時間がたって味も食感も悪くなった状態だそうです。
夕方に割引シールが貼ってある豚肉を思い浮かべると、確かに赤身の色が濃くなっていますよね。
スーパーなどで豚肉を買う際には、期限表示だけでなく豚肉そのものの特徴もしっかり見極めると良いですね!
腐りかけかと思いつつ、料理に使った私の体験談
私は腐っているか微妙な状態の豚肉を料理したことがあります。
「加熱すれば大丈夫でしょ」という軽い気持ちで、カルビクッパ風にしてみました。
豚肉を切って一度茹でこぼし、加熱も完璧!
にんにく・しょうが・豆板醤で臭みも消して料理したつもりが…
食べてみると、怪しい&気持ち悪い肉臭さが充満した食べ物になってしまいました。
他の食材も丸ごと捨てることになり、とても残念でした。
基本的に豚肉は日持ちしない食材なので、上手に保存して消費期限切れになる前に食べきるのがベストですね。
保存方法については、「豚肉の正しい保存方法とは?冷蔵・冷凍する際のコツや注意点を解説!」で詳しくご紹介します。
では、豚肉の日持ちはどれくらいなのでしょうか?状態別にご紹介します。
豚肉の消費期限や日持ちはどれくらい?常温・冷蔵・冷凍による違いも調査!
豚肉の消費期限については、日本食肉消費総合センターのホームページで、詳しい情報を紹介してくれていました。
【加工~売り場に並ぶまで冷蔵の場合】と、【一度冷凍したお肉を解凍して売る場合】に分けて日持ちをご紹介します。
保存温度 | お肉の状態 | 冷蔵肉 | 解凍肉 |
10℃ (肌寒い常温) |
かたまり | 3日 | |
うすぎり | 3日 | 2日 | |
ひき肉 | 1日 | ||
4℃ (冷蔵庫) |
かたまり | 6日 | |
うすぎり | 5日 | ||
ひき肉 | 3日 | ||
0℃ (チルド室、真空チルド室) |
かたまり | 7日 | 6日 |
うすぎり | 6日 | ||
ひき肉 | 5日 |
冷凍保存した豚肉の日持ち
家庭用冷凍庫の温度は-18℃くらいなので、豚肉を冷凍した場合は2週間~1ヶ月以内が日持ちの目安です。
解凍後は冷蔵庫に入れて、1~2日以内に食べるのがおすすめです。
解凍する際には急激な温度変化でドリップが出やすくなるため、電子レンジでの解凍はあまりおすすめできません。
できれば1日くらいかけて冷蔵庫に移してゆっくり解凍するのがポイントです。
冷蔵庫に入れておくのを忘れた!という場合は、ビニール袋に入れて密封してから流水解凍するのもおすすめです。
一度解凍すると味も食感もあっという間に落ちますので、なるべく早く食べて下さいね。
スーパーなどで売る段階では、表でご紹介したよりも消費期限が短くなります。
消費期限の目安
- スーパー・・・1~2日
- 通販・・・3~5日
加工日から数日後ですし、持ち運びのときの温度変化なども考えて、余裕を持って期限を表示しているのが理由です。
私を含めて、”消費期限を厳密に守る必要はない”と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
次に、豚肉の消費期限切れ何日後まで食べても大丈夫なのかを口コミで調査してみました。
豚肉が消費期限切れや賞味期限切れになった!何日までなら食べられる?
これからご紹介する口コミは、あくまでも自己判断のお話です。
「期限切れ後〇日までなら、絶対に食べてもOK」とおすすめはできませんので、参考程度にご覧下さい。
なお、お肉によっては「消費期限」や「賞味期限」として表示されている場合があります。
お肉の消費期限や賞味期限を表示する基準は、下記のとおりです。
消費期限が表示されるお肉
スーパーで売っているようなパック詰めのお肉には消費期限が書かれています。
消費期限は安全に食べられる期間を示しているので、安全性を考慮すると消費期限切れの豚肉を食べるのはおすすめできません!
賞味期限が表示されるお肉
肉の卸売り業者が販売するような日持ちする鮮度の場合や、かたまりで売っていて劣化の速度が遅いお肉には賞味期限が書かれています。
賞味期限は美味しく食べられる期間を示しているため、期限切れ後すぐに食べられないわけではありませんが、正しく保存しておくのが前提です。
消費期限切れ・賞味期限切れの豚肉を食べた人の口コミ集
消費期限が切れた豚肉は、安全性を考えると食べない方が良いのですが、自己責任で判断して食べている人もいるようです。
いろんな意見を調査した結果、期限切れ後の日持ち期間は3日が限界のようです。
4日目からは、「腐るかどうかに関係なく何となくイヤ」という口コミが多かったです。
期限切れ 1日
- 全く問題ない
- 気にせず食べる
- 期限切れ1日くらいでは味も食感も落ちない
期限切れ 2日
- 食べるけど、しっかり加熱する
- 見た目がベトベトしていなければ食べる
- ドリップが多く出ていたら食べない
期限切れ 3日
- ギリギリという感じはするけど食べられる
- 臭いを確認してから食べる
- 冷しゃぶなどサッと火を通すだけの料理は無理
- いつも新鮮な食材が売っているスーパーから買った豚肉なら食べる
期限切れ 4日
- 食べない
- よく火を通しても食べたくない
ただし下記のような場合には期限などに関係なく腐るので、ご注意下さい。
- 何時間も常温放置(特に夏)
- 高温になる車内に置きっぱなし など
常温に置いて何時間で腐るのかの確実な情報はありませんでしたが、温度によっては1時間でも危険です。
【確実に〇日は食べられる】or【〇日以降は絶対に食べられない】という情報はどこにもないことを知って頂き、食べる都度ご自分でしっかり判断なさって下さいね。
豚肉は正しく保存して、表示されている期限内に食べた方が良いのは、食中毒のリスクが非常に高いからです。
豚肉の中で菌が増殖!危険な食中毒
豚肉が原因の食中毒菌は、複数あります。
- 豚が生きているときから持っている菌(寄生虫、O157など)
- 食肉に加工する際につく菌(ノロウイルスなど)
- 調理後に増殖する菌(ウエルシュ菌など)
食中毒菌が増殖して腐った豚肉を食べた場合、嘔吐、下痢などの症状が出て、最悪は死亡する可能性もあります。
食中毒を予防するために、下記を忘れないでください!
- 低温で保存(菌を増やさない)
- しっかり加熱(菌を死滅させる)
- 清潔な環境と手指で調理(菌をつけない)
食中毒は、少しの注意不足で起きます。
私も家族の健康を守るために、しっかり予防しようと思います!
最後に豚肉の正しい保存方法をご紹介します。
日持ちにも食中毒の予防にも関係する大切なことですので、ぜひチェックなさって下さい。
豚肉の正しい保存方法とは?冷蔵・冷凍する際のコツや注意点を解説!
大量に豚肉をまとめ買いしても美味しく食べきれる保存方法を調べました!
消費期限内に食べきれる場合・冷蔵庫での正しい保存方法
表示されている消費期限内に食べきれる分の豚肉は、冷蔵庫で保存してOKです。
スーパーで売っているトレーごと冷蔵庫に入れて、使う分だけ出す方が多いと思いますが、豚肉の劣化と食中毒を防ぐために、なるべく酸素に触れる回数を少なくするのがおすすめです。
- 1回使う分ずつに分けてラップをする
- ジップつきの保存袋に入れる
- 密閉して冷蔵庫に保存(チルド室でもOK)
- ドリップに気づいたら、その都度拭き取る
ポークソテーなどは、料理する少し前に冷蔵庫から豚肉を出し、常温に戻しておいた方が柔らかく焼きあがります。
”すぐに料理する”という例外を除いては、絶対に常温保存しないで下さいね。
一度で食べきれない場合・冷凍庫での正しい保存方法
豚肉を一度冷凍したら、【解凍して再冷凍】は絶対に避けたいのは以下の理由があるからです。
- ドリップが出て美味しくなくなる
- 解凍の仕方によっては食中毒の菌が増える
料理するときのことを考えて、下ごしらえをしてから冷凍しましょう。
- かたまり肉は料理する大きさに切る、薄切り肉などは1回分ずつに分ける
- 豚肉が重ならないようにラップをする
- ジップつきの保存袋に入れて密閉する(1枚の袋に詰めすぎないで下さい)
- 冷凍庫に入れる
ひき肉はジップつきの袋に1回分ずつ入れてから、平たくのばして保存すると使うときに便利です。
調理後も日持ちする豚肉レシピ
豚肉を料理するときの調味料や調理方法よって、日持ち期間が変わります。
特に日持ちさせるレシピをご紹介します。
塩漬け(パンチェッタ)
パンチェッタはイタリア料理でよく使われます。
塩に漬けると、浸透圧で豚肉内の水分が染み出してきます。
水分を絞り出した豚肉内は雑菌の増殖が抑えられますので、冷蔵庫で3週間ほど保存可能です!
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- 新鮮な豚バラブロックを買う
- お肉をフォークで刺す
- 【お肉10:塩1】の割合で、お肉に塩をすりこむ(お好みで黒コショウやハーブを混ぜてもOK)
- 冷蔵庫に入れて3日放置
- お肉から出たドリップを洗い流す
- 水をはったボウルに豚肉を入れて、10分ほど塩抜きをする
- お肉をキッチンペーパーに包む
- ドリップが出てキッチンペーパーが湿るので、取り替えながら1週間待つ
安全性を重視して、お肉がドリップに触れないように作ってみて下さい。
バットと一緒に売られている網を活用すると、ドリップだけがバットに垂れてくれるので便利です。
他にも、煮汁を煮詰めて作る料理であれば冷蔵庫で3日、冷凍で2週間ほど日持ちします。
- 味噌漬け
- チャーシュー
- しぐれ煮 など
食べるペースと量に合わせて、下味をつけてから保存しても便利ですね。
まとめ
豚肉が腐るとどうなるのかや、保存方法などをご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- 豚肉が腐ると見た目や臭いが変になる
- 豚肉に表示される消費期限は短め
- 冷凍保存した場合は2週間~1ヶ月日持ちする
- 解凍後は傷みやすいので1日~2日以内に食べる
- 期限切れから3日経っても食べる人はいるがおすすめできない
- 豚肉には食中毒の原因菌が潜んでいる可能性がある
- 期限に関わらず自分の五感で判断が必要
- 冷蔵・冷凍でも1回分ずつ丁寧に保存する
豚肉を腐らせないためには、常温に放置しないのが大切でしたね。
消費期限切れの豚肉は、安全性を考慮すると食べない方が良いので、消費期限切れになりそうなら腐る前に冷凍保存しておくと良いですね!
ぜひあなたもこの記事を参考にして、最後まで美味しく豚肉を食べきれるように保存方法を工夫してください。