【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
先日、久しぶりにビーフシチューを作ったのですが、食べきれずにそのまま常温で放置してしまいました。
カレーも冷蔵庫に入れないで放置すると良くないと聞いたことがありますが、ビーフシチューの日持ちはどうなのでしょうか?
大丈夫だと思って食べたらお腹を壊した、なんて話もよく聞きますよね。
よくわからなかったので、きちんと調べてみました。
- 手作りビーフシチューの日持ちや市販品の賞味期限
- 賞味期限切れのビーフシチューは食べられるのか
- ビーフシチューが腐るとどうなるのか
- ビーフシチューの正しい保存方法
冷蔵庫での保存が必須なのか、季節によって日持ちは変わるのかなど詳しく調べてみました。
作り置きをしておく場合の正しい保存方法も確認したので、無駄にすることなくビーフシチューを食べ切ることができますよ。
早速チェックしてみましょう!
管理栄養士・栄養士
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目次
手作りビーフシチューの日持ちを調査!冷蔵庫や常温で何日もつの?
自宅で手作りしたビーフシチューは、保存方法によって日持ちが変わってきます。
常温保存でも多少は持つようですが、やはり冷蔵庫での保存が安心のようです。
日持ち期間の目安はこのようになっています。
常温 | 冬:1~2日程度 夏:避けた方が無難(持って半日) |
冷蔵庫 | 1~2日程度 ※毎日火を通してかき混ぜ、冷めたら冷蔵庫へ入れた場合は5日~1週間程度は日持ちする |
冷凍 | 2ヶ月程度 |
翌日くらいならそのまま常温保存で問題ないのかと思っていたのですが、夏場は危険なんですね!
じゃがいもなどの野菜は傷みが早く、牛乳や生クリームなどの乳製品を使っているため、あまり日持ちしないようです。
これはビーフシチューだけでなく、カレーやホワイトシチューなんかも同じですね。
冷凍しておくと2ヶ月程持つので作り置きもできますが、仕上げの牛乳や生クリームは食べる直前に入れることをおすすめします!
一度解凍してしまうと鮮度が落ちてしまい、再冷凍しても日持ちしないので、小分けにしておくと便利ですよ。
日持ちのポイントをまとめてみました。
- 春・夏・秋の場合は冷蔵庫での保存が基本
(毎日火を通してかき混ぜて再度冷蔵庫に保存するなら日持ちするが、夏場はじゃがいもなどが腐りやすい) - 冬でも常温なら翌日まで
- 再冷凍はしない方が良い
やむを得ず常温で保存したときは、こまめに火を通すと多少日持ちするようです。
意外とビーフシチューやカレーは日持ちしないので、冷蔵庫で保存しましょう!
次章では市販のビーフシチューの賞味期限を調べてみたので、詳しく紹介します。
市販のビーフシチューの賞味期限まとめ!期限切れはいつまで大丈夫?
じっくり煮込んだ手作りのビーフシチューはとても美味しいですが、市販のビーフシチューは手軽に作れるので便利ですよね。
急に食べたくなった時には、私はついレトルトで済ませてしまいます。
そんな便利な市販のビーフシチューの賞味期限もチェックしてみましょう。
商品名(メーカー名)など | 賞味期限 | 保存方法 |
コストコ ビーフシチュー(伊藤ハム)<レトルト> | 10日程度 | 冷蔵(10℃以下) |
レンジでごちそう ビーフシチュー 赤ワイン仕立て(伊藤ハム)<レトルト> | 3ヵ月程度 | 常温 |
金のビーフシチュー(セブンイレブン)<レトルト> | 1ヵ月程度 | 冷蔵(10℃以下) |
ビストロシェフ(ハウス)<固形ルー> | 1年半 | 常温 |
濃いシチュー ビーフ(S&B)<固形ルー> | 1年 | 常温 |
その他レトルト | 2~3年程度※メーカーによる | 常温 |
その他缶詰 | 2~3年程度※メーカーによる | 常温 |
すぐに食べられるレトルト(缶詰)と固形ルーの商品をいくつかピックアップして、賞味期限を調べてみました。
上記に記載したレトルトのビーフシチューは、賞味期限の長い物でも3ヵ月程度だったのですが、一般的なレトルト商品や缶詰だと2~3年持つものが多いようです。
そして固形ルーも比較的日持ちするので、買い置きしておくこともできますね。
冷蔵庫ではなく、常温で保存できるものが多いのが嬉しいポイントです。
市販のビーフシチューの賞味期限は商品によってまちまちですが、比較的長いものが多いようですね。
レトルトとは?
レトルトとは、「加圧加熱殺菌」することを意味しており、食品を密閉した後に熱で殺菌するので、細菌の繁殖や食品の酸化を防ぎ、食品が長持ちします。
一般的にはこのような特徴があります。
- 長期保存ができる
- 調理が簡単
- 衛生的
- 栄養価が高い
- 常温保存ができる
缶詰も食品を密閉した後に加熱殺菌しているので、同じように日持ちするというわけです。
市販のビーフシチューは比較的日持ちしやすいがために、うっかり期限が切れていた…なんてことはないでしょうか?
我が家では、年末の大掃除の時に1年以上賞味期限が切れたビーフシチューが出てきたことがあります…。
そこで、賞味期限切れのビーフシチューは食べられるのか調べてみました。
賞味期限切れになったビーフシチューでも食べられる期間の目安
市販のビーフシチューには、賞味期限が付いているものが多いです。
この賞味期限ですが、「消費期限」との違いはご存知でしょうか?
農林水産省のHPにある記載を確認してみました。
賞味期限
- 美味しく食べられる期限
- 比較的日持ちする食品に表示される
- ある程度余裕を持って期限が設定されている
- 設定方法は「検査で安全が確認された期限」× 0.8程度
消費期限
- 安全に食べられる期限
- 5日以内に品質劣化が認められる食品に表示される
賞味期限は比較的日持ちする食品につけられるので、ビーフシチューには賞味期限が付けられていることが多いというわけです。
この期限も余裕を持って設定されているので、賞味期限の1.2倍~1.5倍くらいであれば問題なく食べられると言われています。
例えば賞味期限が2年のレトルトビーフシチューであれば、2年半ほどは大丈夫そうだと考えられますが、賞味期限切れから半年以上も経つと、品質が落ちて風味が悪くなっている場合もあるとのこと。
もともの賞味期限にもよりますが、1年以上経っているものは食べない方が良いかもしれません。
ちなみに、お持ち帰り弁当やお惣菜のビーフシチューなどに表示されている消費期限は「安全に食べられる期限」なので、過ぎてしまったら食べない方が無難です!!
賞味期限切れのポイント
- 賞味期限は多少過ぎても食べられる
- 期限切れが半年~1年以上など長期間の場合は、食べられる保証はない
- 消費期限が過ぎたら食べない方が良い
これらの期限は「未開封」に限りますので、開封してしまった場合は必ず冷蔵庫に保存して早めに食べましょう!
そうはいっても、期限が分からない場合や手作りの場合は、どのように傷んでいるか判断すると良いのでしょうか?
食べられるかどうかの見分け方を確認してみました。
ビーフシチューは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方がコレ!
ビーフシチューの日持ちの目安は、常温だと半日・冷蔵庫でも1週間程度ですが、腐るとどうなるのでしょうか?
自分で判断するときの見分け方は以下の通りです。
- 酸っぱい臭いや明らかな異臭がする
- 味に違和感がある
- ネバネバしている
- 糸を引いている
- カビが生えている
白っぽい色をしていたらカビかもしれませんので、食べない方が良いです。
糸を引いていたりカビが生えていたり明らかな場合はもちろん、少しでも臭いや味に違和感があったら多分腐っています。
見た目は全く問題なく、少し不味い気もするけど大丈夫かな?と思って食べたら、見事に食中毒になりました。
自分の感覚を信じて、潔く諦めましょう!
レトルトや固形ルーの場合
賞味期限切れのレトルトや固形ルーの場合、このような様子になっていたら危険です。
- 固形ルー:カビが生えている
- レトルト(缶詰):袋や容器がパンパンに膨れている
レトルトや缶詰はうっかり賞味期限が切れやすい食品だと思いますが、あまりにも長期間過ぎているものはさすがに危険です。
例え見た目に変化が見られなくても、十分注意してくださいね。
腐っているビーフシチューを食べてしまうと、当然食中毒になってしまいます。
特に、ビーフシチューやカレーなどの大鍋料理で増殖しやすいと言われている「ウェルシュ菌」には要注意です!
危険なウェルシュ菌に要注意!
ウェルシュ菌は、「食中毒のワースト3」に入るほど患者数の多い食中毒です。
潜伏期間は6~18時間だと言われています。
ウェルシュ菌とは
- 土や水、人や動物の腸内など幅広く生息している細菌で、特に牛・鶏・魚が保菌している
- 煮込み料理(シチュー、煮魚、麺のつけ汁など)が原因となることが多い
- 増殖すると毒素を作り、下痢や腹痛などの食中毒を引き起こす
- 100℃で加熱しても死なない
- 空気がなくても増殖する
以前シチューで食中毒になってしまったとき、食べた直後ではなく数時間経過してから症状がでました。
このウェルシュ菌だったんですね…。
怖いのは、このウェルシュ菌は一度増えてしまうと、冷凍や加熱しても死滅しません!
毒素を作り出す「芽胞」を増やさないように以下のポイントに気をつけて、ウェルシュ菌の繁殖を防ぎましょう。
菌を増やさないためには、常温で放置せずにすぐに冷やすことが大事です。
日持ちのためにも菌を増やさないためにも、保存方法はとても重要ですので確認しておきましょう!
ビーフシチューの正しい保存方法とは?
意外と腐りやすいビーフシチューですが、正しい保存方法はこのようになっています。
粗熱を取る
鍋ごと流水に浸けるか、難しければうちわで仰ぐなどしましょう。
ジップロックなどの保存袋や密閉容器に入れて保存する
なるべく空気を抜くのが大事!
冷蔵庫や冷凍庫に入れる
鍋ごと保存するのではなく、1回ずつに小分けしましょう。
つい鍋のまま放置しておきたくなりますが、粗熱を取った後は冷蔵庫や冷凍庫で保存がベストです。
一気に冷やすことでウェルシュ菌を防止することができるので、なるべく早めに粗熱を取って保存したいですね。
保存する際は以下のポイントにも注意してみてください。
- 鍋のままで保存しない
→タッパだと色移りが心配なので、ジップロックやガラス容器などが安心 - 熱いまま冷蔵庫に保存しない
→冷蔵庫の他の食品が傷んでしまう - なるべく空気を抜く
→酸化を防ぐ - 冷凍の際は、じゃがいもやにんじんを取り除く
→冷凍すると水分が抜けて味が落ちるため
開封後の固形ルーはラップに包んでタッパなどの密閉容器にいれ、冷蔵庫や冷凍庫で保存しましょう。
冷蔵・冷凍どちらでも3ヵ月程度が日持ちの目安です。
うっかり冷蔵庫に入れ忘れた場合は、こまめに火を通すようにしてなるべく早めに食べましょう。
ビーフシチューをアレンジすると、飽きずに食べきることができますよ!
ビーフシチューのアレンジアイディア
- オムライスにかけて、オムビーフシチュー
- トマトの水煮缶を入れて、ハヤシライスにする
- ミートソースに混ぜて、パスタソースにする
- 煮詰めてチーズと合わせてピザソーズ風にする
せっかく作ったビーフシチューを無駄にしないためにも、ぜひ保存方法やアレンジ方法を覚えてみてくださいね。
まとめ
ビーフシチューの賞味期限や保存方法などを確認してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ポイントはこのようになっています。
- ビーフシチューは意外と日持ちしない
- 常温だと半日程度、冷蔵でも1~2日程度、冷凍だと2ヶ月程度
- 冷蔵保存でも毎日しっかり火を通していれば5日~1週間程度日持ちする
- 市販のビーフシチューの賞味期限は商品によって異なる
- レトルトや固形ルーの賞味期限は1年半~2年ほど
- 賞味期限は少し過ぎても食べられる
- 腐ると味や臭い、見た目に違和感がある
- 粗熱を取って小分けしてなるべく早めに冷蔵・冷凍保存する
やはりビーフシチューやカレーなどの料理は、常温だと食中毒を起こしやすいんですね!
思っていたよりもさらに日持ちがしなくてびっくりしました。
特に夏場は、余ってしまったらなるべく早めに冷蔵や冷凍した方が良いですね。
これからは面倒くさがらずにきちんと保存しようと思います。
食べきれない分はアレンジして食べると飽きがこなくていいかもしれませんね。
カレーやホワイトシチューにも当てはまるので、作りすぎてしまった時など上手に保存やアレンジをしてみてください!