【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
食品庫を整理すると、レトルトカレーが大量に出てきました。
数年前”非常食用に”と買ったもので、賞味期限は…切れて2年経っています!
見るからに丈夫そうなパウチ入りのカレーと缶詰入りのカレー。
何事もなかったかのように未開封でキレイな状態なのですが、やっぱり食べたら危ない!?
今回はレトルトカレーの賞味期限について調べてみます。
- レトルトカレーは賞味期限切れでも食べられる?
- 賞味期限半年~3年の各メーカーのレトルトカレーで日持ちを計算
- 賞味期限後のレトルトカレー、いつまで食べてる?
- レトルトカレーは腐る?開封しないで見分ける方法はある?
- レトルトカレーの正しい保存方法は?開封後も保存できるの?
- レトルトカレーは冷凍できるの?
今回は、口コミなどで賞味期限が過ぎたカレーを食べた実体験も調査しました。
すると、1年~13年までの参考になる体験談がありましたよ!
”レトルトカレーは意外と安全な食品”などの豆知識も交えながら、レトルトカレーについて徹底解剖していきます。
管理栄養士・栄養士
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目次
レトルトカレーが賞味期限切れになった!半年過ぎても大丈夫なの?
元々の賞味期限が長いレトルトカレーは、賞味期限が切れても食べられるのでしょうか?
まずは、賞味期限の正しい意味を確認します!
賞味期限は切れても大丈夫!?
「賞味期限が過ぎてもすぐには腐らない」というのが一般的に広まっている考え方ですよね。
農林水産省の子ども向けのホームページに、わかりやすい言葉で説明がありました。
賞味期限とは?
未開封で保存方法を守ったときの、美味しく食べられる期限のこと。
腐りにくい加工食品に表示されるのが一般的。
消費期限とは?
未開封で保存方法を守ったときの、安全に食べられる期限のこと。
腐りやすい加工食品に表示されるのが一般的。
開封後の食品は、賞味期限・消費期限に関係なく早めに食べるよう、すすめられています。
やはり、【賞味期限切れ=腐る 】という意味ではなく、賞味期限は美味しさが保てる期限という意味のようですね。
では、レトルトカレーが実際に食べられる期間は、いつまでなのでしょうか?
賞味期限切れ後の日持ちを計算
消費者庁のホームページに、賞味期限の決め方が紹介されていました。
- 試験などの客観的な視点から賞味期限を決める
- 決めた賞味期限に安全係数をかけて、表示する賞味期限を設定するのが基本
- 安全係数は、0.8以上1未満に設定するのが望ましい
計算式にすると、以下の通りになります。
(試験をクリアした期限)×(0.8以上~1未満)=商品に表示する賞味期限
逆算すると
【(商品に表示する賞味期限)×1.2=(試験をクリアした期限)】となります。
いくつかのレトルトカレーで、試験をクリアした期限を計算してみましょう!(端数切捨てです)
レトルトカレーの箱を捨てて、パウチだけで保存している方もいらっしゃると思います。
「パウチに賞味期限が書いてない」とお困りの方は、各メーカーの賞味期限も参考になさってみて下さい。
メーカー名 | 賞味期限 | 試験をクリアした期限 |
大塚食品(料亭のまかないカレー) | 半年以上 | 7ヶ月 |
日本ハム(レストラン仕様カレー) | 約1年 | 1年2ヶ月 |
無印良品(ビーフカレー) | 450日 | 1年半 |
ハウス(カリー屋カレー) | 2年 | 2年4ヶ月 |
グリコ(温めずに美味しく食べられるカレー職人) | 3年 | 3年5ヶ月 |
いなば食品(缶詰:スパイシーカレー) | 3年 | 3年5ヶ月 |
*試験をクリアした期限は、メーカーから発表された数字ではなく、消費者庁のホームページなどから予想した数字です。
上記の表から、賞味期限切れ後の日持ちをまとめます。
賞味期限切れ後の日持ち
- 賞味期限半年・・・1ヶ月
- 賞味期限1年・・・2ヶ月
- 賞味期限1年3ヶ月・・・3ヶ月
- 賞味期限2年・・・4ヶ月
- 賞味期限3年・・・5ヶ月
*計算した賞味期限切れ後の日持ちは、あくまでも計算上での日持ちで、必ず食べられるわけではないことに注意です。
レトルトカレーに限らず、食品は保存方法などによって実際の日持ちが変わります。
”正しい保存方法”や”冷蔵や冷凍してもいいの?”という疑問については、後ほど詳しくご紹介します。
では次に、「賞味期限切れのレトルトカレーを食べた」という実体験をまとめてみました。
レトルトカレーの賞味期限切れをいつまで食べてる?ネットの意見を調査!
まずは、”賞味期限切れのレトルトカレーを食べた”という実体験をご覧ください。
驚く程長い期間経過したレトルトカレーに挑戦したツワモノがいます!
賞味期限切れのレトルトカレーを食べた実体験
期間が短い実体験から、順にご紹介します。
- 【賞味期限切れ1年】・・・全く変化がなかった。美味しかった
- 【賞味期限切れ3年】・・・味も臭いも変わりなく食べられた
- 【賞味期限切れ5年】・・・普通に食べられた。美味しかった
- 【賞味期限切れ7年】・・・具は溶けていたが、普通に食べられた。お腹もこわさなかった
- 【賞味期限切れ13年】・・・全体的な味は薄くなっていて、具はパサパサだった。食べて、お腹もこわさなかった
実体験の最長は、13年でした!
賞味期限切れ7年を過ぎた頃から、具や味に多少変化はあるようですね。
それでも食べて、お腹も壊さなかったというのが驚きでした。
レトルトカレーの賞味期限が長い理由
レトルトカレーで有名な『ボンカレー』のホームページに、賞味期限が長い理由が書かれていました。
- レトルトカレーが入っているパウチは、ビンや缶詰と同じくらい雑菌を寄せ付けない・繁殖させない素材
- 高圧と加熱で製造し、雑菌を死滅させている
私は、レトルトカレーが長持ちする理由は保存料が入っているからだと思い、子どもたちには食べさせないようにしていました。
ところが、レトルト食品には保存料を使わないことが食品衛生法で決まっているため、保存料は一切不使用とのことです。
パウチした後にも加熱することを考えて、野菜はあまり加熱せずにパウチに入れるなどの工夫もされているそうです。
野菜を加熱し過ぎないということは、ビタミンなどの栄養素も残りやすくなります。
レトルトカレーは、劣化しにくい上に栄養素も残っている、優秀な食品だったんですね!
そんなレトルトカレーは、腐ることもあるのでしょうか?
レトルトカレーは腐ることもある?見分け方はどうしたらいいの?
食品が腐るのは、下記の影響が大きいです。
- 空気中にある雑菌が食品について繁殖
- 光の影響で食品が酸化
- 湿気中にある雑菌が食品について繁殖
先ほどもご紹介した通り、レトルトカレーのパウチは、雑菌が侵入&繁殖できない優秀な素材です。
レトルトカレーが腐る可能性は低い
未開封のレトルトカレーが腐る可能性は低いのですが、下記の場合には注意が必要です。
パウチに穴が開いている
保存方法などによっては、思いがけずパウチに穴が開いてしまうこともあると思います。
そんな場合は穴から雑菌が入り込んで、パウチの中のカレーが腐っている場合があります。
パウチが膨張している
パウチが膨張するのは、パウチの中で雑菌が繁殖し、カレーが発酵してガスを発生したためです。
可能性は低いですが、お手もとのレトルトカレーのパウチが膨張していたら、少しだけ穴を開けてガスを抜き、液体がもれないように捨てるのがおすすめです。
腐ったレトルトカレーの見分け方
上記のように未開封の状態で異常があった場合には、腐っているかどうかが見分けやすいですね。
問題は、開封後に余らせてしまったカレーの見分け方です。
先ほどもご紹介した通り、レトルトカレーは保存料不使用の食品です。
未開封で長い期間保存可能なのは製造方法とパウチの力であって、開封後は賞味期限に関わらずすぐに劣化します
下記のような状態になっていたら腐っていますので、食べないようにして下さい。
見た目
- カビが生えている
- 水っぽい
- 脂と水分が分離している
臭い
- 酸っぱい臭い
- アンモニア臭
- 発酵臭
味
- 酸っぱい
- 胸やけするような変な味
私は「開封後も冷蔵庫で1週間くらい日持ちするんじゃない?」と思っていたのですが、間違いでしたね。
カレーの日持ちについては、こちらも要チェックです!
↓↓↓
カレーは常温で何時間〜何日まで大丈夫なの?夏と冬の注意点を解説!
最後に、レトルトカレーの正しい保存方法をご紹介します。
レトルトカレーの正しい保存方法とは?常温と冷蔵ならどっちがいい?
レトルトカレーは、未開封の場合は商品に書かれている保存方法を守るのが基本です。
基本の保存方法
未開封のレトルトカレーには、下記のような保存方法が書かれています。
- 直射日光を避け、常温保存
- 高温多湿を避け、冷暗所保存
- 一回で食べきって下さい
常温は食品衛生法などで15~25℃、冷暗所は一般的に0~15℃とされています。
また、食品を常温や冷暗所で保存する場合には、温度がなるべく一定で風通しが良い場所での保存が最適です。
冷蔵や冷凍はNG
カレーは、水分と脂分が混ざった食品です。
冷やすと分離して食感が損なわれますので、冷蔵や冷凍はおすすめできません。
開封後に余ってしまったカレーについては、大塚食品のホームページにも取り扱いが書かれていました。
Q.余ってしまった場合にはどのように保存したらいいですか?
A.保存はできません。開封後は速やかにお召しあがりください。
豆知識:レトルトカレーの疑問を色々ご紹介!
大塚食品のホームページには、保存方法以外の情報も書かれていました。
温めなくても食べられる?
食べられますが、温めた方が美味しいです。
パウチをオーブントースターに入れるとどうなる?
溶けます。
一度湯せんで温めた後に、再加熱してもいい?
未開封なら再加熱OKです。ただし、美味しさが損なわれます。
レトルトカレーを正しく保存すれば、長期間保存して非常食としてのストックもできます。
冷蔵や冷凍よりも常温の方が美味しさを保って保存できることを覚えて頂けると幸いです。
まとめ
レトルトカレーの賞味期限についてご紹介してきました。
未開封だと安心して長期保存できますが、開封後は保存しないように注意が必要でしたね。
ポイントをまとめてみます!
- レトルトカレーは、賞味期限の1.2倍の期間を目安に食べられる可能性がある
- 賞味期限切れのレトルトカレーを、13年過ぎてから食べたという実体験もある
- レトルトカレーが腐る可能性は低い
- レトルトカレーは、冷蔵や冷凍よりも常温保存が向いている
私のレトルトカレーの思い出といえば、東日本大震災です。
仙台市内で被災した当時、食べるものにも困りました。
毎日おにぎりやカップラーメンを食べ続けていたときに、支援物資で頂いたレトルトカレーの美味しさは、今でも忘れられません。
今回は、レトルトカレーが保存料などを使っていない安全な食品だとわかりました。
これから先も、レトルトカレーにお世話になっていこうと思います!