バルサミコ酢は、何とも言えない独特な香りとコクがあって、料理のおいしさを引き立ててくれますよね。
以前、高級レストランで味わった料理が忘れられず、再現してみようとバルサミコ酢を購入したことがあります。
ですが、その後使うことなく放置して、最近、冷蔵庫の奥で賞味期限がとっくに切れたバルサミコ酢を発見!
賞味期限を確認すると、1年も過ぎていました…。
開封後で賞味期限が切れているバルサミコ酢は、果たしてまだ使えるのでしょうか?
そこで今回は、バルサミコ酢について以下のことを調べてみることにしました。
- バルサミコ酢の賞味期限はどれくらい?
- 開封後はどのくらい日持ちするの?
- 賞味期限切れのバルサミコ酢は食べられる?
- 賞味期限切れからいつまで大丈夫なのか
- バルサミコ酢は腐るとどうなる?
- バルサミコ酢の正しい保存方法
- バルサミコ酢を大量消費できるレシピ
なんとなくお洒落なイメージのあるバルサミコ酢ですが、実際のところ使い方がよくわかりません。
どのような料理に利用するのか、どのような食材と相性がいいのかなど、皆目見当もつきません。
そんな悩みを解決できればと思い、今回の記事を書いてみました。
バルサミコ酢に関する賞味期限だけでなく、バルサミコ酢を大量消費できるレシピも調べましたので、あわせて紹介したいと思います!
目次
バルサミコ酢の賞味期限はどのくらい?記載がないときの日持ちは?
日本では、バルサミコ酢はあまり一般的な調味料とはいえないですよね。
お酢なので賞味期限も長いイメージはありますが、実際のところどうなのでしょう?
また、期限の記載がなかった場合はどうすればよいのかも、見ていきたいと思います。
バルサミコ酢は未開封なら日持ちする!
バルサミコ酢は、ワインを酢酸菌で発酵させた調味料で、酸度は4.7%程度です。
発酵食品なので、雑菌を入れない限りは腐敗しにくい食品です。
そのため、賞味期限も消費期限も記載されていないことがあります。
イタリアの「レオナルディのバルサミコ酢」などは、最高級品として進物などにも使用されています。
なかには、熟成50年モノや100年モノもあるとか!
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しかし、スーパーやネットなどで普及している商品は、未開封で冷暗所に保管した場合、約3〜5年が賞味期限となります。
開封後は、空気に触れるため酸化が進みますが、「お酢」という殺菌性のある性質上、日持ちはします。
一度開封したら冷蔵庫で保存し、約1〜3年を目安に使い切ってください。
ちなみに、バルサミコ酢を使用した自家製ドレッシングなどは、冷蔵保存で10日程度日持ちします。
【豆知識】バルサミコ酢とは
バルサミコ酢は、ブドウを原料とした果実酢です。
ブドウを濃縮果汁として、長期間樽熟成したイタリア特産のお酢で、「アチェート・バルサミコ」が正式名称です。
イタリア語で「アチェート=酢」、「バルサミコ=かぐわしい・芳芳香がある」という意味で、短縮してバルサミコと呼ばれることもあります。
熟成したブドウの色らしく黒に近い焦げ茶色で、かぐわしい香りが特徴です。
オリーブオイルとともに、サラダドレッシングのように使用したり、パンに浸すのに使用したりなど。
味付けだけでなく、香り付けや隠し味、デコレーションのようなエッセンスとして、イタリア料理を彩ります。
賞味期限の記載されていない熟成モノや、賞味期限が表記されているバルサミコ酢があることがわかりました。
熟成モノはともかく…。賞味期限が記載されている商品が消費期限切れになった場合、もう食べられないのでしょうか?
バルサミコ酢が賞味期限切れになった!いつまでなら使えるの?
バルサミコ酢を使用した料理に憧れて、衝動買いしたのはいいですが…。
結局、1品作ったあとはほかの使い方がわからず、そのまま放置して賞味期限を切らしてしまいました。
お酢なので、少しくらい期限が切れても大丈夫そうですが、実際のところはどうなのでしょう?
賞味期限が切れても使用できる!
先ほど、「バルサミコ酢には、賞味期限も消費期限も記載されていないことがある」とお伝えしましたが…。
この賞味期限と消費期限の違いは次の通りです。
- 賞味期限とは「美味しく食べられる期限のこと 」
- 消費期限とは「品質が劣化せずに安全に食べられる期限のこと」
賞味期限はある程度の余裕を持って設定されているので、賞味期限切れしたからといってすぐに食べられなくなるわけではありません!
賞味期限が切れたら香りが消える前に使い切ろう
樽で長期間熟成した賞味期限のないバルサミコ酢は、未開封なら何年でも保存できます。
前述の通り、50年ものや100年ものも存在するくらいですので、消費期限は相当長くなります。
また、賞味期限が記載されているバルサミコ酢に関しても、基本的には賞味期限が過ぎても使えます。
ただし、開封後はバルサミコ酢の芳しい香りが消えてしまいうこともあるので、なるべく早く使い切りましょう。
【豆知識】ホワイトバルサミコ
白葡萄の優雅な香りが特徴で、イタリアでも希少なホワイトバルサミコ酢。
イタリア・モデナの老舗“ジョゼッペ・カッターニ”は、自家農園で栽培した白葡萄(トレビアーノ種)を有機栽培しています。
ホワイトバルサミコ酢は、収穫後に圧力をかけずに低温(30℃)で短時間煮込み、白葡萄に白ワインビネガーと合わせて樽で数週間寝かせたモノです。
白葡萄の香り豊かな香りが特徴的で、酸味のバランスもよく、そのまま生野菜にかけていただいたり、魚介のマリネにもぴったりです。
ジョゼッペ・カッターニは、19世紀初頭から続く伝統と技を、今も受け継いでいる老舗です。
曽祖父から受け継がれてきた樽(バッテリエ)には、100年熟成のバルサミコ酢も保管しています。
12年熟成の伝統的バルサミコは、イタリアで初のオーガニック認証を取得しています。
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日本では、あまり馴染みのないバルサミコ酢ですが、イタリアでは伝統的で歴史ある庶民に密着した調味料のようです。
賞味期限が長く、あまり腐ることはないバルサミコ酢ですが、痛んだらどうなるのでしょうか?
バルサミコ酢は腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方は?
日本なら、身近なお米を材料にお酢やお酒が作られているわけですが…。
イタリアやフランスなどのヨーロッパでは、ブドウを原料にしてお酢やお酒が造られています。
樽で熟成させて、ワインのようにして造るわけですから、賞味期限が長いというのも納得です。
しかし、賞味期限がいくら長いとはいえ、食品なので痛むこともありそうですが、どうなのでしょう?
バルサミコ酢は保存状態がよければほぼ腐らない
バルサミコ酢は非常に腐りにくい食品なので、賞味期限や消費期限が記載されていない商品もあるほどです。
そのため、未開封で適切に保存していれば、腐る可能性は限りなく低いといえます。
ただし一度開封すると、空気中の雑菌が侵入する可能性もあり、酸化したり劣化したりすることは避けられません。
では、開封済みで賞味期限が切れた場合、食べても大丈夫かどうかはどう判断すべきなのでしょう?
食べられるかどうかは目・鼻・舌で判断しよう
開封済みのバルサミコ酢の賞味期限が、大幅に過ぎていて心配な場合、見た目や味を目安として使用できるかどうか判断しましょう。
例えば、劣化していると下記のような特徴がみられることがあります。
- 特有の芳しい香りが飛んでしまっていて、風味が落ちる
- 白っぽいものが容器中に漂っている
カビのような白っぽいものが、バルサミコ酢の容器中に漂う現象はたまに見られるようです。
これは、空気中の酢酸菌が酢の中に入って増殖することで、白くてもやもやとした”セルロース”という物質が作られるため。
ただし、酢酸菌もセルロースも体には無害で、仮に使用したとしても大丈夫です。
また、容器の底に沈殿物がたまることもあるようですが、これは糖やたんぱく質などが結合しているだけのこともあります。
風味が落ちたり浮遊物があったりしても、特に体に害はないようですが…。
いずれにしても美味しさは失われているため、このような状態になったら使用しないほうがよいでしょう。
長期的な保存が可能なバルサミコ酢ですが、さらに美味しく日持ちさせるためには、どのような保存方法がよいのでしょうか?
バルサミコ酢の正しい保存方法とは?大量消費できるレシピも紹介!
酢は腐りにくいことはわかりましたが、やはり保存の仕方にも左右されるようです。
あまり出番の多くないバルサミコ酢だからこそ、正しく保存してできるだけ日持ちさせたいですよね。
未開封か開封後かで保存方法は変わる
バルサミコ酢は、店頭では常温状態で販売されていますが、開封前なら基本的に常温で保存すればOKです。
実際、バルサミコ酢の通販サイトなどでも「直射日光を避けて常温で保存してください」と書かれています。
高温多湿の場所は避け、直射日光の当たらない涼しい場所やパントリーでの保管が理想です。
開封後は冷蔵庫で保存し、賞味期限にかかわらず早めに使い切るようにしましょう。
では最後に、バルサミコ酢が大量に余ってしまったときのために、使い切りレシピを紹介したいと思います!
大量のバルサミコ酢を使い切るおすすめレシピ
バルサミコ酢は前菜やメインディッシュのほか、独特の甘さもあるのでデザートにも使用できる万能酢です。
今回は、肉料理やデザートなどマルチに使いまわせるバルサミコソースなど、3つのレシピを紹介します。
自家製万能バルサミコソース
たった3つの材料を煮詰めるだけで簡単にできてしまう自家製万能バルサミコソースです。
上の画像のように、ローストしたお肉にかけても美味しいですが、アイスクリームやケーキとも相性のいいソースです。
材料
- バルサミコ酢:150cc
- 砂糖:120g
- はちみつ:大さじ2
【アレンジ例:イチゴのサラダ】
”自家製万能バルサミコソース”にオリーブオイルを大さじ1を加えて、以下の材料と混ぜるだけです。
- イチゴ:10個
- モッツアレラチーズ適量(なしでも可)
- 水菜:適量
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冷凍して楽しむバルサミコソース
ステーキ、チキン、ポーク、鴨などのお肉のロースト、 白身魚のムニエル、豆腐ステーキなどと相性抜群で、冷凍保存もできるバルサミコソースです。
ほかにも、砂糖を加えて水で割って飲んだり、ヨーグルトに混ぜたりしても美味しいですよ。
材料
- 玉ねぎ:2分の1個
- マッシュルーム:5〜7個
- バルサミコ酢:50cc
- 赤ワイン:50cc
- ローリエ:1枚
- 黒蜜(はちみつでも):大さじ2
- 醤油:大さじ2
バルサミコ酢の煮込み
バルサミコ酢をたっぷり150cc使用する豚肉料理です。
家庭の一般料理としても、おもてなし料理としても素敵です。
材料
- 豚ほほ肉:800g
- 玉ねぎ:1個
- バター:大さじ1
- バルサミコ酢:150ml
- トマトペースト:大さじ2
- はちみつ:大さじ2~3
- ローリエ:1枚
- サラダ油、塩、こしょう:適量
作り方
- 豚肉は塩をふり、玉ねぎは薄切りにする
- 油を引いて熱したフライパンで、豚肉の両面に焼き色をつける
- バターを溶かした鍋に玉ねぎと塩少々を入れて、しんなりするまで炒める
- 鍋に1の豚肉を入れて、バルサミコ酢を加えて煮る
- 4の鍋にトマトペースト、はちみつ、ローリエ、塩を加え、肉がかぶる程度に水を入れて1時間半ほど煮込む
ポイント
お好みで、炒めたパプリカなどを添えて彩を加えれば、見た目も鮮やかになっておすすめです。
まとめ
最後に、バルサミコ酢の賞味期限をベースに調べたことをまとめます。
- バルサミコ酢はブドウを原料とした果実酢で、樽で熟成させて醸成する
- 賞味期限も消費期限も記載されていないことがある
- 熟成50年モノ、100年モノもある
- スーパーなどで売られているものは未開封なら賞味期限は約3〜5年
- 開封後は冷蔵庫保存で約1〜3年日持ちする
- 賞味期限切れのバルサミコ酢も使用できる
- あまり腐ることはないが、時間が経過すると風味が悪くなる
- 白っぽくてもやもやしたものはセルロースで体には無害
- 開封前は常温保存、開封後はしっかり蓋を閉めて冷蔵保存する
バルサミコ酢の使い道をよくわかっていなかったので、せっかく買ったのに冷蔵庫で眠らせたままにしていました。
ですが今回調べてみて、案外簡単に料理に使用できることがわかりました!
お洒落なレストランでしか見かけないような、高級品なイメージが強かったのですが(もちろん、100年モノなど高級品もあるようですが)…。
意外と手軽に使用できる調味料なのですね。
熟成していて賞味期限が長いこともわかりましたので、今後はバルサミコ酢を正しく保存して、無駄なく使い切れるようになれそうです。
皆さんも、こちらで紹介したバルサミコ酢を使った料理などを参考に、スッキリ使い切っていただけたらうれしいです。