【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
我が家では、魚肉ソーセージがブームになったことがあります。
「食べたい!」と子どもたちにせがまれるので、1ヶ月ほど、買い置きする生活が続きました。
ところがブームが去り・・・先日、半年ほど賞味期限が切れた魚肉ソーセージを発見してしまいました。
開けてみると、あれ?特に異常はありません。
この魚肉ソーセージ、もしかして食べられるの!?
今回は、賞味期限切れの魚肉ソーセージについて調べてみます。
- 賞味期限切れの魚肉ソーセージはいつまで食べられる?
- 魚肉ソーセージは腐るとどうなる?食中毒になるの?
- 魚肉ソーセージの保存は常温?冷蔵庫?冷凍?
- 5年間保存できる魚肉ソーセージの、詳しい情報
魚肉ソーセージって、ピタっとしたフィルムに包まれている上に、ビニールで包装されていますよね。
ビニールを未開封の場合と開封後では、日持ちの期間が変わるかどうかも気になるところです。
今回は、魚肉ソーセージの保存方法や、腐ったときに危険な食中毒についても詳しくご紹介します!
管理栄養士・栄養士
目次
魚肉ソーセージの賞味期限切れ!半年過ぎても大丈夫なの?
小腹が空いたときに、冷蔵庫に何もない・・・そんなときに魚肉ソーセージを発見すると、ガッツポーズをしたくなります。
喜びも束の間、もし、賞味期限が切れていたら、食べるかどうかを迷いますよね?
まずは、賞味期限の正しい意味を確認してみましょう!
農林水産省のホームページに、わかりやすい説明がありました。
賞味期限
未開封で保存方法を守ったときの、美味しく食べられる期限のこと
消費期限
未開封で保存方法を守ったときの、安全に食べられる期限のこと
賞味期限が過ぎても、すぐに腐るわけではないことがわかりました。
ここで気になるのは、
「賞味期限切れ後は、具体的にどれくらいの期間食べても大丈夫なの?」ということです。
”日本缶詰びん詰レトルト食品協会“のホームページに、具体的な期間が紹介されていました。
賞味期限切れ後、食べても大丈夫な目安
まず、魚肉ソーセージの賞味期限ですが、製造から90日となっています。
常温で保存できるのも、嬉しいところです。
*正しい保存方法や冷凍保存については、後ほどご紹介します!
さらに、こんな風に記載されていました。
賞味期限を過ぎましてもすぐに食べられなくなるわけではありません。
しかし、製造後4~5ヶ月以上たってくると、食感・味等おいしさが損なわれてきます。
美味しくお召し上がりいただくためには、賞味期限内にお召し上がり下さい。
こんな風に、目安となる期限を具体的に知らせてくれると、わかりやすいですね!
賞味期限が切れて1ヶ月以上が過ぎたら、食べられるとしても、おいしくなくなっている可能性があるとのことでした。
次に、口コミなどで魚肉ソーセージについて調査すると、
「賞味期限を確認しないで食べてしまった!」という焦りの声が多くありました。
1ヶ月~2ヶ月くらいであれば、味の変化にも気づかず食べて、お腹を壊さないことも多いようです。
中には、「賞味期限が半年過ぎているのを気づかず食べたら、ザラザラして変な味がした。」という声もありました。
長期間保存が可能な食品とはいえ、保存方法などによっては、早く劣化する可能性もあります。
賞味期限は必ずチェックして、状態を確認してから食べるようにして下さいね!
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開封後の魚肉ソーセージは、なるべく早く食べて!
魚肉ソーセージは、本体が包まれている上に、ビニール袋で包装されていますよね。
そのビニール袋を開けると、”開封後”と考えた方がいいそうです。
魚肉ソーセージの賞味期限が長い理由は、高温&高圧で加熱殺菌がされているからです。
二重に包まれている状態では、光、空気、湿気に触れにくくなり、加熱殺菌の効果が持続します。
間違って包装を破ってしまった場合は、賞味期限にかかわらず、早めに食べるようにして下さいね。
次に、魚肉ソーセージが腐った状態をご紹介します。
”お弁当のおかずなどに使って、半分残る”なんてこともある魚肉ソーセージ。
しばらく経ってから、腐っていることに気づかず、食べてしまったら大変です!
魚肉ソーセージは腐るとどうなるの?見分け方がコレだ!
魚肉ソーセージのように、栄養価が高い食品には、菌が繁殖しやすいものです。
腐ると、実際にどんな状態になるのでしょうか?
実際に”魚肉ソーセージを腐らせてしまった”という声を集めてまとめると、こんなことがわかりました。
- 未開封(ビニール包装を破らない状態)であれば、半年経過しても見た目の変化はない
- 開封後は、保存方法によっては1週間以内に腐ることもある
開封後の魚肉ソーセージの、腐った状態は下記のとおりです。
見た目
- 全体が黒(茶色)っぽく変色する
- 切り口にネバネバした液体が出ている
- 表面を触るとヌルっとする
臭い
- すっぱい臭いがする
- 鼻をつく異臭がする
味
- 胸やけするような変な味がする
- 酸っぱい
魚肉ソーセージに限らず、食品は保存方法が悪いと、賞味期限内でも腐ることがあります。
特に開封後は、空気中の菌、人の手からうつる菌、湿気などによって腐りやすくなります。
十分に注意して、状態を確認しながら食べるようにしてくださいね。
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ボツリヌス菌に感染!?症状や予防策をご紹介!
ボツリヌス菌は”土壌菌”といって、水やほこりの中にもある菌ですので、十分注意が必要です。
ボツリヌス菌ってどんな菌?
ボツリヌス菌は熱に強くて、120℃で4分間以上加熱しないと死滅しません。
また、無酸素のときに活発になります。
ボツリヌス菌に感染するとどうなる?
腹痛や嘔吐などの他に、呼吸障害などの症状が出ることもあります。
すぐに治療しないと、50%が死亡するという恐ろしい菌です。
特に、免疫力が弱い方や小さなお子さんのいらっしゃるご家庭では、注意が必要ですね。
ボツリヌス菌を予防!
どこにでも発生する可能性がある菌ですが、衛生的な環境を守ることで予防できます。
- 食材をしっかり洗う
- 魚をさばいたときにまな板につく、腸などの内臓をしっかり洗ってから次の調理をする
など
魚肉ソーセージは、【きれいなまな板で調理する】、【切ったあとの断面はしっかり密閉!空気に触れさせない】などに気を付ける必要がありますね。
ボツリヌス菌に感染したら、とにかく早く治療を始める必要があります。
体に異変が出た場合は、すぐに病院に受診して下さいね。
豆知識:ボツリヌス菌とはちみつ
1歳未満の赤ちゃんがはちみつを食べると、はちみつ内のボツリヌス菌の芽が、赤ちゃんの腸内で発芽します。
毒素を発生して、最悪は死亡するケースも、過去にはありました。
赤ちゃんにはちみつをあげないように、十分に注意して下さいね。
詳しくはこの記事をチェック!
次に、魚肉ソーセージの正しい保存方法をご紹介します。
家族の健康を守るために、しっかり確認してみましょう!
魚肉ソーセージの正しい保存方法とは?冷凍できるの?
魚肉ソーセージは、基本的には常温保存ができる食品です。
先ほども登場した”日本缶詰びん詰協会レトルト食品協会”のホームページを参考に、詳しくご紹介します!
未開封の場合の保存方法
魚肉ソーセージの外側の袋を開けなければ、常温保存が可能。
風通しのいい場所で保存して下さい。
先ほどもご紹介したとおり、ボツリヌス菌は無酸素で活発になります。
密閉して保存しないようにしてくださいね。
*商品によっては冷蔵保存の場合もある!
食品の保存方法は、製造メーカーなどが決めています。
魚肉ソーセージの中には、包装材が湿気に弱いなど、様々な理由で常温以外の保存方法が指定されていることもあります。
商品のパッケージをよく確認して保存するようにしてくださいね。
開封後の保存方法
開封後の魚肉ソーセージは、なるべく早く食べきるのがおすすめです。
どうしても保存が必要な場合は、ラップに包んで空気に触れないようにし、ジップつきの保存袋に入れて冷蔵して下さい。
ただし、魚肉ソーセージを冷やすと、油分が固まり、食感や味が落ちることがあります。
同じ理由で、冷凍保存もおすすめされていません。
詳しくはこの記事をチェック!
ご紹介した保存方法は、あくまでも一般的なものです。
魚肉ソーセージの保存場所が高温になる、湿気がひどいなど、最適な保存環境が無い場合は、冷蔵庫に入れることをおすすめします。
先ほどもご紹介したとおり、冷やすと食感が落ちることがあります。
その場合は、油分を溶かすために、過熱してから食べるのがおすすめです。
- アメリカンドックにする
- 卵と一緒に炒めて、お弁当のおかずにする
- カットして焼き、おつまみにする など
魚肉ソーセージのピンク色は、食卓に彩りをプラスしてくれます。
加熱すると、柔らかい食感と甘味で、生とは違う美味しさを楽しめますよ♪
最後に、意外と思いつかなかった、魚肉ソーセージの保存食としての役割をご紹介します!
災害時も重宝する魚肉ソーセージ!5年も日持ちするって本当?
実は、先ほどもご紹介した【高温&高圧で加熱殺菌】という魚肉ソーセージの製造法は、レトルト食品とほとんど同じです。
レトルト食品と一緒に、災害時のための保存食としてストックしておくことができますよ!
魚肉ソーセージを災害保存食にするときの注意
災害保存食を準備するときは、賞味期限の管理を注意して下さい。
賞味期限の管理表を作って、災害用品と一緒に保存しておくのがおすすめです。
魚肉ソーセージの賞味期限は、他の保存食に比べて短いと思います。
賞味期限切れを長期間放置して、”いざという時に食べられない”ということがないように、注意して下さいね!
また、長期間保存可能なカップ麺やレトルト食品も、いつかは劣化して、食べると危険な状態になることもあります。
災害時は、重症患者以外は病院で受診できないこともありますので、体調管理のためにも、賞味期限の管理をしっかりとしておきましょう。
5年間保存可能な魚肉ソーセージを発見!
”林兼産業”という、魚や肉の加工品を製造販売している会社があります。
林兼産業は、2016年に5年間保存可能な防災用の魚肉ソーセージを発売しました。
特殊な包装技術で、長期間の保存を可能にしたそうです。
主な販売先は自治体や企業で、値段も通常の5倍以上!
簡単に手に入る商品ではなさそうですが、災害時には嬉しい商品です。
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辛い避難所生活を支えてくれる『食』!
私の家は東日本大震災の津波で流出しました。
避難所では食事が配られるのが有難いですが、ほとんどが同じメニューです。
家族や友人の無事を祈って、通常の生活に戻れる状態になるまで、ひたすら待つだけの避難所生活。
辛い生活の中で、楽しい食事は生きる活力になります。
そんなときに、色々な料理にアレンジ可能な魚肉ソーセージがあれば、避難生活も頑張れるかもしれません。
5年間保存可能な魚肉ソーセージが、もっと簡単に手に入るようになると良いですね。
皆様も、災害用の保存食には、味が違う食品を準備することをおすすめします。
まとめ
賞味期限切れの魚肉ソーセージについてご紹介してきました。
常温で長期保存ができることを確認できましたね。
ポイントをまとめてみます。
- 魚肉ソーセージは賞味期限が切れても1ヶ月~2ヶ月は食べられる
- 賞味期限が切れても食べられるが、味は落ちている可能性が高い
- 魚肉ソーセージが腐ると、粘りや変色などの変化がおきる
- ボツリヌス菌がついて腐ることもある
- ボツリヌス菌は死亡率が高い菌なので、注意が必要!
- 魚肉ソーセージは基本的には常温保存
- 冷やすと食感や味が落ちるので、冷凍はNG
- 災害用に発売されている商品で、5年間保存可能なものもある
今回驚いたのは、ボツリヌス菌のことでした。
魚肉ソーセージ以外にも、缶詰やびん詰など、保存食品からも感染することがあります。
ボツリヌス菌が発生すると、容器が膨張して、開封すると異臭がするそうです。
食に100%安全はありません。
どんな食材を食べるときでも、自分の五感を信じて、”怪しいと思ったら食べない”という判断をするのが大切ですね。
我が家にも小さい子供が3人います。
家族の健康を守るために、しっかりと食品を見極めていきたいと思います!