【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
スーパーでおからを見かけると、「たまには食べてみようかな」という気分になります。
いざ手に取ってみると、賞味期限が短いですよね!
「なんとかなるでしょ♪」と考えて買ってみるものの、やっぱり使い切れずに賞味期限切れになってしまいます。
買って2日~3日で賞味期限が切れてしまうおからは、実際いつまで食べても大丈夫なのでしょうか?
今回は、おからについて詳しく調べてみます!
- 賞味期限切れのおからはいつまで食べられる?1週間過ぎたものでも大丈夫?
- 生のおからと乾燥品のおから、賞味期限が違うの?
- 腐ったおからの状態をご紹介!怖い食中毒もチェック!
- 賢く保存♪冷凍保存方法をご紹介
普通の食品って、”未開封なら賞味期限が多少過ぎてもOK”、”開封後はなるべく早く食べる”というイメージがあります。
ここで不安になるのが、我が家の近くのスーパーで売っているおからの見た目。
プラスチックパックに無造作に詰められ、フタをホチキスで簡単に留めただけの状態で売られています。
未開封でもたいして密封されていないので、
「買ったらすぐに使わないと!」というプレッシャーを感じます。
腐りやすい食材でも、調理後であれば日持ち日数がのびることがありますよね?
おからも、煮物などに調理すれば、賞味期限が過ぎた後も安心して保存できるのでしょうか?
今回は、おからの日持ちを徹底調査!
なるべく長い期間保存できる方法もご紹介しますよ。
早速ご一緒に確認していきましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
おからが賞味期限切れに!1週間過ぎたものを食べても大丈夫なの?
おからは、豆腐を作る工程で出る、大豆のかすです。
昔は豆腐屋さんに行くと、欲しい分だけ無料でもらうことができました。
今は、スーパーで商品として売られていますよね。
私の家の近くのスーパーでおからを見ると、賞味期限が書いてあります。
『賞味期限:3日』。短い!
おからは水を含むと膨らむので、1パックのおからを煮物にするとしたら、大量です!
3日で使い切るのは難しい・・・。
ここで、農林水産省のホームページで紹介されている、賞味期限の正しい意味を確認してみます。
賞味期限とは
未開封で保存方法を守ったときの、美味しく食べられる期限のこと。
一般的には、腐りにくい加工食品への表示が義務付けられています。
「賞味期限が過ぎる=腐る」ではないことがわかりました。
では具体的にどれくらいの日数なら食べても平気なのでしょうか?
賞味期限切れのおからはいつまで食べられる?徹底調査!
おからだけを製造販売している専門店を見つけることはできませんでした。
賞味期限切れのおからについても詳しい情報はありませんでした。
そこで、実際におからをよく使っている皆様の口コミを徹底調査しました!
- 賞味期限切れになって2日~3日でも腐ることがある。なるべく食べない方がいい
- 賞味期限が切れて1週間たったら、完全にアウト!特に夏場は食べない方がいい
- 時間が経ったおからは火を通しても危険
徹底調査したのですが、圧倒的に「おからは腐りやすい」「賞味期限切れは危ない」という声が多かったです。
未開封・開封後に関わらず、下記のように考えるのが安全のようです。
- 買ってきたら早めに使う
- 賞味期限が切れたら、なるべく食べない方がいい
*私は絶対に賞味期限内に使い切れません・・・。後ほど、なるべく長く保存できる方法をご一緒に確認しましょう!
豆腐屋で見た!おからの取り扱い
私の実家の近くには、昔ながらの豆腐屋さんがあります。
豆腐を買うついでに「おからを下さい」と言うと、ビニール袋にガサっと入れてくれます。
真夏の暑い日も、おからは、クーラーが効いていない作業場のすみに、おもむろに置かれています。
「こんな環境で保存しているなら、腐りやすいわけだ」と思ってしまいます
スーパーでパック詰めされているおからは、製造現場でどんな風に保存されていたかわかりません。
大豆のかすが出た時点で、その都度冷蔵庫に入れていけば、もう少し賞味期限が長くなるのかもしれません。
賞味期限が切れて数時間で腐ることはないにしても、最悪、私の見た豆腐屋さんのおからをイメージして、早めに消費する方がよさそうです。
今回、おからの賞味期限について調べ始めると、”おからは生だけじゃない”ことを知りました。
生のおからの他にも、乾燥しているおからパウダーの賞味期限についても確認してみます!
そもそも生おからの賞味期限はどれくらい?乾燥品なら長持ちするの?
生のおからの賞味期限は、先ほどもご紹介した通り、一般的には2~3日です。
ここで気になるのが、”煮物などの、調理後のおからも腐りやすいの?”ということです。
生おからを調理!日持ち日数は?
おからを少量作ることは、あまりないと思います。
また、おからだけを大量に食べることも、あまりないですよね。
多めに作ってしまうけど、なかなか消費しきれない調理後のおから。
どれくらい日持ちするのでしょうか?
こちらも口コミで調査してみました。
大多数の意見はコチラです。
- 夏場は2~3日が限界
- 作ってから3日くらいが一番美味しい。5日くらいは日持ちする
- 水が出てきたら捨てた方がいい
あまり日持ちしないものの、”少し時間がたった方が美味しい”という声も多くありました。
夏場は特に、”お弁当に入れるのは避ける”、”食べる分だけ取り分けて、残りはすぐに冷蔵庫に入れる”などの配慮をした方がよさそうですね。
おからパウダーを徹底調査!
インターネット通販で『おから』と検索すると、表示されるのは『おからパウダー』です。
『大豆粉』という名称の商品も、おからパウダーと同じです。
賞味期限はどれくらいなのでしょうか?
調べると、数ヶ月~半年が一般的でした。
おからパウダーも、生おからと同じ調理法を楽しめます。
- 卯の花
- おからクッキー
- おからドーナツ
- おからコロッケ
- ハンバーグに入れて、ヘルシーに”かさ増し”
- チキンナゲットに入れて、ヘルシーに”かさ増し” など
長期間保存可能ですし、使う分だけ気軽に出して使えるのが良いですね!
ここでネックなのが、値段です。
中には、生おからと変わらない値段の商品もありますが、3~4倍の値段のものもあります。
安い商品は、業務用などの大袋で売っているのが一般的ですので、お友達とシェアして、美味しいかどうか調理してみるのもいいかもしれませんね。
生のおからがどれだけ腐りやすい食品かが、よくわかりました。
では、”腐ったおからってどんな状態?”、”腐ったおからを食べるとどうなるの?”を確認してみましょう!
食中毒に要注意!おからは腐るとどうなるの?
腐ったおからを食べてしまったときに一番怖いのが、食中毒ですよね。
どんな菌に感染して、どんな症状が出るのでしょうか?
セレウス菌に感染!?症状は?
過去に”おからが原因の食中毒の報告”がある、セレウス菌についてご紹介します。
自然界にある菌で、水やほこりなど、身近に存在する腐敗菌です。
熱に強くて、100℃以上で30分加熱しても死滅しません。
また、菌が生まれる温度や最適な温度が幅広いのも特徴です。
- 菌が生まれる(発芽する)温度:1~約60℃
- 最適温度:28~35℃
- 増殖温度:10~45℃
どんな環境でも生き抜いてしまう菌なんですね。
唯一苦手なのが10℃以下の温度ですので、やはり
買ってきたらすぐに冷蔵庫に入れましょうね!
セレウス菌は、おからの他にもこんな食品が好きです。
- 炊いた後のお米
- チャーハン、ピラフ、カレーライス、オムライスなど
- 弁当
- 寿司
- おにぎり
- バスタ
- やきそば など
セレウス菌に感染すると、症状は2つのタイプに分かれます。
- おう吐
- 下痢
セレウス菌に感染して死亡するのは稀だそうですが、実際に免疫力の低い方が感染して、死亡した例もあります。
感染しないように、これからご紹介する腐ったおからの状態をしっかり確認しましょう!
腐ったおからはこんな状態!
先ほどもご紹介した通り、調理前でも調理後でも、水が出てきたら怪しいサインです!
その他にも、こんな状態になります。
- すっぱい臭い
- すっぱい味
- 粘りがある
- 黄色く変色する
- カビが生える
先ほどもご紹介したとおり、セレウス菌は加熱しても死滅しません。
ちょっとでも変だと感じたら、「火を通せば大丈夫」と思わず、すぐに捨てて下さいね。
最後に、おからの保存方法をご紹介します。
なるべく長く保存する方法をご一緒に確認しましょう!
おからは冷凍保存できるの?冷凍庫でとのくらいもつの?
私と同じく、「おからを一気に使い切れない!」という方は、早めに冷凍するのがおすすめです。
おからをそのまま冷凍
1回分ずつラップに包み、ジップつきの保存袋に入れて冷凍します。
1週間~10日ほど、保存が可能になります。
ラップに包むのが面倒な場合は、ジップつきの保存袋に、なるべく薄く・平らに伸ばして入れます。
使いたいときに、使いたい分だけ折って取り出すことができますよ!
ひと手間かけてもっと長期保存!
おからが腐りやすい原因は、おからに含まれる水分です。
おからの細かい粒1つ1つには水分が含まれています。
水分が空気に触れやすいので、腐りやすくなります。
おからを”から炒り”して水分を飛ばすと、1ヶ月ほど保存が可能になりますよ!
おからの”から炒り”
- こげやすいので、フッ素加工などのフライパンがおすすめです
- フライパンにおからを入れ、サラサラになるまで炒ります
- 途中、手を止めるとこげてしまいます。面倒ですが、火の側を離れずに混ぜ続けて下さいね
- 約20分ほどでサラサラになります
- しっかりと冷まして完成です!
保存袋に入れてしっかり密閉し、冷凍庫で保存します。
豆知識:実はレンジでも”から炒り”ができる!
耐熱皿におからを薄く広げて、ラップをかけずにレンジでチン!
この方法でも、水分を飛ばすことができます。
- 500wなら【6分加熱し一度取り出して混ぜる】これを3回ほど繰り返す
- 600wなら【5分30秒加熱し一度取り出して混ぜる】これを3回ほど繰り返す
おからがサラサラになったら、しっかり冷まして保存袋に入れて密閉し、冷凍します。
電子レンジによっては、”中心だけが強く加熱される”などのクセがあると思います。
こげないように見張っている必要がありますので、フライパンでも電子レンジでも、手間はあまり変わらないかもしれません。
お好みの方でお試し下さいね!
まとめ
賞味期限切れのおからについてご紹介してきました。
食中毒のことも詳しく知ることができて、子どもがいる我が家にとっては大収穫でした!
ポイントをまとめてみます。
- 賞味期限切れのおからは、長くても3日以内に使い切る!
- 特に夏場は、なるべく早く使い切るのがおすすめ
- 生のおからの賞味期限は2日~3日、乾燥品の場合は賞味期限が半年のものもある
- 乾燥品のおからも、生おからと同じ料理に使える
- 腐ったおからは味や見た目が変化する
- 腐ったおからを食べると、セレウス菌に感染することがある
- セレウス菌は、あらゆる食品に発生する可能性があるので要注意!
- おからは冷凍で1週間~10日の保存が可能
- おからの水分を飛ばして冷凍すれば、1ヶ月の保存が可能
おからは大豆の絞りかすです。
豆腐屋さんでは捨てるだけのものなので、値段が安いですよね。
でも調べてみると、栄養価が高いことがわかりました!
食物繊維、カルシウム、たんぱく質、炭水化物、カリウムetc・・・!
食べると、お腹の中で水分を含んで膨らむので、腹持ちもいい!
40代に近づいて体型が気になってきた私にも、育ち盛りの子供達にも、最適な食材ですね。
どうりで。我が家の近くのスーパーでは、おからが売り切れのことが多いんです。
賢い主婦はおからを大活用しているということだったのかもしれません。
今回は冷凍で保存期間を伸ばせる方法もゲットしましたし、私も賢い主婦の仲間入りをしてみたいと思います!