【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
賞味期限が過ぎたヨーグルトを見つけたのですが、発酵食品のヨーグルトが腐るとどうなるのでしょうか。
賞味期限から1日や2日過ぎたくらいなら大丈夫そうですが、つい先日見つけたヨーグルトは賞味期限から1ヶ月以上過ぎていたので、中身を確認せずに捨ててしまいました。
買い置きしても賞味期限切れになりがちなヨーグルトが食べられるか判断するためにも、腐ったときの目安や見分け方がわかると良いですよね。
そこで今回は、賞味期限が切れて食べられるか微妙なヨーグルトについて、以下の項目を調べてみました。
- ヨーグルトが腐るとどうなるのか?簡単な見分け方
- 賞味期限切れのヨーグルトはいつまで食べられるのか
- ヨーグルトの正しい保存方法
- ヨーグルトは冷凍保存もできる?
開封後のヨーグルトは空気に触れて腐りやすいかもしれませんが、未開封なら賞味期限が多少切れても大丈夫そうですよね。
常温だと発酵が進み過ぎて早く腐りそうですが、ヨーグルトを冷凍しておけば腐ることなく保存できる気もします。
食べ物が腐っているかの目安は、臭いや色や味がおかしくないかで判断します。
しかし、ヨーグルトは発酵食品でそもそも腐っているものなので、見分け方が難しそうですよね。
ヨーグルトが腐るとどのような特徴があるのかなどを詳しく紹介しますので、ヨーグルトをよく賞味期限切れにしてしまう方はぜひ参考にしてください!
管理栄養士・栄養士
目次
ヨーグルトは腐るとどうなるの?見分け方はコレ!
そもそも、ヨーグルトは発酵食品なのに腐るのか疑問を感じてしまいますよね。
結論から言うと、ヨーグルトも腐る場合があります。
発酵と腐敗の過程は同じで、どちらも微生物の働きで有機物が分解され違う物質に変化することです。
しかし発酵と腐敗では決定的な違いがあり、それがヨーグルトが腐っているかどうか見分けるポイントになります。
発酵と腐敗の違いとは
発酵と腐敗の違いとは、
- 発酵・・・体に良い働きをする菌が増える
- 腐敗・・・体に悪い働きをする菌が増える
となります。
ヨーグルトは発酵して体に良い菌が多かったのに、腐敗すると体に悪い菌が増えてしまうのです。
しかし悪い菌が増えているかどうかは目で見てわかりません。
では腐ったヨーグルトを見分けるためにはどうしたらいいのでしょうか。
腐ったヨーグルトの見分け方
腐ったヨーグルトを見分けるためには、おいしいヨーグルトとの違いを知っていれば簡単です。
おいしいヨーグルトの特徴
- 酸味がある
- 白い
- 弾力がある
この中でもヨーグルトの一番の特徴は酸味ではないでしょうか。
ヨーグルトが苦手な人はこの酸っぱさが苦手という人が多いですよね。
ヨーグルトの酸味の理由は乳酸菌にあります。
乳酸菌が増えて発酵することでヨーグルトができるのですが、乳酸菌は酸性の性質があるため酸味があるのです。
乳酸菌の種類によって酸味の度合いが違ったり、甘味やフルーツなどを混ぜると酸味が緩和されますが、ヨーグルトは酸っぱいものというのが共通認識ではないでしょうか。
またヨーグルトは乳を発酵させて作るので白色なのも特徴です。
さらにはプリンやゼリーのようにぷるんと弾力があるのも、ヨーグルトの特徴のひとつです。
ではヨーグルトが腐るとどうなるのでしょうか。
腐ったヨーグルトの特徴とは?
- 酸味がきつかったり苦味がある
- カビが生えたり黄色く変色する
- 水分が多くなる
ヨーグルトが腐っているかどうかは、見た目や臭い、味で判断できます。
ヨーグルトはそもそも酸っぱいものですが、鼻をひそめるような強烈な酸味は腐っている可能性があります。
酸味のなかに苦味が混じっているヨーグルトも腐ってきています。
いつも食べている種類のヨーグルトなら、味がおかしいと感じたら食べない方がいいでしょう。
明らかにカビが生えているものは腐っているとわかりますよね。
ほかにも見た目の特徴としては、色が黄色に変色するのが挙げられます。
野菜や果物が古くなると茶色く変色していくように、ヨーグルトも腐ると褐色のような黄色になっていきます。
また、ヨーグルトのパックを開けると上澄みのような水がありますよね。
これは乳清(ホエー)と言って、ヨーグルトができあがる際に乳成分と分離してできる水溶液です。
乳清にはビタミンやミネラルなどの栄養分が含まれており、ヨーグルトと一緒に口に入れても大丈夫なものです。
しかしヨーグルトが腐ってくると、分離が進み水分が増えます。
あまりにも水分が多いなと感じる場合は、ヨーグルトが古くなっている証拠です。
ひとつでも気になる特徴がある場合は、ヨーグルトが腐っている可能性があるので食べるのはやめておきましょう。
しかし賞味期限切れのヨーグルトでも腐ってなければ食べられますよね。
では、賞味期限切れのヨーグルトはいつまで大丈夫なのでしょうか。
賞味期限切れのヨーグルトは食べられる?いつまで大丈夫なの?
賞味期限が過ぎたヨーグルトは、すぐに食べられなくなるわけではありません。
ヨーグルトに限らず、加工食品には賞味期限や消費期限が表示されていますよね。
賞味期限と消費期限は似ているようで全く違います。
賞味期限の意味とは?
賞味期限と消費期限はそれぞれ
- 賞味期限・・・おいしく食べられる期限のこと
- 消費期限・・・安全に食べられる期限のこと
となります。
消費期限はおにぎりやサンドイッチなど数日で腐りやすい食品に表示されています。
消費期限を過ぎたものは食べない方が安全です。
一方、賞味期限は日持ちがする食品に表示されていて、ある程度の余裕を持った日数で設定されています。
ヨーグルトに表示されているのは賞味期限なので、賞味期限切れといってもすぐに腐るわけではありません。
つまり、賞味期限は味は落ちるけど食べられないとは言っていないとも解釈できます。
しかし、腐った食品は食べられません。
ではヨーグルトの賞味期限切れは、どのくらいで腐るのか気になりますよね。
そこでひとつポイントとなるのは、開封後か未開封かです。
未開封のヨーグルトは腐りにくい?
未開封のヨーグルトは密閉されているので他の菌が繁殖しにくいです。
一方、開封後のヨーグルトは空中の他の菌が混ざったり、一度スプーンをつけると雑菌が繁殖しやすくなります。
そう考えると、開封後のヨーグルトは早めに食べきった方がいいですね。
では未開封のヨーグルトはというと、賞味期限が1週間切れたものでも大丈夫だったという意見もあります。
なかには2年過ぎたヨーグルトでも違和感なく食べられたという強者もいます。
さすがに2年は考えものですが、賞味期限から1週間や2週間経ったヨーグルトでも、腐っていないなら食べられそうですよね。
そしてここで重要なのは、「未開封である」ことと、もうひとつは「保存方法がよかった」という点です。
ではヨーグルトの正しい保存方法を確認してみましょう。
ヨーグルトの正しい保存方法!カビを生えさせないコツは?
ヨーグルトは発酵食品です。
そのまま置いておいても発酵は進んでいくので、発酵を少しでも遅らせるのが日持ちさせるコツです。
菌は暖かいと繁殖しやすいので、ヨーグルトを常温で保存すると腐りやすくなります。
ほかにも暖かいと酸味が増したり、水分が分離して味が劣化します。
ヨーグルトを買ってきたら、すぐに10℃以下の冷蔵庫に入れましょう。
手作りのヨーグルトの場合も同じです。
常温で発酵させたものでも、できあがったらすぐに冷蔵庫で保存することです。
さらに冷蔵庫で保存する時もポイントがあります。
ヨーグルトを冷蔵庫で保存する時のポイント
ヨーグルトは振動を与えると水分が分離しやすくなります。
そのため冷蔵庫に入れる時は
- ドアポケットに入れない
- 他の食品の出し入れで常に動かす場所には置かない
という点に注意しましょう。
また冷蔵庫の中は他の食品の匂いもありますよね。
ヨーグルトは他の匂いを吸収しやすいという特徴があるので、
が大事です。
しかし、蓋をしっかり締めていれば大丈夫とは限りません。
大きいパックのヨーグルトや手作りのヨーグルトは一度で食べきれませんよね。
そうなると何度も蓋を開けて、スプーンですくうことになります。
ヨーグルトが腐る特徴のひとつにカビがありますが、その原因は他の雑菌が混ざって繁殖するためです。
使いかけのスプーンでヨーグルトをすくうと、そこから菌が繁殖してカビが生えてししまうので、
これが、ヨーグルトが腐るのを防ぐポイントです。
ここまでで冷蔵庫でのヨーグルトの適切な保存方法がわかりましたが、冷蔵できるなら冷凍でOKなのか気になりますよね。
ヨーグルトは冷凍保存も大丈夫なのでしょうか?
ヨーグルトは冷凍してもいいの?冷凍ならどのくらい日持ちする?
ヨーグルトは冷凍保存できないわけではありません。
しかし冷蔵で冷やすのと冷凍で凍らすのでは全く違い、本来のヨーグルトらしさはなくなってしまいます。
ヨーグルトの特徴はなめらかな食感やさっぱりした味わいですが、冷凍するとカチカチに固まってしまいますよね。
そのためヨーグルトを販売しているメーカーの公式サイトでは、冷凍保存はおすすめできないと記載しているところもあります。
ヨーグルトを冷凍するとどうなるの?
ヨーグルトを冷凍すると
- なめらかさがなくなる
- 解凍した時に水分が増える
- 液状になってしまうこともある
- 食感や風味が変わってしまう
というデメリットがあります。
ヨーグルト本来の味わいを楽しみたいなら、冷凍はおすすめしません。
しかし、冷凍したヨーグルトをアイスとして食べたり、半解凍してシャーベットとして食べるならありです。
冷凍すれば数か月程度保存できるので、賞味期限が近いヨーグルトを冷凍してアイスやシャーベットとして楽しむのもよいのではないでしょうか。
プレーンヨーグルトは冷凍するとほとんど味がしなくなってしまうので、シロップなどで甘味をつけて冷凍するとおいしく食べられます。
フルーツなどを混ぜて冷凍してもいいですよね。
夏になめらかな味わいよりもシャリシャリ感を楽しみたい時には、私も時々ヨーグルトを冷凍します。
その時は、シロップ漬けのフルーツ缶を混ぜます。
私は桃が好きなので一口大に切った桃を混ぜたりしますが、みかんやパイナップルは切らずにそのまま混ぜることができるので簡単ですよ。
まとめ
最後にここまでの内容をまとめておきます。
- ヨーグルトは発酵が進んだり他の菌が繁殖すると腐る
- ヨーグルトが腐るとカビが生えたり水分が出たりする
- ヨーグルトが腐っているかは見た目や臭い、味で判断する
- ヨーグルトは10℃以下の冷蔵庫で保存する
- 冷蔵庫ではドアポケットなど揺れやすい場所に置かない
- 冷蔵で未開封なら賞味期限を多少過ぎても食べられる
- 常温保存や開封後のヨーグルトは腐りやすい
- 開封後は蓋を締め、常に清潔なスプーンを使う
- ヨーグルトは冷凍すると本来のヨーグルトらしさがなくなる
- 解凍せずにアイスやシャーベットで食べられる
- 冷凍すると数か月保存できる
発酵食品は腐らせることでおいしくなるものなので、本当に腐った場合に食べられるかどうか見分けるのが難しいですよね。
発酵食品に限らず食べ物が腐っているかは、見た目が変わっていないか、おかしな臭いや味がしないかで判断できます。
ヨーグルトも同じで、少しでも違和感があったら食べるのを止めた方がいいでしょう。
一番いいのはもちろん賞味期限内に食べきることです。
しかし、特売をしていると、つい欲張って買い込んでしまいませんか?
私もつい特売の時に買い込んでしまい、賞味期限が過ぎてしまった!なんてことはよくあります。
買い込んでも賞味期限切れで捨ててしまっては、結局無駄遣いになってしまうんですけどね。
冷蔵庫の奥から賞味期限がとっくに過ぎたヨーグルトを発見してしまった!なんていう場合には、今回ご紹介した内容で腐っていないかどうかチェックしてみてくださいね。