【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
あなたはチーズが腐るとどうなるかご存知ですか?
開封後に冷蔵庫で保管してしばらく経ったシュレッドチーズにカビが生えていたことはありましたが、腐るとどのような特徴が現れるのでしょうか?
腐ったチーズを食べてしまうと、腹痛に襲われるなど健康を害してしまうリスクもあるので注意しなければいけません。
そこで、今回は…
- チーズが腐るとどうなる?見分ける方法
- 賞味期限切れのチーズはいつまで食べられるの?
- チーズの正しい保存方法
- チーズは冷凍保存できる?
などの内容をご紹介していきたいと思います。
さすがにカビが生えたチーズを間違えて食べた!という失敗談はありませんが、見た目だけでは判断がつきにくくて困った経験があります。
例えば、ちょっとかじってみたら「いつもより苦い気がする」とか「酸味が強い気がする」など、食べても問題ないのか傷んでいるのか微妙な時もありますよね。
この記事では、外見だけではわかりにくい腐ったチーズの見分け方や、賞味期限の目安、正しい保存方法などを詳しく紹介するのでぜひ最後までご覧ください!
管理栄養士・栄養士
目次
チーズは腐るとどうなるの?危ないチーズの見分け方とは?
チーズは賞味期限が長いので腐りにくいという印象が強いですが、保存環境や保存方法が悪ければ腐ります。
私自身、カビが生えたチーズしか目撃していませんが、実はチーズが腐ると見た目や臭い、味にも変化が出てきます。
腐ったチーズを食べてしまうと、腹痛や下痢などの症状が出る場合もありますので、まずは腐ったチーズの見分け方を確認していきましょう。
腐ったチーズを見分けるポイント
チーズが腐った時の合図は結構わかりやすく、特徴も多いので確認しやすいでしょう。
チーズが腐ると見た目や臭い・味が変わる!
- カビが生える
- 乾燥する
- 以前とは違う強烈な臭いがする(アンモニア臭など)
- 水分が出てベタベタになる
- ピリピリとした酸味がある・苦い
これらのような特徴が一つでもある場合は、腐ったり傷んだりしている可能性があるので、食べずに捨てましょう。
チーズは腐ることもありますが、基本的には賞味期限が長いので、保存できる期間も長いです。
では、万が一賞味期限が切れてしまった場合は、食べられるのでしょうか?
次項では、「賞味期限切れのチーズはいつまで食べられるのか?」という内容をご紹介していきます。
チーズの賞味期限切れは大丈夫?何日後まで食べられるの?
チーズは比較的賞味期限が長い食品で、賞味期限が切れたからすぐに腐るわけではありません。
というのも、「賞味期限」とは食品を美味しく食べられる期限であり、食品を安全に食べることができる期限の「消費期限」とは異なるんですね。
そのため、未開封のチーズであれば賞味期限が切れていても食べられることが多いです。
一方、開封後のプロセスチーズはカビなどが生えて腐る前に、乾燥してしまうことが多いです。
乾燥してしまった場合は、食べない方が良いでしょう。
また、私の経験上ナチュラルチーズはカビが生えやすいのですが、カビの部分を取り除けば他の部分は食べられるんです!!
私も今までは捨てていたので、これを知って驚きましたよ~。
さらに、ナチュラルチーズの場合、乳酸菌などの菌が生きている発酵食品なので、日が経つごとに熟成が進みます。
ナチュラルチーズの賞味期限はあくまで目安であり、人によっては賞味期限切れしてからの方が熟成していて「美味しい」と感じる場合もあります。
チーズは、賞味期限切れになっても、前項で紹介したような腐った状態が見られなければ、食べられる可能性が高いです。
特に未開封の場合であれば、プロセスチーズでもナチュラルチーズでも異変が無ければ食べられるでしょう。
ただ、賞味期限切れのチーズを食べて腹痛を起こした人も多いので、賞味期限切れのチーズは必ず腐っていないかどうかを確認してから、自己責任で食べるようにして下さい。
と、ここで先ほどから登場している「プロセスチーズ」と「ナチュラルチーズ」ですが、この違いはご存知でしょうか?
「ちょっとよくわからないわ~」という方のために、以下でご紹介していきますね!
チーズは種類によって賞味期限が違う
チーズは「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」に大別されます。
ナチュラルチーズ
牛や山羊、羊の乳を殺菌したものに、乳酸菌や凝乳酵素を加えて固め、そこから乳清と言われる水分を除去したものです。
ナチュラルチーズはさらに細かく分類されています。
フレッシュタイプ | モッツアレラ カッテージ |
---|---|
白カビタイプ | カマンベール ブリ―チーズ |
青カビタイプ | ゴルゴンゾーラ |
セミハードタイプ | ゴーダ マリボー |
ハードタイプ | チェダー パルミジャーノ・レッジャーノ パルメザン |
ウォッシュタイプ | マロワル |
シェーブルタイプ | ヴァランセ |
ナチュラルチーズは菌が生きている状態なので、プロセスチーズよりは日持ちしません。
保存状態によっては、他の菌が混じって腐ったり、水分が付着してカビが生えてしまったりすることもあるので注意が必要です。
よく使うシュレッドチーズなどの賞味期限は、「製造日を除いた90日間(3ヶ月)」というものがほとんどです。
プロセスチーズ
ナチュラルチーズに乳化剤などを入れ加熱して一旦溶かし、再度形を整えて固めたものです。
製造する段階で乳酸菌などは死滅してしまうので、さらに熟成するということはありません。
しかし、菌などが死滅していることから、ナチュラルチーズよりは日持ちします。
切れてるチーズや6Pチーズなどは、賞味期限が6~9ヶ月というものが多いです。
このように、チーズの種類によっても賞味期限の長さが異なります。
チーズは賞味期限が長めですが、保存状態が悪いと腐らせてしまうこともあるんです。
では、チーズはどのように保存したら良いのでしょうか?
次項では「チーズの正しい保存方法」をご紹介していきます。
チーズの正しい保存方法とは?常温で保管できるの?
チーズの正しい保存方法はご存知ですか?
基本的には冷蔵庫で保存することはわかりますが、他にどのような注意事項があるのでしょうか?
本項では、チーズの正しい保存方法をしっかりと伝授していきます!
チーズを正しく保存する5つのポイント
チーズは冷蔵庫で保存するのが基本です。
他にも色々と細かい注意点があるので、詳しく見ていきましょう。
ラップで包む
冷蔵庫の中は乾燥してしまうので、チーズをしっかりとラップで包みましょう(山羊の乳で作られる「シェーブルタイプ」という柔らかめのチーズは緩く包んでOKです)。
さらに、密閉容器や密閉袋に入れて保存すると乾燥しにくくなります。
冷蔵庫の中でも、野菜室があれば野菜室での保存が好ましいです。
野菜室は湿度が高いので他の場所よりは乾燥しにくくなっています。
また、ラップで包んでいるとチーズから水分が出て、そこからカビが生える恐れもありますので、ラップは3~4日くらいのペースで交換して下さい。
その際に、チーズに付着している水分は、キッチンペーパーなどで拭き取るようにしましょう。
直射日光や高温を避ける
直射日光が当たる場所や、高温になる場所に置いてしまうと、チーズの中の脂肪分が溶け出すので、購入後は早めに冷蔵庫で保存しましょう。
匂いが強いものと一緒にしない
チーズは匂いを吸収しやすいので、玉ねぎやニンニクなどなど…匂いが強い食べ物とは一緒に保存しないで下さい。
切り口を濡らさない
包丁を入れる場合は、包丁やまな板に水分が付着していないか確認しましょう。
また、切った直後にチーズの切り口に水分が付着している場合は、キッチンペーパーなどで水分を拭き取って下さい。
アルミホイルで抑える
柔らかく形が崩れやすいタイプのチーズは、崩れやすい面をアルミホイルで押さえてからラップで包みましょう。
シェーブルタイプはアルミホイルで押さえた後、ラップで緩く包むようにして下さいね。
ナチュラルチーズもプロセスチーズも以上の点に注意しながら、冷蔵で正しく保存しましょう。
正しく保存することで、チーズを長持ちさせることができます。
しかし、どうにもこうにも明らかに賞味期限内に消費できない場合もありますよね?
そういう場合は冷凍しても良いのでしょうか?
次項では、「チーズを冷凍するのは大丈夫?」という内容をご紹介していきたいと思います。
チーズは冷凍してもいいの?どれくらい日持ちするの?
チーズを販売しているメーカーでは、基本的にチーズの冷凍をオススメしていません!!
というのも、冷凍して解凍することにより、舌触りが悪くなったり風味が落ちてしまったりするんです。
ただ、加熱することで美味しく食べることができますので、加熱調理を前提にしているのであれば、冷凍保存できますよ!
チーズを冷凍保存する際のコツ
ナチュラルチーズであるシュレッドチーズ(ピザ用チーズ)は、結構冷凍している人が多いですし、メーカーなどでも「シュレッドチーズの冷凍はできる」と回答している場合があります。
パンに乗せて焼くタイプのスライスチーズも、焼くことが前提なので冷凍することができますね。
また、塊のチーズなどはそのまま冷凍してしまうと、冷凍状態で切り分けるのが難しくなります。
塊タイプのチーズは、あらかじめスライスしておくと便利ですよ。
これらのチーズを冷凍する場合は、1回分ずつ小分けにしてラップで包み、ジップロックなどに入れて冷凍庫で保存しましょう。
使う時は特に解凍せず、乗せたりかけたりして一気に過熱します。
チーズは冷凍での長期保存には不向きなので、約1ヶ月を目安に使い切って下さい。
チーズは種類によっては冷凍できますので、使い切れない場合は早めに冷凍するようにしましょう。
私がよくダメにしてしまうシュレッドチーズも冷凍できるので、次からは冷凍したいと思います!!
まとめ
チーズが腐るとどうなるのか調べた結果のポイントを確認しておきましょう。
- チーズが腐ると見た目や臭い、味で見分けられる
- 賞味期限切れのチーズも状態が良ければ食べられるが自己責任で食す
- チーズは基本的にラップでしっかりと包み冷蔵庫で保存する
- チーズは冷凍に不向きだが、加熱することが前提なら冷凍できる
- 冷凍したチーズは1ヶ月を目安に使い切る
家庭でも使う機会が多いチーズですが、正しく保存しないと腐らせてしまいます。
ただ、見た目に変化がなく腐る場合もありますので、しばらく放置していたチーズや賞味期限切れのものを口にする場合は、今回ご紹介した見分け方でしっかりと確認して下さいね。
私も大のチーズ好きですが、今までシュレッドチーズを何度カビさせたことか…。
次に購入したときは、絶対に早めに冷凍することを心掛けます!!