【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
ドレッシングって、買った時は満足でも、すぐに飽きてしまって、開封後、賞味期限が切れるまでに食べきれないこと、ありませんか?
賞味期限が切れても、見た目や味に変化がないことも多いので、「まぁいいか」と、気にせず使うことが、私はよくあるのですが・・・
ドレッシングには、油や果汁など、さまざまな材料が入っていますよね。
賞味期限が切れた後に食べても、本当に大丈夫なのでしょうか?
詳しく調べてみたいと思います!
- 賞味期限切れのドレッシングを食べても大丈夫?
- 賞味期限が切れてから半年、1年と経っていても食べられる?
- ドレッシングは、未開封と開封済みでは、賞味期限が変わるの?
- ドレッシングの正しい保存方法
- 賞味期限が切れて、余ったドレッシングの捨て方
私の夫は、コンビニでサラダを買うときには必ず1回分の別売りドレッシングも買います。
わざわざ買ったのに、なぜか冷蔵庫の中のドレッシングを使う夫。
冷蔵庫のポケットには、セブンイレブンのドレッシングがどんどん溜まっていきます。
「このドレッシングを、どうにかして使わないと・・・。」
と思っていた矢先に、だしで有名な茅乃舎(かやのや)のドレッシングセットをいただき・・・。
「うれしいけど、どうしよう。」
そんなわけで、今回は賞味期限、保存方法、捨て方など、ドレッシングについて調べたことをご紹介していきますね!
管理栄養士・栄養士
目次
ドレッシングの賞味期限切れは危険?1年過ぎたものを使っても大丈夫?
次々と魅力的な新商品が発売されているドレッシング。冷蔵庫に余っているとわかっていても、ついつい買ってしまいませんか?
少しずつ奥に追いやられた賞味期限切れのドレッシングは、食べても大丈夫なのかが気になります。
賞味期限切れのドレッシングには、こんな危険性が!
早速、ドレッシングの製造・販売メーカーなどを大調査。こんな情報が得られました!
Q.賞味期限が過ぎてしまいました。食べられますか?
A.賞味期限が過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありませんが、保存条件により、おいしさが損なわれることも考えられますので、賞味期限内に召しあがることをおすすめします。
なお、開封後は賞味期限に関わらず、お早めに召しあがってください。
開封後は「賞味期限に関わらず、お早めに召しあがってください。」と案内されている理由が気になります。
そこで、さまざまな視点から、開封後のドレッシングの危険性について調べてみました。
開封後の食品には、さまざまな変化が起きることがわかりましたよ!
まずは、品質の劣化からご紹介します。
酸化
開封済みのドレッシングは、空気に触れて酸化することで、品質が劣化してしまいます。
特に、ドレッシングに必須の材料の油は、酸化することで臭い、食感、味など、品質に悪影響を及ぼします。
また、酸化した油を摂取すると、胸やけや吐き気などが起きることもあります。
極端な話ですが、酸化した油を一度にたくさん食べたり、少量でも継続して摂取すると、体の細胞の老化や動脈硬化を引きおこす危険性もあります。怖いですね!
次に絶対に食べたくない、カビについてです。
細菌の繁殖
カビは、何らかの細菌が食品に付着して成長し、集団になることで、人間の目に見えるようになります。
カビの原因となる細菌は、実は空気中にも存在するんです。
こんな情報を見つけました。
Q.カビの発生条件は?
A.空気中に浮遊しているカビの胞子は室内の表面に付着し、温度が5℃~35℃前後であれば、付着した表面の栄養と水分を利用して発育します。
開封後のドレッシングは、どんなに気をつけても”100%細菌の付着を防ぐ”ということはできません。
なるべく常温に置かずに、早めに食べきった方がいいんですね!
次に、どんな食品でも気になる、汚れについてです。
避けられない汚れ
汚れは劣化やカビに直結するものです。開封した商品はできるだけ中身をはみ出したり、手垢などを付けたりしないよう気をつけたいところです。
その点、例えば最近のドレッシングの容器は、口のところが改良されて、出し戻しや汚れが入りにくいようになっています。
それでもやっぱり、汚れを完璧に避けることはできません。
農林水産省のホームページで確認すると、賞味期限は、”未開封&正しい保存方法を守ったときの美味しく食べられる期限”とのことです。
開封後のドレッシングは、見た目や味をよく確認する必要がありそうですね。
”賞味期限内だから安心”とは思わず、早めに食べることをおすすめしたいと思います。
ドレッシングの賞味期限が半年、1年、それ以上過ぎてしまったらどうなる!?
ドレッシングの賞味期限が長期で過ぎた商品については、製造メーカーなどからの情報を得ることができませんでした。
保存方法や保存環境で食べられる期間が大きく左右されるので、「〇ヶ月は大丈夫!」とは言えないのでしょうね。
そこで、賞味期限が切れてかなり経ったドレッシングを食べた人の口コミを大調査しました!
- カビの臭いがした
- 開封後のドレッシングを、1年以上使っているけど、普通に食べられる
- カビが生えているようにも見える、怪しいドレッシングを食べたら、お腹を壊した
カビに関する体験が多かったものの、賞味期限が過ぎても普通に食べられるという方もいらっしゃいました。
慎重派の方の意見は、下記のとおりです。
- 未開封でも、賞味期限の1.5倍の期間が過ぎたら捨てる
- コンビニのドレッシングは、賞味期限切れ2週間くらいで捨てる
- 野菜にかけてから味が変なことに気づくと、野菜も全部無駄になるので、賞味期限が切れたら捨てる
- 未開封で、賞味期限が半年過ぎているドレッシングがあったが、迷って捨てた
慎重派の声の中でも、私が”なるほど”と思ったのが、こちらです。
「数百円のドレッシングを食べて体調を壊したら、病院代が何倍もかかるから、食べない。」
我が家には小さい子どもが3人いますし、家族体全員が体調を崩したら、大変なことになります!
後ほどご紹介する捨て方を参考に、賞味期限が長期間切れたドレッシングとは”サヨナラ”することをおすすめしたいと思います。
では次に、ドレッシングの賞味期限を確認しておきましょう。
未開封と開封後では、賞味期限が変わることに注意ですよ!
ドレッシングの賞味期限はどれくらい?未開封と開封後で違うの?
冒頭でもお話しした、茅乃舎のドレッシングの賞味期限を見ると、4ヶ月程でした。
他方で、冷蔵庫のポケットにたまっているセブンイレブンのドレッシングを見ると、賞味期限は書かれていませんでした。
その他のドレッシングの賞味期限も知りたくなり、我が家の近くの大きいスーパーに行って、徹底的に調査してみました。
メーカーや商品によってさまざまですが、1ヶ月~半年が一般的でした。
ネット通販で販売されているドレッシングには、こんなことが書かれているものもありました。
メーカーからの入荷状況により、賞味期限までの日数が短い(2週間~10日程度の)商品をお届けさせていただく場合がございます。
あらかじめご了承ください。
ドレッシングはもともと賞味期限が長めなので、販売業者が仕入れてから、売れなくて時間が経ってしまうこともあるようですね。
逆に、商品の入れ替えがスムーズなお店では、仕入れてすぐの、賞味期限までの日数が長いドレッシングが売られているのかもしれません。
ドレッシングに限らず、ネット通販で買う場合には、念のため、同じ商品の入荷状況や賞味期限の相場について、複数のサイトを比較してみることをおすすめします。
未開封と開封後で、ドレッシングの賞味期限は変わる!?
先ほど、【賞味期限は未開封&保存方法を守ったときの期限】だとご紹介しました。
開封後のドレッシングの賞味期限はどれくらいなのでしょうか?
我が家の冷蔵庫に眠っていたドレッシングをよく見ると、こんな表示がありました。
「開封後の保存目安は1ヶ月です。」と書かれています。
「開封後は賞味期限にかかわらず早め(1ヶ月以内)に食べるように」、という意味ですね。
先ほどご紹介した、酸化・細菌の繁殖・汚れなどの影響の他に、”購入者が間違った方法で保存した場合”なども想定しているのかもしれませんね。
では、ドレッシングはどうやって保存するのが正しいのでしょうか?
常温、冷暗所という、区別がつきにくい言葉についても詳しく調べました。
ドレッシングの正しい保存方法とは?手作り品でも日持ちするの?
市販のドレッシングには、保存方法が書かれています。
未開封の場合は商品に書かれている保存方法を守り、開封後は、冷蔵庫に入れて保存するのが基本です。
ドレッシングに書かれている”常温”や”冷暗所”ってどういう意味?
マヨネーズやドレッシングの製造販売で有名なキューピーのホームページには、こんなふうに紹介されています。
未開栓のドレッシングは常温で、直射日光を避け、なるべく涼しい場所で保存してください。
我が家の近くのスーパーでドレッシングの表示を見たところ、他にもこんな保存方法が書かれていました。
- 冷暗所保存
- 冷蔵保存
”常温”と”冷暗所”の違いって、はっきりと区別がつきますか?
意味を調べましたので、参考なさってみて下さい。
常温とは
”常温”の具体的な温度を調べると、日本工業規格には5℃~35℃という規定がありました。
冷蔵庫の一般的な温度が3℃ほどですので、”常温”と書かれている場合は、冷蔵庫に入れなくてもOKという意味のようです。
また、”常温”という言葉の通り、「熱い・冷たいが急激に変化しない、自然な温度」と考えるのが、一般的です。
厚生労働省では、下記のような文章が発表されていました。
外気温を超えない温度
厚生労働省「常温保存可能品に関する運用上の注意」より
まとめると、外気温を超えない程度で、安定した温度の場所と考えてよさそうですね。
冷暗所とは
一般的には、常温よりも温度が低くて、直射日光が当たらない場所のことを”冷暗所”と言います。
具体的な温度は、薬事法では15℃~25℃とされています。
もう一つ、大切なポイントがあります。
湿度が高い場所は、細菌の繁殖などで食品が劣化・腐敗する可能性が高くなりますので、ご注意下さいね。
”常温”や”冷暗所”と商品に書いてあっても、上記とかけ離れた保存環境になるときは、冷蔵保存することをおすすめします。
冷蔵庫は温度が安定しているという点では、食品の劣化が防げることもあるので。
次に、手作りのドレッシングの保存方法や、日持ち日数もご紹介したいと思います。
手作りドレッシングはどうやって保存する?何日くらい食べられるの?
私の経験もまじえながら、ドレッシングを実際に手作りしている方々の声を集めました。
まず保存方法ですが、私が調べた範囲では、冷蔵庫に保存している方が多いようでした。
”手作りドレッシングは、食べる分だけ作る”というのが理想だと思うのですが、「作り置きしておく」という方も結構いらっしゃいました。
- フレンチドレッシングのように、調味料だけで作るドレッシングは2週間くらい
- サウザンドレッシングのように、マヨネーズを入れるなら1週間くらい
- 調味料以外の食材を入れる場合は、食材が劣化するので1週間以内
- ヨーグルトや生クリームなどの乳製品を入れる場合は、酸化や腐敗が早いので、その日のうちに食べる
- 果実や果汁を入れる場合は、味の変化や劣化が激しいので、その日のうちに食べる
- 材料にもよりますが、ノンオイルドレッシングは、味の変化や劣化が激しいので、その日のうちに食べる
手作りの場合は、材料や作る時・保存する時の衛生環境によって、日持ちが大きく変わると思います。
見た目や味に少しでも異変を感じた場合は、もったいないですが、これからご紹介する方法で捨てることをおすすめします。
ドレッシングが余っちゃった!捨て方はどうしたらいいの?
ドレッシングが余ったときに私がいつも迷うのは、「排水溝に流していいのかどうか?」です。
排水溝に流すのがダメなら、その理由も気になります。
余ったドレッシングを排水溝に流すのはNG!それはなぜ?
ドレッシングには油が多く含まれていることがほとんどですよね。
油を排水溝に流すと、こんなことが起きます!
- 排水管に溜まった油と洗剤が化学反応を起こして固まり、配水管が詰まる可能性がある
- 油が川などに流れ出ることで、お住まいの地域の水質が悪くなる可能性がある
ドレッシングは、下記の方法で、お住まいの地域の捨て方に従って捨てて下さいね。
ほとんどの地域が可燃ごみだと思うのですが、地域によっては資源ごみなどに分類されることもあるかもしれません。
- 牛乳パックなど、ドレッシングを入れることができて、液もれしない容器を用意する
- 牛乳パックなどに、新聞紙やキッチンペーパーなどのドレッシングを染み込ませることのできるものを入れる
- ドレッシングを入れて、液もれしないようにガムテープでとめて捨てる
ちなみに、ドレッシング以外で、こんなものを排水溝に流すのも、NGです。
油に漬けてある食材
シーチキンやサバなど
ペンキやニス
配水管で有害物質発生の危険性アリ!なるべく拭き取って、可燃ごみに捨てましょう。
熱湯
配水管の変形などの危険性アリ!水を一緒に流して、温度を下げながら流しましょう。
小麦粉
水と混ざると、接着剤のようになって配水管に溜まる危険性アリ!なるべく拭き取って、可燃ごみに捨てましょう
”排水溝に捨てて良いものとダメなもの”の区別は難しいですよね。
迷ったときは、こんなことを考えてみて下さい。
排水溝から川などに流れ出たものは、魚が食べます。
その魚を、最終的に人間が食べます。
このような食物連鎖を考えれば、排水溝にそのまま流してよいかどうかの判断がしやすいと思います。
ぜひ参考にしてみて下さいね。
まとめ
いかがでしたか?
ドレッシングの賞味期限について、詳しく調べてきました。今まであやふやだった捨て方も知ることができましたよね。
ポイントをまとめてみます!
- ドレッシングは、賞味期限が過ぎても食べられるが、なるべく賞味期限内に食べるのがおすすめ
- 開封後のドレッシングは、酸化やカビの発生などの危険性がある
- ドレッシングの賞味期限は、1ヶ月~半年ほど
- ドレッシングは、販売業者が仕入れてから日にちが経っている可能性があるので、賞味期限だけでなく、入荷状況なども調査してから買うのがおすすめ
- 開封後のドレッシングは、1ヶ月以内に食べ切るようにする
- ドレッシングは、商品に書かれている保存方法を守る
- ご自宅の保存環境が悪いときは、未開封でも冷蔵庫に入れるのがおすすめ
- 手作りドレッシングの日持ちは材料によってさまざまだが、”その日のうちに”あるいは”なるべく早く”食べきった方がいい
- ドレッシングが余ったら排水溝に流すのはNG!液もれしないように配慮して、可燃ごみなどに捨てる
ドレッシングを1回で使い切ることは、あまり考えられませんよね。
わかっていながら・・・「美味しそうだから、とりあえず買っておこう!」と思ってしまうんですよね。
今回は、そんな行動も反省しました。
未開封と開封後の賞味期限や保存方法がわかったので、日々の献立にうまく取り入れながら、美味しく食べきれるようにしたいと思います!
これからは、手作りドレッシングのレパートリーも増やして、市販と手作りを上手に使い分けができると最高ですね。