長期保存ができる常備野菜の定番ともいえるじゃがいもは、賞味期限がいつまでなのかわかりにくいですよね。
常温で何日も保存していたら、芽が出たり柔らかくなったりすることもありますが、見た目が普通なら食べても問題なさそうな気もします。
そこで今回は、じゃがいもの賞味期限について詳しく調査してみました。
この記事でわかること
- じゃがいもの保存方法によって変わる賞味期限の目安
- じゃがいもが腐るとどうなるのか
- じゃがいもの正しい保存方法
- じゃがいもを上手に冷凍する方法
- じゃがいもが原因の食中毒について
私の祖父が畑で作ったじゃがいもを年間を通して食べていますが、収穫してからしばらく経つと芽が出たりぶよぶよと柔らかい状態になることがよくあります。
そういえば、「じゃがいもの芽には毒がある」という話を聞きましたが、芽が出たじゃがいもは食べない方がいいのでしょうか?
賞味期限切れの目安がわかっていれば、じゃがいもが腐る前に食べきれますよね。
じゃがいもの賞味期限はいつまでなのか、常温保存や冷蔵庫の野菜室に保存する場合はどうすれば日持ちするのかなども詳しく調べたので、ぜひあなたも参考にしてじゃがいもを美味しく食べてください!
目次
じゃがいもの賞味期限はいつまで?冷蔵庫や常温での保存期間の目安
じゃがいものような生野菜には、食品衛生法で賞味期限の表示義務はありません。
スーパーで売っているじゃがいもにも、賞味期限は表示されていないですよね。
賞味期限とは、未開封&保存方法を守ったときの、美味しく食べられる期間のことです。
こちらの記事では、”じゃがいもを美味しく食べられる期間”として、『賞味期限』という言葉を使っていきますね。
基本的に、賞味期限は、製造者や販売者が自己責任で定めるものです。
じゃがいもは賞味期限の表示が必要のない食品なので、製造者からの賞味期限の情報は見つかりませんでした。
ということで、じゃがいもには明確な賞味期限切れの期間はありません。
実際にじゃがいもを保存した経験を、口コミなどで大調査しました!
じゃがいもを冷蔵庫や常温で保存した場合の賞味期限は?
じゃがいもの保存方法に関する口コミを調べてみると、冷蔵庫派と常温派に分かれます。
どちらで保存するにしても、「〇日を境目に捨てる」という意見は、ごく少数でした。
皆様、ジャガイモの状態を見て賞味期限を判断しているようです。
- 芽が出ても取り除けばずっと保存できる。味も変化しているとは思えない
- 柔らかい状態になったらなるべく早めに使う
- 柔らかくなっても水につければハリが戻るので食べられる
- 茶色い部分があったら取り除いて食べる
- 緑の部分があったら取り除いて食べる
- 変な臭いがしていたら捨てる
- 冷蔵庫に入れたら3日で味が落ちる。賞味期限は長くて1週間
じゃがいもは、加熱&味付けをして食べますよね。
少々味が落ちても気づきにくい食材なのだと思います。
見た目や臭いによっぽどの変化がない限りは、賞味期限内だと判断している方が大半だということがわかりました。
ちなみに私は冷蔵庫で保存する派で、じゃがいもが販売されていたときの袋に入れたまま、野菜室に入れます。
1カ月以上保存していると芽が出てきますが、取り除いて普通に食べています。
じゃがいもの賞味期限を左右するのは流通過程!
田舎暮らしの私は、ジャガイモの様々な売り方を目にします。
また、冒頭でもお話しした通り、祖父がじゃがいもを作っているので美味しいじゃがいもの目利きにも自信があります。
その経験から、じゃがいもは流通過程によって賞味期限が大きく変わると思っています。
個人的な実体験ですが、ご紹介します。
大手スーパーで買うじゃがいもの賞味期限は長い
大手スーパーで買う袋にきちんと詰められたじゃがいもは、流通過程がきちんとしているので賞味期限は長いと考えてOKです。
大手スーパーで売られているじゃがいもは、生産者や製造日がわかっていて、温度管理されたトラックで運ばれます。
店頭でも一定の温度下で売られています(敢えて言うなら、店内のエアコンの風の影響は受けているかもしれません)。
最近は収穫したじゃがいもを”一度急速冷凍してから出荷する。芽が出にくくなる。”という話も聞いたことがあります。
更に、スーパーで売られているじゃがいもが詰められている袋にも秘密があります。
野菜の鮮度をなるべく長くするために開発された袋で、普通のビニール袋とは違います。
八百屋さんで買うじゃがいもの賞味期限は、買い手の目利きと保存次第
八百屋さんで買うじゃがいもの賞味期限は、買い手の目利きが試されます。
おいしいじゃがいもの見分け方は、なめらかでハリのあるじゃがいもを選ぶことです。
その上できちんと保存すれば、賞味期限は長いです。
*保存方法については、後ほどご紹介しますね。
八百屋さんでも、古くなったじゃがいもを平気で売っていることがあります。
黒々と土がついた状態で袋詰めされて売られている時は、よく見て買うことをおすすめします。
袋を持ち上げて、ジャガイモを360℃チェックしましょう。
- 水が出ていないか?
- 芽がでていないか?
- ハリのある硬さか?
- 白くなっている部分はないか?
袋の中心の方に、賞味期限がとっくに切れたような、悪くなったじゃがいもを入れている場合もあります。
よくチェックしてみて下さいね。
無人販売のじゃがいもの賞味期限は賭け!?
自家栽培の野菜を、無人で売っているのを見たことがある方もいらっしゃると思います。
スーパーよりも安い値段で、「無農薬の美味しい野菜かも♪」という期待感があるのが魅力です。
手に取ってチェックできるのであれば、鮮度を確かめて買い、きちんと保存すれば賞味期限は長くなります。
賭けなのは、ロッカーのような箱に入った状態で販売されているものを買うことです。
お金を払ってじゃがいもを取り出すまで、どんな状態かが詳しくわかりません。
栽培者の方は、ロッカーにじゃがいもを入れて、売れるまで放置・・・ということがよくあります。
ロッカーにいつじゃがいもを入れたのかわかりませんし、外気温の影響をモロに受けています。
賞味期限どころか、すでに腐った状態のものが売られていることもよくありますので、ご注意下さい。
このようなことから、”じゃがいもは、買う時の状態も賞味期限を左右する”という事を、覚えておいていただけると幸いです。
じゃがいも以外にも、賞味期限切れに注意すべき食材は複数あります。主婦が使うお役立ち情報メディアサイト「シュフーズ」さんの記事が参考になりますのでご紹介いたします。
次に、じゃがいもが腐るとどうなるのかをご紹介します。
じゃがいもは腐るとどうなるの?腐ったじゃがいもの見分け方とは?
じゃがいもが、究極に腐った状態の写真を見つけることができました。
じゃがいもから竜に転成したメークイン号は、静かにゴミ箱へと飛び立っていきました(カビてしまったw) pic.twitter.com/qYFlEIo5uW
— Eimyan (@PSG_72) 2016年7月8日
こんなにしわしわになるまで保存していたのもすごいですが・・・じゃがいもが腐るということの、全てが凝縮されていますね。
この写真も参考に、腐ったじゃがいもを実際に見たという方々の声から、どんな状態になるのかをご紹介します。
臭い
- 強烈な悪臭がする
- 白いカビが生える
見た目
- 芽が沢山出ている
- 表面が黒くなる
- 水が出る
- ベチャベチャになる
切ってみると・・・
- 空洞になっている
- 中が黒くなっている
- 粘り気がある
上記の中でも一番気をつけなければいけないのが芽です。
芽にはソラニンとチャコニンという毒があり、体に悪影響を及ぼすこともあるので、確実に取り除く必要があります。
*じゃがいもの芽に含まれる毒については、後ほど詳しくご紹介します。
その他の腐った症状についても、取り除けば食べられる部分が残ることもありますが、味が落ちていることは確実です。
臭いや目で見た状態をきちんと判断し、心配なときは食べない事をおすすめします。
じゃがいもが腐るともったいないので、じゃがいもの賞味期限をできるだけ伸ばせる正しい保存方法を確認してみましょう。
常温と冷蔵ならどっちがいいの?じゃがいもの正しい保存方法とは?
じゃがいもの正しい保存方法を調べていると、農家の方が書いた情報を見つけることができました。
野菜を愛する、農家視点での保存のポイントを、最初にご紹介します。
野菜の環境を変えない
じゃがいもを買ったりもらったりしたときの環境で保存するのが、じゃがいもにとって気持ちがいいそうです。
風通しが良い場所で水分を避けて保存する
じゃがいもは基本的に長期保存する野菜なので、カビを防ぐために風通しが良い場所がいいそうです。
農家のお家は、住居スペースの他に広い作業場を持っていることも多く、じゃがいもをなるべく広げて保存することも可能です。
一般の家庭では、じゃがいものためにスペースをとって、風通しの良い場所に置いておくのはなかなか難しいですよね。
”狭いキッチンにじゃがいもを出しておくのは、見た目的にもよくない”ということで、冷蔵庫に入れたい場合もあると思います。
では、家庭での詳しい保存方法を見ていきましょう。
じゃがいもの正しい常温保存
「じゃがいもの保存は、冷蔵庫と常温どっちがいいの?」と聞かれれば、基本的には常温となります。
正しい保存方法を守れば、4カ月ほどは保存し続けることができます。
家庭の常温での保存環境が悪い場合は、後ほどご紹介する冷蔵保存をお試し下さいね。
じゃがいもを保存するために、段ボールなどの、湿気を吸ってくれて空気も取り入れることのできる容器を用意しましょう。
- ダンボールに新聞紙を敷き、ジャガイモをなるべく重ならないように入れる
- (あれば)りんごを一緒に入れる
- 上に新聞紙をかける
- 風通しの良い、冷暗所に保存する
りんごを一緒に入れる理由は、りんごが放出するエチレンガスが、じゃがいもの芽が出るのを遅らせてくれるからです。
他にもエチレンガスを放出する果物は、メロン、洋ナシ、アボガドなどです。
ご家庭にあるときは、果物の腐敗を気にする必要がありますが、ジャガイモと一緒に保存してみて下さい。
じゃがいもの正しい冷蔵保存
ご家庭では、風通しの良い保存場所を確保できないこともありますよね。
夏になり、室内の温度が上がると、尚更じゃがいもの傷みが早くなってしまいます。
冷蔵保存にはひと手間必要ですが、正しい保存方法を守ることで3カ月は保存可能になります。
- じゃがいもを1つずつキッチンペーパーか新聞紙に包む
- 小分けにしてビニール袋に入れる
- 野菜室で保存する
ポイントは、野菜室に入れることです。
じゃがいもを野菜室に入れるのはなぜ?
じゃがいもは、保存環境が低温(2~4℃)で80%くらいの湿度で1カ月くらい経つと、凍結を防ぐための自己防衛をするそうです。
もっと寒くなって凍死するのを防ぐために、自分のでんぷんを糖に変えます。
糖度が増したじゃがいものはほのかに甘く、美味しくなるので野菜室で保存するのが理にかなっている保存方法とも言えます。
じゃがいもの生産量が多い北海道では、秋に収穫されたばかりの新ジャガはもちろんですが、低温貯蔵して冬に出荷する熟成じゃがいもの人気も高いようです。
冷蔵庫から出して20℃くらいの環境に1週間ほど置くと、凍死の危険がなくなったと判断して糖分が少なくなるので、野菜室から出したら早めに食べましょう。
料理によって保存方法を使い分けるのが賢い!
じゃがいもは、低温になるとでんぷんが糖に変わるということをご紹介しました。
糖に代わるということは、甘くなり、焦げやすくなるということですよね。
このことから、下記のような保存方法の使い分けをすれば、じゃがいもをもっと美味しく楽しめます。
- じゃがいもの甘さを楽しみたい煮物などに使う時は冷蔵庫の野菜室に保存
- 焦げるのが心配な揚げ物にするときは常温保存
もっと長い間じゃがいもを保存するなら冷凍保存を検討したいところですが、果たしてじゃがいもは冷凍しても問題ないのでしょうか。
次章では意外なじゃがいもの冷凍保存についてご紹介します。
じゃがいもは冷凍保存できる?冷凍でどれくらい日持ちするの?
”生のじゃがいもは冷凍できない”というのが、一般的なイメージではないでしょうか?
自然解凍をすると水分が抜け、食感が気持ち悪い柔らかさになる上に、味も落ちてしまうのは私も経験したことがあります。
実は、生のじゃがいもを冷凍しても、美味しく食べる方法があるそうです!
保存期間は1カ月程です。
1カ月以上保存しておいても腐ることはありませんが、冷凍やけなどの影響で味が落ちるので1カ月を目安に食べましょう!
生のじゃがいもを冷凍保存する方法
生のじゃがいもを冷凍保存して美味しく食べるには、解凍方法に秘密があります。
- 生のじゃがいもをよく洗って土を落とす
- きちんと水分を拭き取り少し乾燥させる
- そのまま保存袋に入れて冷凍する
- 茹でて解凍する
口コミなどを調査すると、”生のじゃがいもを茹でて解凍した”という実体験では、ホクホクで味も落ちていないということでした。
他にも、食べやすい形に切って一度水にさらし、よく水分を拭き取ってから冷凍してもOKだそうです。
加熱したじゃがいもを冷凍保存する方法
加熱したじゃがいもは、マッシュして形をなくしてから冷凍するのがポイントです。
- 電子レンジ、ゆでる、ふかすなどして柔らかくなるまで加熱する
- 形がなくなるまでつぶす
- 小分けにしてラップに包む
- 保存袋に入れて冷凍する
電子レンジで温めて解凍します。
コロッケなど、更に加熱調理する場合は解凍する程度に温めればOK。
サラダなど、そのままの状態で食べる場合は、一度しっかり温まるまで加熱した方がなめらかな食感になるそうです。
最後に、じゃがいもが原因で起こった食中毒についてご紹介します。
長期保存が可能とわかりましたが、保存方法などを守って安全に食べたいですよね。
集団食中毒の事例あり!じゃがいもを長期保存するなら注意が必要!
友人が、”じゃがいもが原因でお腹を壊した”という話をしたら、流して聞いてしまうかもしれません。
でも、実際に”小学校で集団食中毒が起きた”と聞くと、原因などをよく知っておきたいですよね!
じゃがいもが原因で起きた集団食中毒 その1
2006年に東京都の小学校で、校内で育てたじゃがいもを収穫し、皮付きのまま茹でて食べたそうです。
30分後から腹痛、吐き気、のどの痛みという症状が出ました。
幸い全員軽症で、その後回復したそうです。
原因を調べたところ、じゃがいもの芽に含まれる毒のソラニンが高濃度で検出されたそうです。
じゃがいもが原因で起きた集団食中毒 その2
2009年に奈良県の小学校で、校内で育てたじゃがいもを炒めるなどして食べました。
じゃがいもを食べた53人のうち、35人が吐き気や腹痛を訴え、その後、病院に救急搬送されたそうです。
こちらもソラニンが原因だとわかりました。
ソラニンの含有量が多い、緑色の皮も調理して食べたそうです。
食中毒の原因になるじゃがいもの毒って何?
じゃがいもの芽や皮の緑の部分には、ソラニンやチャコニンという毒が含まれています。
子供だと、ソラニン20mgで食中毒を起こすそうです。
20mgは0.02gです。少量で食中毒の危険性があるんですね。
ソラニンは、芽や皮の緑色の部分だけではなく、傷がついているところにも含まれています。
皮の近くに多く含まれているので、しっかりと皮をむき、芽なども確実に取り除く必要があります。
ソラニンは水に溶けやすい性質ですが、熱で分解されません。
調理する前に、よく注意して下ごしらえをするようにしましょう!
まとめ
じゃがいもの賞味期限について、詳しくご紹介してきました。
長期保存が可能な反面、毒が含まれている可能性もあるということで、注意して取り扱う必要がありますね。
ポイントをまとめてみます。
- じゃがいもの賞味期限ははっきりとした目安はない
- 見た目や臭いなどを良くチェックし食べられるか判断する
- じゃがいもは腐ると強烈な臭いやカビが生える
- じゃがいもは基本的に常温で保存する
- じゃがいもを野菜室で低温貯蔵すると甘みが増す
- 料理の仕方によって保存方法を使い分けるとより美味しく食べられる
- じゃがいもは生でも冷凍可能!
- じゃがいもを加熱して冷凍するときはしっかりとつぶす
- じゃがいもには毒が含まれている可能性がある
- 皮をしっかりむいて芽などは確実に取り除く
今回は、”じゃがいもを保存する温度によって味が変わる”ということがわかり、大発見でした。
じゃがいもを使ったお菓子が、年間を通して味を保っている秘密は、じゃがいもの性質をいかした保存方法にあったんですね!
家族が、安全に美味しくじゃがいもが食べることができるように、今回知った情報を活かして頂ければ幸いです。