【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
先日スーパーで魚の切り身を購入したのですが、冷蔵庫にそのまま放置で、見事に消費期限切れ…
魚はナマモノとはいえ、安かったりするとついつい多めに買ってしまい気付いた時にはすでに消費期限が過ぎていた…よくありますよね。
でも、異臭もしなくて見た目も悪くないし1〜2日くらいなら大丈夫なのかな?なんて悩んだりしています。
そこで今回は、以下のことについて解説していきたいと思います!
- 魚の消費期限切れは何日くらいまで大丈夫なのか?
- 釣りでゲットした魚の消費期限はどのくらい?
- 魚を生で食べられるのはいつまでか?
- 魚の正しい保存方法
- 魚はどれくらい冷凍保存できるのか?
魚や買ってきて冷蔵庫に保存したまま、その存在を忘れていて消費期限が数日過ぎた!という失敗は、主婦の方ならどなたでも経験があるのではないでしょうか?
私は手抜きをしたい時にスーパーでお惣菜を買ってくるのですが、小魚の佃煮のような加工品もついうっかり消費期限切れにすることもあります。
消費期限当日や翌日であれば気にならないところですが、3日、4日、5日、1週間・・・と過ぎていますと、かなり心配ですよね。
魚の消費期限、正しい保存方法、冷凍保存方法を含めて消費期限のことをしっかり把握しておき、安心して美味しく魚を食べましょう!
管理栄養士・栄養士
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目次
魚の消費期限切れは何日まで大丈夫なの?判断基準はコレ!
スーパーでお買い物をする際には消費期限の日付をしっかりチェックしていたのに、ついうっかり忘れてしまうのはよくある話ですが、捨ててしまうのはもったいないですよね。
消費期限切れの魚は何日くらいまでなら食べられるのかを判断する方法について紹介します。
消費期限切れ後の魚が食べれるか見分ける方法
消費期限の期日はあくまで目安です。
保存状態が良く、見た目や味に違和感がないようでしたら、消費期限の翌日程度なら食べられる場合が多いです。
保存状態も良く、色ツヤもよく、匂いもないようでしたら、消費期限から2日~3日経っても大丈夫ですが、お刺身などの場合は、お刺身としてではなく加熱調理をして食べた方が良いでしょう。
消費期限を4日~5日や1週間以上過ぎた魚は食べるのはやめましょう。
このように、魚の消費期限は記載されている期日を目安にし、見た目や匂いで食べれるか食べれないかを判断しましょう。
明らかに、色が落ちていて、少しでも異臭がする場合は、食べないほうが無難です。
また、お刺身の場合は、消費期限が過ぎているようであれば、生で食べずに、焼いたり、煮たりなど加熱処理を施していただきましょう。
実は、お魚に購入したお店の販売形態によっては消費期限が記載されていない場合もありますので、消費期限の決め方について確認しておきましょう。
魚に表示されるのは消費期限と賞味期限のどっち?
スーパーなどで魚の切り身などを購入する際に日付を確認している方も多いと思いますが、消費期限と賞味期限の違いがよくわからないという方も多いのではないでしょうか?
小さいお子様やお年寄りの方が口する前などには、この「期限」をしっかり確認する人も少なくないのではないでしょうか?
それぞれの期限の意味をしっかり把握できれば、魚に表示されている日付がどちらなのかがわかりますよ!
消費期限
袋や容器を開けない状態で、記載されている保存方法を守って保存していた場合の「品質が変わらずに安全に食べられる期限」のことです。
魚の切り身やお刺身、お弁当、サンドイッチ、生めん、ケーキなど、いたみやすい食品に表示されています。
賞味期限
こちらも、消費期限と同じように、袋や容器を開けない状態で、記載されている保存方法を守った場合に、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のことです。
いたみにくい食品である、スナック菓子、カップめん、チーズ、かんづめ、ペットボトル飲料などに記載されています。
5日程度以内に消費したほうが良い痛みの早い食品は「消費期限」を、それ以外の食品には「賞味期限」が記載されているのが一般的です。
開封してしまえば、「期限」の意味はなくなりますので、早めに食べる(または飲む)ようにしましょう。
対面販売の場合
お魚屋さんや、鮮魚コーナーがあるスーパーでは対面販売で魚が販売されていますが、この場合は消費期限の記載について考え方が変わります。
対面販売については消費期限や賞味期限を記載する義務はありませんが、以下の項目を表示する必要があります。
- 名称
- 原産地
- 養殖・解凍の場合はその旨
事前包装する場合
お魚を個々のパックに事前包装する場合は、以下の項目を明記することが、JAS法、食品衛生法によって定められています。
- 名称
- 原産地
- 養殖・解凍の場合はその旨
- 生食用である旨
- 消費期限又は賞味期限
- 保存方法
- 加工所の所在地、加工者の氏名
お刺身の場合は一種類だと原産地表示がされていますが、複数のお魚の盛り合わせだった場合は原産地表示が任意とされています。
魚の消費期限の設定基準
スーパーなどで表示される消費期限とは何を根拠に決定されるのかわかりにくいですよね。
魚が水揚げされてから店頭で販売されるまでには数日かかっている場合もあるので、いつから起算して消費期限が設定されているのか気になったので調べてみました。
消費期限表示については業者の判断に委ねられており、所定の検査基準をクリアできる日数で設定されているそうです。
お店にとって基準は異なるようですが、加工日(店頭で販売された日)を含めて2~3日で消費期限を設定する場合が多いので、実際に水揚げされたのは加工日から1~2日前だろうと推測できます。
お刺身については加工日当日か翌日、干物などは長持ちするので消費期限ではなく賞味期限として1ヶ月程度で設定される場合もあります。
いずれにしても、魚は新鮮なほど美味しいので、できるだけ早く食べるのがベストですね!
さて、購入した魚の場合は、目安となる消費期限が記載されていますので、その期日をめどに問題なく食べれるか、加熱処理すべきか、捨ててしまうかを判断できます。
では、釣ってきた魚などは、どのようにその判断を見極めればよいのでしょうか?
釣った魚の消費期限は?いつまでなら生で食べられるの?
先日、主人が会社の上司連れられて釣りに行き、ニジマスを持ち帰った時など、日持ちや保存のことなど考えもなしに、「新鮮なうちに食べないと!」と、慌ててその日のうちに急いで食べてしまいました。
妹の家に遊びにいった時にも、妹の友達が大きな鮭を釣ったということで、お裾分けをいただいたこともあります。
いくらたっぷりでしたので、やはり新鮮なうちにと美味しくいただきました。
しかし、考えてみましたら、釣れたての魚ですので、店頭で購入するよりも鮮度は高いはず。
何もその日に無理して食べることはなく、上手に保存する方法があったのではないでしょうか。
釣った魚の消費期限は保存方法で変わる!
実は、釣ったお魚の消費期限は、釣りあげた後の保存状態で変わります。
釣った直後に、活け締めをして氷水でしっかり冷やすことがポイントです。
内臓は腐りやすいので、早めに取り出してください。
内臓やエラを綺麗に取り出し、ウロコもしっかりと落とします。
ラップ等に包んできちんと密封すれば、冷蔵庫で3~4日程度は保存できます。
3枚におろした場合は皮を下にしておいて保存しますと、脂が身全体に広がります。
白身の魚であるならは、刺身としても。
イワシ、アジ、サバなどの青魚は傷みやすい魚ですので早く食べるようにしましょう。
味や臭いで、生で食べても大丈夫かを自己判断し、自己責任で食べなければいけませんので、不安があるようでしたら加熱調理して食べましょう。
釣った魚を活け締めで美味しく保存する方法
活け締めとは「活〆」とは書くこともありますが、活きた(生きた)まま、〆る(殺す)事をいいます。
- 生きている魚のエラに包丁を入れて延髄と動脈を断つ。
- 海水や塩水の入った容器に入れて血抜きする。
実は魚の旨み成分の素ATPは死んだ後に蓄積し、ATPは死後に分解されてイノシン酸という旨み成分になるので、ATPの量が魚の旨味に大きく影響を与えます。
しかしATPは魚が暴れたり、ストレスを感じますと減少します。
魚も嫌な思いをすると味が落ちてしまうのでATPが減る前に〆る事が大事なようです。
科学的に証明されていますが、先人の知恵とはすごいものですね。
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生々しい気もしますが、その場で活け締めしていただけるお店や旅館なでは、処理された魚の尾がまだ動いている光景などを見かけますよね。
これは、活〆しますと、魚の死後硬直が遅れるためです。
死後硬直が遅れますと、新鮮さが長持ちします。
鮮度が良い状態で内臓を綺麗にとることは、味に大きな違いを与えます。
釣った魚を干物で美味しく保存する方法
干物を作るのは実はあまり難しくありません。
釣ってきた魚を干物にして保存するのも賢い保存方法一つです。
手順は以下の通り。
- 魚の下処理をする
- 塩水に漬ける
- 乾かす
塩水は濃度は5%~10%ぐらいの塩水が目安です。
味が薄ければ、醤油やポン酢を付け足すこともできますので、塩辛過ぎないように薄めの5%程度の塩水がお勧めです。
水に浸すのは30分程度。
干す時間は、表面から水分が飛べばOK。指で触って、さらりとしていれば大丈夫です。
せっかく美味しく食べることができる下処理を覚えましたので、正しい保存方法も調べてみることにしました。
魚の正しい保存方法は?美味しさと鮮度を保つ秘訣はコレ!
魚の保存は冷蔵庫にさえ入れておけば安心だと思っている人も多いようです。
しかし、それは魚の鮮度と保つに最適な保存方法だとはいえません。
たとえ、釣りで獲りたての新鮮な魚であったとしても、一般的な冷蔵庫で温度設定されている約3.5度で、一晩置きますと、味はかなり落ちるとされています。
実際には、一晩冷蔵庫で置いたくらいで、腐るとか味がかなりマズくなるということはないのでしょうが、刺身やマリネとして食べるのであれば、鮮度をよりキープしたいですよね。
魚の鮮度を維持できる!冷蔵庫の正しい保存方法
冷蔵庫の温度設定を変更するなどということは必要ありません。
保存する時に、魚のそばや上に、アイスパックや氷を置いておくことで、魚を低い温度に保てます。
新鮮な魚なら、0度に保つことで2〜3日間は鮮度をキープできます。
魚売り場ではよく冷凍魚がアルミニウム素材の容器の上に並べられていますよね?
これは、アルミニウムが解凍に適しているだけでなく、温度をキープする素材であるためです。
魚を保存するときのポイント
- 手をきれい洗う
- 魚を保存するのに適した低温度と環境を整える
- 魚は重ねて保存しない(重なった部分はバクテリアが繁殖しやすい)
- 魚の表面は乾燥させない
冷蔵庫での保存の手順
- 魚を流水で洗う
- キッチンペーパーで魚の表面の水分をふき取る
- 魚の身が重ならないようにジップロックなどの袋に入れる
- 空気を完全に抜く
- 袋にいれた魚をアイスパックの上に置き、その上にもアイスパックを置く
アルミニウムトレイの上で上記の保存するとより効果的です。
また、冷蔵庫の開閉によって温度が変化しないように、冷蔵庫の奥に保存することもポイントです。
アルミニウムトレイの上にクラッシュアイスを敷き詰め、魚を浸すように保存することも。
当日・翌日に調理する場合
頭、えら、内臓を取り除くなどの下処理をします。
空気になるべく触れさせないようにするためにラップで包みます。
ラップの上にキッチンペーパーを敷いて、その上に魚を重ならないように丁寧に包み、冷蔵庫へ保存。
買ってきたトレイをそのまま利用でもOKではありますが、魚が重ならないように注意しましょう。
冷蔵室よりも、チルド室やパーシャル室での保存がより鮮度をキープできます。
調べてみますと、保存状態によってはずいぶん劣化する速度や味に違いがでることがわかりました。
美味しく食べたいのはもちろんですが、保存状態によってはバクテリアの発生も促進してしまうようですので、注意が必要ですよね。
冷蔵庫での正しい保存方法がわかりましたが、魚は冷凍保存しても大丈夫なのでしょうか?冷凍保存はどのようにしたら理想なのか確認してみましょう!
どれくらいの期間、魚は冷凍保存できるの?実は解凍の方法で味が変わる!
考えてみますと、築地市場などのニュースをみますとマグロなどは凍った状態で陳列されていますよね?
つまり、店頭で販売されているマグロの刺身などは、一度冷凍されてから解凍されて陳列されているということになります。
そのように、一度冷凍・解凍された魚を、再び冷凍するというのはどうなるでしょうか?
魚に限らず、生鮮食品は時間が経てば経つほど鮮度を失います。
刺身用の魚は1日、内臓処理していない魚は2日、加熱調理用の切り身は3日程度が目安。
しかし、冷凍した場合、魚の賞味期限は4週間ほどに伸ばすことができます。
魚を冷凍保存する方法
少し手間はかかりますが、新鮮さや美味しさを保つことができますので、ぜひお試しください。
冷凍保存前の下処理
- 内臓・エラ・鱗を処理する
- 水分を拭き取る
- ラップとジッパー付きの保存バッグで密閉する
魚の腐敗は内臓からはじまるので、保存前には内臓を取り除くことがとても重要です。
魚の臭みの大元の原因は血液で、エラには特に血液が多いため、しっかり取り除きましょう。
鱗も臭みの原因になりますので、丁寧に削ぎ落としましょう。
赤い液体が溜まっている魚の乗ったトレーやお皿をみたことがあるかと思います。
これは”ドリップ”と呼ばれ、魚から出てくる水分ですが、ドリップも臭みの原因となります。
内臓などを処理し、魚を軽く水洗いしたら、キッチンペーパーなどで魚を包みこむようにして余分な水分を拭き取りましょう。
空気に触れると細菌が繁殖しやすくなりますので、空気に触れないようにラップでしっかりと包みましょう。
ラップの上から、さらにジッパー付きの保存バッグに入れて冷凍保存をするのですが、その際に、急速冷凍機能を使用するか、アルミトレーに魚を置いて冷凍庫に入れておくのがポイント。
より鮮度と美味しさをキープできます。
魚を冷凍する際の重要ポイント
- 家で冷凍する場合は「生」の表示があるものを処理する
- 一度解凍・冷凍された魚を、再び冷凍処理すると味や栄養分が落ちる
- 食品トレーのまま冷凍すると凍るまで時間がかかり、解凍時にうま味成分が流れ出る
- ラップやジップロックなどに密封し空気を抜いて急速冷凍する
冷凍した魚の解凍方法
冷凍した魚の解凍法はどれも栄養分と旨味成分を含んだドリップ(解凍液)が出ないようにするポイントがあります。
しっかり抑えて美味しく栄養たっぷりの魚を食べましょう。
流水解凍
流水しながら解凍する方法で短時間で解凍できるメリットがあります。
包装してある状態で、ポリ袋などにいれて、水を入れた容器に浸します。
栄養分や旨味が溶け出してしまいますので、魚をそのまま水に浸すのはNG。
細目に出した水道水で20分~30分程度流水するのが目安です。
冷蔵庫解凍
冷蔵庫に移してから、ゆっくり解凍する方法です。
刺身や寿司種など生で食べる場合に適しています。
長い時間をかけて低温下で解凍しなければいけないため、多少時間はかかりますが、ドリップがでません。
衛生的であるだけでなく、旨味成分も逃しません。
約5~6時間程度が目安となりますので、食する時間から逆算して解凍を開始しましょう。
自然解凍
冷暗所に置き、部屋の温度で自然に解凍する方法です。
ポイントは包装を開封しないこと。
開封して解凍しますと、表面だけが解けて内部は凍っている状態となりますので、ドリップが多くでてしまい、栄養分や旨味成分も流れてしまいます。
急速解凍
電子レンジを使っての急速解凍方法で、一番短時間できます。
冷凍用バッグから魚をとり出し、ラップを丁寧にはがしてペーパータオルの上にのせ電子レンジへ。
加熱時間の目安は100gで30~40秒。
とはいえ、電子レンジのワット数や魚の厚みにもよりますので、短い時間にセットして様子をこまめにみながら解凍しましょう。
解凍にムラができて、部分的に煮えてしまうなどは避けたいので、厚めの魚は裏返すなどして工夫しましょう。
まとめ
賞味期限切れの魚について調査した結果は以下の通りです。
- 魚の消費期限は水揚げから4~5日程度(保存状態などで異なる)
- 店頭で購入した魚は消費期限を目安に見た目や臭いで食べられるかを確認
- 刺身用はなるべく当日に食べ、消費期限切れなら加熱処理する
- 釣った魚はすぐに活け締めする
- 魚を冷蔵保存する場合は低温度と低湿度で保つ
- 粕漬け・味噌漬けなど味をつけると消費期限を伸ばすことができる
- 生食用の魚は下処理をして冷凍保存できる
- 魚を正しく解凍するとドリップが出ない
いかがでしたでしょうか?
魚の消費期限をチェックし、その期日を目安にしながら多少消費期限が過ぎていても問題なく食べれることがわかりました。
冷蔵庫の保存もちょっとした工夫で、鮮度や美味しさをしっかりキープしながら安心して食べられます。
冷凍方法は少し手間はかかるようですが、鮮度も美味しさも変わらず保存できのであれば、大したことではないですよね。
解凍時に、せっかく正しく冷凍保存した魚を台無しにしないように気をつけましょう。
魚は冷蔵・冷凍保存ともに問題なくできることがわかりましたが、そうはいっても生鮮食品なのでなるべく早めに食べることをおすすめします。