【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
「キャベツでダイエットするぞ!」と決意し、多めに買い込んできたのはいいのですが…。
2玉目を切ったときに、キャベツの芯や内側の葉の部分など、切り口に黒ずみが!
とっさに「えっ、もしかしてカビ?」と思ったのですが、キャベツの黒ずみの部分は食べられるのでしょうか?
「ダイエットにはキャベツでしょ♪」と思ってよく買うのですが、大量買いがあだになったかも…?
キャベツの変色程度なら食べても大丈夫なのか、それともカビなら体によくなさそうですよね。
そこで、キャベツの黒ずみについて調べてみることにしました。
今回はほかにも…
- キャベツの黒ずみの部分は食べられる?
- 芯の部分が黒っぽく変色していたらどうすればいい?
- 葉に黒い点々があるのが気になる
- ピンクっぽくなってるけど、大丈夫…?
以上のような内容で、「キャベツの食べてもよい状態」と「食べないほうがよい状態」をはっきりと線引きしようと思います。
一人暮らしをしている私の弟は「使い切れないから」と、カット野菜を購入しているそうです。
でも、カット野菜は高いうえに、日持ちもしませんよね。キャベツの千切りなんかも黒ずみやすいですし。
半玉で買っておいて少しくらい古くなっても、火を通せば問題なさそうな気がしますが…。
私の場合は、「幼い子どもに傷みかけた野菜は食べさせたくないし…」と悩み、結局は捨ててしまうことが多いです。
同じお悩みのある方は、新鮮なキャベツの選び方や上手な保存方法もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧くださいね!
管理栄養士・栄養士
目次
キャベツの黒ずみや斑点は、食べても大丈夫?
ここでは分かりやすいように、キャベツの変色の色みや変化の状態を、ケースごとに解説していきますね。
キャベツの断面や葉の変色部分は食べられるの?
まずは、キャベツの断面や葉先などに、黒ずみがある場合について見ていきましょう。
- キャベツを切った断面に、黒ずみや茶色っぽい変色がある
- 葉に点々と黒いしみがある
⇒酸化して黒ずんでいるが、食べるのには特に問題ない
キャベツの断面の変色
切った断面が黒い色に変色する原因はポリフェノールで、酸化して黒っぽく変化してしているので、食べても問題ありません。
「キャベツを半分に切って調理し、残りはラップで包んで冷蔵庫に入れ、後日使おうとしたら切り口が黒ずんできていた!」
こんなこともありますが、このようにカットキャベツの断面の変色は、大丈夫な例です。
黒ずんでいるのが気になるなら、表面を切り落とせば、中は綺麗な状態のままですよ。
私も黒っぽいのは抵抗があるし、見た目が悪くて子どもが嫌がりそうなので、表面だけ薄く切り落としています。
キャベツの千切りやみじん切りの変色
キャベツを千切りにしたりみじん切りにしたりした場合、変色するのも早いですよね。
この場合も酸化が原因ですが、カットすることで多くの部分が酸素に触れるため、より変色しやすくなります。
食べられるかどうかですが、変色するだけでなく水分も失われてしまうので、味が落ちてしまいます。
そのため、食べても問題ありませんが、見た目的にも美味しさ的にもよくはないでしょう。
葉に黒い点々がある場合
黒い点々が散らばっている場合は、大抵が黒カビというわけではなく生理現象です。
肥料が多すぎると黒い斑点が出るのですが、この場合も食べても問題ありません。
また、春キャベツに多く見られる葉の周りや葉先の黒い変色も、寒さによる生理現象なので食べてもOKです。
キャベツ全体がみずみずしい感じならば、黒ずみがあっても鮮度は保たれています。
ただし、あまりにも多く黒ずんでいて、キャベツ全体が黒っぽくなってしまっている場合は、病気や腐った状態かもしれません。
紙に鉛筆で点を打ったような細かい斑点が散らばるだけなら大丈夫です。
ぬめりや臭いなど、野菜が腐ったときの様子が現れていないかチェックしてみてくださいね。
キャベツの中や芯、その周辺が変色している場合は?
次に、キャベツを切った際に、内側や芯などが変色している場合について確認しましょう。
内側で枯れかけてるようなグレーに変色している
⇒食べても問題ないが、美味しくないので取り除いたほうがよい
グレーっぽい部分はカルシウムの欠乏による芯腐れで、生育過程の気温によってできるものです。
食べても問題はないのですが、美味しくはないので取り除いたほうがよいでしょう。
葉が黄色っぽくなってきた
⇒食べても問題はないが、早めに食べ切ろう
キャベツは収穫後も生きている状態です。
土から栄養がもらえなくなったら、自分自身の栄養を消費してしまうので、黄色のキャベツは栄養分が少ない状態です。
食べられないわけではないのですが、早めに食べ切ってしまいたいですね。
ちなみに一番栄養分を必要とする芯をくり抜いておけば、黄色に変色するのをある程度は防げますよ。
キャベツの底から外側にかけて変色している!
⇒変色部分を切り落とせば食べられる
これは酸化による変色で、収穫して出荷されるまでの期間が長かった場合に見られる現象です。
特に、外側で大きな範囲で黒くなっている場合は、はがして捨ててしまいましょう。
芯や葉が紫色やピンクなどに変色している
⇒食べても問題ない
葉が変色する理由ですが、冷気によりキャベツのアントシアニンが出ているだけなので、食べても問題ありません。
ただし、気になるなら取り除いておきましょう。
芯が紫色に変色している場合も、ポリフェノールが酸化しているだけなので、普通に食べられますよ。
キャベツに白いものがついてる!これは虫?肥料?
キャベツが白っぽくなっている場合もありますよね。
この場合はどうなのでしょう?
⇒食べても問題ないが、気になるなら洗い流せばよい
「濃い農薬を使っているのかなぁ」と思うと、生で食べることに抵抗を感じてしまいますが…。
白っぽいのは農薬ではなく、キャベツの葉から出た成分が表面についているだけなんです。
これは、ブルームと呼ばれる粉状に分泌されたロウ質で、キャベツ自身が乾燥や低温、太陽光線、摩擦や病原菌の感染などから身をを守るために出しているものなんです。
このブルームがあるキャベツは、新鮮な証拠なんですよ。
そのキャベツ、腐っていませんか?
黒っぽく変色していても、食べられる状態であることが多いキャベツは、腐っているかどうかの判断が難しいです。
葉のみずみずしさや青々とした色などの状態も、加味しておくと判断がしやすいです。
反対に「これは絶対に腐っている!」という状態を知っておくことも、判断の助けになりますよね。
古くなってきて不安なときは、こんなことに注意して観察してみてください。
溶けている | NG!時間⽔に浸けていると腐って溶けてしまいます |
ぬめりがある | NG!ドロドロしたり、変な液体が出ている場合も危険です |
キャベツ独特の臭い | OK! |
酸っぱい臭い | NG!腐った食べ物特有の酸っぱい臭いは絶対にダメです |
キャベツが食べられるかどうか、NGな場合とOKな場合を見てきましたが…。
その前に、できるだけ新鮮なキャベツを選んで購入できたらよいですよね。
次は、新鮮なキャベツを見分ける方法を紹介します。
新鮮なキャベツの見分け方と保存方法
キャベツの傷み具合を見極めることも大切です。
しかし、そもそも新鮮なキャベツを購入し上手に保存すれば、食べられるかどうかで悩む前にキャベツを食べ切ってしまえますよね。
そこで、キャベツを見分ける方法と、上手に保存する方法を紹介したいと思います。
キャベツが新鮮かどうかはここをチェック!
ではさっそく、新鮮なキャベツを見極める方法を確認しましょう。
新鮮なキャベツの選び方
- キャベツの裏の芯の切り口の部分を見て、みずみずしければ新鮮
- 収穫に適した時期を逃したキャベツは、芯の部分に亀裂が入って腐りかけていたりする
- 外側の葉っぱが濃い緑色で分厚いものは鮮度が高い!
- 持ったときに”ずしり”と重みのあるものは、葉がきっちりと巻かれていて美味しい
- 黒い斑点がなく、葉がしっかりと巻かれていて、外側に反れていないものを選ぼう
鮮度が落ちているキャベツは、しおれてきてツヤがない状態です。
いかにもみずみずしい感じの、キュッと引き締まって巻かれているキャベツを選んで購入しましょう。
ただし、春キャベツは葉がふんわりと巻かれたもののほうが美味しいです。
春キャベツか冬キャベツかでも判断が変わるので、注意してくださいね!
また、春キャベツの場合は、芯の切り口が大き過ぎると、育ちすぎてしまった証拠。
キャベツを手に取って裏返したときに、芯が500円玉よりも小さく、全体にみずみずしい感じのものが新鮮なキャベツです。
キャベツを上手に保存して変色を防ごう
新鮮なキャベツを買って来たら、上手に保存して鮮度を保ち、変色を防ぎましょう。
キャベツを上手に保存するためのコツは以下の通りです。
- キャベツは涼しいところを好むので、基本的には冷蔵庫で保存しよう
- キャベツは芯が一番水分を必要とするので、芯をくり抜いておくとよい
- 芯をくり抜いたあとは濡らしたキッチンペーパーを詰め、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存する
- キャベツを丸ごとは使わないときには、切らずに外側から順に葉を剥いで使うようにする
キャベツの芯をくり抜いておくと、芯に水分を取られて葉がしおれていくのを防げます。
キャベツを裏返して、芯のまわりから中心に向かって斜めに包丁を入れます。
そして、手でねじり切るようにして”くさび形”に芯をくり抜くとうまくいきますよ。
芯をくり抜く際は、指を切らないように注意してくださいね。
包丁を使うのが難しい方は、果物ナイフや芯をくり抜くための器具を使うとやりやすいですよ!
あとは、くり抜いたところから水分が抜けていかないように、濡らしたキッチンペーパーを詰めておくのがポイントです。
芯をくり抜くことで葉をむきやすくなり、最初のひと手間で毎回の調理がスムーズになります。
また、芯に詰めたキッチンペーパーは、使うたびに取り換えるようにしましょう。水が傷む原因になりますからね。
ところで、キャベツ1玉って結構大きいですよね。
より長持ちさせるためには、スーパーのレジ袋などでに入れて袋の空気を抜いておくとよいですよ。
キャベツは1玉丸ごと買っても、1週間~10日程度は持たせられます。上手に保存すれば、2週間持つことも!
ぜひ鮮度を保って、美味しく食べ切りたいですね。
まとめ
ではここで、これまでの要点を再確認したいと思います。
以下のキャベツは食べてもOK
- キャベツを切った断面の黒ずみや茶色っぽい変色、点々と黒いシミがある
- 内側で枯れかけてるようなグレーに変色している
- 葉が黄色っぽくなってきた
- キャベツの底から外側にかけて変色している
- 紫、ピンクなどに色が変色している葉がある
- 芯が紫色に変色している
- キャベツに粉っぽい白いものがついている
キャベツが腐ったらこうなります
- 黒く溶けているもの、ぬめりがあるものは腐っている
- ドロドロしたり変な液体が出ている場合も危険
- 腐った食べ物特有の酸っぱい臭いは絶対にダメ
新鮮なキャベツの選び方
- キャベツの芯の切り口の部分がみずみずしければ新鮮
- 適切な時期に収穫されなかった場合、芯に亀裂が入って腐りかけている
- 外側の葉っぱが濃い緑色で分厚いものは鮮度が高い!
- ずしりと重みのあるものは、葉がきっちりと巻かれていて美味しい
- 葉がしっかりと巻かれていて、外側に反れていないものを選ぼう
キャベツの上手な保存方法
- キャベツは基本的には冷蔵庫で保存する
- キャベツは芯をくり抜いておくと長持ちする
- キャベツを丸ごと使わないなら、外側から順に葉を剥いで使う
キャベツに限らず、野菜の病気が人体に影響するということは、あまり心配しなくてもよいです。
ただし、病気の程度によっては野菜の外観が悪くなったり、味に影響したりすることはあるので、美味しさのために取り除くだけです。
カビが生えたり、腐ったりしているわけではないので、全部を捨ててしまう必要はありません。
変色した葉をはがす、部分的に削ぐなどをして対処すればOKですよ。
また、野菜をカットした状態で長時間置いておくと、水分が失われてしなびてしまいます。
さらに、次第に味や栄養素が損なわれていくので、早めに食べるよう心がけましょう!
キャベツは比較的日持ちするので、1玉で買っても十分に使い切れますし、いろいろな料理に使い回せる便利な野菜です。
新鮮なキャベツを選び、その栄養素や美味しさを余すことなく味わえるように上手に保存しておきしたいですね。