私の母は切手を貼った封筒を書き損じてしまうことがあり、よく切手を再利用していました。
記憶を呼び起こすと、その切手の中にはヨレヨレになったものや少し欠けたものもあったような気がします。
あの切手たちは、無事に再利用できたのでしょうか?
今回は、切手の再利用について以下の項目を掘り下げてご紹介していきたいと思います。
- 切手の再利用はOK?どうやって剥がすの?
- 消印漏れの切手は再利用してOK?バレるとどうなる!?
- 切手を剥がす以外の再利用方法はある?
- 切手の、色々な再利用方法。
- 使用済み切手で社会の役に立つ方法。
私が子供のころ(30年以上前)母が商売をしていたのですが、その頃はメールもLINEもなく、お客様とのやり取りは全て手紙でした。
事務机とデスクマットの間に、再利用するための切手が挟まっていたのをよく見ていました。
切手を再利用するには剥がし方のコツがあるのか、どんな状態になった切手は再利用できないのかなど、
今回は切手の再利用について、自分で使う方法はもちろん、なかなか知ることのできない情報も一緒にお届けしていきます!
目次
切手は再利用してもいいの?消印なしの未使用ならこの方法で剥がせる!
冒頭でもご紹介したとおり、切手は一度貼ってしまっても、剥がして再利用が可能です。
ただ、それには重大な条件が1つあります。
消印なしの未使用であること!
切手の代金=郵便物の配達料金です。
消印は、「切手の代金を使いきった」という証ですので、消印ありの切手は再利用できません。
ということは、郵便ポストに投函する前の状態なら、キレイに切手を剥がすことができれば再利用できるということですね。
そこで、上手に切手を剥がす方法を3つご紹介します。
切手の剥がし方 その1
1. 切手の周囲の部分も含めて、小さく切り取る。
2.小皿などに水かぬるま湯を入れ、切手を浮かべる。
このとき、私は一度切手を沈ませて全体を水で濡らします。
私の経験では、全体を水で濡らした方が、切手が早く剥がれやすいように思います。
3.数分~20分程で、切手をキレイに剥がすことができます。
十分に時間を置くと切手が自然に剥がれますが、剥がれにくいときは手で丁寧に剥がしてみて下さい。
4.切手が乾燥したら、再利用することができます。
自然乾燥でも、ドライヤーなどで乾燥させてもOKです。
ドライヤーだと、あっという間に乾燥します。
私は、この方法でたくさんの切手を剥がしてきました。
切手表面の絵が薄くなったり、値段部分の印字が消えたりしたことはありません。
切手の剥がし方 その2
切手の表面を濡らすことに抵抗のある場合は、こちらの方法をお試し下さい。
1.切手を封筒などから切り取るときに、切手の周囲の部分をあまり含めず、ギリギリの位置で切り取ります。
2.切手の表面を上にして、水かぬるま湯にのせます。
スポンジに水かぬるま湯を含ませて、その上に置いてもOKです。
3.数分~20分ほどで切手を切りに剥がすことができます。
この方法で切手を剥がすと、切手裏面の糊を残して剥がすことができます。
切手の剥がし方 その3
市販の『切手はがし』を使用します。
切手を貼った裏面から、切手はがしの液をかけて剥がします。
ただ、切手はがしの液が切手の表面に染み込むと、表面の絵が薄くなってしまうことがあります。
切手にシワやシミができることもありますので、「再利用するのはちょっと抵抗を感じる…」という状態になるかもしれません。
切手の再利用の条件は、”消印なしの未使用”でしたね。
”消印なし”の中には、郵便局での消印漏れというものも、たま~にあります。
消印漏れの切手は再利用できるのでしょうか?
消印漏れの切手を再利用してもいいの?バレるとどうなるの?
”消印漏れ”とは、下の画像のような消印が、切手と離れた場所にスタンプされていて、切手が全く汚れていないような場合です。
「切手に消印の痕跡が無くてラッキー!この切手、再利用できる♪」と思いたくなります。
スタンプが薄くて、こすればキレイに消えそうな消印も、たま~にあります。
使用済みの切手を再度利用したことがバレた場合には、実は郵便法に定められた厳しい罰則があります。
まずは、「こんな切手は無効だよ」という条文を簡単にご紹介します。
【汚れている(消印も含まれます)】、【切手の一部が欠けている】、【切手の料金の部分に汚れや欠けがある】という状態の切手は、無効となる。
(郵便法第三十条)
次に、偽装した切手を使用したときの罰則です。
切手の料金部分を偽装して別の金額にしたり、消印の跡を消して使用したりした場合は、10年以下の懲役になります。
偽装や消印の跡を消した切手を他人にあげる・売るのも同様の罪で、その切手を受け取った人も同様の罪となります。
(郵便法第八十五条)
最後に、不法に郵便料金を支払わない場合の罰則です。
不法に郵便料金を免れた人、他人に郵便料金を免れる方法を教えて実践させた人は、30万円以下の罰金となります。
(郵便法第八十四条一項)
郵便法では、消印漏れの切手について取り扱いを定めていません。
でも、私達の日常生活で、一度に使う切手は数十円~数百円ですよね。
その切手のために不正をしたことがバレて、こんなに重い罰則が科せられるのは割に合いません!
また、「消印漏れの切手を使っても肉眼ではわからないから大丈夫」と思っていても、
実は郵便局では、郵便物の郵便番号と住所をバーコードに変換して、肉眼では見えないプリントを郵便物にしています。
そのプリントが切手にかかっていることもありますので、肉眼で見えなくても、使用済みの切手であることがバレる可能性があります。
使用済みの切手を再利用するのはやめましょう!
次に、切手の再利用方法の1つとして、切手を剥がす以外の方法をご紹介します。
そんな事もできるの?切手を剥がす以外の再利用方法とは?
切手を剥がす以外の再利用方法を紹介します。
意外と思いつかないような方法もありますので、ぜひチェックしてみて下さい!
切ってそのまま使う
切手本体を切らないように、なるべく切手ギリギリのところで切り取ります。
そのまま他の封筒などに糊で貼りつければ、再利用することができます。
見た目には、明らかに再利用したということがわかってしまいますが、切手が書き損じた封筒などから剥がれなくて、無理やり剥がすと破損切手になってしまいます。
使い道がなくなり、捨てるしかない状況となってしまいますので、無理に剥がすよりは有効な方法です。
手数料を支払って新しい切手に交換する
一度封筒などに貼り付けた切手を再利用したときに、「再利用だということが、相手に分かるのが嫌だ」という場合は、手数料はかかりますが交換することができます。
切手に汚れ、破れ、欠けなどがあるときは、交換してもらえないこともあります。
そのような切手をお持ちの場合は、現物を郵便局に持って行って郵便局員さんに相談することをおすすめします。
切手などを交換するときの手数料をご紹介します。
郵便切手、通常ハガキ | 1枚 5円 |
往復ハガキ、郵便書簡 | 1枚 10円 |
特定封筒(レターパック) | 1枚 41円 |
10円未満の郵便切手や郵便ハガキ | 交換したい合計額の半額 |
豆知識:ハガキやレターパックなどの金額部分を再利用することはできるの?
ハガキやレターパックなどの表面に、切手のような部分がありますよね。
その部分を「料額印面」といいますが、料額印面は切り取って再利用できません。
手数料を支払って、新しいハガキやレターパックなどに交換することができます。
ここまでで、切手を再利用する方法をご紹介してきました。
一度封筒などに貼り付けてしまった切手でも捨てる必要がないということがわかって安心したのではないでしょうか?
ここからは、目からウロコの情報として、切手を郵便目的以外に利用する方法をご紹介していきたいと思います!
そんな手もあったのか!切手を郵便目的以外で利用する方法とは?
切手を郵便目的以外で再利用する方法は意外とたくさんあります。
今回はその中から、日常生活で簡単に再利用できる方法3つをご紹介します。
オークションなどの支払いに利用する
私はヤフーオークションをよく利用しますが、「切手、図書券、ギフト件などの金券での支払い可能」という商品があります。
商品の落札ができたら出品者に切手を送り、出品者が切手を受け取ったら商品を発送するという手順で取引されます。
スムーズに取引できればメリットもあるのですが、デメリットも知っておく必要があります。
オークションなどの支払いに切手を利用するメリット
- 振込手数料より、郵便料金の方が安い。
- 自宅に余っている切手が大量にある場合は、金券ショップなどで換金するよりも有効な利用方法といえる。
オークションなどの支払いに切手を利用するデメリット
- 普通郵便で送ってしまうと追跡ができないので、出品者が「届いていない」とウソをつく可能性がある。
- 「切手額面の1割増しで支払うように」などの指定をされて、割高になることもある。
- 切手が出品者に届いてからの商品発送なので、商品到着まで時間がかかる。
- 切手の種類(10円以下の切手はダメなど)を特定されると、かえって不便になることがある。
- 追跡のために簡易書留などを使う方法もあるが、振込手数料よりも高くつく。
オークションで切手払いに利用する場合は、メリットとデメリットをよく考えてこんなことに注意しましょう!
- 追跡が残る方法で郵送する。
- 配達中に支払い用の切手が汚れたりしないように、ビニールなどに入れてから封筒に入れる。
- 封筒の表書きに『切手在中』などと書かない。(盗難防止のため)
- 支払い用の切手には、自分のIDや落札した商品名などを書いた紙も同封する。
- 82円切手の2円など、端数も商品金額として計算してもらえるかを出品者に確認する。(端数は切り捨てて計算する出品者もいます。)
- 切手が破損しないように、厚紙などに挟む。
切手をオークションで売る
オークションサイトでは、切手の売買が行われています。
年代物や記念切手だけではなく、大量の切手シートのまとめ売りもあります。
値段は、切手額面の5%~50%引きで出品されています。
切手を金券ショップで換金する
換金率は額面の7割程度ですが、お手もとに大量の切手が余っていて、すぐに換金したいという場合は便利な方法です。
切手を金券ショップに持っていけばいいだけなのですが、こんなことに注意です。
- バラバラでは買い取りをしてくれないこともある。
- 切手シートでも、何枚かが使用済みの場合は買い取りしてくれないこともある。
- 切手の種類や枚数をある程度そろえないと、買い取りしてくれないこともある。
消費者心理としては、使わない切手は郵便局で買い取ってほしいものですが・・・。
郵便局で切手の返金はしてもらえません。
上記でご紹介した手数料を支払って、切手、ハガキなどの郵便商品に交換することになります。
最後に、手元にある使用済み切手で社会貢献できる方法をご紹介します。
使用済み切手はゴミじゃない!その切手で救われる誰かがいます!
私はこれまで、使用済み切手を迷わず捨てていました。
でも今回切手の再利用について詳しく調べるうちに、使用済み切手もゴミではないという情報を知ることができました。
郵便局の回収ボックスに使用済み切手を入れて社会貢献!
郵便局に使用済み切手の回収ボックスが設置されているのを見たことはありませんか?
この回収ボックスで集められた使用済み切手は、公益財団法人日本郵趣協会が行っている事業のひとつ「手紙を書こう!プロジェクト」に役立てられます。
郵便局で使用済み切手を回収
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1kg単位でボランティア団体に郵送
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ボランティア団体が切手の種類ごとなどに仕分け
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1kgごとにボランティア団体が販売
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切手商や切手収集家が購入
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販売されたお金は、『手紙を書こうプロジェクト』に使われます。
手紙を書こうプロジェクトは、郵便切手を通して、教育や人と人をつなげる事業などを行っています。
たとえば・・・
ゆうびんde自由研究・作品コンテスト
小学生を対象に、消印のデザインを募って郵便切手への興味を育て、知識や研究を深めることを目的としています。
タイムカプセル郵便
10年後までの自分・大切な人に手紙を書き、未来の指定する日・場所に届くよう、手紙を管理・配達してくれるサービスです。
使用済み切手の寄付を募っている団体に寄付して社会貢献!
使用済み切手の寄付を募っているいくつかの団体をご紹介します。
上記と同じく、使用済み切手を集めて、切手商や切手収集家に販売したお金が社会貢献につながります。
JOCS(公益社団法人 日本キリスト教海外医療強力会)
使用済み切手を販売したお金を、アジアやアフリカの保健医療事情の向上のために寄付しています。
JOICEP
世界中の女性支援活動資金となります。
海外だけではなく、日本国内の災害などの影響で困っている女性や母子の支援にも取り組んでいます。
Jaws(公益社団法人 日本動物福祉協会)
動物を虐待から守るなどの目的で、動物福祉の理解を広める活動の資金となります。
それぞれの団体ごとに、切手の種類や郵送方法などのお願いがありますので、寄付を検討なさる方はホームページをチェックしてみて下さいね。
まとめ
切手の再利用についてご紹介してきました。いかがでしたでしょうか?
ポイントをまとめてみます。
- 消印なし、未使用の切手は再利用が可能。
- 消印漏れの切手を再利用するのはおすすめできない。
- 消印なし、未使用でも、汚れや欠けがあると交換できないことがある。
- オークションでの商品購入代金など、郵便目的以外で切手を利用する方法もある。
- 使用済み切手は、寄付することで社会貢献をすることができる。
”切手=お金”ですので、今回ご一緒に見てきた内容をもとに、無駄にせずにきちんと使いたいなと思いました。
更に、使用済み切手を寄付することで社会貢献ができるということを初めて知りました。
これまでは何気なく捨てていた封書も、これからは切手を大切に切り取って保存しておこうと思います!