【執筆者:編集部 今冨るみ子】
東洋大学は「レベルが低い」「頭悪い」などという人がいますが、実際は共通テストで8割取っても落ちる難関校です。
近年の東洋大学はたいへん人気で、どの学部も高い倍率になっています。
この記事では、東洋大学のレベルが上がりすぎた噂の検証や人気の理由などを紹介します。
- 落ちる噂の検証
- レベルが上がりすぎた理由
- 人気のポイント
- 受かりやすい学部はあるのか
東洋大学を滑り止めの感覚で受験するつもりの人にも読んでもらいたい内容です。
目次
東洋大学は8割取っても落ちる可能性が | レベルが低い・頭悪いは嘘
東洋大学は滑り止めに受験する人が多いといわれていましたが、近年では偏差値が上がり共通テストで8割の正答率でも落ちることがあり、何割取れば確実に受かるとはいえなくなりました。
えええ、東洋大学国語も英語も8割後半言ってたと思ってたけど落ちてる!やっぱり日本史が全然だったからかなぁ
— ルナサが可愛いすぎてたまらない人 (@minaraiminaraik) February 19, 2018
東洋大学は日東駒専という、日本大学、東洋大学、駒沢大学、専修大学の同じくらいのレベルの中堅私立大学にまとめられており、MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)の滑り止めとして受験されることが多い大学でした。
しかし、近年では東洋大学の入試は難しい傾向にあり、滑り止めで気軽に入れる大学ではないようです。
【滑り止めを舐めてはいけない】
どこ志望だろうが、
滑り止めの大学を舐めてはいけない。今日から東洋大学の入試が始まったけど、
『8割5分で落ちた』
『MARCH受かったが東洋には落とされた』
という書き込みもある。
滑り止めの大学の、不合格者の書き込みを読んで油断せずに行こう。#受験BBS pic.twitter.com/8EUCrzDk6o— 受験BBS 大学別の受験生掲示板 (@juken_bbs) February 8, 2023
実際に2022年度の共通テスト得点率は、学科やテストの種類によって幅はありますが、8割を超えている学部があります。
偏差値 | 共通テスト得点率(%) | |
---|---|---|
食環境科学部 | 45.0 | 62~69 |
健康スポーツ学部 | 45.0~52.5 | 60~73 |
理工学部 | 58~72 | |
情報連携学部 | 45.0~55.0 | 68~82 |
経営学部 | 45.0~57.5 | 62~81 |
生命科学部 | 47.5~50.0 | 57~65 |
法学部 | 47.5~55.0 | 65~77 |
文学部 | 47.5~57.5 | 62~80 |
経済学部 | 57~82 | |
社会学部 | 65~81 | |
社会福祉デザイン | 50.0~52.5 | 57~74 |
総合情報学部 | 71~78 | |
国際学部 | 50.0~57.5 | 63~75 |
国際観光学部 | 55.0~57.5 | 63~79 |
もっと詳しい内容を知りたい場合はパスナビを参照してください。
日東駒専のなかでも東洋大学の難易度が高くなったのは、いくつか理由があります。
東洋大学のレベルが上がりすぎた理由
近年、とくに東洋大学がレベルが高いといわれるようになったのには、つぎの理由があるとされています。
- 定員管理厳格化
- 立地のよさ
- 学部の新設と増設
- 就職実績
私立大学の合格者数を減らさなければならない制度ができたのは、かなり影響があったといえるでしょう。
大学入試の定員管理厳格化で倍率が高い状況に
2016年度から文部科学省による定員管理厳格化が始まったことで、私立大学入試の難化への影響を受けたといわれています。(※2)
大学入試の定員管理厳格化
募集人数よりも多い数の入学者を入れた場合、国からの補助金を減額する制度
それまでは多くの私立大学が、入学辞退者が出て定員割れするのを防ぐため、定員以上の合格者を出すのが通例でした。
しかし、大学側は定員管理厳格化により合格者を減らさなければならなくなり、MARCHに不合格だった人が東洋大学を再受験することが増えました。
私立大学の難化によって、模試がA判定なのに不合格になった例があったり、3月後半になってから大学から合格通知が届く「追加合格」が増えたりなど、受験生には良くない状況になりました。
そこで、2023年度の入試から定員管理厳格化の緩和が行われるようになったそうなので、私立大学の難化に少しいい影響があるかもしれません。
私立大学の難化もですが、東洋大学そのものの人気が高くなったことも入りにくくなった理由です。
キャンパスの立地がいい
東洋大学の人気の1つにキャンパスの立地がいいことがあります。
メインキャンパスである白山キャンパスは、都内の主要な駅へのアクセスが便利です。
キャンパス | 学部 |
---|---|
白山キャンパス(東京都) | ・文学部 ・経済学部 ・経営学部 ・法学部 ・社会学部 ・国際学部 ・国際観光学部 ・イブニングコース |
赤羽台キャンパス(東京都) | ・情報連携学部 ・福祉社会デザイン学部 ・健康スポーツ科学部 |
朝霞キャンパス(埼玉県) | ・生命科学部 ・食環境科学部 |
川越キャンパス(埼玉県) | ・理工学部 ・総合情報学部 |
板倉キャンパス(群馬県) 2024年に 朝霞キャンパスへ移転 |
・生命科学部 ・食環境科学部 |
赤羽台キャンパスは白山キャンパスには劣りますが、アクセスはいいといわれています。
学部によっては交通の便がよくないキャンパスや埼玉・群馬県にもあり、ときには移転もあるようです。
東洋大学の学食レベル高すぎる pic.twitter.com/ENudPULYGb
— ユタさん🐥 (@yutasan_chick) November 10, 2022
時代のニーズに合わせた魅力的な学部もつぎつぎと新設されています。
時代のニーズに合わせた学部の新設や増設
東洋大学は学部の新設や増設・改組、キャンパスの移転などを積極的に行い、常に時代のニーズに沿っていることも人気の理由です。
グローバル化に対応した国際学部や、立教大学の観光学部に次ぐ名門として人気の国際観光学部、IT関連の実践的な学びが出来る情報連携学部や総合情報学部など、世の中の流れに合わせた学部をどんどん新設しています。
文学部、経済学部、経営学部、法学部、社会学部、国際学部に夜間のコースがあるのも人気の理由の一つです。
卒業後の進路もしっかりしているのは安心できますね。
就職実績がいいのは重要ポイント
東洋大学の就職実績も人気の理由の一つで日東駒専の中でも高いです。
2022年3月卒業生の就職率は97%で、そのうち上場企業が20%、大企業が33.8%を占めています。
こちらの書籍は82校の特徴や卒業生の声など、大学選びの参考になります。
人気の東洋大学に受かりやすい学部はあるのでしょうか。
東洋大学で受かりやすい学部はないと思った方がいい
私立大学の後期日程の受験だけでいうと倍率は30~50倍といわれており、東洋大学も前期・中期・後期でどの学部が受かりやすいかは何ともいえません。
東洋大学の入試は、大学入学共通テスト利用・一般・多面的評価・実技の方法があり、前期・中期・後期で出願できます。
入試の種類 | 内容 |
---|---|
共通テスト利用 | 共通テスト成績のみ |
一般 | 独自の学力試験 |
多面的評価 | ・英語外部試験スコア ・小論文 ・グループディスカッション |
実技 | 実技科目のみ |
また、全学部の一般入試前期と共通テスト利用入試前期で、英検利用ができる「英語外部試験利用入試」が導入されています。
日東駒専が受験校になる可能性のある高2以下、英検2級を絶対取っておいておくれ。例えば東洋大学では英語の試験を8割換算してくれるよ。
ただし学校によって使える学部が異なったり有効期限が異なるので、各大学の入試要項を必ず確認してくれよな!— K │フリーランス講師(online) (@StudentsKay) October 12, 2022
東洋大学の受験は滑り止め感覚ではなく全力で挑みたいですね。
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結論 | 東洋大学は8割取っても落ちることがある | 滑り止めは危険
- 7、8割取っても落ちることがある
- レベルが低い・頭悪いは嘘
- 大学入試の定員管理厳格化で落ちる人が多くなった
- 立地や学部なども人気のポイント
- 入りやすい学部はない
東洋大学は共通テストで8割取っても落ちることがあり、口コミで言われるようなかんたんに入れる学校ではありません。
その背景には大学入試の定員管理厳格化がありますが、2023年の入試から緩和されるのでその影響に期待したいですね。
入りたい学部があれば、滑り止めの感覚ではなくしっかり準備しておきましょう。