【執筆者:編集部 高田ゆみ】
不幸があった人への声かけがよくわからない。職場で身内が亡くなった人にかける言葉がわからないと困るな・・・。
人が亡くなった時にかける言葉には意味があるので、きちんと把握しておかないと間違った使い方になります。
そこでこの記事では、職場におけるお悔やみの言葉を正しく使うポイントについて以下の項目を紹介します。
不幸があった人への声かけのこと
- 職場でのポイント
- よく使われるお悔やみの言葉
- 上司や同僚などにかける言葉
- メールやラインで使える例文
大切な人を亡くした遺族へかける言葉を間違えると失礼なので、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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目次
不幸があった人への声かけ|職場でのポイント
職場における不幸があった人への声かけは、上司や同僚などの立場によって大きく変わりませんが、不適切な言葉には注意が必要です。
会社の場合は弔電や花輪などを準備する都合や弔問に訪れる人もいるため、訃報の連絡を受けた際には確認すべき点もあります。
とくに注意したいのが、遺族にかける言葉でよく使われる「ご冥福をお祈りします」です。
「ご冥福をお祈りします」は宗教によって使えない
よく使われる「ご冥福をお祈りします」とは、遺族にかけるお悔やみの言葉としては適さず、宗教・宗派によっても適しません。
冥福とは
仏教において亡くなった人が行くとされる冥土での幸せを意味しており、本来は遺族に対してではなく故人に対してかける言葉です。
- 浄土真宗
- 神道
- キリスト教
いずれも「亡くなった人が冥土に行って幸せになる」との考え方ではないのが、適さない理由です。
仏教のなかでも浄土真宗は「亡くなった人は仏様になるから、冥土で過ごすことがない」との考え方なので、冥福は祈りません。
- 「ご愁傷様でございます」
- 「心よりお悔やみ申し上げます」
葬儀の受付で香典を渡す際にも、「このたびはご愁傷様でございます」と一言添えるのが正しいマナーです。
香典袋も宗教・宗派によって適した表書きがあります。
何を用意したら良いかわからない場合は、白無地の不祝儀袋があると便利です。
敬称の使い方に注意
故人に対する敬称についても、遺族になった職場の人との関係性を考慮して正しく使わなければいけません。
とくに弔電やメールなどで文章化する際には、正しい敬称を使いましょう。
遺族からみた続柄 | 敬称の例 |
---|---|
父 母 |
ご尊父さま、お父上さま ご母堂さま、お母上さま |
義父 義母 |
お舅さま、ご尊父さま お姑さま、ご母堂さま |
夫 妻 |
ご主人さま、旦那さま ご令室さま、奥さま |
息子 娘 |
ご令息さま、ご子息さま ご令嬢さま、ご息女さま |
祖父(祖母) | ご祖父(祖母)さま |
兄(弟・姉・妹) | ご令兄(令弟・令姉・令妹)さま |
忌み言葉・重ね言葉は使わない
不幸があった人に対して避けなければいけないのが、忌み(いみ)言葉と重ね言葉です。
忌み言葉・重ね言葉とは
忌み言葉:縁起が悪いとして使用を避けるべき言葉
重ね言葉:繰り返すことから不幸が重なると連想させるため使用を避けるべき言葉
NG | 言い換え | |
---|---|---|
忌み言葉 | 死亡・死去 | ご逝去・他界 |
急死・急遽 | 突然のこと | |
生きていた頃 | お元気だった頃 | |
お忙しい | ご多用 | |
追って | 後ほど | |
重ね言葉 | くれぐれも | どうぞ |
かさねがさね | 深く | |
たびたび | よく | |
いろいろ | 多くの |
直接遺族に口頭で伝える際だけでなく、弔電やメールなどで文章化する際にも十分気をつけてください。
訃報の際には死因を詮索せず要点だけ聞く
職場の人から「突然の不幸があった」と訃報を受けた際に、故人の死因について根掘り葉掘り詮索してはいけません。
突然の出来事にショックや不安な気持ちでいっぱいの遺族を傷つけることがないように、余計なことを聞かず相手に寄り添う思いやりの気持ちを忘れないでください。
励ましの言葉は慎重に選ぶ
大切な人を亡くした職場の人を励まそうとしてかけた言葉が、大きな負担になってさらに傷つけてしまうことも少なくありません。
「元気を出して頑張ってください」「お子さんのためにも気持ちをしっかりしてね」などは、遺族の気持ちに負担を与えかねない余計な一言です。
このようなポイントに気をつけたうえで、上司や同僚など職場の人にかける言葉の文例を確認してみましょう。
人が亡くなった時にかける言葉・メールやラインの例文
会社の人の親が亡くなった時や、上司の親族が亡くなった時などには、直接声をかけるだけでなく、メールやラインでお悔やみの言葉を送信する例も多いです。
本来のマナーではお悔やみの言葉を直接口頭で伝えたいところですが、どうしても弔問できない場合や、メールやラインで訃報を受けた場合などには文章で弔意を伝えても良いでしょう。
口頭と文章で使い分けるべきお悔やみの言葉もあるので、以下の文例ではどちらでも使える内容を紹介します。
身内が亡くなった人にかける言葉
家族が亡くなった人にかける言葉は、上司に限らず同僚の親が亡くなった場合も基本的に同じ内容で構いません。
ご尊父さまのご逝去に際し謹んでお悔やみを申し上げます
何か私にお手伝いできることがあればご指示をください
近しい親族が亡くなった人の場合は忌引き休暇を長めにとる職場も多く、故人が父母の場合は1週間程度になる場合もあります。
長く会社を休むことに気が引ける人も多いので、できるだけ心配させないような一言を添えておくと良いでしょう。
突然のことで言葉が見つかりません
心よりお悔やみを申し上げます
留守中のことは気になさらずにご自愛ください
奥さんやご主人が亡くなった方にかける言葉がわからないときには、そのまま「言葉が見つからない」と一言添えると、遺族の悲しみを共感している気持ちが伝わります。
なお、メールやラインの際には最後に「返信不要です」と付け加えておきましょう。
大切な人を亡くした場合にかける言葉
職場の人が友達や先生など大切な人を亡くした場合についても、基本的には上司や同僚の家族が亡くなった時にかける言葉と同様です。
大切な人を亡くしたことでショックを受けているかもしれないので、相手を気遣うことを忘れないようにしたいですね。
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結論|職場で不幸があった人への声かけは言葉を選ぼう
- 職場の人に対してはとくに言葉選びを慎重にしよう
- 「ご冥福をお祈りします」は遺族に対して使わない
- 宗教・宗派を問わずに使えるのは「お悔やみ申し上げます」
- 最近はメールやラインでお悔やみを伝える例も多い
- 上司や同僚を問わず相手の気持ちに寄り添うことが大事
職場で不幸があった人に対して声をかける際には、自分が同じ立場になったときに職場の人からどのように声をかけられると心が安らぐかを考えてみてください。
遺族の宗教や宗派がよくわからない場合は、「心からお悔やみ申し上げます」と一言添えて、遺族の気持ちに寄り添ってあげましょう。
励ましの言葉をかける際には、相手を傷つけることがないように配慮することが大切です。
葬儀が終わって気持ちが落ち着いてからスムーズに出社できるように、ぜひ職場のみなさんで協力してあげてください。