【執筆者:編集部 小林えり】
柿ジャムはまずいといわれるのは、柿に含まれるタンニンが原因で渋い・黒っぽく変色する可能性があるからです。
生で食べると甘い柿でも、加熱すると再び渋くなる場合もあることから、ジャムには適さない果物ともいわれていますよ。
この記事では失敗した柿ジャムのアレンジ方法や、美味しく作るためのコツなどをご紹介します。
柿ジャムのこと
- まずくなる原因
- 失敗したジャムの活用方法
- 美味しく作るコツ
- 手作りジャムの日持ち
「柿がたくさんあるけど消費しきれずに困っている」「手作りジャムの日持ちが知りたい」という人は、最後まで読んで美味しい柿ジャムをぜひ作ってくださいね♪
目次
まずい柿ジャムになる原因│渋い・固まらないなど
柿に含まれるタンニンという成分が原因で、加熱すると渋みが出てまずい柿ジャムになることがあります。
柿ジャム失敗(ノ_<。)
柿の渋さが出てしまいました😭 pic.twitter.com/KBkmGkkxTp— makomako (@makomako320731) December 26, 2022
また柿の鮮やかなオレンジ色は、酵素が空気に触れることで黒っぽく変色しやすいため、柿がジャムに適さないと言われる理由のひとつといわれていますよ。
渋抜き処理して甘くなった柿も、柿ジャムにする場合は注意が必要です。
ジャムに適さない柿とは│渋柿・未完熟の柿に注意
柿は渋柿と甘柿に大きく分かれますが、生食では問題なく食べられる「渋抜き処理済みの柿」や完熟前の柿は、加熱すると渋味がでる場合があります。
特徴 | 品種の例 | |
---|---|---|
渋柿 | ・水溶性のタンニン そのまま食べると渋い ※渋抜きすれば甘くなる |
・西条、愛宕、 刀根早生 |
甘柿 | 成熟するにつれタンニンが 水溶性から不溶性に変化し 渋味が感じにくくなる |
・富有、次郎、 西村早生 |
渋柿は渋抜き(干す・アルコールや炭酸ガスを使用する)をすることで、柿に含まれるタンニン同士がくっついて水に溶けにくくなり、甘く食べられるようになります。
しかしジャムにする工程で加熱すると、くっついて大きくなっていたタンニンが分離して小さくなるため、再び渋味を感じるようになってしまうのです。(渋戻り)
手元にある柿が渋柿かどうか分からない場合は、ジャムにする前に少量だけ加熱して、渋戻りがないかを確認してくださいね。
まずいジャムが完成してしまった場合は、食べ方次第で渋味を軽減できます。
失敗したジャムの活用法│料理や乳製品に合わせて
渋味が強いジャムになった場合は、牛乳やヨーグルトと合わせて食べると、渋味を感じにくくなり手軽に美味しく食べられますよ。
第二回柿ジャム会@研究室
ヨーグルトや牛乳などは、渋味が消えて美味しかったです🥛
一番好評だったのはクリームチーズ、酸味と甘味のバランスが良かったです✨ pic.twitter.com/BFcidHQwUN
— みっきー@HAKUMA (@HAKUMA_miki) November 3, 2022
また渋味は無いけどうまく固まらなかったという場合は、肉や魚料理にソースとしてかけたり、煮込み料理の隠し味として加えるとコクが出て美味しいですよ。
今晩の #ねこぱぱごはん は、豚ヒレ肉のベーコン巻きフライ
自家製柿ジャムソースでいただきます。
昨日の #満天青空レストラン を参考に、マンガリッツァ豚とパンチェッタと言うわけにはいかないけど…🤣🤣🤣 pic.twitter.com/HFzCFcd0xz— ねこぱぱ ฅ(ミ・ﻌ・ミ)ฅ pppmp (@nekopapa1967) February 6, 2022
「せっかく自家製で作るなら、甘さを極力控えたい」という人には、シャムがおすすめです。
ためしてガッテンで紹介された「シャム」とは
果物を加工する際に、ジャムよりも糖度や粘度を低くしたものを、NHKの情報番組「ためしてガッテン」ではシャム(正式名称はフルーツスプレッド)とよんでいます。
NHKのガッテンでやっていた「シャム」〜ジャムの糖度がとても低い保存食〜を、3分間でできるというシェフのレシピ通りに、冷凍のミックスベリーを解凍して煮て10g砂糖を入れたもの作ったら、美味しくて便利💪 日本酒と醤油に加えて生姜焼きを作ってみましたが、仄かな酸味と甘みが食欲をそそります😋 pic.twitter.com/8zRNOgk0qG
— MayakoMuto 武藤真也子 (@wienerwalz) December 3, 2017
通常のジャムは果物量に対して60~65%程度の砂糖を入れますが、シャムの場合は砂糖が10%程度の量のため、甘さはかなり控え目で果物本来の酸味を活かした味になっています。
柿をそのまま食べるのに飽きた場合は、ぜひ試してくださいね。
美味しい柿ジャムを作るコツ│完熟柿・少量を加熱
柿ジャム作りで失敗しないためには、渋柿を使わないこと・酸性のものを加えることが重要です。
・ジャムを作る前に柿を少量だけ加熱して味見する
・完熟した甘柿を使用する
(濃いオレンジ色、ヘタと実に隙間が無い、実が柔らかい)
・加熱完了する直前に酸性のものを加える
一般的には爽やかな風味が出るレモンを使用することが多いですが、レモン汁なしでも代用できます。
レモンなしでも色良く(白くなる)・固まる方法
柿ジャムに使用するレモンが無い場合は、以下の品を利用するとジャムの色を良くして固めることができます。
・クエン酸(分量はレモン汁と同じ)
・オレンジや柚子などの柑橘類
クエン酸を使用する場合は、食品衛生法の基準を満たした食用のものを必ず使用してくださいね。
また「砂糖を控え目にしたいけど、トロミはしっかりつけたい」という人には、低メトキシペクチンがおすすめです。(※2)
煮詰めている途中に水っぽいと感じても、冷えて固まるとしっかりとトロミがつくので、煮詰め過ぎには注意しましょう。
ジャムを手作りした場合は、保存方法によって消費期間の目安が異なります。
手作りジャムの日持ち│低糖度なら早めに
手作りジャムは瓶詰で未開封の状態であれば比較的長期間の保存が可能ですが、開封後や低糖度で作った場合はなるべく早めに消費しましょう。
未開封 | 開封後 | ||
---|---|---|---|
常温 | 冷蔵 | 冷凍 | |
瓶詰(脱気済み) | 約1年 | 約2~3週間 | 約6ヶ月間 |
その他の容器 | 要冷蔵でなるべく早めに消費 |
冷凍保存する場合は容器のままではなく、小分けにしてラップに包んでから、チャック付きの袋で保存すると便利ですよ。
ジャムに関する情報は、こちらの記事も参考にしてくださいね。
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結論|まずい柿ジャムになるのを避けるには柿の選び方が重要
- 渋柿や未完熟の柿に含まれるタンニンが渋味のもと
- 加熱するとタンニンが不溶性→水溶性になり渋味が復活する
- 黒く変色するのを避ける・固まらせるには酸を加える
- 渋戻りした場合はタンパク質と合わせると食べられる
- 開封後の手作りジャムは要冷蔵で早めに食べ切る
柿ジャムがまずいといわれる原因は、加熱により渋味が復活する「渋戻り」という現象が起きるためです。
生食すると甘い渋抜きされた柿は、店頭では「渋抜き処理済み」と表記されていることが多いですが、中には表記が無い場合もあるので注意しましょう。
柿ジャムを美味しく仕上げるためには、大量に作る前に味見程度の量を加熱することと、酸性のものを加えることを忘れないようにしてください。
完熟して甘みの強い柿は、あっさりと食べられるシャムもぜひお試しくださいね♪