【執筆者:管理栄養士 黒崎佳那】
フラクトオリゴ糖は、適量を守って摂取すれば危険性は少ないでしょう。
太るイメージを持つ人もいますが、むしろ、砂糖に比べるとカロリーが低く、ダイエット効果や動脈硬化・脳卒中の予防が期待できるなどデメリットはあまりないと言えるでしょう。
さらに効率よく摂り入れるために正しい調理方法や保存方法を知っておきたいですね。
この記事では、フラクトオリゴ糖を安全に摂るために知っておきたい以下の項目を紹介します。
- フラクトオリゴ糖の危険性
- メリットとデメリット
- オリゴ糖の種類と選び方
- 効率の良い摂り入れ方と保存方法
オリゴ糖には種類がたくさんあってどれがいいのかわからない人も、ぜひ参考にしてください♪
目次
フラクトオリゴ糖の危険性とデメリット
フラクトオリゴ糖は主原料が野菜や果物から摘出された天然の優しい糖質であるため、適量を守って摂取すれば、身体への危険性は少ないでしょう。
主原料 | エネルギー (1g当たり) |
甘さ (砂糖と比較) |
|
砂糖 | 砂糖きび てんさい |
4kcal | ー |
フラクトオリゴ糖 | バナナ 玉ねぎ アスパラガス ごぼう |
2kcal | 砂糖に近い |
同じ糖質である砂糖と比べても、甘味は砂糖とほぼ変わらなく、カロリーが砂糖の半分であるため、日常的に摂り入れることによってダイエット効果や健康効果も期待できるでしょう。
しかし、フラクトオリゴ糖を過剰に摂取するとお腹を壊すこともあります。
摂り過ぎると下痢を引き起こす可能性も
フラクトオリゴ糖は、難消化性の糖質であるため、一度に大量に摂取すると下痢を引き起こす可能性があります。
人間の体内で消化されにくい食品中に含まれる成分のことで、他にも食物繊維や難消化性デキストリンなどがあります。胃や小腸で分解されず直接、大腸に届きます。
フラクトオリゴ糖は善玉菌のエサになり、ビフィズス菌が増えることによって、便通を改善し、お腹の調子を整える働きがあります。
また、人口甘味料が含まれているフラクトオリゴ糖の危険性について知っておきましょう。
中毒性がある人工甘味料には要注意
人工甘味料が使用されているフラクトオリゴ糖の中には、身体に悪影響を及ぼす可能性があるものもあります。
たとえば、アステルパームやサッカリンなどの人口甘味料を使っている場合は、中毒性の危険が指摘されているため注意が必要です。
- 砂糖の100倍以上の甘みがあり、その甘さに慣れるとより多く摂取してしまう
- 血糖値が上昇しないため、脳が満足感を得られず更に食べてしまう
- インスリンが過剰に分泌され、高血糖から糖尿病を引き起こす可能性がある
全ての人工甘味料が危険というわけではありませんが、出来るだけ無添加のものを選べば、安全性が高いといえるでしょう。
こちらの商品はフラクトオリゴ糖のみを使用しているため安心して使えますね♪
人口甘味料についてはこちらの記事も参考になりますよ。
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オリゴ糖は主原料によって種類がたくさんあり、それぞれメリットも異なるので、自分の身体に合ったものを選んでみてください。
オリゴ糖の種類や特徴|美容や健康へのメリットも
オリゴ糖にはいくつか種類があり甘さの度合いや特徴が異なりますが、摂取することで善玉菌のエサとなり、ビフィズス菌を増やし、便通改善の効果が期待できるという共通のメリットがあります。
フラクトオリゴ糖 | ガラクトオリゴ糖 | てんさい糖 (ラフィノース) |
|
主原料 | ・バナナ ・玉ねぎ ・アスパラガス ・ごぼう |
虫歯になりにくい | 60% |
特徴 | ・母乳 ・牛乳 |
・ミネラル吸収促進 ・熱や酸に強く、 調理や保存に適して いる |
35% |
甘さの度合い (砂糖を100% と比較) |
てんさい | ・肌の保湿性能 ・バリア機能の改善 |
20% |
他にも、フラクトオリゴ糖には脂肪の燃焼をサポートしてくれる効果が期待できるため、ダイエットをしている人はぜひ摂り入れてみましょう。
短鎖脂肪酸の働きでダイエット効果が期待できる
フラクトオリゴ糖を摂取すると、善玉菌のエサになることによって腸内発酵が起き、脂肪の吸収を抑え、燃焼させる効果が期待できます。
他にも腸内発酵が起きると、短鎖脂肪酸が多く分泌されることによってさまざまなメリットを得られるでしょう。
- 脂肪の吸収を抑え、燃焼もサポート
- 腸の動きを活発にし、便通改善
- 悪玉菌の増殖を抑え、腸内環境を整える
- 腸内が酸性になり、ミネラルの吸収を促進する
Twitterを見ると、便秘にひどく悩まされている人も改善したそうです。
フラクトオリゴ糖はすごい。これまで無数の乳酸菌、食物繊維サプリ、整腸剤を試してきた。しかし慢性的なお腹の張りと便秘は治まらず、途方に暮れていたところ辿り着いたフラクトオリゴ糖。1日大さじ一杯飲んでいくと、お腹の張りが改善し便通が正常化。調べたところかなり日本人に合っているようだ。 pic.twitter.com/osRMxnUugV
— Seiya (@hosomacho1) July 31, 2022
さらにダイエットだけではなく、生活習慣病を抑える効果も期待できるでしょう。
血糖値の上昇を抑えて健康効果も
難消化性のフラクトオリゴ糖は、胃や小腸で分解されずに直接大腸に届くため、血糖値の急激な上昇を抑えてくれる働きがあります。
その他にも糖質を一気に摂り過ぎないようにしたり、タンパク質が含まれているおかずと一緒に食べたりすることも意識してみてくださいね。
このようなメリットを享受するためにも、フラクトオリゴ糖の効果を最大限に摂り入れる方法も知っておきましょう。
効率のよい摂り入れ方と正しい保存方法
フラクトオリゴ糖は普段の料理やお菓子作りに使っているお砂糖の代わりに使用したり、ヨーグルトに加えると良いでしょう。
- 普段の料理・お菓子作りの砂糖の代わり
- ヨーグルトに入れる
- コーヒー・紅茶などの飲み物に入れる
- ご飯に入れて炊く
ただし長時間の加熱に弱いので、せっかくの素晴らしい効果が失われないように気をつけてください。
長時間の加熱はNG|上手な摂り入れ方
長時間加熱を必要とするジャムや熟成させて作る梅酒などは、オリゴ糖が分解されて、本来の効果が落ちる可能性があるのでおすすめしません。
また、効果によって理想の摂取量が異なるため、以下を参考にしてみてくださいね。
目的 | 摂取目安量(日) |
腸内フローラの改善 | 1g |
・お腹の調子を整える ・ミネラルの吸収促進 |
3g |
料理で使う場合、砂糖10gに対してフラクトオリゴ糖15〜20gを目安に使ってみましょう。
フラクトオリゴ糖は賞味期限が長めですが、正しく保管しないと色が白く濁ってしまう可能性があります。
オリゴ糖の正しい保存方法
フラクトオリゴ糖は直射日光を避けて常温か冷蔵庫で保存し、なるべく早めに使い切りましょう。
- 開封後は2〜3ヶ月で使い切る
- 2〜3ヶ月過ぎるなら冷蔵庫で保管
まれに室温が寒すぎると糖分が結晶化して白く濁った状態になることもありますが、湯煎で温めると元に戻りますし、品質にも問題ありません。
結論|フラクトオリゴ糖は適量を守って食べれば危険ではない
- 摂り過ぎるとお腹が緩む可能性があるので適量を守る
- 人工甘味料は中毒性があるため、なるべく不使用を選ぶ
- 便通を良くしたり血糖値の急激な上昇を抑える効果がある
- オリゴ糖は何種類もあるため自分に合った目的で選ぶと良い
- 料理やヨーグルトなど砂糖代わりに使い、開封後は早めに使い切る
フラクトオリゴ糖は、目的に合った摂取量を守って摂取すれば、危険ではありません。
ただし、過剰に摂り過ぎると下痢を引き起こしたり、人工甘味料による中毒性により肥満や糖尿病につながったりする恐れがあります。
しかしそれ以上にメリットが多いので、ダイエットや健康を維持したい人はぜひ生活の取り入れてみてくださいね。
参考資料
※1 食後高血糖(厚生労働省)