【執筆者:編集部 新山あさひ】
口座名義は、金融機関で口座を開設するときに登録した漢字とカタカナの氏名を指します。
振込で必要なのはカタカナの読みがなですが、振込先を伝えるときは氏名の漢字とカタカナどっちも伝えるのがベストです。
振込のルールは細かく定められているので、どんな情報が必要か正しく理解しておきたいですね。
そこでこの記事では、口座名義人について知っておきたい以下の項目を紹介します。
口座名義人の書き方のこと
- 口座名義人の正解は漢字なのか
- 口座名義にカタカナが必要な理由
- 振込先を聞かれたとき伝える情報
- 注意したい振込の入力ルール
口座名義にアルファベットが入っている場合の対処法や、ゆうちょ銀行口座の振込時の注意点も解説しているので参考にしてみてくださいね。
目次
口座名義は漢字とカタカナどっちも正解|書類には両方書こう
口座名義は銀行に口座開設したとき登録した名前のことで、個人なら戸籍上の本名、法人なら会社名や団体名を指します。
漢字とカタカナ表記のフリガナの両方が登録されていますが、振込のやり取りに必要なのはカタカナのフリガナです。
個人 | 本名 |
---|---|
個人事業主 | 屋号+本名 |
法人 | ・会社名+役職名+代表者氏名 ・振込の受取人は会社名のみ |
実際に経理処理を担当している人からも、口座名義には漢字だけでなくカタカナの読みがなが書いてあると処理しやすいという口コミがありました。
経理的に請求書に記載されている振込口座名義にカタカナでフリガナがふってあるのはイケてる請求書です。少なくとも私はそう思います。
— せーご (@s_g590428) July 20, 2020
口座名義としてカタカナの登録が必須とされるのには、理由があります。
口座名義人を漢字とカタカナで使い分ける理由
口座名義人に漢字とカタカナが使い分けられている理由は、振込時システムで漢字が使えないため名義をカタカナで照合しているからです。
このシステムでは使える文字が限られているため、振込に必要な口座名義人はカタカナで入力してデータを照会します。
漢字の名前は口座開設時に身分証と照らし合わせるため、重要な取引時の本人確認に使われます。
本人確認書類は「取引時確認」において必要になります。
- 口座開設、貸金庫、保護預りなどの取引開始時
- 10万円を超える現金振込や、持参人払式小切手による現金の受け取り
- 200万円を超える現金、持参人払式小切手の受払い
- 融資取引 など
漢字とカタカナどちらも口座名義としては正解でそれぞれ役割があるので、正確な情報を伝えるように心がけましょう。
振込用だからと言って名前のフリガナだけを伝えたら訂正を求められた人もいるようなので、お互いの手間を避けるためにも口座名義は漢字とフリガナ両方を伝えた方がよさそうですね。
請求書じゃないけど、振込先を聞かれて口座名義をカタカナで書いたら、漢字で書き直してくれって言われたことあるんだけど正解はどっち…?(記入例をつけてくれる会社親切!)
— 夜半 (@k_langrey37) February 21, 2022
名前にアルファベットが使われている場合や、英数字が含まれている法人の場合の対応も確認してみましょう。
アルファベットや数字が使われているときの対処法
個人の口座名義にアルファベットが含まれている場合も、振込で必要とされるのは口座開設時に登録したカタカナ表記です。
金融機関のホームページでも、ローマ字表記の振込先入力方法について次のように回答しています。
Q 振込先の口座名義が英語や漢字で指定されている場合のカナ入力方法を教えてください。A 振込先口座名義人へ、口座に登録されているカタカナ表記をお尋ねください。
引用元:よくあるご質問 | 新生銀行
ローマ字表記でも振込に必要なのはカタカナの読みがななので、口座名義を聞かれたときは漢字で登録している場合と同じようにアルファベットとカタカナの読みがな両方を伝えておきましょう。
キャッシュカードにクレジット機能が付帯している場合、口座名義人がローマ字で表記されていても本名が漢字なら漢字とカタカナの読みがなが口座名義です。
また会社Bank名にローマ字や数字が使われているときは、その表記が登録されている口座情報とは違う場合があります。
このようなトラブルを避けるためにも、振込に必要となる情報を知っておきましょう。
口座名義が必要な場面|伝える情報は銀行とゆうちょで違う
口座名義人が必要な場面の中でもとくに機会が多いのは、振込のやり取りです。
アルバイト先に「振込先を教えてほしい」と言われたり、商品やサービスのやり取りをしている取引先から「支払いは振込で」と言われたりしたときは、口座名義以外の情報も必要になります。
こちらの記事の解説を参考にして、トラブルを防ぐためにも口座番号を教えるのは信用できる人だけにしましょう。
詳しくはこの記事をチェック!
振込先を聞かれた時にどんな情報を伝えるべきか、銀行とゆうちょで異なるのでまずは銀行口座から確認してみましょう。
銀行口座に振り込んで欲しいとき|口座情報の記載場所
銀行口座を振込先に指定するときは、通帳に記載されている次の5つの情報を伝えます。
金融機関名・銀行名 | ・正式名称を伝える ・コード番号が必要なことも |
---|---|
支店名・お取引店 | |
口座種別 | 普通または当座 |
口座番号 | 7桁の番号 |
口座名義 | ・口座開設時に届け出た本名 ・漢字とカタカナ両方伝える |
あらかじめ記入用紙をもらっていれば用紙の指示どおりに書けば大丈夫ですが、指定の用紙がない場合、口座名義は漢字とカタカナ両方伝えておけば間違いないので安心です。
口座情報を調べるには、通帳を見るかネット銀行の場合はインターネット上で確認します。
- 通帳:通帳を1枚開くと表紙の裏に口座名義や口座番号記載
- ネット銀行: 銀行のウェブサイトにログイン後、メニューの「お客さま口座情報照会」から確認
振込に必要な情報はすべて通帳の表紙裏に載っているので、通帳のコピーを求められた場合もこのページを印刷して提出しましょう。
またネット銀行で通帳がない場合は、必要情報が載っている画面をスクリーンショットしてから印刷して提出してください。
A4サイズ対応のモバイルプリンターが家にあれば、スマートフォンからでも手軽に印刷できるので持っておくと便利ですよ。
キャッシュカードしか手元にない場合でも必要事項は調べられますが、支店名がなく支店コードのみだったり、金融機関コードが載っていなかったりしてすべての情報が載っていない可能性があります。
ゆうちょ銀行を振込先として指定する場合は、銀行とは伝える情報が異なるので注意しましょう。
ゆうちょ口座に振り込んで欲しいとき|振込用口座番号の確認方法
ゆうちょ銀行口座を振込先に指定するときは、振込元がゆうちょ銀行かそれ以外かによって必要とされる情報が違います。
- ゆうちょ銀行同士:記号(5桁)、番号(8桁)、口座名義人
- 他銀行→ゆうちょ銀行:振込用の店名(3桁)、預金種目、口座番号(7桁)と口座名義人
記号番号と振込用の口座番号は、どちらも通帳を1枚めくった見開きのページに記載されています。
記号番号と振込用番号のうちどちらの番号を伝えるべきかは振込元によって変わるので、わからない場合は直接聞いて確かめましょう。
こちらから振込する場合は、相手の口座名義の入力にいくつかのルールがあります。
振込するときの要注意表記|小文字の使用や文字数制限は?
自分から振込する場合には、相手の口座名義の入力に注意しないと入力ミスで振込できない可能性があります。
文字数 | 最大48文字 | |
---|---|---|
入力方法 | ・半角 ・個人名は姓名の間にスペース ・法人名は法人略称を使う |
|
使える文字 | 文字の種類 | 使えない文字 |
カタカナ | ・「ャュョ」など小さな文字 ・ヲ |
|
英数字 | ローマ字の小文字 | |
記号 | 中グロ「・」は使用不可 |
最近ではほとんどの銀行で振込先の名義人が自動的に表示されるようになっていますが、例外もあります。(※4)
- 提携していない金融機関
- 取り扱い時間外(金融機関によって異なる)
- 振込先の口座確認のみを連続して行った
このような場合は受取人を自分で入力すれば振り込みできますが、スペースを入れ忘れたり全角と半角を間違えたりしただけでもエラーで振込できないことがあります。
入力を間違えて口座情報と一致しなかった場合、正しく入金処理されないだけでなく間違えた口座に振込んでしまうと払い戻しの手続きや手数料が余計にかかります。
ミスが発生すると振り込む側も振り込まれる側もデメリットが大きいので、入力するときはよく確認してルール通り操作しましょう。
結論|口座名義はミス防止のために漢字とカタカナ両方伝えよう
- 口座名義は漢字とフリガナ両方伝えるのがベスト
- 振込時の受取人はカタカナで入力
- ローマ字や英数字は表記と登録情報が異なる場合も
- 銀行とゆうちょで振込依頼時に伝える情報が違う
- 入力ミスは手数料発生の可能性
口座名義で振込に必須なのはカタカナの読みがなですが、振込先を聞かれたときは漢字と読みがなどっちも伝えておいた方がいいでしょう。
伝える振込先情報は銀行とゆうちょで違いますが、通帳を見るかインターネット上で照会すれば必要な番号を確認できます。
振込時の口座名義人入力で使える文字は細かくルールが決まっているので、正しく入力してスムーズに取引ができるように気をつけましょう。