あれ!?通帳が無い!ここにあるはずなんだけど…。
そんな時、あなたは焦らず対処することはできますか?
私はズボラな性格が災いして通帳を紛失したことがあるのですが、その時は本当に焦りました。焦って焦って、どうしたらいいのか分からないまま家中をひっくり返して探すこと2日間。「絶対に家の中にあるはず!」と自分に言い聞かせながら必死に探し、結局、思いもしないところから通帳が出てきて終わりました。
通帳が見つからない時、真っ先に思い浮かべるのは悪用されることです。今でも「あの時、どこへも届け出ることなく2日間も家の中を探すだけで良かったんだろうか…?」と思い出すだけで不安になります。
もう二度と無くしたりしないと猛省したものの、もしも再び無くしてしまったら、その時はどう対処すればいいのでしょうか。今度こそ家の中には無いのかもしれませんし、誰か見知らぬ人の手に渡って現金が引き出されていたらと考えるとヒヤリとした心地になりますよね。
- 通帳を紛失してしまったら、どう対処すればいい?
- 停止している間、口座はどうなる?
- 紛失した通帳の口座を使い続けるのは不安…
- 紛失した通帳から悪用される場合の手口とは?
など、通帳を紛失したと分かった時点で取るべき行動や日頃から知っておくべき情報を、
「通帳紛失時の悪用には要注意!怖い手口と緊急対処方法」というテーマでまとめてみました。お金に関わることだからこそ、冷静に行動できるように普段から心構えをしておきたいものですよね。
そして今まさに通帳を無くしてしまって焦っているという方は、ここから先の内容に目を通し、落ち着いて対処してくださいね!
目次
通帳紛失時の悪用には要注意!
例えば誰か見知らぬ他人があなたの通帳を手にした場合、即座に現金を引き出せるでしょうか?
メガバンクをはじめとする多くの銀行では、通帳のみを持参する場合は窓口で引き出すことになります。そのためには通帳だけでなく、通帳を作った時に使用した届出印鑑が必要です。加えて引き出す額によっては通帳の名義人本人の身分証明書も必要となります。
加えて本人以外の人物が引き出す場合には口座名義人の自筆の委任状と窓口に来た人の身分証明書が必要で、家族が「代理で来た」と言っても例外にはなりません。家族ですら委任状や身分証の提示を求められるので、
見知らぬ他人が通帳だけで現金を引き出すことは、まず出来ないと考えて良いでしょう。
また定期預金の通帳なら、満期が到来していなければ、盗難など緊急性がはっきりしている場合を除いて電話等による緊急の届出は不要です。定期の解約は窓口による受付で銀行印と身分証明書が必要なので、他人が安易にできるものではありません。手元に銀行印があるなら、落ち着いて紛失した通帳を探しにかかればOKですよ。
「通帳だけで簡単にお金が引き出せてしまうわけではない」と分かって少しは安心できましたか?
それでは気持ちが落ち着いてきたところで、通帳を紛失した場合にどう対処したらいいのかを整理しておきましょう。
通帳紛失した後の緊急対処方法
- キャッシュカード/印鑑/身分証明書を手元に用意する
- 銀行に紛失届を出す
- 通帳の再発行の手続きを行う
まずは銀行に紛失したことを連絡し、悪用されないように予防線を張っておく必要があります。電話で届け出ができる銀行も多いので、サイトなどで調べてみてくださいね。紛失を届け出るなら「誰の、どの口座の通帳を紛失したのか」は必ず聞かれる質問ですよね。スムーズに答えられるよう、手元に必要そうなものを用意しておきましょう。
そして紛失届を銀行に出した後に再発行依頼をすれば、口座番号はそのままで通帳の再発行することができます。現存データの金額で発行され、1週間前後で手元に届くはずですよ。
再発行の手数料についてですが、大抵は1,000円ちょっとを見込んでおけば十分だと思います。ですが口座の種類によってはもう少しかかる場合もあるでしょうし、手続きの際に確認しておくと良いでしょう。
ゆうちょ銀行の場合は通帳の再発行手数料は無料で、口座番号も変わりません。少々日数がかかるようですが、住所に郵送もしてもらえます。最寄りの郵便局で再発行請求ができますから、印鑑や身分証明書を持参しましょう。再発行された通帳には区別の為の再発行番号が付加されるので、記号・番号のメモをお忘れなく。
もし紛失した通帳の口座がネットバンキングの利用口座に登録されていれば、インターネットからも紛失・再発行の手続きが可能ですよ。
各銀行サイトに電話窓口の連絡先が掲載されているので、詳しいことはそちらでご覧になってくださいね。
主な銀行サイトの”通帳の紛失”に関するページ一覧
金融機関名 | 電話窓口掲載ページ |
三井住友銀行 | 喪失届の手続き |
三菱東京UFJ銀行 | 喪失受付センター |
みずほ銀行 | 通帳・カード・印鑑を紛失 |
りそな銀行 | お手続きに関する質問 |
横浜銀行 | お問い合わせのページにて |
千葉銀行 | 来店・電話どちらでも |
静岡銀行 | よくあるご質問 |
京都銀行 | お問い合わせページにて |
七十七銀行 | 各種お手続きについて |
福岡銀行 | カード・通帳・印鑑の紛失 |
JAバンク | カードや通帳の紛失・盗難・犯罪 |
通帳と印鑑あるいはカードを紛失した場合
印鑑を無くした場合も再発行手続きを行い、印鑑も別のものを用意して変更届を出しましょう。キャッシュカードの紛失も、再発行を行えば紛失した方のカードが使えなくるので、即座に口座を解約したり、慌てて凍結させたりという必要はありません。
ただし通帳と印鑑をセットで紛失しているなら、急いで紛失の届け出をしてください。
私の友人が信用金庫で働いていた頃、実際に盗んだ通帳と印鑑を使ってお金を引き出した人がいたんだそうです。盗まれていたことに気づくのが遅かったため紛失の届け出がされておらず、お金を渡してしまったんだとか。
再発行後に見つかったからといって問題があるわけはありませんし、紛失届の後、再発行手続きの前に通帳が見つかったら「発見届」をして紛失による停止状態を解けばいいだけです。
通帳と印鑑をセットで紛失した時には、悪用を免れるためにも紛失届は早めに出しておきましょう。
ゆうちょ銀行など、通帳だけで現金の引き出しができる場合は要注意!
ゆうちょ銀行と一部の地方銀行(京都銀行や大垣共立銀行、第三銀行など)では、
キャッシュカードが発行されている口座なら、ATMでも通帳と暗証番号で預金を引き出すことができます。
通帳に磁気ストライプが付いていたら大抵はATMでの出金が可能ですので、銀行のサイトなどで確認しておくと良いでしょう。もしもATMで現金が引き出せるタイプの通帳だったら、早めに紛失届けと再発行の申請をしてください。
通帳だけで出金可能の場合、暗証番号がバレたら即・アウトです。何百万円も一気に引き出そうとすると銀行の方でも異変がないか注意するかもしれませんが、ATMで少しずつ引き出されている場合は気がつきにくいです。
過失が無ければ補償されると言っても、車のナンバープレートや住所、誕生日を使ったような分かりやすい暗証番号だったり、暗証番号を他の人に知られやすい状態にしていたりすると補償は難しくなってしまいます。通帳やカードに暗証番号を記載するのはやめましょうね。
また考えたくないことですが、身内やあなたの周辺にいる人の場合もあります。この場合は誕生日だけでなく記念日なども知られていたりと、暗証番号がバレている可能性は高いですよね。家族の場合は悪意ではなく”連絡忘れ”ということも考えられますので、警察に通報する前に、まずは家族に自分の通帳からATMでお金を引き出したかどうか確認しておきましょう。
銀行は「いつ・どの場所で引き出されたか」という事実以外は調べてくれません。なので家族の方に確認した後、もしも知らない出金が見つかったら警察に被害届を出しましょう。警察が捜査すれば、防犯カメラの映像で誰が引き出したかを調べる事ができますよ。
ゆうちょ銀行など通帳だけで引き落としができる場合は暗証番号を変えておくと良いですね。キャッシュカードを持って近くのゆうちょ銀行・郵便局の貯金窓口に行くか、ATMで変更できます。
紛失した口座番号を使い続けるのが不安…
どうしても心配なら、その口座を解約して新規で口座を作ったり、口座の印鑑を違うものに変えたりできます。
ただその場合は色々と手続きが大変になってしまうので、早まって口座を解約することはないと思います。
具体的に言うと、
- 口座番号が変わる ⇒給料の振込先や各種料金の口座振替なども変更手続きが必要
- 開設できる口座の数に制限があったり、口座の再開設に制限があったりという銀行もある
といった事情から、私個人としては、慌てて解約手続きをするのはあまり賢明ではないと思うんです。
昨今はオレオレ詐欺や振り込め詐欺の被害件数が増えていますよね。その詐欺の被害金を振り込ませる口座として悪用されないよう、1銀行で作れる普通預金口座(総合口座を含む)を「お1人様につき1口座まで」と制限したり、口座を解約した同じ名義人が再び開設するのを1年間制限したりと対策をしている銀行もあります。
まずは紛失の届け出をし、銀行の窓口で相談してみてはいかがでしょうか。
紛失してから再発行までの間、自動引き落としはどうなる?
通帳を紛失している間も、給料の振込や各種公共料金などの振替は問題なく実行されます。
振込は通帳の有無に関係なく口座に入金されるだけのことです。振替も同様で、通帳を使って自分で手続きをする必要はありませんからね。
もちろん”記帳”は通帳がないとできませんが、入出金のみならば滞りなく行われますので、会社やバイト先にわざわざ何かを申し出る必要はありません。
ただし、紛失に伴い口座を解約し、新規で開設する場合は忘れずに申し出ましょう。口座番号を変わるので、給与振込先や各種公共料金の自動引落し口座の指定を新しい口座番号に変えておく必要があります。
口座を開設する前に振込・振替先の一覧を作って、変更手続きに漏れがないよう確認しておくと良いですね。
悪用されないために!怖い手口や対策を知っておこう
ここから先は、通帳を悪用されないための知識です。こういったことは自分名義の口座を持つ以上、きちんと知っておきたいことですよね。
通帳だけで悪用される”怖い手口”とは?
直接お金を引き出す行為以外にも、通帳に記載されている内容を悪用される場合があります。
例えば
- 口座番号と名義人の情報から押し貸しに遭う
- 入金・出金データから勤め先・取引先等が分かり、個人データを悪用される
といったことが考えられます。中でも厄介な”押し貸し”について、もう少し詳しくご説明しますね。
押し貸しとは…
- 紛失した通帳から氏名と口座番号を知られてしまう
- 闇金からの不正な振込みをされる
- 貸したお金(不正な振込の金額)に法外な利息をつけて、借金を返せと取立てくる
という手順で、借りた覚えもないのに勝手に口座に振り込まれ、借金の形にされてしまうことです。覚えのない入金には注意してくださいね。もしも本当に間違えて振込をしてしまったケースなら、銀行を通して「組み戻し」の連絡が来るはずですから。
対処方法としては、早めに弁護士などの専門家に相談し、何を言われても無視することです。相談するのは消費生活センターや警察でも構いませんよ。
契約書を交わしてお金を借りているわけではないので、業者は取立をする法的な根拠がありません。
ここで無視できずに言われた通りにお金を払ってしまうと、芋づる式に督促が来てしまいます。もし勤め先に督促の連絡がくるようであれば、会社の人に事情を話して「その人は退職したのでもういない」と言ってもらうのが良いでしょう。
できれば電話の内容を録音しておいたり、督促の内容を日記につけたりといった証拠を残しておくと、後で訴訟を行うことになった場合に有利になりますよ。
暗証番号は他人には絶対に知られないようにしよう
ゆうちょ銀行をはじめ、ATMで通帳と暗証番号だけで現金を引き出すことができる口座の場合は暗証番号の管理の仕方が重要です。通帳やキャッシュカードに書き込んだり、メモやマステで貼っておいたりするのはもってのほか!
暗証番号は最大1万通り。絶対に分からないというほどではありませんが、ATMの入力で複数回間違えるとロックがかかってしまうことから、南京錠のように根気よく挑戦すればOKということにはなりません。
それだけに、推測されやすい暗証番号を設定していると簡単に当てられる可能性があります。
推測されやすい暗証番号にしないコツ5つ
- 誕生日やナンバープレートなど分かり易いものにしない
- 「1234」や「0000」「1111」などのゾロ目は避ける
- 3ヶ月に1度変更する
- 通帳に暗証番号のメモは挟まず、別の場所で管理する
- あまり他人に知られることのない数字を選ぶ
「1234」などの単純な組み合わせは、「意味がないが覚えやすい」という理由から使用する人が比較的多いです。もし私が悪用したい側の人間だったら「とりあえず試してみる価値はあるな」と判断する組み合わせですね。
「あまり他人に知られることのない数字」については、例えば「自分の出生体重」や「好きなスポーツ選手の背番号の組み合わせ」など、簡単に他人が調べることのできない数字はありませんか?自分にとっては特別でも、他人には意味が分からないだろうなぁと思うくらいが丁度いいです。
誕生日の西暦を逆から入力 | 例:1980年生まれなら「0891」 |
誕生日に一定の数字を足す | 例:12月24日生まれなら「1224+600=1824」 |
夫婦の誕生日を足す | 例:1月1日生まれと12月12日生まれなら「0101+1212=1313」 |
という要領です。単純な数字と単純なルールの組み合わせなら忘れにくいですし、誕生日や西暦として考えられない数字が完成すれば推測されにくくもなりますよ。
暗証番号やパスワードを管理するツールを使おう
銀行の通帳に限らず、クレジットカードやネット通販でのサイト登録、公共料金のデータ管理…と、最近は日常の中で多くの暗証番号やパスワードを管理するようになってきましたね。
そんな中、問題になっているのは使い回しのパスワードが破られて悪用されるケースです。
複数のパスワードを設定して使い分ければいいのですが、それでは管理が大変になってしまいますよね。全部同じにしておくと、1つバレたら芋づる式に悪用されるのでは?と不安になって複数のパスワードを設定したら、どれがどれだか分からなくなってしまったという経験をお持ちの方も多いんじゃないかなと思います。
悪用の防御策としてパスワードを複数持ち、定期的に変更し…というのは有効ですが、自分が忘れてしまっては意味がありません。今は様々なタイプのパスワード管理のツールが発売されていますので、利用してみてはいかがでしょうか。
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スマホにメモするのはウィルスで流出が怖い…というアナログ派は専用ノートを作って厳重管理はいかがでしょう。
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暗証番号の入力ミスには気をつけよう!
キャッシュカードを使う時に暗証番号を間違え続けると、ロックがかかってしまいます。その間違えた入力の有効回数は金融機関によって異なり、3回というところもあれば、5回というところもあります。
この限度以上の回数を間違えると、カードが使えなくなってしまうので要注意!
一度正しい暗証番号を入れたら間違いの回数はリセットされますが、間違い続ける限り回数は蓄積されます。間に何日か期間を置いていたとしても正しい入力が無い限り加算されていき、間違いが一定回数に達した時点でそのカードは利用不能になってしまいます。
この機能のおかげで暗証番号を他人に探られることを防げるわけですが、防犯のために暗証番号を何度も変更しているうちに「今使っている暗証番号はどれだったか」を忘れてしまうこともあるかもしれません。
自分にしか分からないように、でも忘れてもいいように。何かにメモするなどして、混乱なく暗証番号が管理できると良いですね。
まとめ
- ほとんどの銀行では通帳のみでの現金引き出しはできない
- 無くしたことに気づいたら銀行に紛失届を出し、通帳を再発行する
- 再発行すれば、紛失した通帳は使えなくなる
- 通帳と印鑑をセットで紛失した場合は即座に紛失届を出し、不審な出金がないか調べる
- ゆうちょ銀行や一部の地方銀行ではATMでも通帳と暗証番号だけで現金が引き出せるので要注意!
- 即座に紛失した通帳の口座を解約するのは賢明ではない
- 通帳を再発行するまでの間も、給与や公共料金の自動振替といった口座への入出金は通常通り行われる
- 紛失した通帳から口座番号と名義人氏名を悪用され、押し貸しの被害に遭う可能性がある
- 入金・出金のデータから勤め先などの個人情報を悪用される可能性がある
- 通帳と暗証番号のみでATM利用ができる銀行は特に、暗証番号の管理が重要
- 暗証番号は他人に推測されにくいものを使おう
- 増えすぎたパスワードや暗証番号を管理するためのツールもある
あなたは通帳や印鑑をしまう場所を、きちんと考えて決めていますか?
通帳が見当たらなかったときに、「家の中もゴチャゴチャしていて片付かないし、どうせまた変なところに入り込んじゃったんだろうな…」なんて言って面倒くさがっているうちに、誰かが現金を引き出しているかもしれないと想像してみてください。不安でたまらなくなりますよね。
家の中がものすごく散らかっていたら全部を片付けるのは大変かもしれませんが、せめて大事な物のしまい場所や管理の仕方だけはきちんと決めておきましょう。
また「自分はきちんと管理できている」と思っている人でも、思わぬ落とし穴があるかもしれません。時々は自分の管理方法を見直してみると万全ですね。
家の中では通帳を厳重に管理していても、記帳をしようと持ち歩いた日に落としてしまったり、うっかり職場に置き忘れてきてしまったり…と普段とは違う行動をとった時に紛失しやすいものです。
もしどこかで落としてしまったかもしれないのであれば、紛失届を出して悪用を予防した上で、しっかり探しましょう。通帳自体が使えなくても、そこに書かれた情報を悪用されてしまうかもしれませんからね。
交番へ行って落とし物として届いていないかを聞いたり、ATMの設置場所や駅などで忘れ物になかったか確認したりしたら、出てくるかもしれないですよ。
自分の財産を守るためにも、自分自身の管理意識を高める事が大切ですよ!