暑い日が続くと気になってくるのが、食品が傷んでいるかどうかです。ここのところは酷暑という言葉を連日耳にするほど暑い日が続いているので、余ったおかずは冷蔵庫へしまう毎日。ついつい冷たいメニューばかり作ってしまうこともあって、冷蔵庫がいっぱいになってしまいました。
冷蔵庫内を整理しようと賞味期限切れのものを捨てたり、大き目のタッパーに入っている作り置きを優先して食べたり…と中身を一掃していて気が付いたんですが、
梅干しにも賞味期限があるんですね。私、気が付いていませんでした。
梅干しを漬ける過程でカビが生えてしまうという失敗パターンがあるのは知っていましたが、市販の梅干し(完成品)もカビちゃうことってあるの!?
そう思って調べてみると、「買ってきた梅干しがカビてしまった」という事例がありました。しかも、結構よくある話らしい…。うちは賞味期限を気にしなくてもいいくらい早く食べ切っちゃうから、今までならなかったのかしら?
そこで今回は「梅干しは常温で保存できる?賞味期限がない梅干しは存在するの?」というテーマで、”梅干しの保存”について調べてみます。
- 梅干しは常温で保存できる?自家製と市販の賞味期限は?
- 梅干しを保存する容器のオススメは?
- 梅干しって腐るとどうなるの?
- 長期保存するなら自家製で!自家製梅干しの作り方
おばあちゃんやお母さんが自分で漬けた自家製の梅干しと市販の梅干しって、見た目も味も全然違いますよね。実はそれぞれで賞味期限が違うようなんです。
気になってきましたか?それでは早速、自家製と市販の梅干しの違いに触れつつ”梅干しの保存”について詳しくご説明していきますね。
目次
梅干しは常温で保存できる?賞味期限はあるの?
梅干しを常温で保存できるかどうかは、塩分濃度で決まります。
スーパーなどで市販されている梅干しは、”はちみつ入り”のように調味料が入っていたり、”減塩”になっていたりしますよね。そういう食べやすい味の梅干しは塩分濃度が10%以下なので、常温保存はできません。
商品の表示も、よく見ると”梅干し”ではなく「調味梅漬け」「調味梅干し」などと記載されているはずですよ。冷蔵保存し、開封後は賞味期限よりも早めに食べ切ることをオススメします。
梅漬けの賞味期限は3ヶ月~6ヶ月程度が多く、市販の梅干しですと長くても1年程度までが目安です。
一方で自家製や、昔ながらの製法で作られた梅干しもありますよね。すっごーく酸っぱい、そしてしょっぱい梅干しです。こういった昔ながらの作り方の梅干しの塩分濃度は20%前後であることが多く、これだけ塩分が含まれていると長期保存ができます。
たまにテレビで見かける「〇年物の梅干し」とかは、自家製で塩分たっぷりの梅干しのことなんですね。この製法だと基本的には賞味期限もなく、夏場など気温が高い時期に冷暗所で保存していれば常温で保存できます。
梅干しを保存する容器は何でもいいの?オススメはある?
梅干しを保存する容器と言われて、真っ先に思い浮かぶのは甕(かめ)です。甕は酸に強いので昔から梅干しの保存容器として愛用されてきたわけなんですが、重いし、最近は一般家庭ではあまり見かけないですよね。甕(かめ)は外気の影響を受けにくいので梅干しの保存に一番適していますし、自家製の梅干しの保存をお考えなら、やっぱり甕がオススメです。
まず避けたいのはプラスチック製のタッパーやアルミ製の容器です。これらは軽いんですが、酸に弱いので梅干しには向きません。
多少は重いんですが、甕よりも扱いやすいのがガラス製の容器です。ガラス製のものは中が見えるので確認しやすいのがメリットですが、口幅が狭くて重しをしにくいデザインもあるので手作りしたい人には不向きな物もあるかもしれませんね。私の母は梅干しを漬ける用に売り出している大きなガラス瓶を愛用していますので、デザイン次第でしょう。
市販の梅漬けを冷蔵保存するくらいであれば、食卓にそのまま出せるような陶器を使用するのも良いでしょう。ただし箸は別にしましょうね。雑菌の侵入を防ぐため、保存容器の中に口をつけた箸を入れないのは作り置きの基本でもあります。
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その他に保存容器としてよくあるのはホウロウですね。ホウロウは酸に強いので保存できますが、傷がつきやすく、表面の傷から錆びてしまうことがあるので注意が必要です。
見た目が可愛い方がいいなぁという方は、こういったタイプのガラス製容器はいかがでしょうか。これなら冷蔵庫を開けた時にも梅干しが可愛く見えますよね。
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梅干しが腐ると不幸が起きる!?腐るとどうなるの?
梅干しには、白いカビが生えます。なので表面に白い”綿状”のものがついていたら、腐っている可能性大です。
綿状ではなく白いちょっと四角っぽい固まりがついている場合は、食塩とクエン酸の成分なので害はないですよ。腐っている時は、腐っている食べ物特有の酸っぱい臭いがしているとわかりやすいですね。
「梅干しが腐ると不幸が起きる」ということわざがありますが、昔は梅干しは常備薬だったため、「腐って食べれなくなった梅干しを薬にすると危険だ」という意味なんだそうですよ。実際には腐った梅干しを食べると腹痛や下痢になりますので、保存状態が悪かったなど心当たりがある場合は諦めて捨てましょう。
自家製梅干しのカビについては詳しく書いた記事を最後に紹介していますので、興味がある方は併せてご覧下さいね。
梅干しを長持ちさせたいなら、やっぱり自家製が一番でしょう!ということで、最後は自家製梅干しの作り方をご紹介します。
常温保存可能で賞味期限なし!自家製梅干しの作り方
梅干しを手作りするのは6~7月頃です。時期になるといい香りのする青梅や梅を干しておくザル、粗塩なんかがまとめてスーパーの売り場に並んでいますよね。私も毎年、それを眺めては「梅干しにしようか、今年も梅酒にしちゃおうか…?」と悩んでおります。
スーパーに梅が並び始めたら、天気予報をチェックしてなるべく晴れの日に梅干し作りをしましょう。作業量は漬ける梅の量によっては大変になっちゃいますが、手順自体はとっても簡単なんですよ。
<梅干しづくりの準備>
- 完熟梅2kgに対して粗塩400g程度を用意
- ザルを用意(水気を切ったり天日干しするのに使うので、梅を広げられる大きいサイズで)
- 梅干し作りにカビは大敵なので、道具や保存容器などは焼酎や熱湯で消毒する(※重石も消毒しておく)
消毒に使う焼酎はアルコール度数が35度以上のものにしましょう。プラスチック製の漬物容器を使用する場合は、内側に漬物用ビニール袋を入れて焼酎で消毒してから漬けてくださいね。
<梅干しの作り方>
- ボウルなどに水を入れて梅干しを水洗いし、水気を切って竹串などで”へた”を取る
- 容器に梅と粗塩を交互に入れていく(※容器の上にいくほど塩の量を増やす)
- 梅酢が梅干しが隠れるくらいまで上がってきたら、重しを半分にする
- およそ1ヶ月経ったら晴天の日に4日間天日干しする(※これを土用干しと言います)
梅干しの”へた”はポロっと軽く取れちゃうので、力を入れすぎて梅を傷つけないよう気をつけてくださいね。梅と梅の隙間に粗塩を詰めるようにして入れていき、最後は塩でフタをするように被せていくとうまく漬けられますよ。梅酢に完全に浸かっている状態をキープしつつ、カビが生えていないか見守ってあげてください。
天日干しをする方は、もしも途中で天気が悪くなってしまったら無理に外へは出さず、部屋の中で保管して晴れてから外に干してくださいね。
最後は余談ですが、梅干しの郵送についてです。私のように「ど~しても、お母さんの漬けた梅干しが食べたい!無性に食べたい!!」となってしまうお子さんをお持ちの方や、初めて漬けた梅干しを母に試食してほしいという方が、梅干しを郵送しちゃいたい!という時にどうすればいいのかも付け足しておきますね。
自家製梅干しを郵送したい!どうやって送るのがベストなの?
昔ながらの製法で作った塩分濃度が高い梅干しであれば、常温で郵送しても大丈夫です。
ジップロックのような口がきっちり閉まるものに梅干しを入れ、それをタッパーに入れ、さらにビニール袋で包みます。厳重ですね(笑)これを紙袋かダンボールに入れればOKです。汁漏れなどしないよう、きちんと密封してくださいね。
ただし夏場など気温が高い時期はクール便にした方が確実です。一緒に紫蘇を入れると防腐効果がありますよ。
まとめ
- スーパーで市販されているのは「調味梅漬け」や「調味梅干し」で、塩分濃度が10%以下
- 梅漬けは常温保存はできないので、冷蔵保存しよう
- 市販の梅干しはパッケージの保存方法や賞味期限に従うこと
- 自家製の梅漬けなど、20%前後の塩分濃度があれば常温保存が可能
- 梅干しは腐ると白いカビが生えるし、腐った物特有の酸っぱい臭いがすることもある
- 保存容器はガラス製や陶器など、酸に強い素材を選ぼう
- 自家製梅干しなら甕(かめ)が一番適している
- プラスチック製など酸に弱い素材の保存容器で漬ける時は、漬物用ビニール袋を使うと良い
- 自家製梅干しなら常温で郵送も可能だが、夏場はクール便にすると良い
ここでご紹介した自家製梅干しの作り方は、あくまで基本の作り方です。紫蘇を入れたり塩分濃度を調整したりと、お好みに合うよう色々とチャレンジしてみてくださいね。
梅干しを取り出す時には、菌の増殖を防ぐために綺麗な箸を使うのが鉄則です。特に自家製梅干しを大きな容器から小分けする時は徹底してください!雑菌が入るとカビが生えてしまいます。
梅干しは年中美味しく食べられる食材ではありますが、お弁当の傷み防止や食欲が落ちている時の夏バテ予防として、特に夏場に大活躍する食材です。夏場は食材も傷みやすいですから、正しい保存方法で、美味しく長持ちさせておきたいですね。
自家製梅干しのカビについてはこちらに詳しく書いておりますので、ぜひ併せてご覧ください。