【執筆者:編集部 高田ゆみ】
清涼感があり虫除けにも重宝されるハッカ油は、使い方によってデメリットが生じることもあります。
たとえば、刺激が強くて肌が弱い人には合わないことや、掃除に使うと変色する場合があるなど、使い方に注意が必要です。
この記事では、ハッカ油を上手に活用するために知っておきたい、以下の項目を紹介します。
ハッカ油のこと
- 危険性が高いデメリットの例
- 使い方で注意したいデメリット例
- 逆効果で虫が寄ってくる説の真相
- メリットを活かせる正しい使い方
ハッカ油の正しい使い方を覚えて日常生活に活用したいと考えている人に役立つ内容なので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ハッカ油のデメリット7選|逆効果で虫が寄ってくる説は微妙
ハッカ油の使い方を間違えると、さまざまなデメリットが生じると考えられます。
刺激が強すぎる | 肌に直接塗るとかぶれることがある 目や粘膜に入ると激痛 ペット(とくに猫)はNG |
---|---|
発火の危険性 | 洗濯乾燥機はNG |
使い分けが難しい | 食品添加物・雑貨・医薬品がある |
体温は下がらない | 清涼感があっても体温は下がらない |
変色 | 材質によっては変色する |
変質 | プラスチック(PS)を溶かす |
虫が寄ってくる | エビデンスがないので微妙 ほかの原因も考えられる |
なぜデメリットが生じるのか、それぞれの原因を確認してみましょう。
刺激が強い|肌が弱い人・赤ちゃん・動物がそのまま使うのはNG
ハッカ独特のスーッとした清涼感がある香りをもたらす主要成分のメントールは、刺激が強く、肌が弱い人はかぶれを引き起こす場合があります。
粘膜に入ると激痛が走るので、ハッカ油に触れた手で目をこすらないようにしましょう。
ペットを飼っている家庭では、刺激が強いハッカ油はおすすめできません。
とくに猫は肝機能が低下する危険性があるといわれており、ほかの精油も注意が必要といわれています。
ハッカ油に限らず、精油を扱う際に気をつけたいのが洗濯の仕方です。
洗濯乾燥機で発火のおそれがある
ハッカ油が付着した衣類やタオルなどを洗濯する際に乾燥機をかけると、発火するおそれがあります。
nite(ナイト)の実験では、アロマオイルが付着した衣類を洗濯後に乾燥機をかけて放置していたところ、自然発火した事例が再現されていました。
ほかにも、ハッカ油は使い分けがわかりにくい点もデメリットといえます。
食品添加物・雑貨・医薬品の使い分けがわかりにくい
市販されているハッカ油は、食品添加物と雑貨、医薬品が存在しています。
食品添加物はその名のとおり、香料として食品の香り付けに使用できます。
アロマオイルとしても使われるエッセンシャルオイルは、雑貨扱いになるため食用に適しません。
また、効果効能に肩こりや筋肉痛などが記載されている第3類医薬品や、芳香・矯臭・矯味(臭いや味を矯正する)の目的で調剤に使う医薬品でもあります。
さまざまな用途に合わせて使い分けることが大切ですが、独特の清涼感を求めている人にとっては意外かもしれないのが、体温は下がらないことです。
清涼感があっても体温は下がらない
暑い夏にハッカ油スプレーをふりかけると清涼感があって涼しいと感じられますが、体温はほとんど下がりません。
ハッカ油に含まれるメントールは、冷たいものを感じたときと似た刺激を脳に伝えるため、涼しいと感じているだけなのです。
涼しいと感じているだけでは熱中症対策にならないので、酷暑の時期は十分注意してください。
掃除に使う際には、変色するおそれもあるので注意しましょう。
掃除に使うと変色のおそれも
ハッカ油を床の拭き掃除に使うと変色するおそれがあります。
帰宅
家のアロマオイルの香りがなんか強いなぁと思った
いい香りだけど香り強いなぁ。。。
床にこぼれてたー!
フローリング変色しとる!
というのがあってどっと疲れた。— key (@kei20210411) December 11, 2019
掃除に使う際には原液をこぼさないように気をつけて、必ず水で薄めて使いましょう。
変色が心配な場合は、目立たない場所を拭いて確かめることをおすすめします。
ほかにもプラスチック製品を変質させるおそれがある点にも注意が必要です。
プラスチックを溶かす場合がある
ハッカ油を使ってはいけないのは、プラスチックの一種であるポリスチレン(PS)製品です。
ポリスチレンは身近にあるさまざまな商品に使われており、家電やOA機器によく使用されています。
ハッカ油はポリスチレンを溶かすため、間違って付着しないように気をつけましょう。
虫除け目的でハッカ油を使う人も多いですが、逆効果で虫が寄ってくるとの噂もあるようです。
逆効果で寄ってくるといわれる虫の例|ほかの原因があるかも
ハッカ油を虫除け目的で使用している人の口コミを見ると、「逆に虫が寄ってきてやばい、全然効かない」との意見があります。
ひょんな事から買ったハッカ油の使い道、何かないかなぁ。虫よけに使うと、他の虫が寄ってくるという風説があるしなぁ
— OsakanaTengoku (@Osakanatengok3) June 12, 2022
- シバンムシ
- スズメバチ
- アブ
- セミ
- 蚊
逆に、これらの虫はハッカ油に近寄らない・逃げていくなどの研究結果や実体験も多いので、本当はどちらなのか判断しにくい面もあります。
本来ならメントールの香りはほとんどの虫が嫌がるもので、不快なゴキブリにも効果的とされています。
詳しくはこの記事をチェック!
「ハッカ油成分が浸透するとゴキブリが死ぬ」とわかったことで、製品化された商品もあるほどです。
ひょっとしたらハッカ油で虫が寄ってくるのではなく、ほかに原因があるのではないかと考えることもできます。
- ハッカ油の香りが薄くなって忌避作用がなくなった
- 虫の生育環境に適していた(※1)
- 虫が好む香り(香水・柔軟剤など)のほうが強かった
ハッカ油の香りは長時間もたないので、1時間毎くらいを目安にしてこまめに使うことをおすすめします。
また、同じハッカ油でもメーカーによって使用するハッカの種類が異なるため、成分がまったく違うのが原因かもしれません。
ハッカの種類
ハッカ(ミント)の種類は豊富にあり、有名なのは和種ハッカと西洋ハッカ(ペパーミント)、スペアミントです。それぞれ含有成分や香りが違います。
このように正しくハッカ油の特性を知り、メリットを上手に活かす使い方を覚えておきましょう。
ハッカ油のメリットを活かす正しい使い方
ハッカ油は日常生活のさまざまな場面に活用できます。
- 飲み物やお菓子の香り付け(食品添加物規格のみ)
- マウスウォッシュ(食品添加物規格のみ)
- 玄関やトイレの消臭剤
- イライラしたときの気分転換
- まな板や布巾の殺菌
- おしぼり(水に数滴入れてタオルを浸してしぼる)
- 眠気覚まし
アイデア次第でいろいろ活用できますが、虫除けや冷却にも使えるハッカ油スプレーの作り方を覚えておきましょう。
虫除け・冷却スプレーの作り方
ハッカ油を使った虫除け・冷却スプレーの作り方はとても簡単です。
- ハッカ油:3~4滴
- 無水エタノール:10ml
- 水:90ml
- 遮光容器のスプレー
無水エタノールにハッカ油を混ぜてから、水と混ぜ合わせるだけでOKです。
水だけでも良いですが混ざらなくて使いにくいため、無水エタノールを使うことをおすすめします。
スプレー容器はポリスチレン(PS)以外ならプラスチック製でも良いですが、光による酸化を防ぐために遮光容器を選びましょう。
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結論|ハッカ油のデメリットを理解して正しく活用しよう
- 肌が弱い人や動物にはとくに原液を使ってはいけない
- 付着した衣類を乾燥機にかけると発火の危険性がある
- 涼しいと感じても体温は下がらないので熱中症に注意
- 「虫が寄ってくるから逆効果」説は違う原因の可能性も
- 正しく使えばメリットが多い
ハッカ油は独特の清涼感があり、香り付けや虫除けなどさまざまな用途に活用できますが、使い方を間違えるとデメリットになることも少なくありません。
どんな使い方が良くないのか、自分に合った使い方なのかをよく見極めて、正しく活用することが大切ですね。
長時間経って香りが薄くなると、虫除けとして役に立たないことも予想されるので、こまめに使うように意識すると良いでしょう。
ぜひあなたもハッカ油を上手に活用して、毎日の生活に役立ててください♪