【執筆者:編集部 小林えり】
きな粉は体に悪い食べ物ではありませんが、食べ過ぎると腹痛や肥満を引き起こす原因になります。
とはいえ食物繊維やビタミンなど、日頃不足しがちな栄養素を豊富に含むので、適量を守って積極的に食べて欲しい食材です。
この記事では、きな粉を安心して食べるために知っておきたいメリット・デメリットを紹介していきます。
きな粉のこと
- 体に悪いと言われる原因
- 注意が必要な体質とは
- 1日の摂取量目安
- 注目したい栄養成分
「イソフラボンの摂り過ぎは病気になるって本当?」「遺伝子組み換えの大豆は危険なイメージ」などの不安を持つ人にも役に立つ記事なので、ぜひ最後まで読んでくださいね♪
目次
きな粉の食べ過ぎが体に悪い原因やデメリット
きな粉の食べ過ぎが体に悪いといわれるのは、食物繊維や大豆オリゴ糖が原因で腹痛や下痢を引き起こすおそれがあるためです。
また大豆が原料のため、子どもに初めて食べさせる場合はアレルギーに注意が必要です。
腹痛・下痢 | ・不溶性食物繊維の摂り過ぎ ・大豆オリゴ糖の摂り過ぎ |
---|---|
肥満 | カロリーの摂り過ぎ |
アレルギー | 体質による ※大豆アレルギーや カバノキ科花粉症の人は要注意 |
適量であれば健康面でのメリットが多いきな粉ですが、体質に合わない場合や食べ過ぎには注意が必要です。
食物繊維の過剰摂取のリスク│腹痛や軟便の原因に
きな粉に豊富に含まれる不溶性食物繊維や大豆オリゴ糖は腸を刺激する働きがあるため、食べ過ぎると腹痛(下痢・便秘)を引き起こすおそれがあります。
また大豆オリゴ糖は善玉菌を増やす良い作用がありますが、一度に多量に摂取すると便がゆるくなることがあります。
組み合わせや食べ方次第では、カロリー過多になるため注意が必要です。
食べ方次第では太る危険性も│摂取量は1日12g程度
きな粉をそのまま食べる場合は問題ありませんが、砂糖を混ぜたり餅にかけたりする場合は太る危険性があります。
小腹が減ったのできな粉餅を…🤤
連休って絶対太る😂 pic.twitter.com/WiMoOQjOzv— noizi️ (@noizi_0e0) January 2, 2022
香ばしい風味のきな粉は、餅やアイスとの相性が抜群ですよね。
しかし糖質を多く含む食品と組み合わせると、血糖値が高くなり脂肪が増えやすくなるため、食べ過ぎには注意する必要があります。
では実際に、きな粉自体の糖質やカロリーはどのくらいか確認してみましょう。
食品名 | エネルギー(kcal) | 糖質(g) ※利用可能炭水化物 |
---|---|---|
きな粉 | 451 | 13.9 |
こんなに高カロリーなの?!と驚くかもしれませんが、実際に摂取する量は大さじ2杯程度(54kcal、糖質1.6g)なので、適量を食べる分には問題ありませんね。
甘いものと組み合わせたい場合は、糖質オフの商品がおすすめです。
摂取量に明確な基準はありませんが、ダイエットを意識した人はそのままの状態で、1日に大さじ1~2杯程度(6~12g)を目安に取り入れましょう。
栄養豊富なきな粉を毎日食べることで、健康や美容面に効果的に働きかけることが期待できます。
体に良いきな粉の栄養価│健康や美容へのメリット
きな粉はタンパク質やビタミン、食物繊維を豊富に含んだ栄養価のバランスが良い食べ物です。
またポリフェノールの一種であるイソフラボンやサポニンなどは、健康・美肌作りの強い味方となる栄養成分として注目されていますよ。
タンパク質 | 髪や筋肉など体の基礎をつくる |
---|---|
鉄 | 血液中の酸素を運ぶ |
ビタミン(C以外) | 体の調子を整える |
食物繊維 | 腸の調子を整える |
大豆オリゴ糖 | |
イソフラボン | 女性ホルモン(エストロゲン) に似た構造をもつ |
サポニン | 体の酸化を抑制する |
レシチン | 脂質の代謝、ビタミンの吸収を促進 |
きな粉の原料である大豆は「畑の肉」とよばれ、植物性タンパク質を豊富に含みます。
高タンパク質・良質な脂質で体作りをサポート
きな粉はタンパク質の含有量が高いだけでなく、質の高さを表すアミノ酸スコアが満点の100とされています。
またきな粉の脂質には、体内では生成できない必須脂肪酸のリノール酸や、体の酸化を防ぐオレイン酸などが豊富に含まれています。(※3)
食事の量が減少しがちなダイエット中の人や高齢の人にとって、効率的に栄養を補える食品ですね。
また更年期の女性にとっても、きな粉がもつ栄養素は体に嬉しいメリットが期待できます。
イソフラボンは女性の味方の栄養成分
きな粉に含まれるイソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと似た働きがあり、女性ホルモンが減少する更年期の女性にとって、強い味方となる成分として注目されています。(※4)
しかしその効力は本来のエストロゲンと比べて1/1,000~1/10,000で、非常にゆるやかな作用といわれており、体に優しく働きかけるのが特徴です。
またイソフラボンの過剰摂取による健康被害を不安に思う人もいるかもしれませんが、きな粉や納豆などの大豆食品を普段の食事から摂る程度では、健康に影響はないとされています。
ただし食事で積極的に摂取できる場合に、サプリメントや健康機能食品と併用すると、栄養素が偏って体調を崩すおそれがあるため注意しましょう。
同じ大豆食品については、こちらの記事も参考にしてくださいね。
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結論|きな粉は適量を守れば毎日食べても体に悪いわけではない
- 食物繊維やオリゴ糖が腹痛を引き起こすことがある
- 砂糖や餅など糖質が高いものとの組み合わせは肥満の原因に
- 1日の摂取量は大さじ1~2杯程度
- 良質なタンパク質を豊富に含み「畑の肉」とよばれる
- イソフラボンは体に優しい自然由来の女性ホルモン
きな粉は食べ過ぎたり、糖質を多く含む食品と組み合わせて食べると、腹痛や肥満など体に悪い影響を及ぼす場合があります。
しかし必須アミノ酸や必須脂肪酸など、体内では生成できない栄養素を摂取できる栄養価の高い食品なので、摂取不足にも気をつけたいですね。
朝食時にヨーグルトやパンにかけたり、牛乳に入れるなどして、適量を毎日積極的に摂り入れる習慣をつけてみましょう♪