【執筆者:管理栄養士 中川有莉】
大豆は腐るとカビが生える、酸っぱい匂いがする、明らかな腐敗臭がするなど見た目と状態で食べられないと判断できます。
しかし、大豆が変色して一見食べられそうにないと感じても、安全性に問題がなく食べられる場合があるため、腐敗していないかの見分け方を知っておくと安心ですね。
畑の肉と呼ばれるほど、たんぱく質を豊富に含んだ大豆を美味しく食べるために知っておきたい、以下の項目について紹介します。
大豆のこと
- 腐るとどうなるのか?
- 腐った状態の見分け方
- 賞味期限切れは食べられるのか?
- 日持ちさせる保存方法
スーパーで冷蔵や常温で置かれてる大豆の正しい保存方法が分からない方や、手元にある大豆が腐っていないか判断に困っている方はぜひ参考にしてくださいね。
目次
大豆は腐るとどうなる?腐ったときの見分け方
大豆は腐るとカビが生える、酸っぱい匂いや腐敗臭がする、糸を引くようなぬめりがでるなど、五感で食べられないと分かる異変が生じます。(※1)
食べられない | 食べられる | |
---|---|---|
見た目 変色 |
カビが生えている | ・大豆の芽が ピンク色、茶褐色 または黒っぽい ・洗うと泡が出る ・液が白く 濁っている ・白い線状の ものがある |
匂い 臭い におい |
・明らかな腐敗臭 ・酸っぱい匂い |
ー |
味 食感 触感など |
・糸を引くほどの ぬめり ・食べると 酸味がある |
・ヌルヌルしている ・ゼリー状に なっている |
カビが生えている、酸っぱい匂いがする、酸味があるときは腐敗しているため食べられません。
カビ・酸っぱい匂いは腐敗のサイン
カビが生えた大豆には、オクラトキシンAというカビ毒が発生している可能性があります。
一部のカビが産生するオクラトキシンは、豆類から検出されており、腎障害や腎疾患を引き起こす恐れがあると疑われています。(※2)
また、大豆から明らかな腐敗臭や酸っぱい匂いがしたり、酸味を感じたら腐っているため食べずに捨てましょう。
大豆は変色していたり、泡立っていても問題なく食べられる場合があります。
変色や泡立ちは問題なく食べられる場合がある
大豆の芽がピンク色・茶色や黒っぽく変色しているのは、収穫の際の状態によるもので体には害がありません。
また、サラダ豆のような複数の色の異なる豆と一緒に入っている大豆は、茶褐色・黒色・紫色に変色していることがありますが、他の豆の色素が移っただけなので問題ありません。
大豆を洗った際に泡立つのは、大豆のサポニンという成分が原因です。
サポニンは血中コレステロール値を低下させたり、動脈硬化予防の効果を期待できる成分で体に害はありません。
大豆の中には「遺伝子組み換えした商品があるから危険なのでは?」と考えている方もいるかと思いますが、日本国内では安全性が確認されたもののみが流通しています。
遺伝子組み換え食品は危険ではない!未加熱は消化不良の恐れあり
大豆の中には遺伝子組み換えでないものと遺伝子組換えの大豆があります。
遺伝子組み換え食品は安全性が確認されたもののみ製造・輸入・販売ができる仕組みになっているので、遺伝子組み換えの大豆も危険性はなく安心して食べることができます。(※3)
健康被害の危険性があるのは、大豆を未加熱のまま食した場合です。
- 加熱をしていない大豆には「トリプシン」という消化酵素の働きを阻害する「トリプシンインヒビター」が含まれている
- 消化酵素の働きを阻害するため消化不良が起こる
食べられる大豆の見分け方や注意点が分かったところで、美味しい状態で食べられるように日持ちする保存方法と賞味期限の目安を知っておきましょう。
大豆の賞味期限の目安は?日持ちする保存方法
大豆は、蒸し大豆・水煮大豆・乾燥大豆など種類や商品によって、賞味期限が2ヶ月~2年ほどとなっています。
未開封 | 開封後 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
種類 | 常温 | 冷蔵 | 冷凍 | 常温 | 冷蔵 | 冷凍 |
蒸し 大豆 |
約1年 | ー | ー | 早めに 消費 |
約2週間 | |
水煮 大豆 |
約2~ 3ヶ月 |
|||||
乾燥 大豆 |
約1~ 2年 |
約1年 (夏場) |
ー | 約1ヶ月 (戻す) |
表の賞味期限はあくまでも目安であり、大豆はメーカーによって賞味期限が異なるため、購入時にしっかりと確認をしておきましょう。
賞味期限切れの大豆は、安心して食べられる保存期間を過ぎているため開封した大豆は食べない方が良いです。
賞味期限切れは食べられない?安全に食べられる期間の目安
賞味期限が切れた大豆は、未開封の状態で正しく保存しておけばすぐに食べられなくなるということではありません。(※4)
しかし、美味しく食べられる期限が過ぎているため、風味が劣化している可能性は高いです。
ただちに腐るわけではないとしても、メーカーも賞味期限切れの大豆を食べることはおすすめしていません。
開封した大豆は冷蔵庫や冷凍庫に入れると日持ちします。
大豆は密閉袋に入れて冷蔵庫・冷凍庫保存で日持ちする
開封した大豆はすぐに消費するなら冷蔵庫に保管し、すぐに使わない場合は冷凍庫で保管すると日持ちします。
乾燥豆は乾燥したまま冷凍保存するのではなく、かために茹でて煮豆にしてから粗熱を取り、水気を切った状態で密閉の袋に入れるようにしてください。
茹でた大豆は、蒸し大豆と水煮大豆と同様に早めに消費しましょう!
良質なたんぱく質を含む大豆を正しく保管して美味しく食べてくださいね。
詳しくはこの記事をチェック!
結論 | 大豆は腐らないように開封後は密閉袋で冷蔵か冷凍で保存しよう
- 腐るとカビが生えたり異臭がする
- 変色の原因によっては食べられる
- 種類によって賞味期限が異なる
- 賞味期限切れは食べない方が良い
- 開封後は密閉袋で冷蔵か冷凍保存
大豆は腐るとカビが生えたり異臭がするなど、明らかに食べられないと分かるような異常が発生します。
大豆は基本的に常温保存が可能ですが、夏場や開封後は密閉袋に入れて冷蔵庫や冷凍庫で保存すると日持ちしますよ。
賞味期限切れは安全のため食べない方が良いでしょう。
賞味期限が切れていなくても保存状態が悪ければ腐敗してしまうため、食べる前には見た目や状態で食べられるか判断すると安心です。
色々な料理に合う大豆を上手に保管して美味しく食べてくださいね♪