【執筆者:編集部 小林えり】
甘栗は糖質が多く、食べ過ぎると肥満や肌荒れなど、体に悪い影響がでるおそれがあります。
一方で栄養価が豊富で食物繊維を多く含むため、適量を守ればダイエットや美肌に役立つことが期待できます。
この記事では食べるときに注意したいポイントや正しい摂取量など、以下の項目をまとめました。
甘栗のこと
- 体に悪いといわれる理由
- 日本の栗との栄養価の違い
- 正しい摂取量
- 注目したい栄養素
素朴な甘さが幅広い世代に人気な甘栗について、役に立つ情報をたくさん集めたので、最後までぜひご覧くださいね♪
目次
甘栗の食べ過ぎは体に悪い│肥満や下痢の原因に
甘栗を食べ過ぎると糖質やカロリーが過剰となり、肥満やニキビの原因となります。
ほかにも下痢や便秘、またアレルギーのリスクなど、体に悪いと言われる理由がいくつかあります。
肥満 | 糖質の摂り過ぎ ※ビタミンBが不足すると 皮脂の分泌が増えニキビの原因に |
---|---|
血糖値の上昇 | |
肌荒れ | |
下痢・便秘 | 不溶性食物繊維の摂り過ぎ |
お腹が張る おならが出る |
|
高カリウム血症 | カリウムの摂り過ぎ ※腎臓に疾患がある人は注意 |
アレルギー | 体質による ※ラテックス(天然ゴム) アレルギーの人は注意 |
その名の通り甘味の強さが特徴の甘栗ですが、市販品の多くは原材料が「栗」のみで、砂糖などの甘味料は添加されていません。
しかし自然由来の成分でも健康に悪影響をおよぼすリスクがあるため、食べ過ぎには注意が必要です。
茹で栗の栄養価と比較│カロリー・糖質が高い
甘栗は中国の河北省付近で採れる栗のことで、日本で採れる栗とは品種が異なります。
日本の栗よりもカロリーや糖質、また炭水化物が豊富なため、食べ過ぎると消費しきれなかったエネルギーが脂肪となり肥満の原因になります。(※1)
栗(茹で) | 甘栗 | |
---|---|---|
カロリー | 152kcal | 207kcal |
糖質 | 30.0g | 40.2g |
タンパク質 | 3.5g | 4.9g |
炭水化物 | 36.7g | 48.5g |
炭水化物は体内に吸収されるとエネルギーの元となる「糖質」に変化するため、甘栗をご飯代わりにしても、ダイエット効果は期待できません。
また糖質の代謝にかかわるビタミンBは、皮脂のバランスを調整する役割があり、糖質が過剰になるとビタミンBが大量に使われて皮脂の分泌が盛んになります。
その結果、皮脂を栄養源とするアクネ菌が増殖しニキビとなるため、脂質が少ない甘栗でも、食べ過ぎると肌荒れをする場合があることを知っておきましょう。
また腸に良いイメージのある食物繊維ですが、糖質と同様、過剰摂取は悪影響が出るおそれがあります。
食物繊維のデメリット│便秘・お腹の張りに注意
甘栗は食物繊維が豊富で、本来なら腸内環境を整える作用がありますが、摂り過ぎると便秘やお腹の張りを悪化させる場合があります。
【食物繊維…ヒトの消化酵素で消化されない食品中の物質の総称】
水溶性食物繊維:水に溶けやすく、ゼリー状に変化して便を柔らかくする。
不溶性食物繊維:水に溶けにくく、便のカサを増やすことで腸の動きを活発にする。
消化されない食物繊維は、腸内にとどまるとガスが発生しおならの原因にもなるので、食物繊維=便秘解消の効能があると安易に考えるのは気をつけましょう。
体に悪い影響が出ないためにも、食べ過ぎに注意して適量をしっかり守ることが大切です。
適量は1日10粒程度│腎臓病やアレルギーの人は注意
甘栗の1日の摂取量に決まりはありませんが、カロリーや糖質を考えると成人は10~15粒程度、子どもは5粒程度を目安に摂取してください。
こちらの商品は皮を剥く手間も省けて、1袋食べても140kcalなので、食べ切りサイズにちょうど良いですね。
健康面に問題がない人は上記の量を目安に食べることをおすすめしますが、腎臓病の人やアレルギー体質の人は、食べる前に医師に相談しましょう。
ラテックス(天然ゴム)アレルギー:ラテックスと栗は似た成分があるため要注意。
食べ過ぎは悪い影響を及ぼす場合がありますが、適量を意識すると体に嬉しいメリットがたくさんありますよ。
甘栗の栄養素と吸収率を高めるおすすめの食べ方
甘栗はほかのナッツに比べて脂質が低く、タンパク質やミネラルを豊富に含む果物です。
鉄や食物繊維は日本の栗に比べ2倍以上含まれていて、小粒でも栄養価が高いのが特徴です。
タンパク質 | ・髪の毛や筋肉など体の基礎をつくる ・ホルモンや免疫機能を調整する |
---|---|
カリウム | 細胞の浸透圧を調整する |
鉄 | 赤血球の材料となり酸素を運ぶ |
葉酸 | 赤血球やタンパク質の生産を促す |
食物繊維 | ・腸内環境を整える ・脂質や糖質に吸着し排出を促す |
甘栗を含む「栗」の栄養成分や日持ちついては、こちらの記事も参考にしてくださいね。
詳しくはこの記事をチェック!
体質によっては注意が必要な食物繊維やカリウムですが、むくみを減らしたい人や美肌になりたい人には心強い栄養素です。
食物繊維やカリウムはダイエット・美肌の味方に
甘栗に含まれる食物繊維は、適量摂取することで便通が良くなるほか、コレステロール(脂質)やナトリウム(塩分)などの肥満のリスクとなる成分に吸着して体の外へ出す働きがあります。
善玉菌が増加するという調査結果もあり、腸内環境が改善されて体内に良い細菌が増えると、肌の状態が良くなるといわれていますよ。
また食事や間食で塩分を過剰摂取すると、体の中の塩分濃度を下げるために水分をため込み、結果としてむくみにつながります。
栗に含まれるカリウムはナトリウム(塩分)を排出する働きがあるため、普段の食事内容が気になる人は、意識して摂取しましょう!
タンパク質・ビタミンCと一緒に摂って鉄分の吸収UP
甘栗は日本の栗に比べて2倍以上の鉄分(主に非ヘム鉄)が含まれていますが、そのままでは体内に吸収されにくいため、ほかの栄養素と合わせて吸収率を上げましょう。
ヘム鉄:肉や魚など動物性食品に多く含まれる。吸収率は15~25%程度。
非ヘム鉄:緑黄色野菜や海藻類など植物性食品に多く含まれる。吸収率は2~5%程度。
非ヘム鉄は、動物性のタンパク質やビタミンCを含む食材と一緒に食べると、効果的に体内に取り込むことができます。(※5)
動物性タンパク質は赤身の肉・魚やレバーに多く含まれるので、以下の調理例を参考にしてくださいね。
- 牛肉と甘栗のおこわ:炊き込みの素×もち米で時短に!
- レバーと甘栗の甘辛煮:レバーは洗ってから牛乳に漬け込むと臭みが取れます。
- きのこと甘栗のドリア:チーズのまろやかさと栗の甘みがよく合います。
- マグロと甘栗の角煮:醤油・みりん・酒などの定番調味料に、ショウガをたっぷり加えるとおいしいですよ。
痩せるためのダイエットで食事内容が偏ると、鉄分は不足しがちになるので、間食や料理に積極的に取り入れましょう♪
結論|甘栗は適量を摂取すれば体に悪い食べ物ではない
- カロリーや糖質が過剰摂取は肥満や肌荒れの原因になる
- 不溶性食物繊維が便の量を増やす│お腹が張りやすい人は注意
- 日本の栗に比べてカリウムや鉄分、食物繊維が豊富
- 1日の摂取量目安は成人で10~15粒、子どもで5粒程度
- 非ヘム鉄は赤身の肉や牛乳と一緒に摂ると吸収率UP
甘栗は食べ過ぎると肥満や便秘の悪化につながり、体に悪い影響をおよぼす場合があるので注意しましょう。
しかし適量を守れば腸内環境が改善され、ダイエットをサポートしてくれる心強い味方になりますよ。
そのまま食べるだけではなく、甘栗特有の自然な甘さを活かして料理にもぜひ活用してくださいね♪