【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
秋になり栗が販売されているのを見るとつい購入したくなる私ですが、食べきれずに残してしまうこともしばしば…。
賞味期限などが記載されていない場合もあり、いつまで食べられるかはよくわかりません。
甘栗などの調理後の栗だけでなく、生栗となるとさらに日持ちがよくわかりません。
頂きものの栗にカビが生えてきてしまって、結局ダメにしてしまったことも…。
そこで今回は、栗の賞味期限について詳しく調べてみることにしました。
- 生栗の賞味期限や日持ちはどれくらいなのか?
- 甘栗や調理後の賞味期限はどれくらいなのか?賞味期限切れは食べられるの?
- 栗は腐るとどうなるのか?~生栗の場合・調理後の場合~
- 常温・冷蔵・冷凍の場合の保存方法とは?
正直、私は栗をそのまま常温で保存することが多いのですが、これは正しい方法なのかわかりません。
長持ちさせたい場合は、冷蔵庫がいいのかそれとも冷凍がいいのか、正しい保存方法についても解説します。
栗が腐った状態についても説明するので、食べられるかどうかも自分で判断することができるようになりますよ。
せっかくの秋の味覚である栗を無駄にしないためにも、ぜひ確認してみてくださいね。
管理栄養士・栄養士
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目次
栗の賞味期限や日持ち期間は?生栗・甘栗・調理後の栗など調査!
まずは生栗の賞味期限や日持ちについて説明します。
収穫後の生栗の日持ちは、保存方法によってだいたいこの程度だと言われています。
常温の場合 | 1週間程度 |
冷蔵庫の場合 | 1~3ヶ月程度 |
冷凍の場合 | 6ヶ月程度 |
ただし、保存状態などによってはもっと早く傷んでくる場合もありますので、これらはあくまでも目安となります。
※保存方法に関しては、後程解説します!
ただし、市販されている生栗の中には賞味期限が1~3日と短いものもあります。
賞味期限が記載されている場合は、必ずその期限を確認しましょう。
次に市販されている様々な状態の栗について、賞味期限を調べてみました。
市販の栗の賞味期限について
私は生栗よりも、甘栗などの既に加工されている栗を購入することが多いです。
あまり賞味期限を気にしたことがなかったので、だいたいどれくらいなのか、色々な市販商品について調べてみました。
栗の種類 | 賞味期限 | 保存状態 | |
焼き栗 | 紙袋の状態など | 当日~2日程度 | 常温 |
真空パック | 5日程度 | 常温 | |
甘栗(天津甘栗) | 5日~1週間程度 | 常温 ※冷凍すると1ヶ月程度 | |
二條若狭屋 ※京菓子の老舗店 |
10日程度(やき栗、ふく栗) | 常温(冷暗所) | |
渋皮煮 | 真空パック | 120日 | 常温 |
瓶詰 | 3年程度 | 常温 | |
甘露煮 | 瓶詰 | 2年程度 | 常温 |
缶詰 | 3年程度 | 常温 |
調べた範囲での賞味期限を記していますが、当然商品によって賞味期限は異なりますので、あくまでも参考としてみてください。
市販品の場合は、真空パックや瓶・缶詰になると賞味期限が長くなるようですね。
それでは自分で調理した場合の日持ちはどうなのでしょうか?
栗の調理後の日持ちについて
生栗を自分で調理した場合はどれくらい日持ちするのか調べてみました。
よくある栗の調理方法ごとにまとめてあります。
栗の種類 | 常温の場合 | 冷蔵庫の場合 | 冷凍の場合 |
茹でた栗 | × (常温保存不可) | 3日程度 | 1ヶ月程度 |
栗きんとん | △ (10℃以下で2~3日) | 5日程度 | 1ヶ月程度 |
渋皮煮 | △ (数日程度なので向かない) | 1週間程度 | 1ヶ月程度 |
甘露煮 | 1週間程度 | 2週間程度 | 1~3ヶ月程度 |
茹でただけの場合だと常温保存はできず、冷蔵だと3日程度の日持ちです。
栗きんとんや甘露煮など、味付けをした場合は少し長持ちします。
手作りの場合は、レシピや保存方法にも日持ちが変わってきます。
例えば甘めに作るとより日持ちしたり、渋皮煮や甘露煮を煮沸真空状態で保存すると、常温でも1年程度持つこともあるようです。
実際に食べても大丈夫かは、後程紹介する腐っているかどうかの目安を参考に判断してみてくださいね。
さて、栗の賞味期限や日持ちが分かったところで、賞味期限が切れてしまったらどうなのか気になりませんか?
続いて、賞味期限切れの場合について解説してきます。
栗が賞味期限切れになった!いつまでなら食べられるの?
瓶詰や真空パックなど賞味期限が長いものは、つい期限が切れてしまう事もありますよね。
そのような賞味期限切れの場合は、食べても大丈夫なのでしょうか?
そもそも賞味期限とはどのような期限なのか詳しくまとめてみました。
賞味期限とは
- 美味しく食べられる期限
- 余裕を持って期限が設定されている
- 比較的日持ちする食品
このように賞味期限とは美味しく食べられる期限なので、期限が切れたといってすぐに食べられなくなるわけではありません。
また期限自体も余裕を持って設定されてるため、一般的には賞味期限の1.2倍程度であれば食べられると言われています。
この考えを利用すると、もともとの賞味期限の長さによって、期限切れから食べられる期間も変わってきますね。
賞味期限が短い生栗の場合は、期限切れからあまり猶予はありません。
一方、もともと保存食として作られている甘露煮などは、賞味期限切れから数ヶ月持つ場合もあるようです。
賞味期限が10日の場合
10日×1.2=12日 → 期限切れから2日程度
賞味期限が2年の場合
2年(730日)×1.2=876日 → 期限切れから146日程度
しかし、このように製造日や賞味期限の期間が分かっていれば計算できますが、賞味期限しかわからない場合も多いです
どれくらいまで食べても大丈夫か明言することは難しいので、あまりにも長く賞味期限が切れたものは食べないようにしましょう。
食べる場合は傷んでいないか充分に確認した上で、自己判断でお願いします。
また、期限が「消費期限」の場合は、要注意です。
消費期限とは、「安全に食べられる期限」のことなので、期限が切れたら食べない方が良いです。
それでは、賞味期限切れの場合でも食べられるか判断するために、腐るとどうなるのか、食べられない状態について説明します!
栗は腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方や目安がコレ!
栗は腐るとどうなのか、見分け方をご紹介します。
まずは生栗が腐った場合(傷んでいる場合)の判断目安はこの通りです。
生栗が腐っている(傷んでいる)場合
- カビが生えている
- 虫に食われている
- 異臭がする
- 水に入れた時に浮かんでくる
カビが生えていたり、虫に食われた穴が空いている場合などは傷んでいることが多いです。
水に浮かんでしまう場合は、虫に食われていたり実が未熟だったりするのであまり食べない方が良いでしょう。
腐るというより、虫に食われて食べられなくなるということも多いですね。
しかしカビの場合、多少なら食べられることもあります。
もっと詳しく知りたい場合はこちらの記事から確認してみてください。
生栗だけではなく、調理後の栗が腐るとどうなるかも知りたいですよね。
続いて、甘栗や甘露煮などが腐った場合も説明します。
甘栗や甘露煮などが腐っている場合
- カビが生えている
- 糸を引いている
- 変色している
- シロップが白く濁ったり気泡が出ている
- 酸っぱい臭いがする
- 味に違和感がある
カビや色などの見た目の変化はもちろん、味や臭いに違和感があれば食べてはいけません。
甘露煮や渋皮煮などシロップがある場合は、シロップの変化も重要な判断目安になります。
特に、常温保存や夏の季節などは腐る速度が速いので注意しましょう。
日持ちさせたい場合は、常温ではなく冷蔵庫や冷凍を利用するのが良いのですが、甘栗は冷蔵保存は向きません。
固くなってしまって食べられなくなる場合もあるので、長持ちさせたい場合は冷凍がおすすめです。
それでは最後に、そのように保存すると良いのか、正しい保存方法を解説します。
栗の正しい保存方法とは?常温・冷蔵・冷凍で保存する際の注意点
栗はすぐに食べきることができるなら、常温保存でも大丈夫です。
先ほどご紹介したように、甘栗の場合は冷蔵よりも常温で保存した方が良いです。
しかし、一番おすすめする保存方法は冷蔵庫での保存です。
なぜなら栗は0℃の環境で数日置くと寒さから身を守るため、甘味が増すと言われているからです。
さらに長持ちさせたいのであれば、冷凍するという方法があります。
常温・冷蔵・冷凍の場合について、詳しく保存方法や注意点などを説明していきます。
常温で保存する場合
栗は常温でも保存できますが、乾燥しやすく、虫に食われやすくなるので対策が必要です。
2通りの保存方法をご紹介します。
常温保存の方法
- 1~2%の塩水に、洗った栗を入れ冷暗所で保存(水は毎日取り換える)
- 皮付きのまま新聞紙で包んで冷暗所で保存
水の中で保存すると乾燥や虫を防ぐことができますが、水分が多いと当然カビも発生しやすく、長持ちはしません。
ですので、特別な理由がない限りは冷蔵庫での保存をおすすめします。
甘栗の場合は、紙袋などからジップロックなどの密閉袋に入れて保存すると、乾燥で固くなるのを防いでくれますよ!
そのほかの調理済みの栗は、冷蔵庫や冷凍で保存するようにしましょう。
冷蔵庫で保存する場合
先ほどご紹介したように、栗は0℃の環境だと甘味を増すので、冷蔵庫での保存が一番おすすめです。
ただし、茹でてしまうと糖度が上がらなくなるので注意してください(蒸す場合も同様です)。
保存方法はだいたい常温保存と同じく、新聞紙で包むか塩水に入れて冷蔵庫で保存します。
生栗の丁寧な方法はこの通りです。
生栗の冷蔵庫保存の方法
- 1~2%の塩水に一晩浸ける
- 天日干しで水分を抜いて乾燥させる
- 新聞紙で包み、穴のあいたビニール袋に入れる
- 冷蔵庫のチルド室で保存する
冷蔵庫保存の場合もお水は毎日取り換えるようにしましょう。
生栗の場合は呼吸していますので、ビニール袋に穴をあけておきましょうね。
茹で栗や蒸し栗の場合は、タッパーやジップロックなどに入れて保存しましょう。
甘露煮や渋皮煮を保存する場合は、煮沸消毒した瓶で冷蔵庫か冷凍庫に保存すると良いですよ!
それでは最後は、冷凍保存の方法をご紹介します。
冷凍で保存する場合
栗を冷凍すると、とても日持ちします。
ひと手間掛けて、冷蔵庫で数日置いて糖度を上げてから冷凍すると、美味しい状態で保存することができますよ!
生栗、茹で栗、むき栗、皮付きと色々な状態で冷凍することができるので、その後の調理方法に合わせて保存しましょう。
保存する時はフリーザーバックに入れて保存します。
特にむき栗は冷蔵庫だと日持ちしないので、冷凍するのがおすすめです。
その場合、砂糖を振りかけておくと冷凍焼けを防ぐことができますよ。
楽に皮を剥く方法とは?
鬼皮や渋皮を剥く下処理は結構大変ですよね。
簡単に皮を剥く方法をいくつか紹介します。
- 水に半日~1日浸けておく
- 1分茹でたあと、30分熱湯の中に浸けておく
- 一度茹でてから冷凍し、解凍して剥く
そのまま食べたい時は茹でたのを皮付きのまま冷凍、料理に使いたい時はむき栗を冷凍、という具合に使い分けてみてはいかがでしょうか。
まとめ
栗の賞味期限や日持ちについて、詳しく解説してきました。
ポイントをまとめます。
- 生栗の日持ちは、常温で1週間、冷蔵で1~3ヶ月、冷凍で6ヶ月程度
- 市販の栗の賞味期限や、調理後の栗の日持ちはまちまち
- 栗は腐るとカビが生えたり、異臭がしたりする
- 栗は冷蔵庫で保存すると甘味が増す
- 常温や冷蔵庫で保存する場合は、新聞紙に包んだり水に浸けたりする
- 冷蔵庫で保存する場合は、チルド室が良い
- 栗は皮付き、むき栗、茹で栗など色々な状態で冷凍できる
栗は冷蔵庫で保存すると甘くなるんですね!
個人的には冷蔵庫で少し寝かせたあと、皮付きのまま冷凍しておくのがいいなと思いました。
なぜなら皮を剥くのがとても苦手なので…。
一度冷凍すると皮を剥きやすくなるのは知りませんでした!
今度実践してみようと思います。
皆さんは新しい発見はあったでしょうか?
保存方法などを工夫して、美味しく無駄なく秋の味覚である栗を味わってみてくださいね。