【執筆者:編集部 井上ゆうこ】
ビーフジャーキーの食べ過ぎが体に悪いのは、塩分の摂りすぎで生活習慣病のリスクが高まることがあるからです。
添加物の害が問題にされることもありますが、法律が定めた使用基準を守っているので、過剰に心配する必要はありません。
一方で、不足しがちな栄養素を豊富に含んでいて、食べ方によってはダイエットにも向く健康的なおつまみや間食になりますよ。
この記事では、ビーフジャーキーを食べるときの注意点や食べ方の工夫を紹介します。
ビーフジャーキーのこと
- 体に悪いと言われる理由
- 食べるときの注意点
- 栄養面で期待できること
- デメリットをカバーする食べ方
ビーフジャーキーが好きだけど、「太るのでは?」と心配している人にも役立つ情報なので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
ビーフジャーキーが体に悪い原因は塩分|添加物の危険性は低い
ビーフジャーキーの食べ過ぎは塩分過剰となり、生活習慣病をはじめとして体に悪影響を及ぼす可能性があります。(※1)
のどの渇き むくみ 血圧上昇 生活習慣病 |
食塩の摂りすぎ |
---|---|
添加物の発がん性 | 亜硝酸ナトリウム (基本的に問題なし) |
肉加工品の発色剤として使われる添加物、亜硝酸ナトリウムに発がん性があると心配する人もいますが、現段階で亜硝酸ナトリウムと発がんリスクの関連は認められていないようです。(※2)
一日摂取許容量
各食品添加物ごとに科学的データに基づいて設定される、人が生涯にわたって毎日摂り続けても健康に問題ないとされる1日当たりの摂取量。単位は「mg/kg体重/日」。
おつまみやおやつに人気のビーフジャーキーですが、どのくらいの塩分が含まれているのでしょうか。
食べるなら適量を|他のおつまみ・おやつとの塩分量の比較
ビーフジャーキーを含む肉加工品は、塩分の多い食品なので食べ過ぎには注意が必要です。
ビーフジャーキーを含めた市販のおつまみ・おやつの食べきりサイズで、含まれる塩分を比較してみました。
食品例 | 食塩相当量 |
---|---|
なとり ジャストパック ビーフジャーキー 1袋(10g) |
0.5g |
カルビー じゃがりこ サラダ 1カップ(57g) |
0.8g |
亀田の柿の種 6袋詰 1袋(32g) |
0.41g |
なとり チータラ 1袋(24g) |
0.7g |
おつまみやスナック系のおやつは塩辛いことが多いので、ビーフジャーキーだけが極端に塩分が多いとはいえないようですね。
- 成人男性:7.5グラム未満
- 成人女性:6.5グラム未満
1日あたりの塩分摂取目標量に照らし合わせると、1日10g程度のビーフジャーキーを食べるなら問題なさそうです。
しかし、100gも食べてしまうと食塩相当量は5.0gとなり、1日の塩分摂取目標値の大部分を占めてしまいますね。
なとりのジャストパックは10gの少量パックなので、食べ過ぎ防止におすすめです。
最初から減塩タイプを選ぶのも手です。
ビーフジャーキーで有名なテングの減塩タイプは、通常に比べて食塩相当量を50%カットしています。
量を抑えるのは大前提ですが、塩分過多の体への悪影響を和らげると考えられている食べ合わせもあります。
摂り過ぎた塩分を排出しやすい食べ合わせ
ビーフジャーキーを食べる際は、塩分過多にならない量に留めた上で、野菜と組み合わせると塩分の排出を促せるかもしれません。
塩分過多 | ・適量を守る ・カリウムが多い野菜と一緒に摂る |
---|
野菜に含まれるカリウムには、余分な塩分を体の外に出す働きが期待できます。
- ほうれん草
- 焼き芋
- アボカド
- にら
- ジャガイモ
- トマト
野菜は食品なので、医薬品のように効果・効能が約束されるわけではありません。過信せずに、食べ過ぎないことが塩分取り過ぎ防止の基本ということを忘れないでくださいね。
適量を食べるなら、ビーフジャーキーはダイエット中や筋トレ中の人にもうれしい栄養素が含まれる食品です。
ビーフジャーキーは低カロリー・高タンパク|肉の部位がポイント
ビーフジャーキーは牛肉を乾燥させて作られるので、栄養素がギュッと濃縮されており、特にタンパク源としては優秀です。
ビーフジャーキーは、一般的に脂肪が少ない牛モモの赤身を原料に作られます。
一例としてポテトチップスを比較すると、低カロリー・高タンパク・低脂質・低糖質ということが分かります。
ビーフジャーキー | ポテトチップス | |
カロリー | 304kcal | 541kcal |
タンパク質 | 54.8g | 4.7g |
脂質 | 7.8g | 35.2g |
炭水化物 | 6.4g | 54.7g |
糖質と炭水化物の関係
炭水化物=当該食品の質量 - (タンパク質+脂質+灰分※+水分)
糖質=炭水化物ー食物繊維
※食品を550~600℃で灰化して有機物・水分を除いた残留物。ミネラル分と相関がある。
また、牛肉のタンパク質には、人間が体内で合成できない9種類の必須アミノ酸が全てバランスよく含まれています。
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タンパク質だけではなく、牛もも肉は不足しがちな鉄分も豊富な食品です。
間食に取り入れて不足しがちな鉄分を補給
ビーフジャーキーの原料である牛もも肉は鉄分が豊富なので、適正量を守れば鉄分が不足しやすい女性におすすめです。
1日の摂取推奨 (※4) |
1日の摂取量 (※5) |
1日の不足量 (概算) |
|
---|---|---|---|
男性 | 7.5mg (18〜49歳) |
7.2mg (30〜39歳) |
0.3mg |
女性 | 10.5mg (18〜49歳/月経あり) |
6.4mg (30〜39歳) |
4.1mg |
食べきりサイズのビーフジャーキー10g中には、0.6mgの鉄が含まれています。
鉄分不足が気になる人は、間食をスイーツやスナック菓子からビーフジャーキーに置き換えてみてはいかがでしょう。
栄養面以外にも、ビーフジャーキーはダイエットにおすすめできるメリットがあります。
すぐ飲み込めない固さが食べ過ぎ防止に
ビーフジャーキーの噛みごたえのある食感は満腹感を増し、食べ過ぎを防いでくれる可能性があります。
1. よく噛むことで咀嚼中枢から「神経ヒスタミン」が分泌
2. 神経ヒスタミンが満腹中枢を刺激
3. 満腹感を感じる
原料や製法によってビーフジャーキーの固さはさまざまですが、太らないために食欲を抑えたいなら固めの商品を選ぶのがおすすめです。
結論|適量のビーフジャーキーは栄養豊富で体に悪いわけではない
- 塩分が多いので食べるのは少量に
- 発色剤の悪影響は誤解
- 低カロリー・高タンパクなのでダイエットや筋トレ向き
- 鉄分不足が気になる人にも
- よく噛むので食欲を抑えやすい
ビーフジャーキーは、牛肉の栄養を手軽に摂れる便利な食べ物です。
ダイエット中や筋トレ後のリカバリー、鉄分不足が気になる人にもおすすめなので、塩分過剰にならないよう適量を守って活用してください。