【執筆者:編集部 小林えり】
手作りの琥珀糖は乾燥方法や場所が適切でないと、結晶化する前にカビが発生することがあります。
また寒天がしっかり溶けなかった場合も、固まらずに失敗する原因となるため注意が必要です。
この記事ではしっかりと乾燥させるコツや、固まらない場合の対処法をご紹介していきます。
琥珀糖のこと
- カビの見分け方
- カビが発生する原因
- 失敗しない乾燥方法
- 固まらないときの対処法
市販の琥珀糖のカビを防ぐ保存場所や、乾かす時間を短縮する方法を知りたい人にも参考になる記事なので、最後までぜひ読んでくださいね。
目次
琥珀糖にカビが生える原因と見分け方
琥珀糖にカビのようなものがあらわれた場合、食べても問題がないものと食べない方が良いものがあります。
状態 | 原因 | |
---|---|---|
食べられる | 表面が白っぽい (触ると乾燥している) |
食品の成分 |
食べられない | 斑点状orフワフワした 白・黒・緑のもの |
カビ |
部分的に黒っぽい変色 | ||
不快臭 |
表面のカリカリとした白っぽいものは砂糖が結晶化したもので、カビではないため食べても問題ありません。
しかし市販品を長期間保存しているときや、手作りの琥珀糖を結晶化させている途中にいつもと違う変化があらわれたときは、カビの可能性があるため注意が必要です。
食中毒の危険性は低いがカビが生えたら処分しよう
作っている最中や保存中にカビが生えた場合は食べずに処分しましょう。
先週作った琥珀糖、
ちょっとは乾燥したけど
カビ生えてきた(´Д` )
高温多湿な夏に作るもんでは
なかったなぁ〜。
ダメだ、明日燃えるゴミの日だから
捨てる。 pic.twitter.com/eoqr7BpU7N— 紀乃 (@kino_7273) July 22, 2018
写真だとやや分かりづらいですが、断面に黒色の斑点状のカビが発生しているのがみえます。
気づかずに少量食べた程度であれば、食中毒をおこす危険性は低いですが、多量に摂取すると安全とは言い切れません。
また怖いのはカビ自体だけではなく、毒性が強いカビ毒を発生している恐れがあるため、目に見えるカビだけ取り除いて食べるのはやめましょう。(※1)
琥珀糖は水・寒天・砂糖・着色料のシンプルな材料で作ることのできる和菓子ですが、材料の特性を把握していないと、失敗することがあります。
カビ・固まらない原因│分量や乾かし方に注意
手作りの琥珀糖は、固まらない・結晶化する前にカビが生えるといった失敗例が多くみられます。
失敗例 | 原因 |
---|---|
ゼリー状に固まらず ベタベタ ドロドロする |
寒天が溶けていない 沸騰して煮詰める時間が短い |
100%の果汁を使用した 寒天は酸に弱く固まりにくくなる |
|
ジャリジャリした 食感になる |
・砂糖を入れたあと長時間煮詰めた ・しっかりとかき混ぜ過ぎた 早い段階で砂糖が結晶化する |
乾燥して 結晶化させる前に カビが生える |
砂糖の量が少ない 防腐効果が下がり微生物が繁殖 |
水分量が多い 乾燥に時間がかかり微生物が繁殖 |
|
・風通しが悪い場所で乾燥 ・埃防止にラップをかけた 温度や湿度が高い状態になる |
寒天が完全に溶けないと写真のように固まらないため、沸騰後は1~2分かけて煮溶かしてください。
琥珀糖、固まらずにベチョっとなってしまった😇
煮詰めが足りなかったかなぁ🤔
さて、ここから乾燥して固まるか、カビが生えるか勝負だ! pic.twitter.com/9IE2pc1MGU— めぐみ (@megumi_hemo) May 30, 2021
寒天がしっかり溶け切ると常温(30~40℃)で固まりますが、冷蔵庫に入れてもベタベタ・ドロドロして固まらない場合は、再度火にかけて寒天を足しましょう。
糸寒天を使うと、透明感のある美しい琥珀糖に仕上がります。
また温度・湿度が高くなる梅雨や夏場は乾燥しにくく、水分を含んだ状態が長くなるためカビや細菌などの微生物が増殖しやすくなります。(※2)
乾燥するときは場所や乾かし方を工夫して、なるべく短時間で結晶化させることがポイントです。
砂糖とカビの関係については、こちらの記事を参考にしてくださいね。
詳しくはこの記事をチェック!
固まった寒天にカビを生やさないためにも、正しい乾燥方法を知っておきましょう!
失敗しない乾かし方│湿気が発生するラップはNG
琥珀糖を自然乾燥する場合、風通しが良く、湿度が低い場所を選びましょう。
天気が良い日はこのような干し網に入れて、直射日光が当たらないベランダや窓際に吊るしておくと早く乾きます。
琥珀糖乾燥用に干し網を買いました。DAISOで150円。効果はどうかなー。 pic.twitter.com/LCCFb4Um2H
— 麻里子 (@malicoa) December 20, 2016
埃防止にラップをかけると、水分が蒸発せずカビが発生する原因になるのでやめましょう。
また梅雨時や天候が不安定なときは、電子レンジの発酵機能が便利という情報もあります。
初めて琥珀糖作ってる😊
粉寒天、砂糖、水を何回かレンジで加熱して糸引くまでとろみが出たら冷蔵庫で固めてちぎって、オーブンの発酵機能(40℃)で90分あたためた後で適当に扇風機の風に当てて乾燥させてる。
1日目で既に表面がところどころ結晶化してパリパリしてる。思ったよりすぐ出来そう✨— 藍野ゆうみ (@yumi_oblzlqql) November 17, 2021
35~40℃の温度設定で90分間加熱を複数回繰り替えすと、1日程度で乾燥するようです。
しかし薄氷が張ったようなきれいな結晶にはならないというデメリットもあるようなので、見た目よりも早く乾かすことが重要という人におすすめな方法です。
せっかく完成した琥珀糖をできるだけ長く味わうためには、衛生面に注意して保存しましょう。
琥珀糖のカビを防止する保存法│冷蔵庫・冷凍庫NG
琥珀糖は市販品・手作りにかかわらず、基本的に常温で保存しましょう。
市販品 | 未開封 | 直射日光、高温多湿を避け 常温保存で1ヶ月~1ヶ月半 (記載の賞味期限通り) |
---|---|---|
開封後 | ・しっかり密閉して常温保存 ・冷蔵庫or冷凍庫での保存はNG (温度変化でカビが発生するため) |
|
手作り | ・直射日光、高温多湿を避け 常温保存で1~2週間以内 ・乾燥剤と一緒に密閉容器で保存 |
寒天は70℃以上にならないと溶けないため、冷蔵庫で保存する必要はありません。
手作りの場合は、瓶やチャック付きの密閉保存袋に入れて、なるべく早めに食べ切りましょう。
乾燥剤があれば容器と一緒にいれると、余分な水分を吸湿してカビの発生を抑制できますよ。
ベタベタして結晶化しない琥珀糖の対処法
表面がベタベタしてなかなか結晶化しない場合は、カビが発生する前に対処しましょう。
方法2:表面が湿った状態で、グラニュー糖をまぶす。
冷蔵庫で寒天を固めてから室温で乾燥させると、温度差で表面に水滴がつくことがあるので、その場合はキッチンペーパーで軽く拭き取りましょう。
また数日間乾燥させてもうまくいかない場合は、衛生面を考えて自然に結晶化するのは諦めましょう。
グラニュー糖をまぶすことで見た目も美しくなり、シャリシャリと歯触りの良い食感が楽しめますよ♪
結論|手作りの琥珀糖はしっかり乾燥させてカビの発生を防ごう
- 表面の乾燥した白い膜はカビではなく砂糖の結晶
- 市販品・手作りともに常温保存!冷蔵庫は結露するためNG
- 水分量が多い・乾燥場所の湿度が高いとカビが発生する
- 扇風機や電子レンジを使うと乾燥のスピードがUP
- 固まらず失敗した場合はグラニュー糖でコーティング
琥珀糖を手作りする場合は、なるべく短時間で乾燥させてカビの発生を防止しましょう。
そのためには寒天を分量通りに作りしっかり固め、風通しの良い場所を選ぶことが重要です。
季節や天候に合わせて、状況に応じて扇風機や電子レンジを使って、衛生的に乾燥してください。
また市販品・手作りともに、直射日光・高温多湿を避けた常温で保存しましょう。
失敗しないためにも、手順や乾燥場所をしっかり確認してから作ってみてくださいね♪