【執筆者:編集部 井上ゆうこ】
一部の長期保存できる充填豆腐を除いて、賞味期限切れ10日後の豆腐は安全性に問題が生じている可能性が高いので、食べるのは危険です。
大幅に期限を過ぎている、期限内でも開封後や保存状態が悪かった場合、見た目や臭いで分からなくても食中毒菌が増殖していることがあるので、十分注意しましょう。
この記事では、豆腐をおいしく安全に食べるための情報を、次の項目に沿って紹介します。
豆腐のこと
- 未開封での種類別日持ち期間
- 期限切れ後食べられる日数の目安
- 腐るとどうなるか
- 日持ちを延ばす保存方法
冷蔵庫で期限切れの豆腐を見つけて「食べたらあたるかも?」と迷っている人には役立つ内容なので、ぜひ参考にしてください。
目次
賞味期限切れ10日後の豆腐は安全性に問題あり|種類ごとの日持ち
消費期限ではなく賞味期限が設定されている豆腐であれば、期限切れ後数日は食べられる可能性がありますが、10日も経ったら安全性に問題がある場合がほとんどです。
期限切れ後何日食べられるかの目安は、設定されている賞味期限によって異なります。
豆腐の種類 | 製造日からの日持ち期間 | |
---|---|---|
メーカー品 | 絹ごし 木綿 |
10日〜2週間程度 |
充填 (要冷蔵) |
20日〜1ヶ月程度 | |
充填 (常温可) |
5〜7ヶ月程度 | |
豆腐屋(手作りタイプ) | 当日中が多い |
焼き豆腐の分類
焼き豆腐は、表面に焼き目をつけた木綿豆腐のことで、「豆腐加工品」に分類されます。 味がしみやすいため、すき焼き・煮物・田楽などにおすすめです。
衛生管理された工場で製造されるのメーカー品は、比較的日持ちする食品に表示される賞味期限が設定されています。
賞味期限と消費期限(※1)
賞味期限:傷みにくい食品に表示される「おいしく食べられる」期限
消費期限:傷みやすい食品に表示される「安全に食べられる」期限
絹ごし・木綿豆腐は完成後にカットし、水さらして包装しますが、充填豆腐は原料を容器に密閉した状態で加熱して固めます。容器内が加熱殺菌されるため、雑菌が繁殖しにくく日持ちが長いのです。
さらに、原料・製法・包装などを工夫して常温保存可能な充填豆腐も登場しているので、災害に備えてストックしておくのもおすすめです。
賞味期限が設定されている食品は、未開封で指定された保存方法を守っていれば、期限が過ぎた直後に食べられないというわけではありません。
期限切れ後、いつまで食べても大丈夫かを推測する方法があります。
賞味期限切れ後食べられる日数を推測する方法
製造日から賞味期限までの日数と安全係数を使うと、期限後何日くらい食べられそうか見積もることができます。
安全係数には0.8が使われることが多いので、期限切れ後も食べられる日数は次の式で推測できます。
【製造日からの賞味期限÷0.8】(最大の日持ち期間)−【製造日からの賞味期限】
例えば、製造日より10日の賞味期限であれば「10÷0.8−10=2.5」となります。
よって、期限切れ後も2日程度は食べられると予想できるのです。
豆腐の種類別に、期限が過ぎても食べられる可能性がある日数を計算してみました。
製造日からの 賞味期限例 |
計算上の期限切れ後 食べられる日数 |
---|---|
絹ごし・木綿 10日 |
2.5日 |
要冷蔵の充填 20日 |
5日 |
常温保存可の充填 5ヶ月(150日) |
37.5日 |
スーパーで多く出回っている絹ごし・木綿豆腐や要冷蔵の充填豆腐は、期限切れ後数日程度は食べられる可能性がありますが、10日も経ったら食べるのはやめた方が良さそうですね。
期限切れの豆腐が食べられる状態かどうかを判断するために、傷んだらどうなるのかも知っておきましょう。
腐るとどうなるか|加熱で防げない食中毒も
傷んだ豆腐は見た目や臭いが変化し、食べると食中毒を起こす危険性もあります。
見た目 変色 |
・黄色い変色 ・水の濁り ・容器が膨張 (豆腐の発酵によるガス) ・カビが生えている |
---|---|
臭い 匂い におい |
・酸っぱい臭い ・腐敗臭 |
味 食感 触感など |
・酸味や苦味 ・水や豆腐表面の粘り ・簡単に崩れる |
設定された賞味期限が分かりませんが、期限切れ2週間後の豆腐に異変を感じた人もいるようです。
賞味期限2週間過ぎてしまった密閉タイプの絹ごし豆腐は食中毒起こしそうな香りがした
— 米 (@rice_avenue) July 22, 2019
いつもの豆腐に比べて少しでも違和感があったり、食べられるのか判断に自信がなかったりする場合は、食べずに処分しましょう。
詳しくはこの記事をチェック!
食中毒の症状は何時間後に出る?(※3)
食中毒の症状が現れるまでの時間は原因菌によって異なり、短いと原因食品を食べた直後、長いと1週間以上かかることもあります。
多くの細菌やウィルスは加熱によって死滅するので、加熱調理は食中毒予防の手段ですが、中には熱に強い食中毒菌もいます。(※4)
加熱しても食中毒を防げない場合もあるので、安全に食べるには正しく保存して菌を増やさないことも大切です。
豆腐の正しい保存方法|賞味期限切れが近い場合は
豆腐は基本的に冷蔵保存で、日持ちを延ばしたいなら冷凍も可能ですが、解凍後は食べ方にコツがあります。
未開封 | 開封後 | |
---|---|---|
常温 | 不可 (常温保存可の 充填豆腐のみOK) |
不可 |
冷蔵 | 吹き出し口を避ける | ・水に浸す ・水は毎日取り替える |
冷凍 | 容器のまま保存袋 | ・カットして水気を切る ・密閉容器に重ねず 入れて冷凍 ・凍ったら保存袋 |
冷凍すると3週間〜1ヶ月程度日持ちするので、賞味期限切れ間近で食べ切れない場合におすすめですが、解凍後の食べ方にはコツがあります。
冷凍保存した場合の食べ方のコツ
豆腐を冷凍・解凍するとなめらかな柔らかさが失われ、弾力のあるしっかりとした食感に変化します。
冷奴や湯豆腐として食べるには無理があるので、変化した食感を活かすか、食感が気にならない料理に使うかのどちらかがいいですね。
食べる時は、自然解凍か電子レンジで解凍します。
自然解凍 | 冷蔵庫で数時間〜半日 |
---|---|
電子レンジ | 100gあたり500Wで90秒 |
※解凍後は、水分をよく絞ってから 調理に使ってください。 |
食感を活かすなら、お肉代わりに使うのがおすすめです。
ひき肉のかさ増しやつぶす使い方なら、変化した食感も気になりません。
- ハンバーグや餃子のタネに混ぜてかさ増し
- ドライカレー(解凍後手で細かくつぶしてひき肉と同じように使う)
ダイエットや健康などのためにお肉を控えたい人はあえて冷凍して活用すると、ヘルシーな食事になりそうですね。
結論|ほとんどの豆腐は賞味期限切れ10日経ったら食べるのは危険
- 種類によらず開封後は日持ちしないのでお早めに
- 期限切れ10日後は食べられない商品がほとんど
- 一部の充填豆腐のみ期限後10日経っても食べられる可能性あり
- 熱に強い食中毒菌もいるので加熱を過信しない
- 冷凍・解凍後は食感をなくすか生かすかで活用しよう
大部分の豆腐は、賞味期限切れ10日後は安全面から食べない方がいいでしょう。
食べ切れない豆腐は冷凍保存で日持ちを延ばして、変化した食感を楽しんでください。
常温で長期保存可能な商品もあるので、忙しくて買い物にいけない人や、災害時の備蓄におすすめですよ。